今回のエピソードは、物語の折り返し地点に相応しい内容というべきでしょうか?(^^
いよいよ、みほ達が日本から旅立ちます。
しかし……みほとコリンズが急接近?
さて、それは戦車各種を
「みほ君」
「細見少将……」
彼女を見送るのは機甲学校校長で、今や恩師であり「もう一人の父親」と呼べるほどの絆をえた細見だった。
「”引率”は、コリンズ大佐らしいね?」
「はい。中々に厄介というか……」
みほはクスリと笑い、
「腹黒い御仁のようですね? おかげで上手くやれそうです」
どうもその爽やかに見える笑みはコリンズと同じ類の仄暗い何かを含有してる気もするが、細見はそれを気にした様子も無く、
「努々忘れるのではないぞ? あの男には決して気を許してはならん」
どうにも軍人同士というより「娘の旅立ちを心配する父親」という構図に見えてならないのが難点だろう。
「心配ないですよ。コリンズ大佐は腹黒いからこそ、信頼できる側面もあるのですから」
みほは”実直な無能”より”性格の悪い有能”を選ぶタイプだった。
少なくともみほは世間一般で言われる「悪い人じゃない」という言葉は、誉め言葉とは思ってない。
「そういうもんなのかな? しかし、
細見は好好爺然とした笑みで、
「陸軍は”連絡将校”を送ることを決定した。補給物資の手配もあるしな。多少なりとも『機甲予備』も用意しよう。現場にはそう君達に遅れずに到着するはずだ」
帝国陸軍上層部の思惑も色々あるのだろうが……
どうやら細見は細見で意外と世話好き、いや過保護なタイプなのは確かだと思われる。
「お待ちください! 軍上層部も政府も気が付いてますよね? 米国が再び日本を大陸に深くコミットさせようとしていることを」
頷く細見に、
「ならば……ここは徒に派兵勢力を増やすより、少数での行動の方が……」
「みほ君」
彼は柔和な表情で告げる。
「私とて人の子、”教え子”を他人どころか他国の好きにされて面白いと思うわけなかろう?」
「細見少将……」
「安心したまえ。出兵する以上、”それなりの代償”は得るつもりさ。
「ご配慮、ありがとうございます。少将閣下」
綺麗な敬礼を魅せるみほに、細見は軍人らしく顔を引き締め返礼すると、
「帰国したら顔を出したまえ。無事な帰りを待っている」
「クス。ここは『武運長久を祈る』と言う場面ですよ?」
「かまわんさ。武運が無くとも、君は戦場で下手は打たないだろ?」
「買い被りですよ」
そして二人は真っ直ぐ視線を合わせ、
「
「ああ。良き報告を待つ」
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「隣、よいかな?」
「あれ? ケイはあっちですよ?」
大陸へ向かう米軍の大型輸送船、その
今は軍用船にしては豪華な内装の船室には各々がグループを作り陣取っている最中だ。
普段みほに張り付いてる
原作レオポン組は日米整備班と何やら熱く語り合ってるようだし、いつの間にか合流していた
「君と少し話したくてね、ニシズミ中尉」
「わたし程度でよろしいのであれば喜んで」
みほが珍しく一人で椅子に座っていた理由は、彼女の手元にある資料をみればわかる。
「
「ええ。冷たく乾いた開けた土地……戦車戦をやるにはそう悪くない場所ですね。かといって森がまったく無いわけじゃないし、隠蔽壕を上手く配置すれば待ち伏せも可能かな?」
と、みほは思いついたことをメモではなく大学ノートに書き留めてゆく。
「後でそのノートをコピーさせて欲しい物だね」
「かまいませんよ。ただ、中身は軍機どころか落書き帳レベルですよ?」
「君の落書きというだけでも興味はあるさ」
そう笑うコリンズに、
「落書きからわたしの思考や性格をプロファイリングですか? 別に読み取られて困るような秘密は無いからいいですけど」
「……君は本当に頭の回転が早いな」
呆れるコリンズに対しみほはクスクスと笑い、
「大佐が情報将校徽章なんてつけてるからです♪ 情報将校なのに無条件で味方を信じたり、あるいは情報を精査しなかったりするのは怠慢です。敵の情報収得と分析と同じくらい味方の把握は重要ですよ?」
「……ニシズミ中尉、君は存外に装甲将校よりも情報将校の方が肌に合うかも知れんぞ?」
みほはちょっと苦笑して、
「せっかくのお誘いですが、謹んで遠慮申し上げます。やっぱり紙束片手に
「残念だよ」
コリンズの口調は、なんとなくだがリップサービスというわけではなさそうだった。
***
「ところでコリンズ大佐、わたしに何か用があったのでは?」
「おおそうだった。危うく忘れるとこだったよ」
そしてコリンズは同行させていた従兵から紙袋と取っ手付きのハードケースを受け取り、それをそのままみほに手渡した。
「いわゆる”お近づきの印”という奴だ。受け取りたまえ」
まず、紙袋を開けるみほだったが……
「これってケイ達が着てる”
「
しかし紙袋にはもう一着入っていて、
「これは?」
みほが広げたのは
「”ジャケット・フィールドOD”って呼ばれてる来年採用予定の
「ケイ達に怒られますよ?」
「
「なるほど……そういうことなら遠慮なく。もう一つはもしかしてガンケースですか?」
「いい洞察力だ」
そう満足げな顔をしながらコリンズはケースを開けるように促す。
「これはもしかして”シカゴ・タイプライター”? わっ、本物初めて見たかも……」
ケースの中に鎮座していたのは米国製の
”シカゴ・タイプライター”というのは1920年代のシカゴ・ギャングの抗争でよく使われていたトンプソン・サブマシンガン全体の俗称(むしろ隠語か?)で、どちらかと言えば”トミーガン”という呼び方のほうがメジャーだろうか?
「詳しいね? それでこそ贈った甲斐もある」
「いいんですか? 後で返せといわれても返しませんよ?」
含み笑いで言うみほに、
「喜んでもらえたようで何よりだ。風の噂で君が最近、
「さすがは情報将校、お見事な観察と見識です」
「ところでこれは懐柔工作の一環として判断してよろしいので?」
何食わぬ顔でみほが切り出せば、
「懐柔工作というならこれは三流だな。米国の工作としてはあからさま過ぎるし金額が小さすぎる。ニシズミ中尉を陥落するなら、そうだな……」
コリンズは考えるそぶりをした後に、
「最低でも佐官待遇の前線装甲指揮官のポストとキャデラックのリムジン、自家用機の一つも用意しないと釣り合いが取れない」
「アメリカンジョークとスルーしたいところですが、本当に用意できてしまうのが米国の恐ろしさなんですよね~」
二人は笑う。
そしてひとしきり笑った後に、
「ならばこれらの『
トンプソン短機関銃をいじりながら、みほが少し芝居がかった調子で問いかければ、
「大した理由はないさ。ただ軍広報誌で使う
「その程度でよければ喜んで♪……と言いたいところですが、
しかしコリンズはフフッと笑い、
「その辺りは既に話はついてるよ。上は『日米同盟の強固な関係を内外にアピールでき、更なる緊密化にも繋がる』と喜んでるようだよ?」
「あざといですね~。いや、それともこの生臭さこそ政治というべきかな?」
「中尉はずいぶんとそちら方面にも耐性がありそうに……いや得意そうに見えるが?」
「過大評価ですよ」
コリンズの言葉にみほは苦笑を作り、
「戦車学校の先輩、元上官にこの手の交渉がやけに上手い人がいまして。得意に見えるとしたら、きっとその人の影響です」
みほの脳裏に浮かんだのは、にやりと笑いサムズアップする角谷杏の姿だった。
「生臭い話はともかくとして、君と一緒にグラビアを飾れるならサンダース大尉も喜ぶんじゃないか?」
「それを言われると弱いなぁ~」
「今のうちに米軍に”貸し”を作っておくのは悪い話じゃないと思うがね?」
「貸しと思ってくれれば、ありがたいんですけどね」
みほはじっとコリンズの顔を見て、
「米軍だとわたしには枠が大きすぎるので、ここはコリンズ大佐への貸しという事にしておきましょう。だから出世してくださいね?」
「これはまいったな。なら今回の遠征でそれなりの成果をあげねばならない。では、こう言っていいかな?」
コリンズはクセのある笑みで、
「ならば私の出世のために奮闘してくれたまえ」
「あの、コリンズ大佐……失礼ながら、わたしが米国陸軍軍人ではなく、大日本帝国軍人だってこと忘れてません?」
「なに。そんなものは些細な問題さ」
瞬間、二人はプッと噴き出した。
***
和やかな様子でジョークを飛ばしあう二人を怪訝な目で見る人物がいた。
他の誰でもない、中隊ミーティングを終えたケイ・ユリシーズ・サンダースだった。
(ミホ……なんでコリンズ大佐とそんな風に笑いあえるの?)
ケイにとってそれは信じられない光景だった。
その重要性は認識してるとはいえ、生粋の陽気なテキサス・カウガール気質の彼女に取り、腹と頭の中に何を詰め込んでるか判らない
そう、
自分達への態度からコリンズがペンタゴンの”紐付き”であることは予想が付いた。
おそらくは在日米軍を隠れ蓑に裏では好き放題、トーキョーで跳梁跋扈してることだろう。
(そしてミホがそれに気付かないわけがないのよね)
それをわかった上で、なおコリンズと気楽に話せるみほが不思議でならないようだ。
(でも、詮索しても意味は無いのも事実)
幸い、みほが異性としてコリンズを認識してる雰囲気は無い。
ならば気にしてもしょうがないとケイは割り切った。
「あっ」
そしてケイがミーティングを終えたのを気付いたのか、みほが手招きしてケイを呼んでいた。
(今度は大佐を交えて中隊長ミーティングってわけね?)
ならば断る理由はない。
即断即決が自分の持ち味と知るケイは、特に躊躇うことなく歩き出した。
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「ところでニシズミ中尉、今回予想される戦闘の中で警戒すべきポイントはどこにあると思う?」
ケイが合流するなりそう話題を向けてきたコリンズに、みほは特に考えるまでも無く答える。
「もっとも脅威なのは、先ずはソ連赤軍がモンゴル内と満ソ国境に配備した兵力ですよ。米軍の最新情報が正しいのなら……」
総兵力:約72万人
戦車:約4600両
火砲:迫撃砲:約14000門
航空機:約4800機
自動車:約60000台
トラクター:約12000台
信じられない規模である。
実はこの数字、荒唐無稽なものではなく、”史実”の1941年6月時点のソ連ザバイカル・極東方面軍に配備された総兵力なのである。
スターリンがいない”この世界”において、これだけの戦力の集中が可能かと問われれば、可能と答えるしかない。
そもそも”この世界”におけるソ連は、史実よりもはるかに『状態が良い』のだ。
理由はいくつもあるが、主だった物だけでも……
・赤軍大粛清をはじめとする国力を大幅に低下させる技術者や科学者、生産業務関連への粛清はほとんど行われておらず(代わりに敵対的政治家や秘密警察の駆除は徹底的に行われたが)、国力……特に軍部は高い水準を維持している。
・隣国ドイツとの関係は極めて良好。”両国相互に”大量の生産委託を受ける離れ業をやってのけてる。なので西側に強力な戦力を貼り付けている必然が史実より遥かに低い。
おそらくドイツによるヴァルカン半島攻略を容認してるのは、『柔らかい下っ腹』の守りを固めるのに好都合だから。それほど相互の信頼度は高い。
・上記の理由の結果でもあるがポーランド侵攻やバルト三国平定、特に”冬戦争”のダメージが極めて低い水準。
更には史実と違い、関東軍よりよほど巨大な戦力を保有する『強力な米軍』が満州に居座っている為、トロツキーが在満米軍が中華民国の手勢を加えた西進もしくは北進を警戒している。
加えて米軍のほぼ全面支援を受けてる中華民国(国民党)が史実よりはるかに大きな勢力であり、相対的に共産党勢力圏が小さいためにリスクが高すぎて中華に大規模な戦力を置けないという事情もある。
トロツキーに言わせれば、この兵力でもまだ不安があるに違いない。
「
「現状のソ連の政治状況と赤軍のドクトリンから考えて、守備兵力こそが肝でしょうから……それでも全体の二割、最大で15万人というところでしょうか? 戦車をはじめとする戦闘装甲車両や航空機はもっと比率が高いかもしれませんが」
「根拠は?」
「二割が”万が一損耗したとしても防衛に支障をきたさない最大投入戦力”だと思われるからです。これ以上の損耗なら、在満米軍がいざ攻撃的オプションを選択したときに北進ないし西進を阻止しきれない
みほの聞き様によっては辛辣に聞こえる言葉にコリンズは苦笑する。
「装甲戦闘車両と航空機の比率が高くなる可能性は、やはり寒いけど乾いた開けた土地で、どちらも運用に向いてるからです。戦力を最大限に生かせる土地なら、大量投入を躊躇う意味はありません」
「では仮にソ連が後先考えず、更なる戦力投入を行う可能性は?」
コリンズの問いかけにみほは首を横に振り、
「かなり少ないでしょう。5万人程度なら被害補填のために追加投入される可能性はありますが、それ以外の継続投入は今度は拠点の問題が出てきます。ご覧ください」
みほはケイ達の同行が決まった時点で米国から供給された、ハルハ河周辺の地形を精密に記したオフセット印刷のフルカラー地図を開き、
「最大の出兵拠点となるのは、この前線基地の”タムサク・ボラグ”。補給拠点はマタト、ウラン・ツィレク、バイン・トゥメンの三ヶ所……確かに巨大ですが、逆に言えばこの規模から敵がこの地に展開できる戦力の上限が見えてくるというわけです」
基地の面積と予想される備蓄規模から考えて常識的には15万人前後、多くとも20万人が上限というのがみほの見立てだった。
「しかし、シベリア鉄道からの支線が引かれてるぞ? ソ連領内の軍事拠点、ボルジャなどから補給は受けられる」
「ソ連は帝政ロシアの時代から要塞築城や野戦築城は上手いんですが、ロジックはさほど強くないんですよ。鉄道は逆に言えば鉄路を破壊されれば復旧に時間がかかります。それにタムサク・ボラグの後ろに巨大な補給拠点を三つも作ったのはなぜだと思います?」
コリンズはあえて答えない。ただ目だけは愉快そうな光を湛えていた。
彼はこういう知的好奇心が刺激される”遊び”が大好物なのだった。
「それはロジック維持に対する自信の無さの裏返しなんですよ。米国のドクトリンはロジックをいかに流し続け、補給を滞らせないことに注力します。ですが、ソ連のドクトリンは逆に戦地後方に巨大な拠点を作り、そこにいかにして戦闘に必要な物資を溜め込むかに腐心します」
みほは楽しそうな表情で、
「これも国民性の違いでしょうかね? アメリカ人の補給線を断つのは難しいけど、歴史的にロシア人は補給を断ってからも粘り強いんです」
***
「パーフェクトだよ、中尉。まさに非の打ち所がない分析だ」
「お褒めに預かり恐悦至極」
恭しく一礼するみほだったが……
「大佐、ミホ……」
一人置いていかれたようにきょとんとしていたのはケイは、
「ワタシ達、これから”慰問”に行くんだよね?」
しかし、みほは不思議そうな顔をしながらこう告げた。
「ケイ、わたし達はこれから”
皆様、ご愛読ありがとうございました。
細見に見送られて日本を離れ、ノモンハンへみほ達が向かうエピソードはいかがだったでしょうか?
それにしても、コリンズはアメリカらしい物量戦的なプレゼント攻勢(笑)
とりあえず、みほの好感度アップ作戦は成功か?
それにしても……みほに米陸軍コスさせて何をさせるつもりなんだか(^^
何やらみほとケイの間にも現状認識の違いがあるようですが……
それでは皆様、また次回にてお会いしましょう!
***
設定資料
試製一式十糎半自走榴弾砲
主砲:九九式十糎半榴弾砲(口径105mm、28口径長、最大射程12.3km)
機銃:武1919式車載機関銃(7.62mm)×2(砲塔上、車体前面)
エンジン:統制型九〇式発動機AC-K型(過給機/中間冷却機付空冷V型12気筒ディーゼル、307馬力)
車体重量:22.5t
装甲厚:最大50mm(傾斜装甲)
サスペンション:独立懸架+シーソー式連動懸架装置
変速機:前進4段/後進1段(コンスタントロード型シンクロメッシュ機構タイプ)
操向装置:二重差動式
最高速:43km/h
備考
”試製一式突撃砲車”と同じく一式中戦車配備の折に余剰となるであろう九七式中戦車と、九八式重戦車の余剰部品(エンジン回り)を用いて製作された『
略称は”
実は一式自走砲の開発開始は古く、一式自走砲の先輩とも言える”九九式七十五粍自走榴弾砲”とほぼ同時期だったらしい。
実は九九式自走砲開発当初から主砲の九〇式野砲の「榴弾砲としての威力不足」は言われていて、実際に九一式十糎半榴弾砲を搭載した試作型が作られたことがある。
しかし、九七式の車体に「九一式十糎半榴弾砲の車載型と大量の砲弾を内蔵した旋回式砲塔」を搭載すると、その砲塔の巨大さから極端なトップヘビーとなりバランスが著しく悪化し、特に砲を旋回した状態で撃てば最悪横転する危険性が指摘されたために開発が中断された経緯があるのだ。
だが野砲である九〇式の威力不足は事実であり、それを何とかしたい陸軍は継続研究を行い、旋回砲塔ではなく砲の左右方向を固定し
ただ開発が遅れたのは悪いことばかりでもなかった。
30年代に入ると、米国でも急速に始まった他国陸上兵力の急装甲化/自動車化に対し、当時主力だったM1897/75mm野砲やM1/75mm榴弾砲の威力不足が叫ばれ、より大口径な野砲や榴弾砲の開発が声高に言われた時期だった。
日本はこれに便乗し、九一式に代わる新型野砲の開発を計画、九一式をサンプルとして提出して『日米砲弾/弾薬相互間協定』に基づき共同研究開発を提案した。
大変珍しいことだが、米国が105mm砲弾を持っていなかったせいもあり砲弾規格は九一式、つまり日本の規格が採用され、新型装薬を含めた半完全弾薬筒(分離薬莢)が新たに日米共同の新規開発とされた。
この成果として生まれたのが、米国の”M2/105mm榴弾砲シリーズ”であり、そして日本での”九九式十糎半榴弾砲シリーズ”である。
九九式十糎半榴弾砲はエポックメイキングな側面を持っていて、それは牽引型と車載型が同時開発されたことだ。
それを効率的に行うために全体的に最初から一種のユニット構造として設計され、可能な限りのコンポーネントの共有化が図られていることは特筆すべきだろう。
また同時開発とも言えるM2/105mm榴弾砲との大きな識別点は、より長砲身なこととマズルブレーキを標準搭載していることだ。
砲としての性能は、ほぼ九一式の長砲身化発展モデルとして考えていいが、新型装薬を使う新規開発の”372mmR型分離薬莢”を用いることにより長砲身との相乗効果で九一式との比較で1.5km、同じ砲弾と薬莢を使うM2/105mm榴弾砲と比べても1km以上の射程の延伸を実現した。
この射程はドイツの同級榴弾砲”10.5cm/leFH18”や英国の”QF25ポンド砲”とほぼ同等だった。
車体としては
イメージ的にはドイツのヴェスペに近いが、役割的にはM7プリーストという感じだろうか?
実際、量産型は英米(特に英国)にも歓迎され、後にはQF25ポンド砲を搭載したヴァリエーションモデルも作られることになる。