英雄(ヒーロー)
彼らは何を失い、何を得たのか?
スパルタン
彼らは何を思い、散っていったのか?
これは、ある一人の戦士の生き様である。

初めましての人は初めまして! 久し振りの人は久し振りです。森羅万象改め、森羅です!
某所が崩壊してから結構立ちましたね。このまま二次創作漁りに専念してても良かったのですが、この小説を出さないのもどうかと思い、やっとの事で投稿した所存です。

一応、修正はしましたが、文脈がおかしい所はまだまだあると思います。
その時は、感想などで報告をお願いします。

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HALO:The memory of Six

音が聞こえる。

 

それは時を刻む音。

 

チクッ、タクッ、ではない。

 

ピッ、ピッ、という電子時計の特有の針が進める音だ。

 

音は《それ》から鳴っている。

 

《それ》から鳴る音は時刻を表す音ではない。零へと進む音だ。

 

《それ》を持つ者は零になる前に《それ》を届けなければならないようだ。

 

《それ》―――戦術核なんて物を運ぶ者が普通である筈が無い。

 

目立つのは、着ているのが只の服ではなく鎧(アーマー)をである事。

 

そのアーマーに、ロゴが2つ付いている―――

 

 

‘TOM‐293’と‘UNSC’

 

 

そう書かれてあるロゴを。

 

 

 

※※※

 

 

 

『ーーーックスっ! ノーブル・シックスっ!! 聞こえるか? 応答しろ!』

 

ヘルメットの中、耳が痛くなるほどの大声が響く。

 

「聞こえる。どうした? ノーブル・ワン」

 

それに応える声。声の主はノーブル・シックスと呼ばれ、声からして男性と思われる者だ。

 

『バカ野郎! タイマーは見てるのか? 今お前が何処にいるか、分かってるのか!?』

 

先ほどより数段デカイ声で彼は―――ノーブル・ワンが怒鳴った。通信越しからでもシックスの鼓膜を破りかねない大きさだ。

 

「分かってる。タイマーは残り3分半。そして、俺はまだ奴等の艦内だという事も」

 

その言葉に嘘は無い。シックスがいる空間の装飾は屋外でも、ましてや屋内でも無い。『艦内』なのだ。

 

そしてーーー

 

「心配するな。俺が今持っている戦術核は故障も何もない。任務完了まで後少しだ」

 

タイマーが零(起爆)へと進み続ける戦術核は、彼が持っている。

 

『それが問題だ! 俺たちはもう撤退が完了している。後はお前がそれを設置して終わりだ! さっさと帰ってこい!!』

 

「いや、ここまで来るのにエンジニアを確認した。奴らだったら一分もあればこんな戦術核は簡単に解除できるあろう。確実に起爆させたい」

 

ノーブル・ワンが言っている通り、彼等――UNSC――は核の起爆により被害が発生する地点からの撤退を終えていた。

 

後は、彼一人のみ。

 

『それでも起爆まで後3分半、いやもう3分しかない! そこから脱出し、此処まで撤退するにはギリギリ過ぎる! 自爆してでも破壊しろとは命令していないっ!!』

 

「俺も自爆したいなんて思わないし、する気も無い…。大丈夫だ、脱出には間に合わせる」

 

帰ってこいと言うノーブル・ワン。まだ待つと言うノーブル・シックス。2人の間に些細であり、生死に関わる話し合いが続く…。

 

「ノーブル・ワン、最後に聞きたい事がある」

 

お前は…っ! 自分の脱出に必要な時間よりも話を聞く時間が欲しいというシックスに、また言葉を出そうとしたノーブル・ワンだが―――

 

 

「ノーブル・ツーは、どうなった?」

 

 

止まる。

 

それは彼の決死の説得を止める程の質問であった。

だが、思考は自分の部下である彼女―――ノーブル・ツーの現状を思い出す。

 

 

右腕切断

 

 

それが彼女を思い最初に出た言葉だ。

 

 

 

 

――――本来、戦術核を設置するのは彼女の任務だった。

 

しかし、道半ば自分達(UNSC)の援護もかなわず、敵の航空戦闘機―――バンシーからの攻撃が直撃。

 

なんとか彼女のアーマーが即死から重症レベルまで、その衝撃を防いだ。―――だが死と引き替えに払った報酬はその右腕だった――――

 

 

 

―――彼は考える。素直に話すべきなのか? まだ帰ってこいと言うべきなのか?

 

だが、今は考える時間すら惜しい。彼の強化された神経器官が幸いし、1秒も掛からない考えの結果。ノーブルワンの答えは―――

 

『大丈夫だ...、キャットは無事だ』

 

簡潔に『無事』であるのを話す事だった。

 

右腕がもう切断するしかない事を伏せて、只『無事』である事だけを話し、安心させ、考えを改めさせる。

 

彼女の現状を隠し、彼を何とか死地から帰還させる。

 

それが、ノーブルチームのリーダーである彼の判断であった。

 

この選択は正しいのか? もっといい答え方があったんじゃないのか?

 

答えた瞬間、彼の中では後悔という色が生まれた。

だが、仕方が無い事だろう。最早一刻を争う事態という状況が彼から冷静さを奪っていたのだ。

 

だが、もう遅い。この後の答えが何であろうとシックスを説得する。そう心に決め、シックスを1秒でも早く脱出させる最良の手段を考える。

 

そして、シックスからの返答は―――

 

 

 

「分かった」

 

 

 

一言。

 

されど、その一言でノーブル・ワンは止まった。してしまったのだ……。

 

‘分かった’なのだ。シックスが言った事は。

 

そこから読み取れるのは『安心』したのではなく、『確認』が取れた為に言った事に他ならない。

 

何故。シックスは確認したのか?

 

彼の思考に疑問が浮かび上がる中、シックスの次の言葉でその疑問は氷解した。

 

「カーター、そっちで待っててくれ。終わったら戻る」

 

シックスはノーブル・ワンの名前を言ったのだ。

 

それに別れを惜しむような思いはない。

それは……

 

 

「必ず戻る。」

 

 

誓いの思いが込められていた。

 

『トム……っ!!』

 

彼もシックスの名を言った。怒鳴るようにでも、諭すようにでも無く。

 

それは叫びだ。シックスにどのような打算があろうと、叫ばずにはいられなかった。

 

そして―――

 

「ノーブル・シックス、アウト」

 

彼との通信は切れた。

 

 

※※※

 

 

戦況報告

 

コブナント CCS級艦を戦術核による破壊に成功。

 

それにより、コブナント軍の撤退を確認。

 

しかし、戦術核運搬に伴った中央突破を目的にした電撃作戦の死傷者は多数。

 

司令部は現状の戦力では、コブナントの再進軍を防ぐ手段は無いと決定、残存のUNSCはエリア214に向けて撤退を開始した。

 

死傷者報告―――

 

 

 

 

―――SPARTAN-3 TOM-293 MIA


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