Fate/Problem Children 作:エステバリス
あけましておめでとうございます。
ギフトゲーム、まるごとカットどころじゃないことをやらかしてしまった。反省も後悔も(殴
ていうかこのお気に入りの増えようは果たしてなんなんでしょうか。二話で百件以上ってエステバ史上初めてな気がするんですが。
fateの力は偉大ととるべきか、それともロリコン&親バカホイホイととるべきか……恐ろしい。
「なっ、なにをなさっているのですか!?」「"フォレス・ガロ"のガルドとギフトゲーム!?」「その上ルールは向こうに丸投げで負けたら告発できる罪を秘匿する!?」「ていうかそもそもなんでそんなことになったのですか、ジン坊ちゃんがついていながら!」「皆様話を聞いているのですか返事をしてくださいな!」
「「「むしゃくしゃしてやった。反省も後悔もしていない」」」
「だまらっしゃい!」
スパンッ、と小気味のいいハリセンの音が飛鳥、耀、ジンを襲う。そしてジャックはなぜ三人が叩かれたのか意味がわからない、といった風に黒ウサギを見つめている。
どうやら十六夜も世界の果てに行った時に疑問に思っていたこと。なぜ自分達を招いたのかを黒ウサギに尋問したらしく、"ノーネーム"のいきさつなどもだいたい知った上で黒ウサギのコミュニティに着いていくようだ。
「まぁまぁ落ち着けよ、こいつらだって見境なしにケンカを売ったわけじゃねぇんだ。それを責める事は俺達に隠し事をしていたオマエにできるはずもねぇ」
「い、十六夜さんは自分が楽しければそれでよいだけでしょう……!御四人様がやらかしたことは結構面倒なことなんですよ!?」
「でも、わたしたちがやったことは悪いことじゃないよ?」
「ま、まぁそれもそうですけど……ああ、もう。いいです。ガルド程度十六夜さん一人いれば十五分ですし」
「はぁ?なに言ってんだ。俺は参加しねぇよ」
「そうよ、十六夜くんなんて神様仏様が許しても私が許さないわ」
黒ウサギの淡い期待などなんのその、この二人はさも当然たいう風にぶったぎる。
意味がわからないと黒ウサギは慌てて何故かと問う。
「ど、どうしてですか!?お二人は同じコミュニティの仲間、同志。ならば協力するのが当たり前では」
「いや黒ウサギ。これはこいつらが売って、向こうが買ったケンカだ。それに関わってない俺が口出しするのは無粋だろう」
「わかってるじゃないの、十六夜くん」
二人がよくわからない意気投合をしてしまった姿を見せつけられ、黒ウサギはもういいです、と諦めることにした。
「……じゃ、帰る前に少し寄るところがあります。ジン坊ちゃんはお先に帰ってくださいな」
「わかったよ」
黒ウサギの言葉に素直に頷いたジンは感謝か、謝罪か、あるいは両方の思いを込めて「失礼します」と立ち去っていった。
「それで、俺達はどこに向かうんだ?」
「"サウザンドアイズ"という大手の商業コミュニティです。そこで皆さんのギフトを鑑定してもらおうと思っています」
「……へぇ、ギフトの鑑定ねぇ」
少し興味がある、といったような反応だ。まぁここで駄々をこねられると本ッ当に困るので素直になってくれるのはとても嬉しいことなのだが。
「それでは着いてきてください。少し歩きますので……えっと、ジャックさん、暇になっても食べないでくださいね?」
「えー」
「えーじゃありません!」
「はぁい」
やはり、聞き分け自体は良い子のようだ。
◆◇◆
「……っと、見えてきましたよ。あちらが"サウザンドアイズ"の東側下層支店です」
黒ウサギがこれこれ、と紹介してる店は今まさに閉まらんとしていた。それを見た黒ウサギははっとなり、急いで店仕舞いをしていた女性店員に詰め寄る。
「まっ
「まったは禁止ですお客様。ウチは時間外営業はしておりませんので」
「……随分と時間に厳しいお店なのね」
「まったくです!目の前にお客がいるというのに!」
「文句があるのなら他所へどうぞ。貴方方は当店への出入りを禁止に致しますので」
「これだけで出禁!?どれだけハードコアなお店なのですか!?」
「なるほど、さすがに箱庭の貴族の願い事を無下にするのはよくありませんね。では中で入店許可を伺いますので、所属コミュニティの方を」
「……う」
こういう時、"ノーネーム"というのはとても不便だ。"名無し"ということは=証明書がないようなもの。こうして此方の痛いところを突いてくる悪徳な店員もいないこともない。
「……えっと、ごめんなさい。私達は"ノーネー」
「嫌がらせはそのくらいにしておかないかい、店員さん」
観念してノーネームです、と言おうとした矢先、落ち着きのあるハスキーな声に邪魔をされた。
誰だと思いつつも見ると、店内から、外国人としては低めの背をした男性が姿を現した。
「……貴方ですか。貴方は客人、此方の都合に口を出す権利はないかと思いますが―――」
「白夜王から言われてるんだ。『"ノーネーム"であることをいいことに
「……はぁ、そうですか。オーナーの頼みとあれば致し方ないですか……」
どうやら男性が話をつけてくれたようだ。彼はこちらを見ると穏やかな笑みを向けてくる。
「こちらの店員さんが失礼をしました。既にお店そのものは閉まっていますから……白夜王に用があるのでしたら、直接部屋に連れてこいと言われているからね」
こっち、と招かれて一行は男性に着いていく。男性が襖を開けると、そこは雅な装飾が施された一室だった。ただ一つ、部屋には不釣り合いな個人用のソファがあったが。
「む、おお黒ウサギか。どうやらその様子だと、一応成功はしたようだの」
「は、はい白夜叉様。お陰さまで」
「珂珂。よいよい。悪いと思うのなら今すぐにこっちに来てくれんかの?三食おやつと首輪つきで」
「ペットですか!?」
スパーン、と見事なハリセンツッコミ。冴え渡る。
「えー。よいではないか」
「よくないです!」
「……白夜王。世間話はそこまでにしておいた方がいいのでは?少なくとも僕はそう思うのだけれど」
男性がソファに腰を掛けて、その他一行は座布団に腰を掛ける。
「おお、それもそうか……では、自己紹介だ。私は白夜叉。四桁外門三三四五外門に本拠を構える"サウザンドアイズ"の幹部をしておる。そこの黒ウサギとは少々縁があっての。時に世話をしておるのだ」
「はいはい毎度助けられてますよっと」
かなり大雑把に返されてしまう。少しだけ白夜叉はむっとしていたのは秘密だ。
「外門、て?」
そして先ほどからガルドやらも言っていた単語、外門というものがいい加減に気になったのか、耀が手を上げて問う。
白夜叉はそれに対しいい質問だの、と答えて……
「頼む」
「そんなことだろうと思ったよ……」
男性に丸投げした。
「はぁ……外門とは箱庭の外部にある門のことさ。それには壁があって、その層に応じて桁数が小さくなっていく……これが図だ」
男性の見せる図を見て四人は思い思いに一言。
「……超巨大タマネギ?」
「いえ、超巨大バウムクーヘンではないかしら」
「だな。バウムクーヘンだ」
「おいしそうだね!」
「ふふ……面白い例えかたをするね。その例えで言えばこの第七層はバウムクーヘンの皮の部分。外も外だ。もう少し言うと箱庭はある境界から東西南北に別れていて、その外は世界の果てに繋がっているんだ。そこには強力なギフトを持ってる獣が塵の山みたいな量でいるから、あんまり近づくことは進められないかなぁ」
「あの蛇とかもそれなのか?」
「そうですね……あの蛇神様も強力なギフトを持った獣の一つとも言えますが」
十六夜と黒ウサギの耳打ちを目ざとく聞いていた白夜叉がぬ、と言うと男性の話を打ち切る。
「……ぬ、おんし、あの蛇神に勝ったのか?して、なにで勝ったのだ。力か、勇気か、それとも知恵か?」
「んー?試してやるとか偉そうなこと言ってたから殴った」
「なんと!?まさか力比べで蛇神を倒したと!ならばその小僧は神童か!?」
「いえ、神格持ちならば一目でわかります。それはあり得ないでしょう」
神格。文字通り、神としての格。
だが、この箱庭では神格は専ら"プラスステータス"のような扱いを受けている。ギフトの強化や持ち主の強化など。結構な反則アイテムでもある。
また、神格を持ったものは時としてその姿カタチの有り様を別のものへと変質させてしまう。それは余程のことではない限りあまり問題にはならないが。
蛇は蛇神に、鬼は鬼神へ。人は神童や現人神に。こんなような変わりなのであまり本質に変化はない。
「白夜叉様は蛇神様とお知り合いだったのですか!?」
「ああ、というかあやつに神格を与えたのは私だしな。三百年ほど前だったか」
「……へぇ、じゃあアンタはあの蛇より強いのか」
その言葉を聞いた十六夜が獰猛に眼を輝かせる。その言葉に白夜叉は自信ありげに頷く。
「ああ強いとも。なにせ私は東側の
「あら、それなら貴女を倒せば私達は東側最強ということね」
「うむ、そうなるの」
「そりゃあ話が早いじゃねぇか」
白夜叉の言葉に乗るように十六夜、飛鳥、耀は目の色を変える。当然、それを黒ウサギは止めようとするわけで。
「ちょ、ちょっと待ってください!ジャックさんとそちらの方もなにか―――」
「……じぃ」
「な、なにかな……そう無垢な目で見られると僕は困るんだけど……」
残念、そこの二人に協力は得られないようだ。
「よいさ黒ウサギ。私も娯楽には常に飢えている。だがしかし……おんしらにはその前に一つ確認しておこうか」
白夜叉は着物の裾から"サウザンドアイズ"の旗印の刻まれたカードを取り出して、どこか妖艶な笑みを浮かべながら問い掛ける。
「おんしらが望むのは果たして―――"挑戦"か、それとも"決闘"か?」
刹那、三人の視界はそこにいたものとは全くの別物の世界が広がっていた―――
◆◇◆
さて、話は少し逸れるが。ここで視点を白夜叉達を見る黒ウサギから、ジャックと男性に変更しよう。
三人が白夜叉の白夜の世界へと視界を飛ばされたその時、相も変わらずジャックは男性から視界を離していなかった。
「………」
「………」
「………」
「…………………………、なに、かな」
「ううん……ただ、にてるなぁ、て」
「似てる?なにに」
「わたしたちに」
「……みたいだね」
「なんでだかわかんないんだけど、あなたはわたしたちに、にてる」
「そう、か。なるほど……キミもやっぱり、僕らと同じみたいだね……」
「……、うん」
言葉の真意は二人以外にはわからない。だが二人は互いに理解をしている。その結論さえあれば充分だ。
二人―――特に男性は満足げに頷く。彼はぽん、ぽん、とジャックの髪に手を乗せて、優しく撫でる。
ジャックは煩わしそうに、だが悪い気はないといった風にそれを受け入れた。それが友愛行為に近いものだと理解したからだろう。
「そうだ……キミにこれを渡しておこう」
「??」
唐突に男性が懐から一枚の紙片をジャックに手渡す。ジャックがそれを受けとると、それは赤黒い朱色と漆黒で塗り潰された色へと変化し始める。
「ギフトカード。正式名称は"ラプラスの紙片"と言ってね……あまりキミには意味のないものだけど、キミら"ノーネーム"の再興祝として、白夜王がきっと他の三人にも渡してるだろうし、キミだけないのは不公平だろう?」
「うん」
ギフトカードと呼ばれた紙片にはただ単純に"ジャック・ザ・リッパー"と刻まれている。その下には彼女のギフトということなのだろうか、
丁度ジャックがそれを読み終えた時、十六夜達が帰って来た。向こうでのいざこざはどうやら終わったようで、男性の予想通り他の三人もギフトカードを手にしていた。
「白夜王。彼女、
「そうか……なるほどな」
また面倒なのを持ってきたものだ……と溜め息をつく白夜叉。
「娘、おんしのギフトカードを少し貸してくれんかの」
「? いいよ」
白夜叉の頼みを断ることなく白夜叉は受け取り、パンパン、と注目させるように柏手を打つ。
「おんしら、少しよいか」
「あん?まだなにかあるのかよ」
「ああ、おんしらにも関わってくるからな。すまんがジキル、アレを持ってきてくれ」
「彼女を見たときから持ってきてるよ」
白夜叉の言葉に即座に対応した男性……ジキルは一枚の"契約書類"をジャックに渡す。それに興味を寄せた十六夜達もぞろ、とジャックに集る。
『"The Holy Grail War in Miniature Gurden"
・ゲーム参加条件
"暗殺者の器"
のいずれかと"器の秘技"の所有者
・ゲームルール
この戦争は七つのクラスのサーヴァントによる聖杯の争奪戦である。参加条件を得た者達はサーヴァントと呼称され、以下のルールを自動的に自身に組み込まれる。
一、所属コミュニティのリーダー、あるいは使役系ギフトの持ち主をマスターと認定し、マスターには三画の絶対命令服従権"令呪"のギフトを手にする。
二、同コミュニティに所属しているサーヴァント以外のサーヴァントが全て脱落した時、最後まで参加権を失わなかったサーヴァントとマスターはこの戦争の優勝者となり、如何なる願いも一つ叶えることができる。
三、サーヴァント同士の戦闘に発展した場合、サーヴァントは参加条件を満たしているサーヴァントからの攻撃以外の攻撃行動のダメージが四分の一となる。
・敗北条件
サーヴァントを保有するコミュニティとの戦闘行動においてマスター、あるいはサーヴァントが監督役に気絶による戦闘不能と判断された場合
マスター、あるいはサーヴァントの死亡
"令呪"の喪失
・特殊ルール
サーヴァントの死亡、気絶以外でサーヴァントが参加権を失ったとしても同コミュニティ内にてまた新たに"令呪"が自動で配布される可能性がある。その場合"令呪"を手にした者と契約を交わせば再び本ギフトゲームへの参加権を得る
宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗の下、聖杯戦争を始めよう ――――印』
これが、僕なりの聖杯戦争です。
箱庭全土で行う以上、箱庭の便利さとかで優勝条件とか色々マイルドになってますが、有り体に言えば個人的に好きなキャラとか展開的に脱落しかないキャラを動かすための便利設定。
……皆さんの好きなサーヴァントを容赦なく殺して石を投げられるのが怖いのもありますごめんなさいそんな「真実をゲロっちまえよ……」みたいな顔で見ないで!
そんなこんなで、今年もよろしくお願いいたします。