誰が為に歯車は廻る   作:アレクシエル

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LAST CHAPTER : 誰も知らない明日へと
最終話


最終話

 

 

1.

 

 

幸せの定義とは、何か。

 

 

何気ない日常の中で、不意にそう考えてしまう事が多くなっているように感じる。

例えば、恵まれた財産。家族。環境。美味しいものを食べた時。何かをやり遂げた時。もっとシンプルに、生きている事それ自体が幸せなのだ、と言う者もいるだろう。

幸せだと感じる瞬間は、人それぞれ異なる。そしてやはり、世界規模で見れば、"幸せ"というものは全人類に平等に与えられているものではない。

けれど、どうすれば全人類を幸せへと導けるのか。そういう風に考える事は、彼女はしない。

できないのだ。何故なら、彼女にとっての"幸せ"とはごく単純なもので、しかしそれでも、手に入れるまでに気が狂いそうな程の年月を過ごし、命を、己の存在を賭して懸命に戦い抜いた結果、手にしたものだから。

救いを与える事はできるだろう。しかしそれは、"幸せ"を与える事とは同意義ではない。

それは、かつての戦いの中で痛い程に味わった。幸せのカタチが人それぞれ異なる以上、個人の意思で与える単一の"救い"などというモノでは、全てを平等に救う事はできはしないのだ。

 

 

「…………………」

 

 

そして彼女という存在は。

決死の思いで掴んだ"幸せ"を、すぐそばで再確認できるだけで"幸せ"を感じる事ができてしまう、ある意味単純な性分なのだ。

 

「………………ねえ、まどか」

 

そんな彼女…暁美 ほむらは、すぐ隣で静かに、可愛らしい寝息を立てるまどかを見て、優しく髪を撫でながら小さく呟いた。

 

「………私、なれたかな。守られるんじゃなくて、ちゃんと守れるように、強くなれたかな」

 

返事を期待していた訳ではない。今は午前3時。普段から比較的規則正しい生活リズムを刻んでいるまどかは、こんな夜中に不意に目を覚ましたりしない。

だからこれは、自問自答にも等しい行為だった。

それは、かつてほむらが己の魂を賭した"願い"。

廻り廻って、こうして"悪魔"という存在にまで身を堕とす事になってしまったが──────否、そうならなければ、まどかを守りきる事は出来なかったが。

その為に失ったものも多い。例えば、ほむらはもう、普通の人間のように天寿を全うする事を許されない存在となってしまっている。

自分だけならまだいい。しかしそれは、救済の女神(魔女)のチカラを手に入れ、魔法少女でも、魔女でもない存在となったまどかも同様なのだ。

彼女の中の膨大な魔力が、使おうとしても使い切れない程の強い魔力が、いずれ彼女の身体の時を止めてしまう。

ほむらと同じように、ある程度身体が成熟した時点で"最適な状態"とみなされ、彼女達の意思とは無関係にそれは起こるだろう。

果たしてそれは、まどかが"人間らしく"生涯を全うするという、ひとつの"幸せ"を奪った事になりはしないだろうか。

そんな事を考えてしまう程度には、今のほむらには余裕ができていた、とも言えるのかもしれない。

つくづく、人間とは現状に満足しきれない欲深い存在するなのだ、とほむらは溜め息をつく。

 

その時、ぴくり、と傍らに眠るまどかの身体が動いた、気がした。

 

「…まどか?」

 

その声に応じるかのように、まどかは重たい瞼を開け、気だるそうに上半身を起こした。

布ひとつ纏っていない素肌がほむらの腕に触れ、その暖かさが伝う。

 

「てぃひひひ」

「…違う、あなたは………」

 

まどかではない。

厳密に言えば、彼女もまた"鹿目まどか"のひとりには違いないのだが。

今のまどかは200余りの人格が、記憶が、ひとつの身体へと統合された存在。核となるまどかの人格が眠りに就いている今だからこそ、その内の人格の1つが一人歩きして、こうして目を覚ましたのだ。

こういった事は、初めてではなかった。まどかの記憶が統合されて以降何度となくあったが、別人格のまどか曰く"ひとつの人格に200余りの記憶を詰め込むと、いずれ思考がパンクしてしまう為、それを防ぐ為のガス抜き"である、との事。

恐らくは、人間が眠る時に夢を見る事によって、脳内の情報を整理しているのと同じ原理なのだろう。

であれば、今ほむらの前に現れた"まどか"は、一体どの"まどか"なのか。それによっては、返す言葉を慎重に選ばなければならない。

何故なら、まどか自身はほむらに対してとても好意的だが、全ての"鹿目まどか"がそうであるとは限らない(と、ほむらが一方的に思っている)からだ。

それを踏まえた上で、ほむらはまどかの言葉を待つ。

 

「ほむらちゃんは強くなったよ。初めて出逢った頃とは別人みたいになっちゃって、正直びっくりしちゃったけどね」

「"初めて"…? あなた、まさか…!?」

「…ううん。これはあくまで"記憶"の残滓。まだほむらちゃんが魔法少女になる前の頃の"鹿目まどか"の記憶に過ぎないよ。

…正直、不安だった。あの時、ほむらちゃんを残して死んじゃって、ほむらちゃんがその後どうなっちゃったのか。こんな形で識る事になるなんて夢にも思わなかったけれど、でも、安心した」

「安心? 何が…」

「ほむらちゃんは変わってない、って事。すごく強くなって、引っ込み思案じゃあなくなったけど、相変わらず自分に自信がなくて、自分の事なんかそっちのけで他人の心配ばかり。

でも、ほむらちゃんが優しい女の子だって事は、今も昔も変わってない」

「……私は優しくなんてないわ。ただ、失うのが怖いだけ。今だってそうよ。目を離せば、まどかがどこか遠くに行ってしまいそうで……心も体も結ばれたって、この不安はずっと消えない。

疑ぐり深くて、重い女。それが私なのよ」

 

それでもきっと、今のまどかはほむらの傍から離れてしまう事はないだろうと、ほむらは信じている。

でなければ、こんな風に軽々しく弱音を吐いたりなんてできない。

それに、事は2人だけの問題では済まない。

ほむらがまどかを救う為に条理を捻じ曲げた結果、円環の理という存在は誕生せず、魔法少女の問題は野放しになってしまったままなのだ。

少なくとも、理を曲げた責任だけは取らなくてはならない。だが今はまだ、それに代わる手段すら見つけられていないのが現状。

そしてそれは、2人にとって恐らく最後の命題となるのだろう。

 

「…そうだね」

 

まどかは妙にしょげた顔をするほむらに、軽い口調で返す。

 

「ほむらちゃんの愛は確かに重いよ。だって、この私が"好きだ"って何回言ってもこれだもん。…でもさ、いくら"鹿目まどか"がお人好しだからって、好きでもない人と"こんなコト"しないよ?」

「うっ」

「でも、ほむらちゃんが言ってる事はそういう事なんだよ。…私だから愛想尽かしたりなんてしないけど、他の女の子だったら、ここまで尽くしても疑われたら、とっても悲しくなると思うな」

「……ごめんなさい、まどか。私、あなたをまた傷つけてたのね」

「ううん、傷つけられたなんて思ってないよ。…それに、信じられないのなら、信じてくれるまでいっぱいほむらちゃんを愛せばいいだけだもん」

 

途中から、言葉遣いが微妙に変化したように感じた。

恐らくその変化は、全ての"鹿目まどか"を見てきたほむら以外には気付きようもない程の微妙なもの。

だが、確かに変わっていた。ほむらと1番最初に出逢ったまどかではなく、今喋っていたのは。

 

「──────だから、覚悟してね? "私達"の気持ちが全部伝わるまで、泣いても謝ってもやめないから」

「えっ…ちょ、まどか!? 今は夜中よ? それに明日遅刻したらお母さまに怒られむぐっ!?」

「………ふぅ。悪いけど、今はほむらちゃんの事しか考えられないなぁ」

「きゃあっ!? だ、だめぇ!!」

 

 

 

……………重ねて言うが、まどかは一つの身体に200余りの人格…記憶を宿している。

その全てが一丸となって、1人の女の子を、身も心も全力で愛し尽くそうとすればどうなるか。

少なくとも、普通の人間であるならばその愛の重さに耐えられないだろう。本人曰く"既に狂ってるからこれ以上狂いようがない"と語るほむらでなければ、きっと耐えられない。

敢えて言うならば──────翌朝、ほむらはまどかの肩を借りなければ歩くこともままならず、何かに怯えるように(或いは期待しているように)、ビクついて登校する羽目になった、とだけ言っておこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

2.

 

 

 

 

 

 

そうして迎えた翌日。

12月も半ばに差し掛かり、数日後に控えている冬休みと、その直前に待ち構える期末テストの対策で頭がいっぱいな生徒たちばかりの見滝原中学。

4月に起きた謎の暴風によって半壊した校舎は、夏の終わりの時点で改修が完了しており、元どおりのガラス張りの教室の中で、生徒達は授業を受けている。

そんな折、ほむらは持病を口実に授業を休み、保健室で昨晩の疲労の回復に努めていた。

時計の針を見れば、もう間も無く午前中の授業が全て終わり、昼休みが始まる頃だった。

 

「…………はぁ、戻らなきゃ……」

 

どうにも足腰に力が入らない。悪魔の力をほんの少しだけ使えば、この程度の疲労など瞬時に回復させられるのだが、ほむらはこの疲労を、己への罰として甘んじて受けていた。

やや硬い保健室のベッドから身を起こし、壁に掛けたブレザーに手を伸ばそうとした時、

 

「──────よう、優等生の癖に仮病かい?」

 

と、赤い髪と可愛らしい八重歯が特徴的な少女・佐倉 杏子が意地悪そうに言葉を投げかけてきた。

ちなみに彼女は今現在、私服を身に纏っている。明らかに部外者なのだが、恐らく窓を魔法で開けて忍び込んで来たのだろう。

 

「私、これでも心臓病持ちだから」

「うそつけ! ………………マジで?」

「マジ、よ。魔法少女になっていなければ、全力疾走した瞬間にAEDのお世話になる程度には、ね。…それより杏子、あなたは一体何しに来たのよ。巴さんに見つかったらうるさいわよ?」

「ヒマなんだよ。掃除、洗濯…つっても、30分もありゃ終わっちまうし、テレビもつまんねーし、あんまりにも退屈だから遊びに来たってワケ。そしたらアンタが保健室で寝てるって言うから、顔出しにきてやったんだよ」

「ゲームセンターにでも行けばいいじゃない」

「アホ! こんな真っ昼間からゲーセンなんか行っても店員に追い出されちまうよ! …わかってて言ってんだろ、アンタ」

「ふふ、ええ。既に経験済みだもの」

 

気だるい身体に鞭打ってベッドから出ようとするが、やはり脚に力が入らない。

杏子の前ではどうにか平静を取り繕うとするが、そういった微妙な変化にすぐ気付くのも、杏子の美点の一つでもあった。

 

「なんだ、マジで具合悪いのか」

「…ええ、ちょっとね。悪いけど肩貸してくれるかしら」

「いいけどよ、得意の悪魔パワーで治せんだろそんなの」

「…これは私への罰なのよ。悪魔パワーで治しちゃったら罰にならないもの」

「ふぅん………まあいいや、ほらよ」

 

…ほむらはこの時、無闇やたらと詮索してこない杏子の優しさに感謝すら抱いていた。

よもや"恋人を怒らせて朝まで気が狂いそうなほど折檻された。泣いても謝っても許してくれなかった"などと、口が裂けても言えないからだ。

などと気を緩めながら杏子の肩を借りた途端、不意に杏子が口走った。

 

「……ん、なんだコレ。アンタの首んとこ…………ははーあ、なるほどねぇ!」

「ど、どうしたのかしら杏子」

「いやいや、仮にも悪魔を名乗っちゃってるアンタにしちゃあ油断したみたいだねぇ。首んとこにでっかい"魔女の口付け"刻まれちゃってさ!」

「──────っ!!!?」

 

どっ、と。

実際にそんな音がしたような気がした。

額からは冷や汗が流れ、顔面が熱く腫れ上がったような錯覚を覚える。

しかし杏子はそんな様子にも構わずに、

 

「どらどら…ふーん、へーえ。…なるほどぉ、昨夜はお楽しみだったようで」

「〜〜〜〜〜っ!!!」

「しかしまどかも意外だねぇ。前に海で訊いた時も確かにそれっぽい片鱗を感じたけど…アイツやっぱり、ウサギの皮を被ったオオカミだったってわけかい。まさか立てなくなるくらいイジめられるなんてな、"ほむらちゃん"よ!」

 

けらけら、と明らかに小馬鹿にしたような笑い声が保健室中に響いた。

対するほむらは今すぐにでも杏子の肩から離れて逃げ出したい程の羞恥を堪えていたが、今の状態では悪魔パワーを使って体力回復をしなければ、走る事など不可能だろう。

 

「──────まあアレよ。よかったじゃねえのほむら。そんだけアイツはアンタの事が好きだって事だろ?」

「ええ。…昨日の夜ではっきりと身に沁みたわ」

「でも、だ。アンタはまだ納得してない。そんな顔してるぜ。…一体アンタは、まどかの何を信じられない?」

「…!」

 

これだから杏子は、とほむらは溜め息をつく。

ふざけているようで、いきなり核心を突いてくる。まるで心を見透かしているかのように。

 

「仮にも神父の娘だ、舐めんなよ。悩める徒を導く為には、相手をよく識る為の"観察眼"ってやつが必要なんだ。あ、これ親父の受け売りな」

「…いつの時でも、あなたには嘘はつけそうにないわね」

「ふん、悪魔だか何だか知らねえけどよ。そうやってうじうじ悩んでるアンタは実に人間らしい。嫌いじゃないぜ、そういうのは。…んで、何が不満なわけよ。ぶっちゃけ、アンタが頭下げて頼めば何だってやってくれるだろ、まどかはさ」

「…だからよ、杏子」

 

全て、見透かされている。気のせいなどではなく、確実にだ。

であれば、杏子になら話してみるのもいいかもしれない。こんな話、とてもさやかやマミには言えないだろうけど。

そうしてほむらは、重い口を開け、己の心中を吐露し出した。

 

「自分でもわかってるの。私は多分、"赦される"事が怖いの。お前は悪者だ、人殺しだ、神を壊した悪魔だ…って、責め続けられたいの。その方が楽なの。…知らなかった。"幸せでいること"がこんなにも怖い事だって、わからなかったの。誰かに罰せられてないと気が済まないの。だって、私なんかが幸せでいていい筈がない。こんな"幸せ"が、本当に永遠に続くのか、怖いの。

だってそうでしょう? 今の私の"幸せ"は! 彼らの犠牲の上に成り立っているんだもの!」

「………なるほど、アンタの言いたい事はだいたいわかった」

「……こんな話、あなただからできるのよ」

「アタシはまどかやさやかと違って、甘ちゃんじゃないからか? …それって、アンタが怯えて過ごしてる"幸せ"の中には、アタシは居ないってことかい? アイツらと違ってアタシなら、アンタを躊躇なく殺せるだろうから、かい?」

「…ちが、そんなつもりで言ったんじゃ………!」

「……悪い、今の質問はちと意地悪が過ぎたわ」

 

杏子に殴られるかもしれない、と思った。

悪魔となった今は、殴られた程度では痛みなど感じない。だが、心までは麻痺した訳ではない…と、思っている。

杏子とて、わかっているのだ。ほむらはちゃんと、自分にとっての"幸せ"の中に杏子も含めている、と。

信頼していなければ、こんな弱音を吐けたりなどしない。それでも、他の皆とは違った答えを教えてくれるだろうから、と期待しているのだろう、とも。

それを踏まえた上で、杏子は言う。

 

「んじゃまあ、アタシから言える事はひとつだけだ。……アンタにとっての罰は、いつ終わるかも知れない"幸せ"に怯えて一生過ごす事だ」

「え………?」

「人間なんてのはな、辛い現実に身を置く事で"自分は被害者だ"とか、"可哀想な人間だ"って思われて、同情されて、優しくされる…その方がただ幸せに生きるよりも幸せだ、って思うヤツもいる。

確かにそうかもしれねえ。けど、これが魔法少女ならどうなる?

"私は騙された""私は悪くない、可哀想なんだ"──────そんな弱音をいつまでも吐き続けりゃあ、人間に戻れるとでも? そんな訳ねえよなぁ!

アタシはその辺を割り切ったつもりだ。だからこうして今も魔法少女として、おめおめと生き延びてきてる。同情なんていらない。アタシは被害者なんかじゃない。グリーフシードを狩って、狩って、意地汚く生き延びて、アタシなりに幸せに生きて、死んでやる。そう思ってんだよ。

……ま、これでもアタシはアンタらに出逢う前までは、ちぃとワルい事もしてきた。いつかは罰せられる時が来る。それが怖くないかと言われれば、怖いに決まってる。

アンタの言う"罰せられたい"ってのは、"同情されたい"って事と同じなんだよ。…笑わせんな、アタシらに同情される権利なんてない。なんでオマエなんかが笑って毎日を過ごしてんだ、って後ろ指を指されながら、石ころを投げつけられながら、それでも意地汚く幸せに生きるんだよ。それがアタシたちにとっての罰だ」

「私達にとっての……罰……」

 

言われて、腑に落ちるものがあった。

確かに"罰せられたい"などという考えは、そういった潜在的な意識から滲み出たものなのだろう。

 

「ほら、しゃんと立て。もう飯の時間だろ?」

「ええ。……杏子、あなたはどうするの?」

「ん〜…折角だけど、家に昼飯あるから帰るよ。それにマミにバレたらうるさいしな?」

 

それに、ひとつだけ謝らなくてはならなかった。

彼らの行いを、選択を、"犠牲"だなんて簡単な一言で片付けてしまった事を。

未来を紡ぐ為に生きると誓った筈なのに、今なおこうして弱い自分を棄てきれずにいることを。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3.

 

 

 

 

 

 

 

 

杏子を窓から見送ったのち、ほむらは脚にようやく力が戻ってきた事を感じながら教室へと戻ってきた。

…が、ガラス張りの部屋の中には担任の和子がひとり教卓の前で書類を整理しているだけで、他の生徒の姿はない。

 

(………そういえば、4限目は体育だったわね)

 

などと思い出しながら戸を開け教室に入ると、

 

「あら、暁美さん。もう具合はいいの?」

「ええ。薬を飲んだので落ち着きました」

「そう…よかったわ。また何かあったら無理せず言うのよ?」

「ありがとうございます」

 

当然、薬など飲む必要はない。そもそも既に持ち歩いてなどいない。

が、この学校に編入するにあたって教員達には"持病"の事を説明してある為、あくまでポーズのようなものだ。

そして、見滝原中学の教室は、その大半が何故かガラス張りでデザインされている事で内外共に有名だ。

その為、男女共に少し離れた場所に更衣室が存在している。

移動に少し時間を取られる事が欠点の一つだが、そもそも全面ガラス張りなどという前衛的すぎるデザインにする必要などあったのか、と考える事はままある。

時計の針を見れば、昼休み開始2分前。そろそろ誰かしら戻ってきても良いはずだが…と思っていると、おもむろに教室の扉が開く音が後ろ側から聞こえた。

 

「──────あれ、ほむらじゃん。具合は?」

 

どうやら教室一番乗りは、さやかのようだった。

そろそろ他の生徒達も戻って来るだろうと判断した和子は、ほむらに一言声をかけると、職員室へと戻っていってしまった。

そうして、教室には2人だけが残される。

 

「おかげさまで、大分調子が戻ってきたわ。…ところで、まどかは?」

「仁美と話し込んでるよ。また新しい漫画を買ったから、貸すとかどうとかって」

「はぁ………仁美の漫画って、アレよね…」

「んー? あんただって興味あるんじゃないの?」

「まどかが漫画の影響を受けすぎて私の身が保たないのよ」

「ふぅーん……」

 

さやかは、実のところ鈍い。ほむらはそう認識していた。

杏子にはあっさりと看破されてしまったが、さやかには昨晩の事はわかりようもないだろう、と。

実際のところ、その認識は正しくもあり、やや異なっていた。さやかには、純粋にほむらの心配をしている面もあるからだ。

それよりも、さやかにはずっと胸に引っかかり続けている疑問があった。

 

「……なんかあんた、最近元気ないよね」

「そうかしら」

「うん。…マグナ・ゼロから戻ってきてもう大分経つけど、ちょっと前のほむらは結構自信に溢れてた気がしたよ。

でもここ最近のあんたは、出逢ったばっかりの頃に似てるよ。なんか、自信なさげっていうか………」

「…私って、そんなに分かりやすいのかしら。杏子にも言われたばっかりなのに」

「そりゃあ、親友だからね。…何かあったわけ?」

「別に。……贅沢な悩みよ。今の私は、とても満たされている。まどかがいて、みんながいて、争いもない。けれど…いつかこんな日が終わってしまう時が来るんじゃないか…ってね」

 

今日だけで、同じ事を何回口走っただろうか。

毎日を悩み苦しみながら過ごしているような人達からすれば、"幸せすぎて怖い"だなんて、実に贅沢で白々しい悩みのように聞こえるだろう。

無限に続く命を持つ存在は、突き詰めれば欲望など薄れていってしまう。意味がないからだ。時間さえかければ、何だってできてしまうから。

ましてやほむらは、宇宙規模の改編能力を失いはしたが、身の回りに関する程度ならば、その限りではない。そんな存在にも、たった一つだけ悩みがある。

それは、生きていく為の原動力だ。命あるものは、その原動力なしには生きてはいけない。生きる意味を見出せない。

逆に、たった一つでも原動力があれば。その為だけに全力を尽くせる。

…かつて彼女は、忘却の魔女イツトリに対して、堂々とそう宣言した筈だった。

そんなほむらの弱音を聞いたさやかの返事はというと、

 

「………そりゃあ、いつまでも続くわけないよ」

 

と、静かに答えた。

 

「あんたとまどかは不死身だけど、あたし達はそうじゃない。家族に囲まれて、ちゃんと学校行って、友達と楽しく遊んで………そんなの、せいぜい10年かそこらが限度じゃないの?

もっと経てば、あんた達の知り合いはいなくなる。…あんた達はいつまでも歳をとらないままで、周りの人達はみんな寿命を迎える。だから、幸せなのは今だけだよ。…もしあたしが永遠の命を持ってたとしたら、そう考えると思う」

「…さやかにしては、珍しくまともな意見ね」

「珍しく…って、あんたあたしを何だと思ってるわけ?」

「冗談よ。……そうね、私はまどかさえいれば寂しさにも耐えられる。でも……まどかは、どうなのかしら」

 

ようやく、心の中に満ちていた不安の正体が見え始めてきたような気がした。

ほむらにとっての幸せとは、その原動力とは、詰まるところ"まどかの幸せ"だ。

自分だけなら、まだいい。

しかし、まどかは耐えられるだろうか。家族や友人が老いてゆくなかで、自分だけが変わらぬままで存在し続ける寂しさに。

 

(………これじゃあ、本末転倒よ)

 

かつてほむらは、まどかが円環の理となってしまうのを止めた。

その理由さえも、突き詰めれば単純だ。円環の理となってしまえば、この宇宙の誰にも認知されない"概念"と化し、永遠の孤独に囚われ続けることとなってしまうからだ。

だが、今のまどかもさして変わらないのでは?

条理を捻じ曲げ、まどかの願いを、祈りを捻じ曲げた結果、手にした結果はこれなのだ。例えば100年も経てば、まどかの事を直接知っている人間は誰もいなくなるのに。

違いがあるとしたら、未だに全ての魔法少女を救済する代替案を見つけられていない事くらいだ。

 

(………やっとわかった。この胸のもやもやが、何なのか)

 

ほむらにとっての原動力は、まどかの幸せだ。

ならば今のまどかは、本当に幸せとは呼べるのだろうか?

でなければ。ほむらの成した事の結果が、まどかの幸せを奪ってしまったのだとしたら。

果たしてほむらは、まどかにどう償えばいいのか。そんなネガティブな思考が、ずっと胸の中に残り続ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4.

 

 

 

 

 

放課後。

 

手芸部へ顔を出しに行ったまどかを待つべく、ほむらは単身図書室で時間を潰していた。

手にしている本は、いつの日かここで読んでいた、過去と未来へ旅をする男の小説。

主人公の男は、亡くした恋人を救う為、過去に戻って歴史を変えようとする。しかし、どんな手を尽くしても、確定した"未来"という見えない力によって叶わず、男はヒントを求めて未来へと旅立ってゆく…………

その話には、続きがある。

遠い未来へと辿り着いた男は新たな出逢いを果たし、彼の人を守る為に敵と戦い、勝利と引き換えに時を渡る術を失ってしまう。

けれど男は、もう過去を振り返ることをやめ、その未来世界で生き抜いてゆく決意を固める。そういった内容だ。

 

(………………)

 

なるほど、最後まで読んでみれば、ますます親近感を覚える。ほむらはそんな事を思った。

今現在過ごしている"現実"は、数々の出逢いと別れを繰り返し、決死の思いで勝ち取った未来だ。

しかし男とほむらには、やはり似ていない部分がある。

それは本質的な問題なのかもしれない。未だにこうして過去をずるずると引きずって卑屈になっている事が、まさにその証拠ではないか。

 

「…あら、暁美さん?」

 

ふと、入口の方からほむらを呼ぶ声がした。

新たにやって来たのはほむらの一期上にあたり、魔法少女としても学生としても先輩にあたる、巴 マミ。

 

「珍しいわね、あなたが読書だなんて」

「そういう巴さんだって…図書室に縁があるようには思えないけれど」

 

ほむらの知る"巴 マミ"の像は、魔法少女としての側面が殆どだ。

毎日学校が終わればパトロールと称して街中を歩き回り、"正義の味方"として人々を守る…そんな姿だ。

だが今のマミは、そうではない。もう何ヶ月も新たな魔女が現れていないせいもあるが、過去の事件を境に、彼女は"正義の味方"である事をやめたのだ。

ただ、守りたいものの為に戦う。そこには正義などという気取った言葉は必要ない───今の彼女は、その思いを胸に抱いて生きている。

 

「今までは本なんて読む暇も惜しんでたから……勉強だって疎かにしがちだったもの。だから、受験を直前にして慌てて参考書を借りに来たのよ」

「巴さんが、勉強?」

「あら、意外かしら? …ま、暁美さんは頭が良いから勉強なんて必要ないかもしれないけど…」

「必要ないというか…まどかに格好良く見られたかったから、高校3年くらいの勉強までは済ませてあるの」

「…それ、鹿目さんが知ったら軽く引くわよ?」

「……残念ながら手遅れよ。女神様は私の行い全てを識ってるもの。全て、ね」

 

もはや気恥ずかしさなど失せ、観念したかのようにやれやれと頭を押さえ、髪を搔き上げるほむら。

ある意味では、ほむらの行い全てを識った上で受け入れ、至上の愛を注いでいるまどかは、まさしく女神と呼ぶに相応しい程に心が広いのだろう。

実際、仮にマミがほむらの行い全てを識ったとしたら(そんな事は考えたくもないが)…確実に言えるのは、次の日から一生一言も口を聞いてもらえないだろう、という事だ。

 

そんな他愛ない会話で済めば良かったのだろうか。

こと"先輩"である事を強調するマミが、今のほむらを見て、それだけで終わるはずもなく。

 

 

「───暁美さん、あなたがここ最近ずっと落ち込んでるように見えるのは……まだ、"見つからない"からかしら?」

「…半分正解、とだけ言っておくわ」

 

 

 

インキュベーターが姿を消し、見滝原に新たな魔女が現れなくなってからもうすぐ半年が経とうとしている。

救済の魔女曰く「キュゥべえは滅ぼした」らしいが、ほむらは実のところそれを真に受けたわけではない。というより、不可能なはずなのだ。

概念生命体であるインキュベーターを滅ぼすには、過去から未来において全ての時空から消滅させるしかない。だが、そうなると円環の理と魔女の関係と同じように、そもそもインキュベーターなくしては救済の魔女が生まれない、という相互矛盾が発生するからだ。

それでも、一切の姿を現さないという事はそれなりの理由があるのだろう。例えば、神にも等しい力を持った存在が2人もいる星になど近寄りたくない、などという間抜けた理由が。

…だが、その2人にも解決できない問題がある。それこそが、魔法少女達を真の意味で解放する為の方法だ。

魔女が現れなくなった今、手持ちのグリーフシードを使い潰せば、ソウルジェムの穢れを浄化できず魂の死を迎えてしまう。

この街にいる魔法少女達は事情が異なり、ワルプルギスの夜から獲た大量のグリーフシードを抱えているが、果たして世界のどこかでは、今この瞬間にも魔法少女が死を迎えているのかもしれないのだ。

インキュベーター無き今、この地球上で新たな魔法少女契約が交わされることはない。それ自体は喜ぶべき事なのだろうが、ゆっくりと、しかし確実に。

地球上から魔法少女の、そして魔女の絶対数は減少していっているのだ。

 

「……単に延命する為なら、あなた達の穢れくらいなら少しは肩代わりできるわ」

「暁美さん、私達はそんな事は望んでないわ。穢れとは人の負の感情の累積。そんな事をすればあなたにだって全く負担がないわけじゃないって、前に話ししたでしょう?」

「……わかって、いるわ。でも……」

 

やり場のない悔しさが、焦りが、ほむらの胸に募る。

グリーフシードに頼らずに穢れを浄化する方法が。

或いは、魔法少女を人間に戻す方法が。

 

「…条理を覆し、奇跡を、起こす…」

 

あの日、ほむらは彼らにそう誓った筈だった。

では実際はどうだ。ほむらは今ようやく、"まどかを救う"という願いを叶えたばかりで、それ以外の事など何もできていないのだ。なのに、時間ばかりが過ぎてゆく。

 

「ねえ、暁美さん。私はこう思うのよ」

「…?」

「人の一生は、単に長い短いだけで決まるようなものじゃなくて、"どう生きたか"が大事なんだって。…私は元々、契約をしていなければとっくに死んでいた身。だからこそ、与えられたこの時間を大切に使って、精一杯生きたいって思ってる。…あと8年も生きられれば、私からしたら十分よ。それ以上は望まない」

「でも…! 普通の人間なら、もっと長く生きられるのよ? なのに……」

「長く生きればいいってものじゃあないの。それは暁美さん、あなたがよくわかっている筈だと思うけれど?」

「…………っ、巴さん…」

「あなたは死ぬ事ができない。鹿目さんがいる限り永遠に生き続ける。そう言ってたわね。…だからこそ、よ。一度犯した後悔は、その永い人生の中で永遠に記憶に残り続ける。そうでしょう? …だからあなたも、悔いのないように精一杯生きていかなきゃならない。でないと、その後悔はきっと、暁美さんの心をずっと蝕み続けるわ」

「……そう、その通りよ。…わかってるわ、そんな事は……」

 

わかっていても、諦める事はできない。

マミも、さやかも、杏子も。自らの運命を受け入れ、残された僅かな時間を懸命に生きていく覚悟を決めている。

 

─────けれど、本当にそれでいいのか?

 

そんな簡単に、足掻くことを辞めてしまってもいいのか?

 

「……私は、諦めない。諦めたくないの。今までずっと、何度も諦めかけた。けれど私は、今ようやくまどかを死の運命から救うことができた。…なら、あと一つぐらい、奇跡を起こせたっていいはずよ」

「…その強情なところ、貴女らしいわね、暁美さん」

 

ほむらならそう答えるだろうとわかっていたかのように、マミは柔らかく微笑んだ。

諦めてしまったら、その時点で時計の針は錆び付いてしまう。立ち止まってしまったら、二度と歩き出す事ができなくなってしまう。

だから、諦めない。

席を立つと、ほむらはマミに礼を言い、じきに戻ってくるであろうまどかを迎えに、夕焼けの図書室を後にした。

 

 

 

 

5.

 

 

 

夜。

 

 

 

 

静寂に包まれた、花畑の丘。星を見上げ、見滝原の夜景を遠目に見下ろしながら、女神と悪魔は寄り添い合う。

 

「……ねぇ、まどか」

 

悪魔は、女神に向かい重たい口を開く。

 

「あなたは今、幸せ?」

「どしたの。…うん、幸せだよ?」

「…これから先も、幸せでい続けられると思う?」

「……その感じだと、ほむらちゃんはそう思えてないみたいだね?」

 

ほむらが何を言いたいのか。まどかは察していた。

実の所、彼女のことは彼女自身よりもわかっているつもりなのだ。そしてそれは、実際正しくもある。

もう何度となく繰り返された質問。彼女自身が自分を赦す事ができない限り、これからも同じ問いかけは繰り返されるのだろう。

 

 

 

 

──────あれから、10年の月日が流れた。

 

見滝原の街並みは大きな変化を見せてはいないが、ネオンの数が多少増えたような気がする。

2人にとって思い出の場所であるこの花畑の丘も、変わらず在り続けている。

…そして、彼女たち2人も。

高校に進学して2年目のあたりで身体の成長は完全に止まり、それ以降外見は全く変わっていない。強いて言うなれば、2人とも美しい長髪が良く似合うような雰囲気になったぐらいか。

 

「…結局、あなた達が生きている間に見つける事は出来なかったわね……」

 

ほむらは3つのグリーフシードを宙に浮かべ、優しく語りかけるように呟いた。

 

かつての仲間たちは残された日々を懸命に生きて、生きて、今こうして形を変えてここに居る。

死を迎えたわけじゃない。不可逆の法則を壊し、元に戻す方法さえ見つける事ができれば、また彼女達に逢える。

だから、彼女達はしばしの眠りに就いているだけなのだ。

 

そして女神と悪魔は、今日も星を見上げる。

 

彼女達を元に戻す為の最後の希望。忘却の魔女イツトリが生み出した、"マグナ・ゼロ"という特異点。

あの空間の中でなら、魔女達は自我を取り戻す事ができるかもしれない。

絶望に囚われた魂達を、絶望から解き放つ事が出来るかもしれない。

円環の理に代わる、新たな楽園になり得るかもしれない。それこそが、今の2人が考え抜いた末に導き出した希望である。

マグナ・ゼロはイツトリの消滅と共に崩れ去った、ように思えた。

だがあの場には、マグナ・ゼロの容量のごく一部を保有していた、ミラがいた。

だからこそ、ほんのわずかだとしてもマグナ・ゼロは残されているかもしれない。

そしてそれは、彼女達自身が"ルドガー達は生きている"と信じているからこそ導き出された希望なのだ。

 

この星に居られるのは、あともう少しだけ。

地球上に存在する全ての魔法少女を、魔女を、絶望に囚われた魂達を。

苦痛を代替し、できる限りの癒しの祈りを捧げ、眠りに就いた魂達を連れて、2人は長い旅を始める。その為の準備も既にほとんど終わっている。

ほむらがルドガーに託した砂時計の盾は、次元が異なる格納庫の役割も果たしている。時を止める力を消失しても、その機能は生きている。

そして感じるのだ。砂時計の盾は、まだこの宇宙のどこかに存在している、と。

そして、何よりも。あの日ルドガーから託された金の懐中時計は、未だほむらの手の中で時を刻み続けているのだ。

しかし、それを辿る事は容易ではない。この広大な宇宙のどこか、異なる次元に位置するマグナ・ゼロを自力で見つけ出すには、膨大な年月を要するだろう。

不死の身となった2人でなければ、それは成し得ない。少なくとも、まどかの家族達が存命している間には地球に戻る事は難しいだろう。

 

 

 

「本当にいいのね、まどか」

 

今一度、ほむらは問いかける。

家族と別れ、人間としての生を棄てて、長い旅へ出る。それでも構わないのか、と。

まどかは答える。

 

「ほむらちゃんを独りにはさせないよ。それにこれは私達2人、どちらかが欠けてもできないこと。…ルドガーさん達にも、ちゃんとお礼を言えてなかったもんね」

「…ええ、そうね。見つけたら、ちゃんとお礼を言わなきゃね」

 

空を仰ぎ、耳を澄ませる。

少女の慟哭が、この地球のどこかから聞こえる。

この地球にいる最後の魔法少女が、まもなく眠りに就こうとしているのだ。

 

「迎えに行きましょう、まどか」

「うん…!」

 

彼女達は、成し得なかった。魔法少女達を、絶望に呑まれる前に元に戻す事を。

マグナ・ゼロという最後の希望に、救済を託すほかなかった。

だから、眠りに就くその瞬間だけは苦痛から解放する。

せめて安らかに眠れ、楽園に辿り着くその日まで。

 

そして女神と悪魔は、最後の少女を迎えに飛び立った。

全ての別れを済ませ、今夜彼女達は、長い旅路へと歩き出す。

一筋の希望に胸を輝かせ、絶望を振り払い、旅立ってゆく。

 

 

まだ、誰も知らない明日へと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【誰が為に歯車は廻る 完】




これにて完結となります。
長期に渡る連載、かつ途中トラブルもあり放置していたのですが、折角なのでと思い完結まで仕上げました。
pixivの方では既に上げていたのですが、こちらのサイトへの掲載を失念しており、先日感想コメントをいただけた事をきっかけに、この度転載させていただく運びとなりました。

ここまでご覧になって下さった方々へ、感謝いたします。
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