装甲少女隊、北へ CODE1940   作:ボストーク

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皆様、こんばんわ~。
本日は深夜アップの作者です(^^

さて今回のエピソードは……サブタイ通りに「意思疎通(コミュニケーション)は大事だよね?」って感じのエピソードが大半を占めたりします(えっ?

そしてまたしても端役のようなそうでないような新キャラ登場♪
ヤローばっかで相変わらず色気が無いのが難点ですが(笑)





第24話 ”コミュニケーションは重要です♪”

 

 

 

その日、アリサ・ホイットニー少尉は緊張状態にあった。

軍人としての初めての出撃、初めての戦場、サンダース戦車中隊(サンダース・タンクトルーパーズ)以外の人間と初めて組む部隊……

 

誰しも初めてというものがあるが、初めてづくしの彼女の心境は察して余りある。

落ち着かないのかこの氷点下の寒空の中、アリサはキューポラから上半身を出ししきりに双眼鏡を覗きこみ、不必要なほど周囲を警戒していた。

日本で調達したD-1タイプのレザー・グランドクルージャケットをタンカースジャケットの上に重ね着してなければきっと凍えていただろう。

 

「なあお嬢ちゃん、そんなに気ぃはる必要は無いぜ? 敵偵察中隊とのエンカウントなんてそう滅多にあるもんじゃねえ。一日に二度当たるなんて聞いたこともねぇしな」

 

そう南部訛で陽気に笑うのは、一等軍曹の階級を付けた髭面の男だった。

おそらくは、この本来は4両のM3中戦車で編成されていると思わしき小隊の小隊長ではないのだろうか?

アリサの父親と同年代と思われてもおかしくない風貌からして、そう外れた予想でもないだろう。

 

アリサはアリサで普段ならお嬢ちゃん呼ばわりされたら怒るかもしれないが、軍曹の燻し銀の雰囲気と何より余裕の無さからそういう考えに及ばないようだ。

 

「そうね……そうよね」

 

アリサは既に『最初の会敵』を経験していた。

基本的に遮蔽物の少なく見晴らしの良いモンゴル平原は、かなり遠くから敵を発見できる場合が多い。

アリサを名目上の中隊長とした【ホイットニー臨時編成装甲偵察中隊】の面々は、警戒を密にしていたせいもあり主砲の有効射程よりかなり遠い間合いで敵装甲偵察中隊を発見していた。

 

その瞬間、アリサの緊張はピークに達したが、敵も中戦車を含むこちらの陣容を確認したのだろう。

2個偵察小隊が、戦闘力の高い1個中戦車小隊を護衛に付け行軍してると判断したのかもしれない。

幸いにして敵の偵察中隊は交戦の意思を見せず、すぐに西側……ハルハ河方面に逃走したのだった。

 

「ありがとう。オッドボール軍曹」

 

「いや、俺の名はオールドボールなんだけどよ……」

 

「あっ、ごめんなさい! あれ……?」

 

ふと視界を横切るちらちらと舞い降りる白い欠片……

 

「雪……? 今日は珍しく曇ってると思ったら、降ってきちゃったか……」

 

彼女の生れ故郷はそう積雪の多いところではないが、かといって冬になれば珍しいというほどでもない。

 

でも故郷と違いモンゴルは心まで乾くくらい冷たく乾燥していて、そのせいか実家がひどく懐かしくなった。

 

「”おうちがいちばん”か……」

 

ふとアリサは昔、父親と見たミュージカルを思い出した。

 

(そういえば映画化されたのは、去年だっけ?)

 

「雪雲の向こうには、虹の架け橋が待ってるのかな……?」

 

「お嬢ちゃん、何か言ったか?」

 

「ううん。なんでもないわ」

 

 

 

臨時編成の米国陸軍装甲偵察中隊は、そのままとある祭礼場(オボー)のある方面に向けた進路を進んでいた。

その先に何が待ち構えているのか知らずに……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

**************************************

 

 

 

 

 

 

世の中には不幸な人間はいくらでもいる。

というより自分が幸福だと思える人間の方が少数派(マイノリティ)だろう。

特に戦争という政治劇が蔓延する世界では……

 

 

 

その日その時間、ハイラル・ベースで通信当番をしていたジョージ・マーフィー上等兵は、自分が担当するハルハ河東岸(イースト・バンク)に潜伏しているはずの偵察分隊から定時連絡が無いことに気が付いた。

 

彼はそれを異常と判断し、上司……現在当番に入ってる”通信班(チーム)”の班長に話を持っていく。

 

軍は基本的に通信関係は常時24時間体制であり、最前線の基地ともなれば尚更だった。

実際、通信は大雑把に分けても司令部/陸上部隊/航空隊の三系統あり、通信形態も音声/モールス信号/電文がある。

 

この初期戦力に加え下は大隊規模から上は旅団規模にいたる様々な戦闘集団の付け焼刃的動員で急激に煩雑で大量になってしまった情報のやり取りを効率的に行うため、ハイラル・ベース本来の満州西部方面師団の通信部隊を中核に組織を再編し新たに通信統括部を設置、各戦闘集団から抽出してきた通信隊を細分化し、通信班単位でパートごとにローテンションを組ませ、複数同時並列処理することで対応していた。

 

 

 

「なんだ、そんなことかね? 今日は悪天候、生憎の雪だ。電波が散乱しまともに通信できないことなんてよくあることではないか」

 

そうつまらなさそうな顔をするのは、”アンドリュース・フォーク”少尉だった。

米陸軍士官学校(ウエストポイント)を「座学は首席」で卒業したという評判だが、

 

「あまりくだらないことで、私の時間を無駄にさせないで欲しいものだな」

 

(この出世にしか興味の無い、実戦を知らない頭でっかちの青二才が!)

 

正直、マーフィー上等兵はこの士官学校出たてのこの男を反吐をかけたいほど嫌っていた。

ペーパーテストの出来はいいかもしれないが、ともかく性格が最悪なのだ。

悪い意味で士官学校出のエリート意識丸出しで、周りが見えておらず一兵卒を見下す態度を隠そうともしない。

だが、上官には露骨に媚びる態度を取るのがまたいけ好かない。

おかげでごく短期間の間で兵や下士官の間から「ベース1係わり合いになりたくない士官」「フレンドリー・ファイアの第1標的」「あの世へ転属して欲しい奴No.1」というような輝かしい栄誉を獲得していた。

ネガティブな意味だがそれでも一位は一位だ。フォークにとっては本懐だろう。

 

そして通信隊に志願したのも、出世コースの登竜門の一つである情報徽章を得るための早道だともっぱらの噂だった。

 

コミュニケーションをこれ以上取る気が無い、言い方を変えれば部下の報告より上官への得点稼ぎの書類仕事に忙しいらしいフォークに愛想をつかしたマーフィーは、コーヒーブレイクを取ることを告げる。

別に許可が無くても勝手に取るつもりだったが、フォークは顎をしゃくって「勝手に行け」という態度で許可を出した。まあ、本気でどうでもいいことなのだろう。

 

その態度がまた腹立たしかったが、これ以上この男と会話するということのほうがより強く怒りがわきそうだったのでそのままマーフィーは部屋を出た。

 

 

 

***

 

 

 

「よう、ジョージ。どうした? 不景気な顔をして?」

 

「あっ、ハロルド教官……」

 

マーフィーが基地内のコーヒースタンドでコーヒーの苦味以上に渋い顔をしてると、そう声をかけてきたのは少し歳の離れた中年男……”ハロルド・スタンフィールド”曹長だった。

 

「阿呆。俺は今、曹長だっつーの。いつまで訓練兵気分でいやがる?」

 

かつてマーフィーは訓練兵だった時代に、当時鬼軍曹(きょうかん)だったスタンフィールドに散々扱かれた経験があった。

 

その教官殿も階級が上がると同時に原隊復帰、配置転換でなんの因果かスタンフィールドもまた、部署こそ違うが同じベースに配属されていた。

 

「んで? なんでそんな腐ってやがるんだ?」

 

「実は……」

 

 

 

「なるほどな」

 

マーフィーから話を聞いたスタンフィールドは腕を組みながら頷き、

 

「こいつはひょっとするとひょっとするかもな……確か、その偵察隊が張ってたのは確か”ムカデの嬢ちゃん”がイワン食い殺したすぐ近くだったよな?」

 

「む、ムカデ?」

 

「ああ。あの女だてらガチの装甲偵察隊率いてる、日本から来たっていう赤いリボン巻いたお嬢ちゃんだ」

 

「ああ、噂の……」

 

マーフィー自身は直接姿を見たこと無いが、噂は耳に届いていた

 

「確かあそこにはサンダースの娘っ子が向かってるはず……万が一ってこともある。こうしちゃおれんか」

 

スタンフィールドは一気にコーヒーを飲み干すと、

 

「ジョージ、その一件については俺の方に任せろ。直属じゃないが知ってるのが嬢ちゃん達の上役との連絡将校をやってる。伊達と酔狂が三度の飯よる好きって困りモンだが、頭の回転は悪くはねぇ」

 

そう言った時、曇り空から降ってきた雪粒が空になったペーパーカップに落ちてきた。

 

(雪じゃ飛行機はまともに飛べん)

 

「……こりゃ急がんと」

 

 

 

***

 

 

 

「報告ご苦労だったな。アッテンボロー少尉」

 

ジョージ・ローソン・コリンズ大佐は基地よりの連絡官としてよく顔を出している”ダスティン・アッテンボロー”少尉にそう告げる。

 

「はっ!」

 

彼にしては珍しく、教本に載せてもおかしくない綺麗な陸軍式の敬礼を返す。

アッテンボローはそれなりに”曲者”と評判の大佐を気に入り、それなりに敬意を払っていた。

まだ付き合いが短いが、底が見えない得体の知れない奥深さが見てて飽きないのだ。

 

(どうせ上官を持つならこういうタイプがいい。少なくとも飽きることは無さそうだ)

 

伊達と酔狂を愛する彼らしい人物評といえよう。

コリンズはコリンズで、この未だそばかすが消えない若い少尉を「有能。ただし使い方を間違えると危険」とそれなりに高く評価してるのだが。

 

アッテンボローは基本的に”郵便配達人(ポストマン)”と呼ばれる連絡将校で、西部方面軍団司令部や時にはスティルウェル本人からの書簡をこの【日米混成”慰問”部隊】の仮設司令部(コリンズの執務室兼用)に届ける、または書簡を預かるのが主な役目だった。

 

はっきり言えば雑用で、一応司令部や司令官の執務室に入っておかしくない士官の身分ではあるが、まだまだ娑婆っ気が抜けない新米少尉には相応しいと言えば相応しい役割だ。

まあ、将来を有望視されてる新進気鋭の若手将校に回される役回りかと言えば……軍隊でよく言われるジョークの中では『頭の悪い怠け者』にやらせる仕事だ。

 

だが、アッテンボローは別に不満は無い。

むしろ頭の出来というよりフォークと違う意味での性格の問題から自分を煙たがり、顔を見なくて済むという理由で連絡将校に推薦した「じゃがいも野郎(じょうかん)」にはむしろ感謝しても良いくらいだと思っていた。

お陰で陰気なポテト顔を見なくて済むし、退屈もしない。おまけに美人も多いとなれば文句の出ようなどない。

 

アッテンボローがそんなことを考えてる最中、コリンズはなんらかの結論に達したらしく、

 

「サンダース大尉、ニシズミ中尉」

 

「「ハッ!」」

 

何かを嗅ぎつけ待機していたような雰囲気を持つ二人は自分の執務机から立ち上がると、

 

「急な話ではあるが、【日米混成”慰問”部隊】の独立権限内で、現在可動可能な新型戦車を投入しての野戦テストを命じる。せっかくの荒れ模様の天気だ。雪中行軍のいいデータがとれるだろう?」

 

コリンズは、様式美すら感じる流暢な言葉の流れで発令した。

 

「「アイアイ・サー!!」」

 

そして二人の少女は敬礼すると石弓で弾かれたように部屋から飛び出していった。

正確には、万が一のときにこの発令を受けるためにみほもケイもアリサが出発したときから司令部に詰めていたのだ。

 

 

 

少女達のあまりの反応のよさに唖然とするアッテンボローに、

 

「アッテンボロー少尉」

 

「は、はあ……い、いえ! 大佐、なんでしょうか!」

 

彼のリアクションに思わず笑いを噛み殺すコリンズは、

 

「こちらからすぐに軍団司令部に出すような書類はないのだが……良ければ、少々我が部隊の仕事を手伝ってくれないか? なに、君の上官……ドーソン大尉と言ったかね? 彼には私から話しておこう」

 

「りょ、了解であります!」

 

「すまんな。私の優秀な副官(チョーノ少佐)が、ちょうど部下を引き連れて出払ってしまってね」

 

「どちらへ?」

 

「何でも日本人がバトル・オブ・ブリテン参戦のご褒美に、ジョンブルからプレゼントされた車両……AECだかドーチェスターだかって名の野戦指揮車のテストに出ているのだよ。なんとも間の悪い話だ」

 

HA-HA-HAと陽気に笑うコリンズに、アッテンボローはどうしようもない胡散臭さを感じてしまう。

一頻り笑った後にコリンズは少し考え、

 

「我々にもそういった車両(野戦装甲指揮車)が必要な時期に来てるのかもしれんな」

 

と窓の雪を見ながら呟いた。

 

 

 

この世には自分がラッキーだ、幸運だと思える人間はいつだってマイノリティーだ。

しかし、この時のダスティン・アッテンボローは紛れも無くそのマイノリティ側にいた。

伊達と酔狂という言葉で表した、彼が心のどこかで望んだ精神的刺激が最も間近に感じられる場所に、あるいは最も刺激的な戦争という物語に「登場人物の一人」として舞台に立っていられるのだから……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

**************************************

 

 

 

 

 

舞うという表現が似つかわしい表現だった雪が、ここ【ノモンハン・ブルド・オボー】近辺では既に激しく降り積もるという表現が正しくなっていた。

 

分厚い雲から降り積もる雪は上空を飛ぶ飛行物体からの目を奪い、電波を減衰させて無線の有効半径を狭め、人間の視界も著しく狭めていた。

 

もっともカチューシャ、エカテリーナ・トハチェフスキーにとってはこの程度の降雪など降ってるうちには入らないかもしれないが。

 

「最終的な確認をするわよ? 第2射までは中隊統制の一斉射撃。今、隠れてる残骸から出ないように撃つのよ? T-34(ピロシキ)の4両は集中的に軽戦車を狙いなさい」

 

カチューシャに外に集められたのは経験の浅い4人の戦車長とノンナだ。

 

「「「「Да(了解)!!」」」」

 

威勢よく響く四人の少年少女と呼んで差し支えない幼を残した声に、カチューシャは満足げな声を出した。

 

「ノンナは統制射撃後は”M4中戦車(エムチャM4)”を無力化して。ただし撃破しちゃ駄目」

 

「了解しました。今回は全員”処分”しないのですか?」

 

するとカチューシャはニヤリと笑い、

 

「フフン。そろそろ”正体不明の殺戮者”って役回りに飽きてきたのよ」

 

「左様ですか」

 

「ねぇ、ノンナ」

 

「はい」

 

「恐怖ってそれを伝える人間がいなければ、残らないと思わない?」

 

 

 

***

 

 

 

カチューシャは雪が好きだった。

純粋に白くて冷たいところが好きだった。

眠らせるように命を奪うところが好きだった。

 

ロシアがナポレオンに蹂躙されなかったのも冬将軍のおかげ、雪を武器としたからだ。

時には命を奪うが、凍てついた土と同じく雪はいつだってロシア人の味方だった。

それになにより、

 

(汚いものも綺麗なものも何もかも覆い尽くすのが好き……)

 

その下に何が埋もれているのかを誰にも気付かせないまま……

例えば、主ごと朽ち果てた戦車や亡骸となった米兵の死体の上にも雪は平等に降り注ぐ。

 

(ん……)

 

その時、”感知領域(エリア)”に何者かが侵入する感覚に、カチューシャの口の端が自然と吊り上る。

 

(まだよ……まだまだ)

 

雪が降り積もったせいで、敵はまだ残骸の陰に”生きた戦車”が隠れていることに気付いていない。

 

ならば、可能な限り近づくのを待つべきだ。

一斉射はカチューシャ車の発砲と無線の指令(コマンド)によって行われる手はずになっていた。

経験の足りない戦車長がプレッシャーに耐えられず自己判断で発砲するリスクはあったが……

 

(今のところはよく耐えてるわね♪)

 

思ったよりも我慢強いことにカチューシャは満足を覚える。

そして、しばし後……

 

(そろそろ耐えたご褒美をあげないと)

 

M4中戦車とM3中戦車が感覚的には眼前を通り過ぎ、尻をこちらに向けていた。

 

「今よっ! Все танки(全戦車、), стрельба подготовлен(射撃よぉーい)……Сальво(一斉射開始)!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





皆様、御愛読ありがとうございました。
どこかで聞いたことあるような名前のオリキャラ(?)が混入したエピソードはいかがだったでしょうか?

それにしても……ヤロー新キャラの登場数最多のエピソードだったような?(^^
フォークとアッテンボローは両極端な行く末が待ってそうです。

そして、カチューシャ様がいよいよ初弾発射!
次回はいよいよカチューシャvsアリサのバトルステージ!
果たして結果は……?
それでは皆様、また次回にてお会いしましょう!



***



設定資料集



ドーチェスター装甲指揮車(AEC装甲指揮車)

全長:6.1m
重量:12.2t
速度:60 km/h
装甲:12mm(最大)
エンジン:AEC187(6気筒ディーゼルエンジン、95馬力)
武装:武1919式機関銃(7.62mm)を銃架に装着可能
乗員:7-8 名

備考
英国AEC(Associated Equipment Company)社の4×4輪駆動装甲車”マタドール”を原型に開発された野戦指揮車で、基本的には『野戦指揮所の機能を詰め込んだ軽装甲バス』という代物で、第二次大戦開戦当時にこの種の野戦装甲指揮車を保有していたのは英国だけだった。

ドイツだけでなくイタリアの英国への宣戦布告により、日英同盟に基づき日本が”英国本土直上防衛戦(バトル・オブ・ブリテン)”より参戦、その報酬代わりに『技術供与』の一環として英国より10両纏めて送られた物。
野戦指揮所機能を存分に生かすために通信設備も充実しており、作中ではその無線設備を生かして電波観測班を乗せた2両のドーチェスターを別々の場所に配置し、三角測量の原理で電波発信源の測定を行う予定。

満州での数々の活躍でその有用性が明らかとなった為、日本でも国産統制型ディーゼルエンジンに乗せかえるなど数々の改造をした国産ライセンスモデルやその発展型の開発が急がれることになる。

ちなみに”AEC装甲指揮車”というのが正式な名称だが、中が広く快適なことからロンドンにある高級ホテル「ドーチェスター・ホテル」に因んで名付けられた”ドーチェスター装甲指揮車”という通称が日本では広まってしまい、軍での公式資料でもドーチェスターの方で記載されていることが多い。

蛇足ながらドーチェスター装甲指揮車と同様に英国から齎されたのは、17ポンド砲の仕様書や設計図、新型マーリンエンジンやその後継であるグリフォン・エンジンの設計図、無線方向探知機(RDF)や短波方向探知機(HF/DF)を含む様々な電波探信儀(レーダー)の技術や、この時代は後に広まった米国式の”ソナー”より英国式の”アスディック”という呼び方が海軍内では一般的だった音波探信儀の技術などがあるようだ。






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