何か真昼間にアップするのは久しぶりのような(^^
さて今回のエピソードは……アリサの受難です(えっ?
カチューシャ様ははしゃいでますが、どうも世の中ってのは中々思い通りにはいかないようですよ?
その時、ハルハ河東岸の一角は数日前と同じ……いやそれ以上の地獄の様相を呈していた。
漂うのは硝煙と燃料油の臭い、鉄錆臭い血の臭いそして焦げ臭い人の焼ける臭い……
「う・ふ・ふ~♪ 大猟大猟♪ やっぱり中戦車は喰い応えがちがうわね~。装甲に弾が食い込む感触が断然上質よ! 軽戦車の薄っぺらい紙装甲じゃ、あの手応えは無いもの!」
そう御満悦な表情で【ホイットニー臨時装甲偵察中隊】の中で”唯一、生き残らされた”M4中戦車の傍に愛車のT-34bisと共に帰ってくるカチューシャだった。
それは上機嫌にもなるだろう。今回の彼女の戦果はM3中戦車3両にM2軽戦車2両の計5両。個人スコアとしてはダントツである。
いや、むしろ配下の新前T-34達の前に「8両も獲物を分け与えた」ことを評価すべきか?
本来であれば軽戦車の群れなどカチューシャの……いや、カチューシャの操る戦車の前では物の数ではない。
やろうと思えば1両でも全滅させられた。
しかし、それでは後輩が育たない。その可憐な容姿や普段の言動、その生れから傲岸不遜な我侭お嬢様と思われがちなカチューシャであるが、本当の姿は実にお嬢様らしくないアクティブで国家や軍を最優先に考えてる、優秀な前線装甲指揮官なのである。
だから、「新人達が倒せない位置にいた2両」のみを狙ったのだ。
これからの赤軍にとって、優秀な人材はどれほどいても困ることはない……それがカチューシャの考え方だ。
”この世界”では愚かしい赤軍大粛清は無かったし、優秀な人材は史実に比べれば多くいるが、それでも足りることは無い。
共産主義者にとっては”この世界”は未だに特権的資本家のものであり、腐敗した支配階層をこの世から駆逐するまで闘争はとまらないのだ。
それを言うなら史実と異なり、新たなソ連の御旗となったトロツキー一派や、トロツキーと手を携えロシア革命のあと権力者の権化となり堕落した
史実における冷静時代のチェーカーの評価は、「反革命の血で汚れた人物」という意味合いの蔑称扱いだったが、”この世界”はついに1930年代にはそのような評価がソ連国内で起きたのだ。
代わりに「軍は民衆の味方であり、チェキストは国外の本当の敵と戦わない臆病者の集団で、粛清の名の下に弱者である無実の民衆を弾圧した卑怯者。それを叩き潰し国民の命を救ったのが軍」という評価が一般化したのだ。
確かに”この世界”においても、【
史実のソ連が純粋な共産主義国家だとするならば、”この世界”のソ連は言うならば「共産主義の国家体制を持つ軍事政権国家」と揶揄できるだろうか?
その国家の根幹となる赤軍のエリート中のエリートであり、他国なら公爵令嬢と呼ばれるほどの地位を持つ
「ふふん。全員生き残らせた上に生け捕りにするなんて、ノンナやるじゃない?」
「お褒めに預かり恐悦至極」
そうノンナは、血は流れているものの命には別状無さそうな……故に武装解除させられた上に頭の後ろで手を組まされ、五人揃って草原から雪原に姿を変えつつある地面に腹ばいで転がされた五人の少女を前に恭しく頭を垂れるのだった。
***
「ふ~ん、
そう感心するが、すぐに異臭に気が付いた。
見れば五人の少女達は、例外なく股間を濡らしていたのだ。
カチューシャは茶色の髪を両脇で縛った少女……アリサ・ホイットニーに近づき、
”くいっ”
「ひっ!」
顎につま先を引っ掛け上を向かせた。
恐怖で小さな悲鳴を上げるアリサに、
「ねぇ、貴女……おしっこだけじゃなくて、ウンチも漏らしちゃったの?」
”カッ”
「なっ!」
羞恥のあまり恐怖も忘れ一瞬で顔を紅潮させるアリサだったが、
「きゃはははははっ♪ あら、別に恥ずかしがらなくていいわよ? 戦場ではよくあることだし、性癖や趣味だとしてもカチューシャは理解あるほうよ?」
理解があるどころか、かくゆうカチューシャ自身もよく伯父の前では放尿ショーをしてたりするのだが。「お漏らしする姿が可愛い」と伯父からも評判だった。
「古来より戦場では男は殺され、女は犯されるものだけど……貴女はどっちの扱いが好みかしら?」
「ひぅ!?」
恐怖に筋肉が引きつり妙な声を上げるアリサに、カチューシャはニヤニヤと笑いながら、
「アメリカ女なんて今のロシアじゃ珍しいし、貴方達がもっと小さければ伯父様のお土産にしてもよかったんだけど……ちょっと育ちすぎなのが問題よね? ノンナ、そう思わない?」
「
ノンナは意外とノリのいい
……もしかしたら本気かもしれないが。
「そういう加工をしたら、それこそ伯父様の趣味から外れてしまうわよ。それに解体する道具もないじゃない?」
「スコップや銃剣ならありますが?」
「あのね~。塹壕戦やるんじゃないんだから……そんなもので解体したら、出血で基地に着く前にお陀仏に決まってるでしょ? 死体が戦利品だなんて誰得なのよ?」
「……喜びそうな高官に何人か心当たりありますが」
「一応、それが誰なのかは後で聞かせてもらうとして……さて、どうしたもんかしらね?」
カチューシャとノンナの会話を聞いていた……その言葉がどう聞いても冗談に聞こえなかったアリサは、いやアリサたち全員は既に歯の根が合わず、寒さでなく恐怖でガチガチと歯を鳴らしていた。
だが、アリサたちが冷静なら本来なら気付いていただろう。
自分達が……”ロシア語を知らないはずの自分達”が、どういうわけか「敵の話してる会話を完全に理解できる」不自然さをだ。
先ほども話題にしたが……軍では旅団長とその副官という立場だが、カチューシャは名門のお嬢様でノンナはその専属メイドだ。
二人の受けた教育は半端ではなく、ノンナは6ヶ国語、カチューシャに至っては13ヶ国語を話せる。
はっきり言って世界の大半で言葉で苦労しないのだ。ちなみに二人揃って英語だけでなく帝政ロシア時代からの宿敵の国の言語、日本語もマスターしてる。
『敵を知りたければ、その敵の言語を知るのが先決。思考は言語で形成される。言い方を変えれば言語で思考は縛られる。言語に無いものを人は簡単に思考できない』
というのが軍人家系トハチェフスキー(トハチェフスカヤ)の家訓の一つだった。
「部下達へのこの場限りの
「一種の福利厚生ですね」
ノンナはさらっと言い切った。
殺すのは簡単だが、この女達には自分の強さを知らしめるための”証拠”、あるいは米軍に対する”挑発”になってもらわねばせっかく生け捕りにした意味が無くなる。
”死人に口なし”とはよく言ったもので、死体は語らない。
検死なんてやるのは娑婆の作法で、戦死者の扱いなど死体袋に詰められ然るべく処理されるのが戦場の慣わしだ。
部下達の
最もその程度のメンタル強度しかないのなら、戦場に出てくるのが間違いだとカチューシャは思っているが。
ならここは一つ、彼女達の命運も決まったことだし、小粋なロシアン・ジョークでも聞かせてやろうかと思ったカチューシャは、
「喜びなさい。貴女達はロシア男に種付けされる栄誉を授かれるわよ?」
「いやぁぁぁぁぁーーーっ!!」
アリサの悲痛な叫びが雪原に木霊した……
***
さて、それはカチューシャが部下を集合させるために声を上げようとしたとき……
”ぞくっ”
「なに? 今の?」
「カチューシャ様?」
急に首を左右に振り、きょろきょろ周囲を見回す愛らしい主人を不思議そうに見るノンナに、
「ちょっと待ちなさい……」
カチューシャは目を瞑り、精神を集中させる……
(心は冬の湖面のように静かに……視点は北極星のように高く……)
自分に暗示をかけるように心で念じる。
(”
”Глаз Бабы Яги”、”バーバヤーガの瞳”を意味するこの”異能”は物心付いたころからカチューシャに備わっていたものだった。
昔からカチューシャは宝探しやかくれんぼが妙に得意な子供だった。
また家の中で失せ物があったとき、カチューシャに頼めばすぐ見つけてくれると両親からはよく重宝されたものだ。
幼い頃の彼女は、それを上手く説明できなかったので「なんとなく見えた気がする」と曖昧な言葉で答えていた。
そうであるが故に、さして誰もその異能を気にすることも無く……いや、そもそも彼女に異能があることも気が付かなかった。
カチューシャは聡明な子で、自分の「ちょっと変わった不思議な力」を喧伝するような真似はしなかった。身内なら誰でも知ってるが別段、話題に上げるようなものではないというスタンスに安定させたのだ。
そして、そのことが彼女や大切な人達の命を何度も救った。
時は20年代後半から30年代前半。偉大なる指導者レーニンの死後、ソ連国内は「決して公式史には残らない」血腥い暗闘の嵐が吹き荒れていた。
レーニンが死去する前にスターリンの”
史実でスターリンが行った粛清に比べれば、生ぬるいどころか児戯にも等しいが、それでもこの赤軍大粛清の代替イベントとも言える”内戦”で、100万人規模が粛清の対象となったのだ。
その中には同じ軍人でもスターリンと昵懇だっただけで出世しただけの無能者だったヴォロシーロフや、GPUと名を変えたチェーカーの一派である政治将校達が有無を言わさず処刑されている。
やはりロシアの凍土は生暖かい血に飢えていたのだろう。
その最中、有力軍人であるミカイル・トハチェフスキーの姪であるカチューシャが敵対勢力から暗殺や誘拐の対象にならないわけが無かった。
そして、何度も”魔女の瞳”が彼女の命を救った。
ある時は暗殺者の隠し武器を見破り、またある時は車に仕掛けられた爆弾を見抜いた。
そしてカチューシャが、護身用として父からプレゼントされたブローニングの
無論、彼女が軍人として初陣を飾る”スペイン内乱”の遥か以前だ。
正当防衛なのは間違いないが、幼児体験としては強烈過ぎるそれをカチューシャは大した感慨も無かったと語る。
『だってこの世が残酷な場所だなんて、最初からわかりきったことじゃない?』
と……
そして、そんな修羅場を何度も潜り抜け、また軍人となりスペイン内乱より最前線で戦い続けたことで磨きをかけられたのだろうか?
”バーバヤーガの瞳”はその能力を更に引き上げていた。
カチューシャ自身よく判っていないようなのだが……”バーバヤーガの瞳”は、脳が視覚情報として認識してるだけで、実際に目から入ってくる本当の光学的視覚情報ではないようなのだ。
強いて言うなら”感覚的空間情報”とでもなるのだろう?
普段は視覚情報の補強……本来人の目には見えないものを見る一種の
(あちゃー……随分とレスポンスいいじゃない? 愚鈍な米軍にしては妙に動きが早いわね……)
そして彼女の視野はしっかりと
「ノンナ! お遊びは終わりよ! 大至急、戦利品漁りをしている全員を乗車させなさいっ!!」
「カチューシャ様……まさか?」
「そのまさかよ。敵の中隊編成以上の戦車隊が、真っ直ぐこちらに向かってきてるわ。ちょっと今の兵力と弛緩した雰囲気じゃ相手をしたくない程度の規模ね」
そう命じた後、
(それにしても……)
「あの悪寒はなんだったのかしら?」
***********************************
「ん? 誰かに見られてたような……?」
試製一式中戦車のキューポラからケンタウロスよろしく上半身を出してたみほは、思わずきょろきょろと周囲をうかがう。
『ミホ、どうしたの?』
そう通信を入れてきたのは、同じようにM4中戦車のキューポラから顔を出して「
「んー。千里眼系の魔法で見られてたような気がしただけだよ?」
『ちょっとぉ~! ここは”トクチ”じゃないのよ?』
「でも、『特地』じゃないからって魔法使いがいないってことにはならないんじゃないかな?」
『地球上の魔女は、魔女狩りで絶滅したはずじゃないの?』
「わからないよ~。魔法使いって結構、しぶといから。わたしも危うく殺されかけたし」
さすがは実際に魔導師とガチな殺し合いを演じた女、説得力が違った。
『ちょっ!?』
「世の中には自分の常識が通用しないものや通用しない事象があるっていうのは、覚えておいても損はないと思うかな?」
そう言いながらみほは車内通信に切り替え、
「沙織さん、麻子さん、方位はこのままで大丈夫?」
慣性航法装置やGPSなどの航法系便利装置が開発されてないこの時代、頼りになるナビゲーショングッズは地図とコンパス、それに計算尺だ。
このランドマークがほとんど何も無い、草原から雪原に変わりつつある平原においてこのアナログな方法しか自分達の”今の場所”を知るすべは無い。
「大丈夫だよ! 方角も距離もぴたりと一致してる筈。誤差があったとしても目視できる範囲に収まる筈だから」
そう告げるのは、さっきからアンダーフレームの眼鏡をかけて地図とにらめっこしてる無線手の沙織で、
「問題ない。隊長は中隊指揮に集中してくれればいい」
そう答えたのは黒い仔猫……もとい。操縦手の麻子だ。
「安心しろ。戦場には必ず”私が”連れて行ってやる」
「冷泉殿! ここぞとばかりにアピールはずるいですよ~っ!!」
そう苦言申し立てるのは”みほの忠犬”こと優花里で、
「あらあらまあまあ」
とコロコロと微笑むのは華だ。
(久しぶりの実戦だけど、みんないつもどおりみたいだね♪)
車内のリアクションにみほは心中で安堵する。
なんだかんだと全員が1年も実戦から離れていたのだ。
みほでなくとも変な緊張をしてないか気になるところだろう。
(これなら戦える……!!)
グッと無意識に拳を握り、みほは双眼鏡を翳した。
そして程なく”それ”を見つけることになる。
「全車に告ぐっ!! 11時の方向に黒煙!! 距離、約3500!!」
皆様、御愛読ありがとうございました。
アリサはロシア男の子を孕む事態は避けられましたが、その分、着衣の放尿&脱糞ショーを披露してしまったエピソードはいかがだったでしょうか?(^^
カチューシャ様はどこまで本気でどこからが冗談なのかわからんですたい(笑)
ただ、”バーバヤーガの瞳”は思ったより汎用性の高い能力みたいですね?
動乱と戦乱の耐えない激動の時代を生き抜いたカチューシャは、お嬢様にあるまじきししぶとく図太く強かです。
さて、次回はいよいよみほとの邂逅でしょうか?
それでは皆様、また次回にてお会いしましょう!
***
設定資料
栄21型
中島飛行機製
形式:空冷複列星型14気筒、OHV
直径:1150mm
重量:571kg
燃料供給方式:キャブレター式
過給機:遠心式
出力:1150馬力(公称、高度6000m)
排気装置:推力式単排気管
使用機:一式戦闘機”隼”(初期型)など
金星51型
三菱重工製
形式:空冷複列星型14気筒、OHV
直径:1218mm
重量:642kg
燃料供給方式:キャブレター式
過給機:遠心式
出力:1300馬力(公称、高度6000m)
排気装置:推力式単排気管
使用機:零式艦上戦闘機(21型まで)など
備考
1940年当時の大日本帝国の空海軍の代表的な戦闘機用エンジン。
史実と大きく違うのは、まず開発時期だろう。例えば史実では零式輸送機、瑞雲などに採用された金星50番台が試作されたのは1940年だが、”この世界”では生産が40年には始まっていた。例えば、零戦などは十二試艦上戦闘機の頃から金星51型のテストモデルを搭載し、最初の量産型である零戦一一型にはマスプロモデルに移行していた。
ちなみに東京五輪においてデモフライトを見せたのは零戦一一型である。
史実ではありえなかった早期の開発は、モータリゼーションに代表する大幅な産業の近代化、アメリカ式の大量生産工学の導入が理由の一つではあるが、根本的には”この世界”における日米の良好な関係というのが最大の理由なのかもしれない。
例えば史実でも栄は明らかにプラット・アンド・ホイットニー社のワスプ系エンジンの影響を強く受けているし、金星の開発起点となった”明星”というエンジンは1934年(昭和9年)に三菱が製造権を購入した同じくプラット・アンド・ホイットニー社の”R-1690ホーネット”のライセンス生産品だ。
つまり栄にせよ金星にせよ、その規範はプラット・アンド・ホイットニー社、米国製エンジンであり史実と異なり”この世界”においては良好な日米関係(日米同盟)が継続されていたために技術交流が盛んであり、テクニカル・フィードバックが順調に行われていたことが開発が加速された要因であろう。
実は単純に実用化や量産が早まっただけではない。品質が均質化され安定供給できる製造ラインがあるのはもちろんの事、パーツレベルの史実の差異が極めて大きい。
そもそもこの時代、日米の航空機用ガソリンのオクタン価は共通化されており、史実よりハイオク航空燃料を使用することが前提となっているのだ。
また潤滑油をはじめ各種の燃料外のオイルも米国規格で統一されており、史実よりも遥かに高品質なところも見逃せない。
また、日本エンジンの泣き所であった電装系の弱さ、特にスパークプラグの劣悪さやギア関係の強度不足は初期においてはアメリカ製の部品を購入することで、中途より精密加工技術や冶金技術の向上でアメリカに準拠する品質の部品が製造可能となったために、”この世界”では大きく問題になることはなかった。
基本的に同じ設計であるのにも関わらず微妙に馬力が上がってる(馬力表示は”離昇馬力”ではなく高度6000m計測の”公称馬力”)のもその影響だろうし、また「カタログスペックどおりの出力が安定して出る」こともそうだ。
また、両方のエンジン揃って推力式単排気管(ロケット排気管)を採用しているのは、アメリカというよりはイギリス、日英同盟の影響だろう。推力式排気管は英国は
史実でも「日本のロケット排気管の起源はスピットファイア」、という空技廠OBの回想もあるようで、”この世界”では米国同様に良好な英国との関係から早期に導入され、この時代は標準的とは言わないものの一般的な排気装置になっているようだ。
エンジン本体の話ではないが、両者にメーカー推奨の標準プロペラとされているのは米ハミルトン社製の純正品、もしくは正規ライセンス生産品の三枚翅の定速度型プロペラというのも性能を語る上では無視できないだろう。
史実との違いは以上のように色々あるが、”この世界”においては陸軍航空隊ではなく山本一二三大将を頂点とする空軍が設立されてる影響なのか名称も微妙に変わっていて、金星はともかく史実では陸軍に”ハ115(115型発動機)”という名称で採用されたはずの栄21型がペットネームのまま採用されている。
おそらくだがこれは書類記載の際などの名称の混乱を避けるための配慮と思われる。
また、零式艦上戦闘機に最初から金星が選択されているのも”この世界”ならの事象で、基本的に「三菱の機体には三菱のエンジン、中島の機体には中島のエンジン」という図式が成り立っている。
以上のようにこの二つのエンジンに限らず日本の航空用エンジンは、史実と異なり英米からの技術流入と米品質/規格の様々な部品や燃料の恩恵を最大限に受けた分野であろう。