いろは(八幡お兄ちゃん )八幡(俺はいつからお前のお兄ちゃんになったんだ...?)(題名を変える予定です。内容は変えません)   作:@まきにき

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皆様こんばんわ!@まきにきです!今回は、かなり長いです!そして、書きながら、フリーズして内容がぶっ飛んで私の心は何回も折れそうになりましたが...なんとか、書き上げることができました!長すぎて読みづらかったらすいません..。楽しんで貰えると嬉しいです!


比企谷八幡初めての文化祭 失うものと得たもの

 

 

 

プールから、無事に帰った俺達はそのあとも海にいったりBBQしたり海やBBQには、小町もついてきたが...つまり俺の夏休みはとても忙しかったわけで....。

 

 

八幡「ハァ....ハァー....」

 

小町「ん?お兄ちゃんなにため息ついてんの?」

 

八幡「夏休みが、あんなにあった夏休みがこんなに早く終わってしまった....」

 

小町「あー楽しかったね♪お兄ちゃん」

 

八幡「いや、楽しいかどうかは置いといて...夏休み入る前より疲れてるんだが...」

 

小町「ハァ...お兄ちゃんはほんとにゴミぃちゃんだなぁ」

 

八幡「ハァ...このまま寝てぇ...」

 

小町「何言ってんのお兄ちゃん、早く着替えて学校行くよ」

 

八幡「てことは、荷台に乗ってくのな...」

 

小町「お兄ちゃんの後ろは小町だけの特等席だもん♪あっ!今の小町的にポイント高い♪」

 

八幡はどこがだよと言い着替えて自転車を準備して小町を呼ぶ。

 

八幡「おーい、小町ー行くぞー」

 

小町「ちょっと待ってー!」

 

暫く待った後に小町がいきなり荷台に飛び乗ってきたので自転車が倒れないように腹筋に力をいれる。

 

八幡「うぉ...危ねぇ...」

 

小町「さぁ!レッツゴー!」

 

八幡「へいへい」

 

そのあと、小町を中学校まで自転車で送り届けて、俺は学校に向かいながら、今日の予定を考える。

 

八幡(確か、今日は始業式だけで授業はなかったはず!よっしゃあぁぁ!すぐに帰って寝よう)

 

そんなことを考えながら、総武校に着いたので自転車を置き、自分のクラスの扉をあける。

 

戸塚「あ!八幡、おはよう♪久しぶりだね!」

 

八幡「学校に来て良かった....」

 

戸塚「え?何どうしたの?」

 

八幡「あ、いやなんでもない、おはよう戸塚」

 

戸塚「うん♪」

 

そのあと、無事に始業式も終わり、担任の先生から、下校という言葉を聞き帰ろうとすると、俺の教室の扉が開いた。

 

 

平塚「比企谷ー」

 

八幡「・・・平塚先生...何のようですか?」

 

平塚「今日も部活はあるからな」ニヤ

 

八幡「何故わざわざ言いに?」

 

平塚「お前どうせ帰ろうとしてただろう?」

 

八幡「・・・そ、そんなことありませんのことよ?」

 

平塚「比企谷...嘘をつくときはもう少しばれないようにやれ」

 

八幡「ハァ....」

 

結衣「ヒッキー、早く部室行こ?」

 

八幡「あぁ、行くよ」

 

結衣「ヒッキー言わなきゃ帰りそうだったし一緒に部室いくよ!」

 

平塚「どうやら私が来る必要はなかったようだな」

 

八幡「・・・そうみたいっすね」

 

俺は、由比ヶ浜と部室に向かい奉仕部の扉を開けた。

 

雪乃「あら?来たのね」

 

八幡「お前らは、俺の心でも読んでるのん?」

 

雪乃「そんなこと出来るわけがないじゃない、あなたの心を読んだって心が汚れるだけだわ、汚れ谷君」

 

八幡「久しぶりに、罵られるとかなり、きついな...」

 

雪乃「あら?毎日罵ってほしいだなんて、とんだ変態どMね、変態谷君」

 

結衣「ヒッキー、きも~い」

 

八幡「ひ、ひでぇ...」

 

久しぶりに会って...いや、夏休み中ずっと会ってたから、久しぶりじゃ...ないか。久しぶりに罵られて俺の心が折れかけていると、奉仕部の扉が開いた。

 

葉山「こんにちわ、ちょっといいかな?」

 

八幡「・・・葉山」

 

雪乃「何のようかしら?」

 

結衣「隼人くん、依頼しにきたの?」

 

葉山「あ、あぁヒキタニ君に相談があってな...」

 

八幡「・・・俺に?」

 

雪乃「どうゆう、内容かしら?」

 

結衣「ヒッキーに相談?」

 

葉山「あぁ、出来れば俺とヒキタニ君だけで話したいんだが...」

 

雪乃「そう、それなら席を外すわ」

 

結衣「うん..そう....だね」

 

八幡「ちょっと待て」

 

雪ノ下と由比ヶ浜が席から立とうとするところで俺が止める。

 

八幡「俺達は、3人で奉仕部だ、こいつらに言えないような事は引き受けられない、こいつらに言えないなら帰ってくれ」

 

雪乃「・・・比企谷君」

 

結衣「・・・ヒッキー」

 

葉山「・・・分かった...雪ノ下さんと結衣にも聞いてもらうよ...ヒキタニ」

 

八幡「ん?」

 

葉山「・・・後悔するなよ?」

 

八幡「は?」

 

俺の頭の上に?マークを浮かべていると葉山は自分の鞄の中から1冊の薄い本を取り出した。

 

 

雪乃「これは、なんのつもりかしら?」

 

結衣「ひゃ、ひゃあ....」カー

 

八幡「・・・」

 

その本には、ハヤ×ハチと題名に書かれており、上半身裸の...俺?と葉山が抱き合っていた....それを見た、雪ノ下は明らかに怒っていた...由比ヶ浜は、顔を真っ赤にして手で前を隠して....いなかった...指と指の間から見ていた...頼むからあまり見ないでくれ...。

 

葉山「先に断っておくけどこれは、俺の私物ではない」

 

雪乃「そんなことはいいから早く依頼の内容を言ってくれないかしら?」

 

結衣「ゆ、ゆきのん、押さえて押さえて」

 

その時、奉仕部の扉をノックする音が聞こえた...俺は嫌な予感がしたので反射的に薄い本を自分の膝の上に隠した。

 

ガラッ

 

海老名「はろはろ~」

 

葉山「・・・姫菜」

 

結衣「あれ?姫菜じゃん!どうしたの?」

 

八幡「このタイミング...てことは」

 

雪乃「あまり、良い予感はしないわね」

 

海老名「あれー?隼人くんも何か依頼?」

 

葉山「あ、あぁそうなんだ、ヒキタニ君に相談があって」

 

八幡(こいつ、俺を巻き込みやがった...)

 

海老名「葉山君が、ヒキタニ君を求めて、わざわざ相談にそして、最後まで....きましたわぁぁあああ!」ブシュー

 

結衣「ひ、姫菜!大丈夫!?」

 

いつも、三浦が海老名さんの鼻血を拭いているのだが、ここにはいないので、代わりに由比ヶ浜が拭いている。

 

 

雪乃「それで、何のようかしら?」

 

海老名「あ、そうそう、実はね、私傑作の本を書き上げたんだけど、誰かに盗まれちゃって」

 

八幡「・・・盗まれた?どこかに、忘れたってことはないのか?」

 

海老名「私が、どこかに置き忘れるように見える?」

 

八幡「い、いえ..見えません」

 

結衣「でも、酷いね!せっかく、書いた本を誰かが盗むなんて!」

 

八幡(由比ヶ浜...お前気づいてない...のか?)

 

雪乃「それじゃあ、あなたの依頼内容は、その犯人を見つける...ということでいいのかしら?」

 

海老名「そうしてくれると、助かるかな、あとその、犯人が見つかったら私に教えてくれると嬉しいな」

 

八幡「・・・何故...ですか?」

 

海老名「え?だって、その本を盗んだってことは、興味があるってことだから、丸一日かけて、語り合おうと思って...ね?」ニコ

 

葉山「あ、あぁそうだな...俺もたまたまとは言え話を聞いてしまったんだし、俺も犯人探すの手伝うよ」

 

結衣「私も、頑張って犯人見つけるよ!」

 

八幡「あぁ、そうだな」

 

雪乃「では、あなたの依頼内容を受けるわ」

 

海老名「皆ありがとね♪それじゃあ、よろしくね♪」

 

そう言って海老名さんは部室から立ち去った。

 

 

結衣「でも、犯人って誰なんだろうね」

 

八幡「・・・由比ヶ浜」

 

結衣「ん?なーに?」

 

八幡「お前、本当に分かってないのか?」

 

結衣「ん?何を?」

 

葉山「結衣らしいな...」

 

雪乃「流石だわ」

 

結衣「なんか、皆が酷いし!」

 

八幡「まず、1つ目に...だ、葉山が依頼をしにきた本を持ってな...そこで、すぐに海老名さんの傑作の本が消えて、ここに、相談にきた」

 

結衣「うん、それが?」

 

八幡「この、薄い本が海老名さんの書いた、傑作ってことだよ...」

 

結衣「で、でも、確かにタイミングは完璧だったけど、それだけじゃ、違う本の可能性だって」

 

八幡「ここからが、重要だ...葉山はっきり言って、お前は今かなりやばい」

 

葉山「あぁ、ばれたら...俺は「そうじゃない」ん?」

 

八幡「・・・もう、ばれてんだよ」

 

葉山「!?ど、どういうことだい?」

 

雪乃「・・・それは、今日が始業式だけってことと関係があるのかしら?」

 

八幡「あぁ、そうだ」

 

結衣「意味わかんない」

 

八幡「あくまでも、これは、俺の推論だ...だが、ほぼ間違いないと思う...まずあのタイミングで海老名さんがきた理由恐らく2つある、何か分かるか?」

 

結衣「んと、本を盗んだ犯人を探して欲しかったんじゃないの?」

 

八幡「あぁ、それもあるが、本質ではない」

 

葉山「どういう意味だい?」

 

八幡「ハァ...今日は、始業式だけ、そして前日は夏休みで、今奉仕部に来るやつなんて、普通はいねぇんだよ....」

 

葉山「!!....成る程な」

 

雪乃「そういうことね」

 

結衣「えと?何で二人は今の説明で分かるの?」

 

八幡「逆に何でお前はわかんねぇんだ?」

 

結衣「もう、馬鹿にしないでよ!」

 

八幡「極めつけは、葉山が俺に用があるって言った....あれは、まずい...自白してんのと同じだ」

 

葉山「あぁ....今気がついたよ」

 

雪乃「かなり、状況は良くないわね...」

 

結衣「ねぇ?いいかげん教えてよ」

 

八幡「あの、薄い本...もしも、相談するにしても、俺だって女子には相談しない....それに、俺と葉山は仲が良くない...そんなやつに、相談なんて言ったら、自白してんのと同じだ」

 

結衣「な、成る程...」

 

八幡「そこで、葉山お前の相談っていうのは?」

 

葉山「あぁ、あの薄い本の内容を文化祭の演劇でやるつもりらしい...だから、それを止めたい」

 

雪乃「でも、依頼を受けてしまった以上は退きさがれないのだけれど」

 

結衣「姫菜にやりたくないって言えばいいんじゃないの?」

 

八幡「由比ヶ浜...それは無理だ」

 

結衣「何で?」

 

八幡「おそらく、決めるときになったら、誰も海老名さんを止めることはできない」

 

結衣「あ、あぁ...」

 

八幡「まぁ、だがなんとかなる、方法が1つだけある」

 

葉山「・・・それは?」

 

結衣「そんな、方法があるの?」

 

雪乃「どんな、方法かしら?」

 

八幡「なぁ、雪ノ下」

 

雪乃「なにかしら?」

 

八幡「お前、陽乃さんの高校三年生の時のバンド見たか?」

 

雪乃「えぇ、ビデオで送ってこられたから」

 

八幡「あれを、俺達でやろうと思う」

 

雪乃「!?む、無理よ、あんな風に出来るはずが「雪ノ下、問題を履き違えるな」」

 

八幡「俺達の今もっとも危惧する問題は、演劇をやること...だ、別にあんな風になるってことじゃない」

 

結衣「つまり、どういうこと?」

 

葉山「バンド....成る程そういうことか」

 

八幡「葉山は分かったようだな...そう、演劇をやる場合、覚えるのに時間がかかる、だが、もうすでに何かを始めているのなら、断る理由をつけることができる」

 

結衣「あぁ、なるほど」

 

雪乃「それで、誰がどの楽器をやるの?」

 

八幡「あぁ、もうだいたい決めてある...由比ヶ浜」

 

結衣「は、はい!」

 

八幡「お前は、ボーカルだ」

 

結衣「え、え!?私がボーカル?」

 

八幡「次に、雪ノ下、お前は、ギター&ボーカルだ、流石に由比ヶ浜1人じゃ心もとないからな」

 

雪乃「えぇ、分かったわ」

 

結衣「何その失礼な言いかた....でも、ゆきのんも一緒に歌ってくれると少し安心かも!」

 

八幡「そして、葉山...お前はベースだ」

 

葉山「オッケー、それで、君は何をやるんだい?」

 

八幡「俺は...ドラムだ」

 

結衣「えぇ?ヒッキードラムできたの?」 

 

雪乃「意外ね」

 

葉山「意外だな」 

 

八幡「そんなに、上手くねぇよ、この中じゃこれくらいしかまともに出来るのないだけだよ」

 

雪乃「それじゃあ、今日はここまでにしましょう、明日からさっそく、始めましょう」

 

結衣「あ、でも、楽器どうしよう...」

 

雪乃「それなら、私が平塚先生に頼んで用意しておくわ」

 

八幡「悪いな、雪ノ下、助かる」

 

雪乃「あなたが、素直にお礼を言うなんて、明日は雨かしらね」

 

八幡「おい、こら人が素直にお礼言ってんのにどういう了見だ?」 

 

雪乃「別に、深い意味はないわ」

 

葉山「それじゃあ、皆また明日よろしくな」

 

結衣「皆、また明日!」

 

 

 

 

 

 

そして、次の日の1時限目は、学園祭の準備に変わっていた、この学校では毎年お客さんが大勢来るので、かなり、学園祭に力をいれているのだ、そのため、この時期はほとんど、学園祭の準備になる、2年生からは、学園祭の委員会みたいなのもあるみたいだが、俺達1年生は、体育館に椅子を並べたり雑用が殆どなので、殆どの時間は学園祭の準備が出来るというわけだ。

 

そして、学園祭で何の出し物をするかの議題に入ると手が上がった。

 

海老名「はい!わ、私演劇がいいと思います!」

 

三浦「いいんじゃないの?あーしも賛成」

 

我がクラスの女王三浦が賛成したことにより、誰も反対してくる者はいない。

 

そして、出し物は演劇になり、海老名さんは前に出て黒板に何かをかきはじめた。

 

 

そして....。

 

バァーン!と黒板を海老名さんが叩いて皆を注目させる。

 

八幡「な、な...んだと」

 

演劇の役決めの際は大抵、話の内容を見て、登場人物の名前を書き、やりたい人はてをあげて決めるんじゃないのん?

 

海老名さんは、題名に登場人物の名前の下に俺達の名前も既に入っていた。

 

これは、止めなければ手遅れになると感じた俺は、海老名さんに抗議しようとする....が。

 

八幡「ちょっといいか?」

 

三浦「あ?ヒキオ、あんたもしかして、なんか文句でもあんの?」

 

三浦に妨げられた。

 

八幡「い、いえ.....」

 

葉山「優美子、ちょっといいか?」

 

三浦「隼人....」

 

葉山「実は、俺とヒキタニ君と、結衣と、雪ノ下さんとバンドをやることにしてるから、悪いけど、あまり演劇とか、時間とれないと思うから、俺達は出来ないんだ」

 

八幡(ば、馬鹿野郎が....そこで、由比ヶ浜の名前なんてだしたら、確実に由比ヶ浜は標的になってしまう)

 

三浦「結衣、今の話ほんと?」

 

結衣「う、うん...」

 

三浦「はぁ...何で?あーし達に隠してたの?あーし達友達じゃないの?」

 

結衣「そ、それは...」

 

八幡「おい、三浦」

 

三浦「あ?今あーしは結衣と話してんだけど」

 

八幡「ハァ....由比ヶ浜に内緒にしてくれって頼んだのは俺だ、皆を驚かせたくてな」

 

結衣「ひ、ヒッキー....」

 

八幡「だけど、所詮お前らなんてこんなもんだったんだな、ハァ....自分に嫌気がさしてくるわ」

 

三浦「ヒキオ、何がいいたい?」

 

八幡「俺は、お前が何したいのか分かんないんだが?いや、あーそうか、お前はただ仲間外れみたいにされたのが許せないんだな...流石女王三浦様だな」

 

三浦「っ!?あ、あんた」

 

明らかに、三浦の顔つきが変わった、今にも殴りかかってきそうだ。

 

葉山「ひ、比企谷...もうやめろ..」

 

もうやめろ?今やめるわけにはいかねぇだろ、おそらくだが、三浦がここまで突っかかってくるのは、海老名さんから、何かしら言われたからだろう、恐らく、私の配役だと皆やりたがらないと思う...けど私は皆で演劇をやりたい...とかな、それを三浦は聞いたからこそ退けないのだろう...三浦は三浦で優しさがある...だが、今俺が退けば、三浦と、葉山、海老名、そして雪ノ下こいつらの関係わ崩れるだろう....それだけは、させるわけにはいかなかった。

 

 

八幡「ハァ...お前らの為に何かをやろうとした、俺が間違ってたよ、全く自分にヘドが出るぜ、悪いが俺はもう、このクラスのことで何もする気はないからな、めんどくさいしやる気にもならんからな、まぁーこれで、楽できるわけだしお前にはお礼をいっとくよ、三浦ありがとよ」

 

ここで、三浦の怒りが爆発し俺は三浦におもいっきり殴られた。

 

葉山「優美子、もう....やめるんだ」

 

三浦「だって、こいが....こいつさえいなければ!」

 

葉山「優美子!」

 

八幡「俺、今日はもう帰るわ」

 

結衣「ひ、ヒッキー....」

 

海老名(ヒキタニ君は、そうするんだね...一応私の我が儘だったし、あとで、お礼くらいはしとこう...かな、それに、優美子には悪いことしちゃったし、後で謝らないとな...)

 

 

 

俺は、取り合えず、帰るわけにもいかず、だが、教室からも飛び出して来てしまったせいでどこに行くか悩んでいた。

 

八幡「・・・屋上にでも行くか」

 

 

 

         放課後

 

俺は、いつの間にか眠ってしまったらしい、目を覚ますと辺りは少し日が沈み始めていた。

 

海老名「やぁ?ヒキタニ君、やっと起きたね」

 

八幡「・・・海老名さん...何のようですか?」

 

海老名「一応、お礼...言っとこうと思って」

 

八幡「俺はなにもしてませんよ、ただ思ったことを言っただけです」

 

海老名「そうやって、ほんとのことは、隠して自分を傷つける周りを...ううん、友達を助けるために」

 

八幡「何言って...」

 

海老名「ねぇ?ヒキタニ君は、どこまで分かってたの?」

 

八幡「・・・今回のことなら、殆ど分かってない」

 

海老名「嘘だね...君は全部分かっていて、自分を犠牲にして、全てを守ろうとした...違う?」

 

八幡「・・・」

 

海老名「沈黙は肯定とみなすよ?」

 

八幡「ハァ...」

 

海老名「クスクス...ねぇヒキタニ君」

 

八幡「はい、何ですか?」

 

海老名「私と付き合ってくれないかな?」

 

八幡「・・・ひゃ!?ひゃおげば??」

 

海老名「ヒキタニ君となら上手くやれると思うんだよね」

 

八幡「冗談ならやめてくれ」

 

海老名「冗談なんかじゃないよ、冗談じゃない、私は本気だよ....だから、しっかりと返事をしてほしい」

 

八幡「・・・すいません...俺、海老名さんとは付き合えません」

 

海老名「そっか...アハハ...そう...だよね....はぁ...ふられちゃぁたなぁ....」グス

 

八幡「あ、あの」

 

海老名「いいの、何も、何も言わないで...」

 

八幡「・・・」

 

海老名「ふぅ....あ、ヒキタニ君」

 

八幡「・・・はい」

 

海老名「平塚先生が、進路指導室に来なさいって言ってたよ?」

 

八幡「まじかよ..」

 

俺は、そこで海老名さんとは、別れ進路指導室に向かった。

 

        

 

 

        進路指導室

 

八幡「し、失礼します」

 

平塚「よぉ、比企谷、お前はまたやらかしたみたいだな」

 

八幡「そうみたいっすね」

 

平塚「まぁ、いい今回のことは、葉山と由比ヶ浜から聞いている、お前が何をしたかったのかもだいたい分かった、だから今回だけは特別に許してやる」

 

八幡「あ、ありがとうございます」

 

平塚「だがな、比企谷...これだけは覚えておけ」

 

八幡「・・・はい?」

 

平塚「誰かを守ると言うことは君自信を傷つけることにはならないよ...君が傷ついて周りの奴等も傷つくことをそろそろ理解した方がいい...説教は、ここまでだ」

 

八幡「うす...」

 

平塚「奉仕部には、しっかりよっていけよ」

 

八幡「・・・はい...あの平塚先生」

 

平塚「なんだ?」

 

八幡「そ、そのありがとうございます」

 

平塚「ふん...気にするな」

 

そして、俺は奉仕部に近づく度に重くなる足をあげて、奉仕部の扉の前まで来た。

 

だが、扉に手を何回も置いているのだが開けることが出来ない...まるで、心臓が悲鳴をあげているように鼓動が早くなり、扉を触っている、手は、寒くもないのに震えてくる....これ以上、進むのが怖くて....怖くてしかたなかった....いつも、すんなり開けることが出来る扉...今は見ることさえ辛かった...次第に帰りたいという気持ちがどんどん強くなっていく....その時、部室の中から音がしてきた。

 

八幡「こ、これは...」

 

あのとき、陽乃さんが高校三年生の時に演奏していた曲だった....勿論あのときより何倍も下手だと言うことは分かるでも...でも不思議と心が暖かくなってきて、俺は深呼吸をし、奉仕部の扉を開けた。

 

 

俺が、入ると演奏をしていた、由比ヶ浜と雪ノ下と葉山は演奏をやめ、こちらを見てくる。

 

雪乃「比企谷君...正座」

 

八幡「・・・はい」

 

なぜだろう、雪ノ下に正座と言われたあと俺はもう、変に緊張もしておらず、手の震えもいつの間にか止まっていた。

 

結衣「ひ、ヒッキー...ごめんね」

 

葉山「比企谷、ほんとにすまない」

 

八幡「えと、何が?」

 

結衣「私達を守るためにヒッキー...あんなこと言ったんだよね....」

 

葉山「俺が...俺があそこで、結衣の名前を出していなければ...ほんとに、すまない」

 

違う、これは違う...俺はこんな光景が見たいんじゃない。

 

八幡「お前らは誤解してる」

 

結衣-葉山「え?」

 

八幡「あれは、お前らのためなんかじゃない、あれは、俺のためにやったんだ」

 

雪乃「ハァ...やはり、あなたはそう言うのね」

 

八幡「分かってたから、正座させたんだろ?」

 

雪乃「ええ」

 

結衣「だって...あれはどうみても...ヒッキーが」

 

八幡「由比ヶ浜、あれは俺が、俺であるために、自分のためにやったことだ、だがら、お前らが気にする必要はない」

 

葉山「だけど...」

 

八幡「なら、ひとつ俺の頼みを聞いてくれ、それでチャラだ」

 

結衣「・・・分かった、あたしに出来ることなら何でも言って!」

 

葉山「俺も出来ることなら、何でもするよ」

 

八幡(えと、由比ヶ浜さん、何でもするなんて、女の子は簡単に言っちゃダメですよ...ほんとに...)

 

八幡「俺たちのバンドを成功させたい...だから、お前たちの力を貸してくれ、頼む」

 

結衣「ひ、ヒッキー...勿論だよ!」

 

葉山「比企谷....分かった、全力を尽くそう」

 

雪乃「さて、もう正座をやめてもいいわよ」

 

八幡「あぁ、流石に痛いな...」

 

雪乃「その痛み、あなただけが感じている痛みじゃないわ、しっかりこの意味を考えなさい」

 

八幡「・・・分かった」

 

そこからの俺達は毎日練習、練習だった、ただ、俺は学校中でものすごく悪者になっていて、あれ以来、由比ヶ浜と、雪ノ下、葉山、戸塚、材木座以外の生徒は、全くといって近づいこようとする人は誰もいなかったし、目すら合わせてくれなかったが、俺は何故か楽しかった...俺のことを分かってくれている奴がいることがすごく何よりも嬉しかったからだ、そして、そんな日が続きながら、文化祭の前日になっていた。

 

八幡「もう、皆だいたい完璧だな」

 

雪乃「ええ、だけど1つ問題がありそうね」

 

葉山「あぁ...」

 

結衣「うん...」

 

あの日、比企谷八幡のおかげで、あのグループはバラバラに崩れなくてすんだ....だが..代わりに全部比企谷1人が重みを背負ったのだ、その代償は思ったよりも大きかった...比企谷が関わると皆その場からいなくなってしまうのだ...この分だと、ステージに立っても、比企谷がいるだけで、ステージの客が全員いなくなりかねないのだ。

 

八幡「実は、その問題の対処法はもう考えてきた」

 

雪乃「どうするの?まさか、あなた出ないつもりではないでしょうね?」

 

結衣「そ、それだけは、絶対にダメだよ!ヒッキー」

 

葉山「比企谷、それだけは、認めないぞ...」

 

八幡「違えよ、俺だって一生懸命練習して無駄おりはごめんだ...てか、葉山、お前俺の名前ちゃんと知ってたんだな..」

 

葉山「あぁ、もう前の名前じゃ呼べないと思ったからね...君には借りがある」

 

八幡「借りなんてないだろ...」

 

雪乃「それで、早くその対処法を教えてくれるかしら?」

 

八幡「あぁ、それはこれだ!」

 

そう言って、比企谷はサングラスを取り出した。

 

雪乃「サングラス?そんなものでばれないと本気で思っているのかしら?」

 

八幡「お前、この案は俺の可愛い妹の小町から教えてもらったんだ...小町の言うことは絶対だ、問題ない」

 

雪乃「そ、そう...小町さんが..なら安心ね」

 

結衣「うん!確かに小町ちゃんなら大丈夫だね!」

 

葉山「二人は知り合いなのかい?」

 

雪乃「ええ、まぁ」

 

結衣「すっごい、可愛くて、真面目なの!ヒッキーと真逆って感じ!」

 

八幡(ねぇ、由比ヶ浜さん?悪意....悪意はないんですよね?天然って恐ろしい...)

 

八幡「まぁ、いいから見てろって」

 

 

そして、俺はサングラスをかけた...がいくら、待っても皆の反応がなかった。

 

結衣「・・・」ボー

 

雪乃「・・・」ボー

 

葉山「・・・こ、これは...」ボソ

 

八幡「あ、あの反応くらいしてくれませんかね?泣きたくなってくるんだけど」

 

雪乃「はっ!ご、ごめんなさい...流石小町さんね....ある意味、完璧だわ」

 

結衣「う、うん....とっても似合ってるよ!」

 

葉山「あぁ、これはすごいぞ、比企谷ってわからない」

 

八幡「ま、まじで?良かったぁ~」

 

結衣「ただ、ヒッキー1つ約束して」

 

八幡「な、なんだよ...由比ヶ浜怖いぞ...」

 

結衣「その、サングラス、部室と本番以外では絶対に使わないこと、いい?」

 

八幡「な、なぜ...」

 

結衣(ひ、ヒッキーほんとに、目が腐ってなければ超イケメンだった...やばい、これは、ほんとに...誰かに見られる訳にはいかない..だから!)

 

雪乃「比企谷君」

 

八幡「な、なんだ?」

 

雪乃「部長命令よ」

 

八幡「・・・はい」

 

葉山「アハハ....比企谷、頑張れ」

 

問題も解決したあと、何回か通して今日は解散となった。

 

      総武校・文化祭当日!

 

俺達は今、舞台裏でセットしていた、勿論俺は今、サングラスを付けている。

 

八幡「次は俺達の番....だな」

 

雪乃「あら?緊張しているのかしら?」

 

結衣「アハハ....でも、私まだ歌詞がうるおぼえだから心配だなぁ....」

 

雪乃「由比ヶ浜さん、ただしくは、うろ覚えと言うのよ...今ので少し不安になってきたわ」

 

結衣「ゆ、ゆきのん!酷いよー」

 

 

葉山「アハハ...でも、やれることはやってきたんだ...大丈夫絶対上手くいくさ」

 

先輩「はい、次の人、ステージに上がってください」

 

そして、ついに俺達の番になった。

 

俺達は、1ヶ月ずっと、ひたすらに練習をして、今ここに立っている、俺を見ても、皆あれ誰~?って感じで俺は内心でホッとしてドラムをおもいっきり叩いて曲を始める。

 

八幡「はぁはぁはぁ」

 

 

客1「うぉおおおお!良かったぞ~!」

 

客2「すっごい、上手いし、皆イケメンと可愛い子ばっかりで、ほんとにやばい!」

 

俺達は顔を見合わせて笑顔でハイタッチをしてステージから、降りた。

 

八幡「あんなに、成功して、嬉しいと思うなんてな...」

 

雪乃「あら?あなたにしては珍しいわね」

 

結衣「うんうん、でも、皆本当に頑張ってたもんね!」

 

葉山「あぁ、ほんとに楽しかったよ、ありがとう」

 

八幡「それは、俺のセリフだよ...その、サンキューな」

 

結衣「ヒッキー」

 

八幡「ん?」

 

結衣「あ、あのね、このあとこのメンバーだけで、打ち上げいこうと思って...その来てくれる?」

 

ここで、クラスではなく、このメンバーだけと言うのは俺に気を使ってくれてのことだろう...。

 

八幡「あぁ、分かった...行かせてもらうよ」

 

結衣「ほ、本当に!?」

 

八幡「なんで、そんなに驚いてんだよ...」

 

結衣「いや、ヒッキーのことだからてっきり...いや、俺はこのあとすぐ帰って寝たいからじゃあな...だと思ってたから」

 

八幡「いや、言わねぇし、てかその声マネ全然似てねぇからな?」

 

雪乃「まぁ、いいじゃない、そんなことは」

 

結衣「そうだね!」

 

葉山「あぁ!」

 

八幡「そうだな...あ、その前に小町に帰り遅くなるって連絡してくる」

 

Prrrr

 

小町「はいはい?お兄ちゃん?」

 

八幡「あぁ、今日は少し帰り遅れるけど大丈夫か?」

 

小町「ん?あぁ打ち上げね!勿論大丈夫だよ!あ、あと演奏すごい良かったよ!お兄ちゃん、カッコ良かったよ!」

 

八幡「あぁ、ありがとな...ん?小町来てたのか?」

 

小町「うん、もう帰ってきてるけどね」

 

八幡「なんで、言わないんだよ、言ってくれれば迎えに行ったのに」

 

小町「小町は、お兄ちゃんの演奏が聞きたかっただけだし、あっ!今の小町的にポイント高いし♪」

 

 

八幡「あぁ、高い、高い」

 

小町「あー適当ー適当でたー」

 

八幡「それじゃ、またあとでな」

 

小町「うん♪お兄ちゃん楽しんできてね♪」

 

 

電話も終わり、俺は、雪ノ下と由比ヶ浜と葉山と二次会に向かった。

 

 

 

Prrrrr

 

小町「ん?お兄ちゃん?何かいい忘れたのかな?」

 

ガチャ

 

小町「はい、もしもし」

 

いろは母「あ、もしもし、こちら比企谷さんのお電話ですか?」

 

小町「はい、そうですがどなたですか?」

 

いろは母「私は、いろはの母です...あの小町さんですか?」

 

小町「い、いろはちゃんのお母さん!?」

 

いろは母「フフフ、良かった...小町さんみたいね」

 

小町「あ、はい...そうです、すみません、気が動転してしまいまして...」

 

いろは母「それで、折り入ってお願いがあるの」

 

小町「何でしょうか?」

 

いろは母「実は一ーーーーーーーと大変迷惑だと思いますけどよければ...お願いしたいの...」

 

小町「も、勿論!喜んで引き受けます!」

 

いろは母「良かった....本当にありがとうございます...よろしくお願いします」

 

小町「こちらこそ、ありがとうございます!私が責任を持ってーーーしますので安心してください!」

 

いろは母「えぇ、それじゃあお願いね」

 

そう言われて電話は切れたが、小町は嬉しすぎて、その日は寝られなかった。

 




次回は、ついにいろはす登場です!いろはすやっと出せる~!

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