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《真選組side》
――――ザアァァ
龍「嫌な雨だな〜、、、。」
自室で、書類整理をしている者が一人。
土方から『鬼道丸の死』が報告された。
沖田はすぐに万事屋へ行った、多分銀時に伝えに行くんだろう。
土方もその後を追った、なんやかんや文句を言いながらも、部下想い・仲間想いの彼のことだ。止めるか…、何かしてくるんだろう。
龍「さて……と、私はどう動きましょうかね…。」
――――ダッダッダッダッダッダダダダ……
龍「??」
随分と外が騒がしい。
何かあったのだろうかと、龍菜が腰を上げると、
山崎「龍菜殿!!」
突然襖が開き、監察方の山崎が立っていた。
龍「山崎さん?どうかしましたか??」
山「あのっ!ちょっと、手を貸していただけないでしょうか!?俺ら男手だけじゃ、どうにもならなくて…。沖田隊長もいないし、局長も困っていて…。」
沖田がいなくて困ること。
局長ではどうにもならないこと。
龍「……来ましたか、、、。」
山「えっ??」
龍「いえ…何でもありませんよ。それで、どこに行けば良いですか??」
山「あっ、はいっ!!」
「「「「「会わせてよぉ!!」」」」」
「ここの人が、いつでも助けてくれるって言ったんだ〜!」
男くさい屯所の前で、高い声で泣きわめく子供たち。
それを困ったように慰めている男たち。
近藤「ボク達、誰に会わせて欲しいのかな?」
「名前、わかんないだよぉ…。」
「名刺落としちゃったんだぁ〜。」
「でも、“真選組”って書いてあったんだよぉ〜!!」
優しい局長だからこそ、こういうのは放っておけないが、生憎、子どもに好かれる沖田がいない。
それに、
「「「お姉ちゃんに会わせてよぉ!!」」」
お姉ちゃんと言われてしまうと、余計に困ってしまう。
ここは女禁制である、女など……
近「あっ、、、女って……。」
龍「大丈夫ですか?近藤さん。」
いた。1人だけ。
もしかして…、いや、もしかしなくても『お姉ちゃん』というのは…
「お姉ちゃん!!」
「「あの時の姉ちゃんだ!!」」
龍「やっぱり君たちでしたか…。」
私服である黒い着流しに傘をさす姿、そして今日は長い髪を下ろしており……、更に品のある姿で、隊士たちは、見惚れてしまった。
そんな隊士たちの横を通り過ぎ、さしていた傘を子供たちにむけた。
龍「お兄ちゃんに、外に出てはいけないと言われませんでしたか?」
「みんな、“万事屋”ってところに行ったんだ!」
「僕らは、こっちに行くことになったんだ!」
龍「そうですか…。」
隊士たちは全員、訳が分からないという顔をしている。自分たちの上司と知り合いというだけでも、充分混乱しているのに、“万事屋”とまで知り合いなのだ。その二つが、隊士たちを更に混乱させていた。
近「龍菜殿、とりあえず中に入りませんか?子供たちもそうですが、このままだと龍菜殿まで風邪をこじらせかねませんから。」
龍「……ありがとうございます、近藤さん。」
少し間があったのは、中に入るというのは子供たちのことを説明しなくてはいけないということだからだろう。
それでも、それを見越した上で……、混乱している中、全員を中に入れるこの男は、やはり局長なのだ、と隊士たちは感じる。
近「それで……、どういう事なのでしょうか?」
子供たちの世話を他の隊士たちに任せ、近藤と龍菜は座っていた。
龍「もう、何も隠せそうにありませんね。全てお話しますが……、」
そう言って、龍菜は近藤を改めて見た。
龍「ここから先のこと、私と一緒に責任を被る覚悟はありますか?」
近「………………、そりゃあ、腐っても警察ですから。」
龍菜は話した。
地下闘技場こと、賭け試合のこと、鬼道丸のこと、天導衆のこと。
もちろん、沖田と土方が既に関わっていること、それに万事屋まで巻き込んでること、すべて話した。
近「つまり…、あの子供たちは、その鬼道丸とやらの預かり子といったところですか。」
龍「そういう事ですね、先ほど子供たちが『万事屋に行った』と言っていましたから、そちらの方が動き出すのは時間の問題でしょう…。」
話終わると同時に、龍菜は立ち上がった。
近「龍菜…殿??」
龍「私はこれから、援護に向かいます。近藤さんはこちらで子供たちをお願いします。万事屋の方にもいると思うので、そちらもお願いできると…、「俺も行きますよ。」……!?」
龍菜が言い終える前に、近藤は言った。
近「ここまで聞いたんです、俺も最後まで共犯になりますよ。また、責任をあなただけに負わせるわけにはいかないですから。」
龍「しかしっ……、、、」
近「ザキーっ!万事屋のところの子供たち迎えに行ってやってくれ!」
山「わかりましたっっ!!」
近「腐っても警察、腐っても局長ですから。飛ばされる時は、二人で飛ばされましょう。」
近藤はいつもの豪快な笑い声で言った。
龍「そうですね…。」
それに、
龍「近藤さんとなら、どこへ行っても楽しそうですね。」
近「!?」
笑顔で答えた龍菜に、
先ほどの、改めて自分を見た瞳に、
懐かしさを感じた。
龍「今度はここから出ちゃダメですよ?」
襖の奥で聞いていたのだろう子供たちに、龍菜が言った。
まるで、子どもに注意する母親のように優しい声で。
「分かった……。」
「父ちゃんの敵、うって……。」
龍「わかりました。」
近「一番隊は俺達について来いっ!!」
「「「「「「「「「はいっ!」」」」」」」」」
――――prrrrrr、prrrrr
龍「一緒に、来ますか?土方くん。」
その電話は、天使の声か…悪魔の囁きか…
その任務は、善の記憶か…悪の記憶か…