私は真選組統括最高責任者であり…、   作:ゆう☆彡

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見据えるべき求めるものを、見誤らぬように。

 

 

 

龍「ふぅ~~~。」

 

総悟を部屋に運んで、寝かせた後も、宴会は続いていた。

騒がしくなる会場の外で一人、龍菜は月の下で飲んでいた。

 

そのなんと絵になることやら…By作者

 

 

近「ザキー!!もっと酒持ってこーい!!」

山「いやいや!アンタはまず、自制心を持ってきてくださぁい!!」

 

裸になって叫ぶ近藤、それを止めようとする山崎。

更に、いろいろ積み重なってイライラしている土方に当たられる、これまた山崎。

 

龍「……山崎くんも大変ですねぇ。」

 

頑張れ、と心の中で応援して、再び月を見上げる。

 

 

 

龍「…こんにちは。一緒に飲みますか?」

 

近づいてきていた気配に声をかける。

 

伊「こんな所で、一人で飲んでいるなんて風流ですね。」

龍「それはどうも、伊東先生。」

 

既に、とんでもない事になっている宴会会場から抜け出してきた伊東だった。

 

伊「挨拶にも行けなくて申し訳ない。」

龍「いえいえ、……。龍菜といいます、よろしくお願い致します。」

 

 

 

 

軽く自己紹介を済ませ、静かに飲む二人。……と、伊東が口を開いた。

 

伊「少しお話しても良いですか?」

龍「どうぞ。」

伊「武士にとって、最大の不幸はなんだと思いますか?」

龍「突然ですね……。何でしょうか?」

伊「それは、理解されないことです。」

龍「……。」

伊「いくら才能を持ち合わせていようと、いくら努力していようと、それを理解されない、それに見合うだけの評価をされない。これ程の不幸はありません。

 

僕も、長く真の理解者を得なかった。どこへ行こうとも、僕の器が満たされる事はなかったんです。

 

……それが、あの男だけは、土方十四郎だけが僕を知っていた。彼こそが僕の最大の理解者だった。」

龍「だった、という事は、今は違うのですか?」

 

龍菜が聞くと、伊東は笑って答えた。

 

伊「違うのは、土方だけではなかったということですよ。

 

あなたも、坂本龍菜殿。あなたも僕の器を理解している。」

龍「出会って間もないですよ?」

伊「いえ、僕はあなたに会っている。幕府の財布の紐を解くときに、気づかれぬよう助言していたのは、あなただったのではないですか?」

龍「……。」

 

 

そう、伊東の主な外の仕事は、幕府の財布の紐を解き、武器を買わせるために説くこと。

伊東はその時に、たまたま龍菜に会っていたのだ。

 

伊「はっきり言って、あなたの助言がなければ、幕府は財布の紐を解かなかったかもしれない。僕の言いたいことを、あそこまで的確に理解してくれるあなただ。きっと土方と同じなんだろう。」

龍「なるほど。」

 

龍菜も気づいていた。幕府で会った彼だと。

そして思っていた……、いや、疑っていた。

 

龍「君は自尊心が人一倍高い。そして、己の器をも正確に図り取れていないんですね。」

伊「っ!?!?」

龍「最大の理解者の一人である土方くんは敵だったが、真選組を疎ましく思う者もいる幕府側についている私なら、味方だとでも思いましたか?」

伊「……。」

龍「私は確かに君の味方です。しかしそれは、真選組という枠組みにいる君に対してだけの話です。攘夷浪士と手を組もうとしている君の味方ではありません。」

伊「……っっ!!」

 

龍菜は、会場に戻ろうとする。

 

龍「君が求めているのは、自分を認めてくれる理解者なんかじゃありません。あなたが本当に求めているものを見誤らないで下さい。」

 

 

 

 

 

 

 

伊「くそっ……。」

 

去っていく龍菜の後ろで、小さく舌打ちをした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

龍「みなさん、風邪ひきますよ……。」

 

伊東と話した後、龍菜は宴会会場で寝ている隊士達に布団をかけて、食器を片付けて、服を着せて……。なんで脱いでんの!?

 

土「おい。」

龍「起きてたんですか。大丈夫ですか?ニコチンなくて、イライラしていたみたいでしたけど。」

 

そう言って、タバコを土方に投げる。

 

土「よく知ってんな、俺の銘柄。」

龍「いつも吸ってるじゃないですか、いっつも。」

 

土方はタバコを吸い始め、その間も龍菜は忙しく動いている。

 

土「なんか手伝うか?」

龍「足腰はっきりしてない方に、心配されなくても大丈夫ですよ。」

 

そう言われて、土方は立とうとするが、確かに足腰に力が入らない。

 

土「よく見てんだな…。」

龍「そりゃあ、こんな最悪のタイミングで土方くんがおかしくなってるんですから、気にかけますよ。誰にも言ってないんですよね?」

土「あぁ。他の奴に言うんじゃねーぞ。」

龍「じゃあ、私の方も黙っていてくださいね。どうせ聞いてたんでしょうから。」

土「…………。あそこまでわかってんのに、どうして策をうたねぇ。」

 

全員が泥酔し寝ていたこの会場で、土方のみが起きており、伊東と龍菜の会話を聞いていた。

 

龍「言ったじゃないですか、女でしかも幕府の身である私に出来ることなんて限られてるんです。それに、例え私が彼を捕まえても何の解決にもなりません。この後も、彼の同門たちが同じことを繰り返すだけです。」

 

この女は、その先までのことまでも考えている。土方は龍菜の思考の深さに驚いた。

 

土「わーった、お前の方も言わねぇ。俺のこの妖刀のことも言うな。それでいいだろ?」

龍「わかりました。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜が明ける。

事が動き出す。

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