~数日後~
「んでさ、ここがこうで……」
「えっと……う~ん…………分かんないよぉ……」
「うがぁぁ~! 俺は実技でいい点取るから良いんだよ~!」
「十代、お前……何でデュエルに関する座学以外がこうもダメなんだよ…………」
「あぁ、オシリスの天空竜様~。死者蘇生の如く我を導きたまえ~」
「……ダメなんだな、翔のSAN値はとっくに0の様なんだな」
「……なんなんだ、この混沌空間…………あ、今度カオス系のデッキ作ろうかなぁ……あ、でもカオス使い結構いるからデッキコンセプトが被らないようにしないとなぁ~」
……ダレか、この混沌空間を払拭してくれ…………突っ込みは俺の管轄外なんだよ……
「おい、燐平。そこで現実逃避せずに勉強続けろ。特に数学をな」
「うぐ……わ、分かったよ…………でも数学は勘弁してく「ダメだ。お前赤点常習犯だろ」で、ですよねぇ~……トホホ」
せっかく勉強から逃げれると思ったのに…………よりにもよって数学かよ……マジで嫌だなぁ…………
「…………それまで! 書く手を止めて回答の紙を前に回して!」
ふ、ふぃぃ……やっと終わった…………こっちの世界でもテストがあるとか…………嫌になっちゃうぜ……まぁ、デュエル大好きな俺にとってはこの世界での実技試験は嬉しい限りだけどな。
「燐平、飯行こうぜ~!」
「おう……ってあれ? 満達は??」
「あぁ……二人なら問題の答え合わせを自主的にやってるよ。確か、三沢大地…………だったかな? 彼と一緒だったから間違いないよ」
「そっか~……」
っつーか人が全く居ねぇけど……あ、そういやテスト終了後にクロノスが新弾パックを買い占めるイベントがあったっけ…………でも、あれいつだっけ??
「さ、早く行こうぜ」
「お、おうっ!」
「今日はどうする?」
「ん~……折角だし、ドローパンかな! たまには当たりを引きたいからな!」
「……そういや、今までドローパンの戦歴って…………」
「…………くさや2の納豆4、ゴーヤーが3で……後は具なしが9だったな…………」
そう、今までドローパンで良いものを引いた試しが無いんだ。具なしパンなら、カードが貰えるけど……ズシンとかキーメイスとか……使いこなすには一癖二癖あるカードが多かったな…………当たりを引きたいぜ……
「トメさーん! ドローパン2つと牛乳500mlの1パック!」
「はいよ。じゃ、牛乳ね……それと、ドローをどうぞ」
今日こそ当てるっ!!
「いくぜっ! 強欲に2ドロー!!」
手元にはちゃんと2つのドローパン……今日こそは当ててやる!!
「んじゃ、俺もドロー!」
お、遊介もか。アイツの時はクリームパンとかジャムパンとか無難なのが多いんだよな……せめて無難な奴を…………!
「よし! 1つめは…………辛っ!?」
ちょっ……唐辛子パンかよっ!? 牛乳牛乳……
「アハハ……相変わらず、ドローパンでのドローは冴えないね…………あ、卵パンだ。普通のだけど、美味しいから良いや」
……無難なパンを引き当てる遊介が羨ましいぜこんちくせう…………
「つ、次こそ…………具なしパンかよ……」
ま、まぁ……期待はしてねぇけどカード交換してくるか…………
「トメさーん! カードの交換お願い!」
「おっ、はいよ…………はい、どうぞ」
さて、どんなカードが入ってるかな…………ってこれは……
「今日は当たりを引けたかも知れねぇな…………」
よっし! 早速デッキ改造するぜっ!!
「それでーハ、これより月1テストの実技試験を開始するのーネ! 呼ばれた人ーハ、指定されたデュエルフィールドへと向かうのーネ!」
いよいよ実技試験だぜっ!!
「次、オシリスレッドの九十九燐平! 三林龍騎! 」
お、早速か! いっくぜ!!
「…………で、相手ってお前かよ……龍騎」
「燐平とのデュエルか……ちょっと怖いけど…………ま、負けるつもりは無いから安心してね?」
安心出来るかよ!!
「にしても、懐かしいな。俺達が初めてデュエルしたときの事、覚えてっか?」
「うん……燐平に誘われて始めたデュエル…………最初はボロボロに負けっぱなしだったもんね。……最近じゃ、勝ち数は僕の方が多いけど!」
「あぁ、だから俺はお前に勝つ!」
「僕だって負けないよ。この新しく作ったデッキで勝つ!!」
「「デュエル!!」」
先攻:九十九 燐平LP4000
後攻:三林 龍騎LP4000
「うっし、俺の先攻ドロー!!」
相手はあの“制圧者”の二つ名を持つ龍騎だからな……あっという間に押されない様にしねぇと…………
「俺はモンスターをセット! 更にカードを3枚セットして、ターンエンドだ!」
燐平LP4000
手札2
場
???
伏せカード3
「むぅ……いきなり3伏せぇ? 燐平らしくないっちゃあらしくないけど……僕のターン、ドロー!!」
……さぁ、どうくる!
「…………まぁ、気にしてたら負けか。魔法カード、“大嵐”を発動!! 魔法・罠を全て破壊するよ! ……チェーンで発動するカードは?」
「…………いや、無いぜ。そのまま通す」
破壊されたカード
●ブレイクスルー・スキル
●ヒーロー・メダル
●白銀のスナイパー
俺の場の伏せカードが3枚とも捲れていき、破壊される…………が、その内の2枚が光輝いた。
「でも、“白銀のスナイパー”と“ヒーロー・メダル”をの効果を発動! これでヒーロー・メダルをデッキに戻してシャッフルした後でデッキからカードをドローして、白銀のスナイパーはこのターンのエンドフェイズに特殊召喚されるぜ!」
手札2→3
…………お、早速このカードが引けたか。
「むぅ……あんまり破壊しても嬉しくないカードばっかじゃん…………まぁ、だからって攻めるのを躊躇ってたら敗けだし……更に攻め込む! “天空の聖域”を発動して……魔法カード“聖域の秘術書”を発動! これは天空の聖域を発動したターンのメインフェイズにしか発動出来ないカードだよ。この効果で、僕はライフを500失う代わりに、デッキから☆4以下の天使族モンスターを効果を無効にして2体特殊召喚出来るよ! 来て……コーリング・ノヴァ、シャイン・エンジェル!」
コーリング・ノヴァATK1400
シャイン・エンジェルATK1400
「バトル! コーリング・ノヴァでセットモンスターを攻撃!!」
「セットモンスターは“幻影の魔術師”! その効果でデッキから攻撃力1000以下の“E・HERO フォレストマン”を表側守備表示で特殊召喚するぜ!!」
E・HEROフォレストマンDEF2000
「うっ……これじゃ追撃出来ないじゃん…………モンスターとカードを1枚セットしてターンエンド!」
「おっと、ならエンドフェイズに白銀のスナイパーが特殊召喚されるぜ! その追加効果でお前のモンスターを1体破壊……」
「出来ないよ! 聖域の秘術書はその効果で特殊召喚されたモンスターにこのターンの間だけ効果破壊耐性を付与させる追加効果があるからね!」
聖域の魔術書(オリカ) 通常魔法
自分の場に『天空の聖域』がある場合のみライフを500ポイント支払い発動出来る。
デッキからレベル4以下の天使族モンスターを2体特殊召喚する。特殊召喚されたモンスターはモンスター効果が無効になり、発動したターンの間だけカード効果によって破壊されない。
「くっ……だが、白銀のスナイパーは特殊召喚出来るぜ!!」
「改めて、ターンエンド!」
白銀のスナイパーATK1500
龍騎LP3500
手札2
場
シャイン・エンジェルATK1400
コーリング・ノヴァATK1400
???
伏せ1
フィールド:天空の聖域
「俺のターン、ドロー!!」
…………お? 案外いけるかもな。
手札3→4
「んで、スタンバイフェイズにフォレストマンの効果を発動……」
「させないっ! カウンター罠“神罰”! これでフォレストマンの効果を無効にして破壊する!! 融合はさせないからね!」
ぐっ……やっぱ、一筋縄では行かねぇか…………だが! 今ので俺の勝利への道筋が見えた!
「まだだっ! “E・HEROエアーマン”を召喚して効果を発動!! デッキからヒートをサーチ!」
「うっ……握ってたんだね…………それとも今引いたのかな……」
「まだだっ……まだ俺のターンは終わらねぇ! “融合”を発動!」
「いっ!? そっちも握ってたの!?」
「これは今引いたぜっ! 手札のヒートと場のエアーマンを融合! 燃え上がる炎のHERO、ここに見参! 融合召喚、“E・HERO ノヴァマスター”!」
E・HERO ノヴァマスターATK2600
「更に、“ミラクル・フュージョン”を発動っ!墓地の幻影の魔術師とフォレストマンを除外して融合召喚! 深淵の闇より姿を現し闇のHERO、“E・HERO エスクリダオ”を融合召喚! エスクリダオは墓地のHEROの数×100だけ攻撃力が上がる!」
「そ、そっちも持ってたの……!?」
E・HERO エスクリダオATK2500→2700
「バトル! ノヴァマスで……シャインエンジェルに攻撃! フレイム・ノヴァ!!」
「ぐっ……でも、天空の聖域があって、僕の場に天使がいる限り戦闘ダメは発生しないよ! そして、シャインエンジェルの効果を忘れてない? 効果を無効にされているのは場にいるとき……つまりリクルート効果は生きる訳だよ!」
ふむ……でも、それは関係無いっ!
「わかってらぁ! だからこっちもシャインエンジェルの効果にノヴァマスの効果をチェーン発動だ。デッキからカードを1枚ドローっ!!」
…………うっしゃ! これなら行ける!
「なら、シャインエンジェルの効果で“コーリング・ノヴァ”を特殊召喚するね!」
コーリング・ノヴァATK1500
「まだだっ! 続けてエスクリダオで今出てきたコーリング・ノヴァを攻撃! この時に手札から速攻魔法サイクロンを発動。これで聖域を破壊する!」
「っ!? しまっ……ノヴァマスで引いてたのっ!?」
「あぁ! これでダメージは通るっ! Dark diffusion!」
「うわあああっ!」
龍騎LP4000→2700
「ぐっ……でも、コーリング・ノヴァの効果でヘカテリスを攻撃表示で特殊召喚…………これで攻撃はもうお仕舞い……「誰がこんな最良の手札で終わらせるかっ! 自分の融合HEROがバトルで相手に戦闘ダメージを与えたバトルフェイズに、この速攻魔法を発動する!!」なっ!!??」
「速攻魔法、“コンストレック・エレメント”! その効果により、自分の場にいる融合HEROを全て墓地に送り、デッキから同レベルの融合HEROを特殊召喚するっ! 尚、特殊召喚されたモンスターは効果は無効となるっ!!俺は☆8の融合HERO2体を墓地に送って……」
さて、ここでどのHEROを出すかな……別にレベルを合わせれば良いんだから同名モンスターでも良いっぽいけど……効果無効はなぁ…………ま、墓地に送られても発動できるアイツらにするか。
「…………俺は、ZEROとシャイニングを特殊召喚するぜっ!!」
E・HERO アブソルートZEROATK2500
E・HERO The シャイニングATK2600
コンストレック・エレメント 速攻魔法
『HERO』と名の付いた融合モンスターがバトルにより、相手に戦闘ダメージを与えた時にのみ発動できる。
自分の場にいる全ての『HERO』と名の付く融合モンスターを墓地に送り、エクストラデッキから墓地に送ったモンスターと同じレベルの融合HEROを特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターは場にいるとき、効果は無効となる。
さて、このターンでの決着は無理だけど……ダメージは与えておいて問題ないかな。
「当然、バトルフェイズの特殊召喚だから攻撃出来るぜ! シャイニングでヘカテリスに、そしてZEROでコーリング・ノヴァにそれぞれ攻撃!! シャイニング・ストーム! Freezing at moment!」
「うわあああああっ……!」
龍騎LP2700→1600→400
「くっ……コーリング・ノヴァの効果で守備表示でジェル・エンデュオを特殊召喚するよ…………!」
チェッ……少し残ったか…………でも、龍騎には守備表示のジェル・エンデュオと僅かな手札のみ……ここからどうくる……!?
「白銀のスナイパーを守備表示にして、ターンエンドだっ!!」
「エンドフェイズに手札から罠発動!」
っ!? 手札から罠!?
「罠カード“堕天使を呼ぶ笛”! これは僕がダメージを受けたターンにエンドフェイズに手札から発動できるカード! 勿論、伏せて使うならその縛りは無いけどね……でも、手札から発動したら二つ目の効果が使えるからね。まずはどっちでも使える共通効果! 自分の受けたダメージ以下の攻撃力を持つ“堕天使”と名の付く天使を特殊召喚する! 来て、“堕天使アスモディウス”! そして、第二の効果で、自分の受けたダメージの分だけ攻撃力を上げる!」
はあっ!? ちょ、攻撃力を上げるって…………
堕天使アスモディウスATK3000→6600
堕天使を呼ぶ笛 通常罠
戦闘ダメージを受けたターンに発動できる。受けた戦闘ダメージ以下の攻撃力を持つ堕天使を手札から特殊召喚する。
戦闘ダメージを受けたターンのエンドフェイズに手札からこのカードが発動されると以下の効果が適用される。
●受けた戦闘ダメージ分、自分の堕天使と名の付くモンスター1体の攻撃力を上げる。
「こ、攻撃力が……6600!?」
や、ヤバい…………しかもこの状況なら確実に永続アップ効果……!
燐平LP4000
手札0
場
E・HERO The シャイニングATK2600
E・HERO アブソルート ZEROATK2500
白銀のスナイパーDEF1300
「僕のターン……ドローッ!!」
手札0→1
……さぁ、どうくる…………
「強欲な壺を発動して2枚ドロー!」
うぐ……ここでドローソースかよ…………
「っ!! ……アスモディウスの効果でデッキからスペルディアを墓地に。そして、手札の“幻惑の巻物”をアスモディウスに装備して光属性に変更して…………バトル!」
っ……光属性に変更? まさか…………オネスト!?
「バトルフェイズ直前にリバースカード、“ヒーロー・バリア”っ!」
これで攻撃は出来ないから何とかなる…………ん、微笑んでる?
「……メイン2へ。カードを伏せてターンエンドだよ」
…………え!?
「っちょ!? それオネストと違うのか!?」
「へへっ……幻惑の巻物は確かに堕天使へのオネスト用に入れてたけど、こんな風に見せ掛けも出来るからね」
龍騎LP400
手札0
場
堕天使アスモディウスATK6600(幻惑の巻物:光属性)
???
幻惑の巻物(堕天使アスモディウス:光)
伏せカード1枚
くっ……してやられたな。だが、あの伏せカードが何か……結構怖いな。
「俺のターン、ドロー!」
ネクガ…………ダメ、か。これでは突破は無理そうだ……。
「2体を守備に変更、ターンエンドだ……」
「エンドフェイズに永続罠、“最終突撃命令”! これで全員強制攻撃表示にするよ!!」
「しまっ……!」
そして、龍騎の場に序盤からセットされていたモンスターカードが裏返る…………
???→オネストATK1100
セットモンスターはオネストだったのか…………
「って、場に伏せてたんかい!?」
「えへへ……でも、これで僕の勝利だよね?」
「…………あぁ。完敗だぜ……」
何が驚いたかって、最終突撃命令には驚かされたな。ああやって無理にでもダメージを当てにくるのは分からなかった……ってか、あれがセットならどっちにしろ負けてたな。ZEROだろうとシャイニングだろうと、4000以上のダメージが通って負けだしな。
「僕のターン! オネスト回収してバトル。アスモディウスでZEROに攻撃っ!」
「…………ダメステをスルーは……してくれるか?」
ダメ元で聞いてみる。
「勿論。ダメステ時に手札からオネストの効果を発動! 攻撃力をアップさせちゃうよ」
ですよねー……1killされちゃったかぁ…………
アスモディウスATK6600→9100
燐平LP4000→-2600
龍騎win