久しぶりに深夜アップの作者です(^^
なんか今日は予定が立て込んで執筆時間が取れませんでした。
さて、今回のエピソードは……新キャラ登場です♪
それもオリのオッサンではなく、女の子が二人ですよ~。
二次に出てくるのはちょっと珍しい二人ですが、誰だかは呼んでからのお楽しみってっことで(笑)
サブタイの意味は……作中で判明するはずですよ?
「みほちゃん!」
「ほえっ? 亜美さん?」
ハイラル・ベース到着から数日……すぐにミッションというわけではなく、部隊はセッティング出しのための試乗と試射を繰り返していた。
そんな折、到着したのが……
「お久しぶり……というほどでもないけど、虎治郎君の結婚式以来だね? みほちゃん」
「ですね」
みほは敬礼して、
「到着を歓迎します」
「うふふ。大日本帝国陸軍少佐”
そう返礼しながら、
「さっそくだけどコリンズ大佐のところに案内してくれるかな?」
蝶野亜美
自己紹介にもあった通り大日本帝国陸軍少佐で、みほの兄であり今年柚子と結婚した
現在は陸軍機甲科に所属し、
露骨な「大洗女子」の梃入れ工作だったみほの転校劇同様、陸軍による「全国女子戦車学校均質化」キャンペーンの一端を務めているというわけだった。
ちなみに陸軍機婦女子装甲将兵の一大勢力、西住派(あるいは西住閥)の若手ホープの一人でもあり、みほや姉のまほにとっても”頼りになるお姉さんポジ”的な人物だった。
「あっ、そうそう。一通り着任の挨拶が終わったら、私が連れてきた娘達と顔合わせして欲しいんだけど、いい?」
「ええ、もちろん」
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コリンズに亜美は着任の挨拶をし、その後に無事にスティルウィルにも謁見できたようだ。
コリンズが呆れた顔をして、亜美が苦笑していたので……中でどんな会話がなされたのは大体察しがつく。
少なくともスティルウェルは亜美と引き連れてきた戦力を見ても、「正規軍扱い」にはしなかったのだろう。
もっとも、もしそんな思惑……西部方面軍団の指揮系統に亜美たちを組み込もうとしたのなら、コリンズが全力で妨害しただろうが。
「小官は此度、蝶野少佐よりご抜擢いただき臨時編成の装甲偵察中隊を任されました大日本帝国陸軍少尉、”
ビシッとした敬礼に古色漂うお堅い口調。
そど子並みに短く切り揃えられた黒髪に巻いた赤いリボンは、可愛いというよりむしろ凛々しく見えてしまうから不思議だ。
どこか日本人形を思わせる品のある整った顔立ちなのに、纏う雰囲気は精悍な武者人形とはどういうわけだろうか?
「貴殿が西住中尉殿でありますか? 武勲誉れ高き噂は、かながね耳にしております」
そのいかにも軍人然とした硬質な雰囲気に最初は驚いたものの、
(何か西さんとは正反対のキャラの娘だなぁ~)
つい思い出したのはイタリカの戦友、大らかで派手好きなあの豪放磊落な知波単娘だった。
「はじめましてだね? わたしが今回、半分成り行きみたいなものだけど……」
チラリと傍らにいるコリンズを見やる。無論、彼は涼しい顔で手を振っていた。
「今回の『混成試験中隊』……もはや中隊規模じゃないような気もするけど、中隊前線指揮官の西住みほだよ」
と柔らかい笑顔で敬礼してみる。
すると日本刀を思わせる鋭い眼差しだった鶴姫の瞳が丸くなり、
「どうしたの?」
「いえ。耳に挟んだ『特地』における赫赫たる戦果から、なんと申しましょうか……もっと覇気に溢れた御方だと思っていたので」
鶴姫がそう思うのは無理はない。
イタリカでの戦いは、今や帝国陸軍全体で語り草となっているのだ。
防衛ターンはともかく、
「たはは。幻滅させちゃったかな?」
「いえ。そのようなことは……」
何とか取り繕おうとする鶴姫だったが、
「別にいいよ。普段から戦闘意欲を漲らせるのは好きじゃないから」
「なるほど。あくまで自然体……明鏡止水の心構えですか」
「そんな立派なものじゃないよ。”常時戦場”の心構えは確かに大事だけど、いつも気を張っていたらいざってときに力を発揮できないかもしれないでしょ? 人間はそこまで強くも無ければ万能でもないから」
「そういうものでしょうか?」
「”堅い樫は強風で折れるけど、柳は風に流されても折れはしない”だよ。堅いことと強靭なことは必ずしも一致しない……時には柔軟なものの方が強靭な場合もある。うん。そういうもんかな?」
「……深いですね」
後世、鶴姫はこの時の出会いをこう記したという。
『我が生涯において幾つもの重要な出会いはあった。しかし、最も印象的な出会いは間違いなく西住みほ殿と胸を張って言える。陸兵で生粋の装甲将校として知られる彼女であるが、私は不思議と海を思い浮かべた。海は天候や季節、地域によって様々な表情を見せる。だが総じて言えるのは、海の広さと深さは人知の及ぶところではない。地図で大きさはわかったとしても感覚として理解するのは難しい。私は彼女に同じものを感じた』
と……
***
「うふふ♪ 二人ともさっそく仲良くなれたようでお姉さんは嬉しいゾ♪」
「西住中尉……私は仲良くなれたのですか?」
「さあ? それはきっと、鶴姫さんの考え方次第だよ」
みほはそう苦笑した後、
「それにしても”九八式巡航軽戦車”とはまた珍しい戦車持ってきたね?」
「確かに配備数が少ない車両ですから」
「ほう。”TYPE-98
そう話に入ってきたのは、少女達のコミュニケーションの邪魔をしないようにこれまで黙っていたコリンズで、
「淑女諸君、そろそろ君達が引き連れてきた戦力を私にも紹介してくれないかね?」
すると亜美は、
「正面戦力としては変則中隊編成の”九八式巡航軽戦車”が10両、”九九式七十五粍自走榴弾砲”が8両、”一〇〇式二十粍対空自走砲”が4両の合計22両です。それに整備/補給/糧食/衛生/管理/通信/観測、そして”計測分析”をなどの支援部隊です」
正面戦力よりも亜美が主力として率いてるのは
計測分析は実戦データをとりあえずこの場でまとめる科学者チームだと思われる。
「悪くないな。ニシズミ中尉の手持ちの装甲戦力が28両あるから、合計50両か……」
コリンズは同じく同席しているケイに目をむけ、
(そしてサンダースのM4中戦車が予備も含めて20両……ふむ。確かに戦力的には独立装甲連隊と呼べる陣容だな)
純粋戦力なら増強大隊規模というところだが、これに整備/補給/糧食などのサポート部隊を入れればその人員は立派に連隊規模になる。
特に今回は日米共にテスト車両のオンパレードなため、整備/補給部隊の陣容が分厚いのがありがたい。
そして今頃在日米軍で編成され、「満州コモンウェルスの非常事態に備えた緊急支援」名目で送り出されてるはずのサンダースの実戦運用を用意されたサポートも、1個戦車中隊の運用に用意された部隊にしてはかなり大掛かりで亜美が引き連れてきたサポートと同程度……いや、『完全自動車化された1個増強歩兵中隊』まで加わるので大規模になるか?まで合流する予定だ。
そうなれば人員規模は最終的には連隊どころかちょっとした”旅団”編成になる。
さて、前話においてスティルウェルがこんなことを言っていたのを覚えているだろうか?
『大佐、君の階級で率いるには小さすぎる戦力だが、”戦場の後ろ”を走り回るなら十分だろう?』
だが米軍では旅団を率いるのは大佐とされているため、
(どうやら私が率いるのに相応しい規模になったようですよ? スティルウェル少将閣下)
「コリンズ大佐、なんだか悪い顔になってますよ?」
微笑みながらみほが告げれば、
「おや? どんな顔をしてるんだい?」
「そうですね……例えば、質の悪い詐欺が成功したような?」
「君は本当に可憐な容姿に似合わず口が悪いな?」
「率直なだけですよ♪」
***
「では現有戦力を確認しておくか」
「ええ。そうですね」
・中戦車
試製一式中戦車×16両、M4中戦車(先行量産型)×20両
合計36両(2個増強中隊)
・駆逐戦車
試製一式突撃砲車×8両(2個小隊)
・軽戦車
九八式巡航軽戦車×10両(変則1個中隊)
・自走砲
試製一式十糎半自走榴弾砲×4両、九九式七十五粍自走榴弾砲×8両
合計12両(1個中隊)
・対空自走砲
一〇〇式二十粍対空自走砲×4両(1個小隊)
装甲兵力総数:70両
「チョーノ少佐、一応私の直轄扱いになるが増強中隊編成の機動歩兵も後に合流する予定だ」
「とても、【日米混成”慰問”部隊】の陣容じゃないですね~。むしろ精鋭装甲旅団?」
それはだれしも思ったかもしれない感想だろう。
「ねえ、ミホ……これって」
「旅団レベルでの大規模なテストができそうだね♪ これは嬉しい誤算かな?」
にっこりと微笑むみほは、
「ケイ、とりあえずは与えられた軍務をこなすことが最優先だよ?」
何やら向こうでは、
「えっ? 私がコリンズ大佐の副官扱いですか?」
「不服かね?」
「不服に決まってるじゃないですかっ!」
「文句は
とコリンズと亜美がやりあってるようだが、そっちはそっちで始末をつけてもらおうとみほは考えていた。
(でも結構、コリンズ大佐と亜美さんって相性いいんじゃないかな? なんとなく馬が合うというか、波長が合う……みたいな?)
なんて感想を持ちながら。
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「うふふふ♪ たまらないわねっ!」
ここは”タムサク・ボラグ”、”美味なる泉”という意味の地名だが今は在蒙ソ連軍最大級の基地が置かれた土地である。
この、いわゆる『トロツキー・ライン』の最重要拠点であるこの場所、その高級将校用宿舎の中で、特に豪華な部屋の中で、”カチューシャ”こと”エカテリーナ・トハチェフスカヤ”は上機嫌だった。
「まさか伯父様からこんな素敵なプレゼントが届くとは思わなかったわっ♪」
まあこれだけ浮かれるのも無理はないといえば無理はない。
何せ……
「最新の”T-50軽戦車”が、どど~んまとめて20両! フフッ、これでこそ偉大なる我が祖国よ」
そうなのだ。
本国から最新鋭の軽戦車が20両纏めて送られてきたのだ。
しかも最愛の伯父、「贔屓? それがどうした? 上等じゃないか」なソ連最年少元帥のトハチェフスキー直々にというのが、また彼女を高揚させた。
T-50ほどではないが、他の戦車も軒並み増強されていて……
T-34bis中戦車(ナット砲塔):4両→10両
T-34/76(ピロシキ砲塔)中戦車:26両→30両
KV-1bis重戦車:12両→15両
KV-2重戦車:4両→5両
BT-7M快速戦車12両は、その足の速さを買われて司令部直轄の装甲偵察隊として接収されたが、その交代として送られてきたのがT-50軽戦車20両というわけである。
これでカチューシャ直轄の車両は計80両、それも
一応参考までに書いておけば、史実における1941年12月、独ソ戦初期のソ連軍の戦車隊編成はと言えば……
戦車大隊:KV-1重戦車が5両、T-34/76中戦車が8両、T-26軽戦車が10両、合計23両
戦車旅団:戦車大隊×2
という有様だった。
戦車大隊としても独英米と比べても小規模だが、ソ連は戦車に関しては連隊という概念を使わず旅団という言葉を好んだ。
というより、ソ連では戦車部隊は旅団編成が基本だった。
参考までに言っておけば、何より旅団というのは普通1500名~6000名規模の戦闘集団のことを指す。
無論、”この世界”のソ連戦車隊はドイツの影響を受けたのか史実よりは定数が上昇しているが、それでも戦車旅団の定数は1943年編成(旅団定数:65両)には及ばず、50両台ということだ。
カチューシャの部隊がいかに破格かわかるというものだ。
少々変則的だが現在のカチューシャ保有戦力の編成を言うならば、T-34bisが1個中隊/T-34/76が3個中隊/KV-1bisが2個中隊/KV-2が1個小隊/T-50が2個中隊という分厚い布陣だった。
***
「それに何より喜ばしいのは、”これ”よ! ノンナ、そう思わない?」
「おめでとうございます。カチューシャ様」
今日はオフだったのだろうか?
ノンナ・テレジコーワはメイド服だった。
もっとも軍務では副官で、プライベートではカチューシャの専属メイドであるノンナにとって、どっちも仕事着であり大きな差はないのかもしれないが。
そんな彼女もパッと見は普段と表情は変わらないが、なんとなく心なし嬉しそうだ。
「ちまちま
カチューシャとノンナ、二人が見上げるのは壁にでかでかとタペストリーのように掲げられた隊旗だった。
一見するとソビエトの国旗のように見えるが、そこには誇らしげな金糸の刺繍でこう綴られていた。
【
その意味は、【真実の親衛戦車旅団】である。
そう、カチューシャ達の活躍……「腐敗した資本主義者、憎むべき支配階層を抹殺した功績」により、ついに部隊に与えられるものとしてはソ連では最高の栄誉の一つである【近衛】の冠を頂くと同時に、(少なくとも建前的には)試験編成だったカチューシャの部隊を”増強戦車旅団”として正規部隊化したのだ。
「フフ、随分とお膳立てが揃ってきたわ! 後はそろそろ……」
「食べ応えがある相手……ですか?」
カチューシャはそれに答えずに、ただジャムを舐めながら紅茶を飲んだ。
だが口元についたイチゴジャムの赤が、どういうわけか血の色を連想させた……
皆様、ご愛読ありがとうございました。
亜美に鶴姫が九八式巡航軽戦車と共に初登場し、”プラウダ”の名が初披露されるエピソードはいかがだったでしょうか?
鶴姫をご存知ない皆様のために軽く説明しますと、ガルパンのスピンオフ『リボンの武者』の主人公で、「生まれる時代を間違えた」と評されるほどの
いや、とある読者様の感想で存在を指摘されたとき、ドキッ!としました(笑)
実は作者的にお気に入りのキャラで、「生まれた時代を間違えたのなら、間違いとは言わせない時代に生まれさせよう」という思いで、いわば
原作よりみほに対する言葉遣いが丁寧なのは、軍人としての上官に対する礼儀と何より武人としての尊敬からだと思われます。
なんとなくみほとも相性がよさそうな娘なので、「ペットでない枠(笑)」で活躍して欲しいなぁ~と。
まあ、鶴姫には既にペットがいますしね(えっ?
ちょっと土日は忙しくなりそうなので更新できるかわかりませんが(深夜アップを強行したのはそのせいだったりして……)
それでは皆様、また次回にてお会いしましょう!
***
設定資料
九八式巡航軽戦車
主砲:九八式長三七粍戦車砲(口径37mm、53.5口径長。米国M3/37mm砲のライセンス生産モデルの車載型)
機銃:武1919式車載機関銃(7.62mm)×2(主砲同軸、砲塔上)
エンジン:統制型九〇式発動機AC型(空冷V型12気筒ディーゼル、240馬力)
車体重量:11t
装甲厚:砲塔前面40mm(傾斜装甲),砲塔側面/後方20mm,車体前面40mm(傾斜装甲)
サスペンション:
変速機:前進5段/後進1段
操向装置:二重差動式
最高速:60km/h
乗員:定員3名
備考
日本が開発した軽戦車。実は九五式軽戦車の後継というわけではなく、それとは別の開発系譜を持つ車体。
そもそも開発の理由は、日本が米国より入手したソ連の快速戦車”BT-5”だった。
クリスティー式戦車をもつこの戦車は、快速戦車の名の通り履帯走行で最高速度52km/h、履帯を外し
この計画中の物も含めいかなる日本戦車も追従不可能な高速戦車に脅威を感じた日本は、ただちに「BT-5戦車に劣らぬ速度性能を持ち、追撃し撃破可能な戦車」を開発することを決定した。
ただ同じく米国からの情報でクリスティー式の弱点、履帯は確かに取り外せるものの瞬時に付け替えられるものではなく、あくまで「速度性能に優れた装輪走行で戦場まで急行し、戦場では走破性に優れた履帯を装着した状態で投入する」ということが判明したので、要求性能は履帯装着時のBT-5をスピードで凌駕することに改められた。
その時、陸軍機甲科が出したコンセプトは単純明快で、「軽戦車級の車体に九七式中戦車に採用予定の大馬力エンジンを搭載して速度を稼ぐ」ことと「英国の高速戦車である巡航戦車を規範とする」ことであった。
この”巡航軽戦車”という代わった名称は、以上二つの条件から生まれたものだ。
また、この戦車の特性を秘匿する目的で、開発名称は
この時、開発に名乗りを上げた日野自動車は既存の技術の延長線上で目新しくは無いが堅実な設計の「ケニA」案を、三菱重工業が革新的だが実績は無い技術を用いた「ケニB」案をそれぞれ提出した。
史実ではケニA案が採用され九八式軽戦車となったわけだが、”この世界”ではテスト車両の比較調査で性能に勝ったケニB案が採用された。
最大の特徴は、日本戦車初採用となる”
”この世界”の日本は、
このサスペンションの高性能に目を付けた日本陸軍は早速、技術パテントを買い取り国産化に向けた研究を行った。
それがようやく日の目を見たのがこの九八式巡航軽戦車なわけだが……
しかし、これには続きがあり当時の日本の冶金技術では重くても10t台前半の軽戦車ならともかく重量30tを越え40t級に迫ろうとしていた中戦車以上に使用できる強度には中々届かず、それが可能となったのは40年代に入ってからだった。
擁護するわけではないが、スプリングとなる捻り棒を車体の内部を通す構造のトーションバーは破損した場合に従来の懸架装置に比べても部品交換に手間がかかるため、強度要求性能が高かったことも一因だろう。
これ以外の特徴としては、硬化表面処理された均質圧延装甲の溶接で車体と砲塔は作られているが、これに全面的に電気溶接が用いられてることも当時としては目新しい。
装甲の厚さもあり、軽戦車としてはかなり高い防御力を誇っており、新ニセコの軽量装甲板の採用もあって装甲の厚さほど車体が重くないのも特徴だろう。
また主砲は九五式軽戦車と同じ三七粍だが全くの別物で、米国で30年代に開発されたM3/37mm砲を『日米砲弾/弾薬相互間協定』のからみと格安のライセンス生産料に惹かれて、九四式三十七粍砲/九四式三七粍戦車砲の後継砲としてライセンス生産を開始した物。
採用からわずか四年で同じ口径で違う弾を使う砲を採用するとは一見すると無駄に見えるかもしれないが、実は口径は同じでも九四式に比べ九八式は約1.5倍の貫通力(500ヤード=457m/垂直の均質圧延装甲の場合の貫通力。弾種APCBC-T:九四式→43mm、九八式→61mm)があり、大幅な火力アップには繋がっている。
火力アップの理由は「可能ならBT-5をアウトレンジで撃破する」という要項があることから、わりと重要度は高かったらしい。
操向装置は基本的に先発の九七式中戦車と同じものだが、変速機は速度性能向上のために専用の前進5速のものが開発された。
性能的には申し分なかった九八式だったが、敵は意外なところに潜んでいた。
一つは扱いずらさ。高性能では在るが軽い車体にハイパワーなエンジンを積んだ九八式はピーキーな特性であり非常に乗り手を選ぶ戦車であり、性能を引き出すには相応のテクニックがいる”じゃじゃ馬”だった。
もう一つはコストの高さだ。新機軸の技術を色々投入したために九八式は軽戦車としては高価になってしまい、一説には九七式中戦車と同等かそれ以上だったとされている。
上記の理由により、1000両以上製造された九五式に対し、九八式は200両強という1/5程度の生産数であり、レアな戦車となってしまっている。
余談ながら米国は、同じく”