『ゲレイトレイドレス学園とはこの宇宙の認められしすべての神々が通う学園である、この宇宙を統一する素質を育てたりその力を使う訓練をしたりと様々です。
皆さんがよく知っている神様、つまり我々の言う太陽系統神達やセルネント系統神達、第七千凍系統神達などはここでは幼稚園レベルで今現在通っています、この学園は愉快で楽しく生徒も明るく実にいい学び場です。
貴方の入学してみませんか?きっと新たなる可能性の扉を開けますよ、では学園にてお待ちしております...』
【ゲレイトレイドレス学園校長 ゼクト・セイヴァード・ハート】

これはゲレイトレイドレス学園に通う一人の生徒の過去の物語

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どうも、ユウタです。

今回は新作の番外編と言う事で書かせていただきました。

では本編をお楽しみ下さい。


ゲレイトレイドレス学園~番外編~

『ゲレイトレイドレス学園とはこの宇宙の認められしすべての神々が通う学園である、この宇宙を統一する素質を育てたりその力を使う訓練をしたりと様々です。

皆さんがよく知っている神様、つまり我々の言う太陽系統神達やセルネント系統神達、第七千凍系統神達などはここでは幼稚園レベルで今現在通っています、この学園は愉快で楽しく生徒も明るく実にいい学び場です。

是非ともセントワール星の唯一神にして『あのお方』の半身と言われる貴方様に御入学していただきたいと思っております、では詳細はこちらに御越しになった時に...』

【ゲレイトレイドレス学園校長 ゼクト・セイヴァード・ハート】

 

 

「...ゲレイトレイドレス学園?」

なんだそれ、聞いたことないな...

最近俺が『あの方』とか言われる人物の半身とか言う理由でやたらと宇宙征服だの世界征服だのとか「宇宙統一に力をお貸しください」だのそんな勧誘がきたりとうんざりだ、俺はただ一人で何もせずただただ『孤独』で居たいだけなのに迷惑なんだよまったく...

そんなことをこの何もない世界で考えてたって無駄だってこともわかってる、俺は『孤独』を司る神だ、この広い世界の中のこの小さい星に生まれこの星を見守る唯一神として生み出された。輝かしい生命も美しい神も存在しないこの星で俺は何をするわけでもなくただ視るだけの人生...使用人である俺の忠実な部下も心と生命を持たない原子生成された人形でしかない。

 

「本当に...」

俺は何のために生み出されたのだろう?俺には『生きる意味』と『死ぬ意味』も存在しない、世界のあらゆる生命は生きてこそ何かを伝え続け、死してこそ何かを残すと聞いたことがある。では俺のこの世界はなんなんだろう?俺は輝いているのだろうか?何かを生み出し何かを伝え何かを残しているのだろうか?

 

「...考えるの...だるいな」

俺はいつも通り世界を見渡す、その時ある違和感に気づく。

 

「...ん?なんだあれ...」

そこには隕石?らしき物体が落下していた。

大きなクレーターが出来て周りの岩や土は熱によって溶けている、俺はその隕石に少しずつ近づく。

 

「あっち」

先ほど落ちた隕石なのだろう、すごい熱気が伝わってくる。

 

「...特に変わったところはないな、またどっかの神とかが星を壊してその破片が飛んできたな」

俺は立ち去ろうとした瞬間隕石から声が聞こえた。

 

「た、たすけて」

 

「!?」

俺は慌てて振り向く、しかしそこには隕石があるだけだ。

 

「?」

空耳か?

 

「そこの人...」

いや、空耳なんかじゃない!

 

「ど、どこだ!?どこにいる!?」

 

「ここ...です」

なんとなくその声の主の生命が消えていく気がした

 

「どこだよ!?どこにいんだ!?」

 

「い、隕石の下です...」

 

「下!?」

慌てて隕石をどかす。

 

「うぅ...」

そこには全身傷つき黒焦げになった一人の女性が倒れていた。

 

「...これはひどい...」

全身の肉が爛れ骨がむき出しになっており顔もパーツもなにがなんだかわからないほどになっていた。

 

「...これは助からないかも知れないな」

 

「はっ...はぁ...っ!」

息をするのもやっとなのだろう、しかし俺には治癒と言う力と技術がない。

 

「すまない、俺にはこうなったお前を助けてやれる力がない...」

 

「はっ...!誰かっ...」

 

「ごめんな」

これ以上この光景を見ていられるほど俺は精神的に強くない、せめてこの苦しみから解放してやろう。

 

「確か殺せばあらゆる呪縛ってやつから解放されるんだよな?」

この人は今死ねない呪縛と言う苦しみを味わっている、俺にはこれくらいしかしてやれない。

 

「痛くないように一瞬でやってやるからな」

俺は杖を空間から出して構える

 

「まっ...て!」

 

「死は怖いか?でも俺にはこうすることしかできない、このまま苦しみ続けるお前を見るのも心が痛い...大丈夫、一瞬だ」

 

「まって!」

 

「ルデ・パルトレイポロスト・クスト・レイ——————...!!」

俺は呪文を唱える

 

「待てって...」

俺は目を瞑り詠唱に集中していて周りの声が全く聞こえなかった。

 

「言ってるでしょ!!」

思いっきり顔面に渾身の正拳顔面突き(今考えた)をもらう。

 

「っ!!」

俺はそのまま星を半周して住んでいる宮殿に突っ込む。

 

「な...だよ、一体」

俺が宮殿に突っ込み骨や筋肉などの機能が半減、さらに岩が衝突の影響で変形していて体を固定し身動きができない。

 

「待てって言ったのになんで詠唱やめないのよ!」

 

「あ...んた、は?」

そこには髪の毛が赤く、銀河のようにきれいな蒼い瞳を持った女性が立っていた。

 

「貴方が消し飛ばそうとした女の子よ」

 

「俺...が?」

うまく言葉が話せない、声帯器官の機能も薄れているようだ。

それよりこの人がさっきの黒焦げの女性だと?傷ついていたことが嘘のように彼女は元気だ、どういうことだ?

 

「貴方、声帯が壊れちゃってるの?ならこっちに来なさい治してあげる」

 

「うっ...」

 

「あ、ごめんなさい。体もなのね」

彼女はそう言うと俺に近寄ってきて魔法のような物で傷を癒してくれた。

 

「お、おぉ」

 

「これで動けるしちゃんと話せるでしょ?」

 

「あぁ大丈夫だ、ありがとう」

 

「いえいえ、どういたしまして」

 

「あのさ?俺が神じゃなかったら死んでたぞ?」

 

「え?貴方神様なの?」

 

「そうだよ、わからずに殴ったの?」

 

「...だって、命の危機を感じたから」

 

「...それは俺も悪かったな、君が神だと確認しておけば良かったね」

 

「え?私神様じゃないよ?」

 

「...へ?」

神じゃない?どういうことだ、てっきり不死身系統の神かと思ったんだけど...

「じゃあなんで生きてんの?」

 

「私はレイドワール星をレイドワール人よ」

 

「人間って奴か?」

 

「そうよ」

 

「確か人間に不死身はいないって聞いたことがあるんだが」

 

「私は不死身じゃないわよ、『大抵の事では死なないし消えない』って力を持ってるのよ」

 

「不思議な力だね」

 

「そうね、痛い事に変わりはないけど」

 

「そうか...ここで立ち話もなんだし俺の宮殿においでよ」

 

「いいわね、じゃあお言葉に甘えさせてもらうわ。宇宙船もなくなっちゃったし」

俺とその子は宮殿へと入って行く。

 

 

「綺麗な所ね」

 

「そうか?俺は見飽きちゃったぜ」

 

「そうなんだ...ここに座ってもいい?」

女の子は指をさす。

 

「いいよ」

 

「ありがとう」

 

「さて、とりあえずどこから話そうか」

 

「どこからって?」

 

「君はなぜこの星に?そいてなんであんなに傷ついていたんだ?」

 

「この星に来た理由は特にないわ、たまたまここに墜落しちゃっただけ」

 

「ふむ」

 

「傷ついていたのは...宇宙船で旅行の最中に何者かの襲撃にあってね、それで船が大破した時にって感じ」

 

「なるほどな」

 

「さぁ次はこっちから質問するわよ?」

 

「おう」

 

「貴方はここの神様なのよね?何を司ってるの?」

こんなことを聞くこは初めてだ、

 

「『孤独』だ」

 

「孤独?」

 

「そう、俺は孤独を司る神だ。なんでかは知らないけどな」

 

「そうなの?」

 

「うん、自分が何者でなんなのか全く知らない。この星には俺以外命を持ってないからな」

 

「...そうなんだ」

 

「あぁ、さ!君はこれからどうする?」

 

「宇宙船も壊れちゃったししばらく滞在したんだけどいいかな?」

 

「いいぜ、じゃあ部屋に案内してやるよ」

俺はその子を連れて空き部屋へと案内する。

 

「大きな宮殿ね」

 

「そうだな、無駄に大きいよ」

部屋の前に着き扉を開ける、部屋の中は沢山の美しい鉱石が生成されていた。

 

「わぁ!綺麗ね!」

 

「そうだな、ここがこの星唯一の癒しポイントだな」

 

「ありがとうね...えっと、名前は?」

 

「デル・ルキーネだ」

 

「デルね、私はレネールル・カイサイドよ」

 

「よろしくなレネ」

俺は互いに挨拶をするとその場を後にした、綺麗な人だったな。

 

「さて、どうするか」

正直すごく暇だ、客人を止めるのは初めてだけど特にやる事はない。

 

「やる事ないしまたどっか行くか」

俺は宮殿の外に出てまた星中を回ることにした。

 

 

 

・

・

・

 

 

目が覚める、俺はいつの間にか眠ってしまったか。辺りはすっかり暗くなり空には星や銀河の川が綺麗見えている。

 

「もうこんな時間か」

俺は起き上がり宮殿を目指して帰る。

 

『時の導きは万の世界...』

 

「ん?」

今何か聞こえたような...?

と、考え事をしながら宇宙(そら)を見ていると遠くの星が消えたような気がした。

 

「なんか...嫌な感じがするな」

宮殿に着く、中に入るとレネが俺の椅子で眠っていた。

 

「...何やってるんだこの人」

 

「むにゃむにゃ...」

 

「起こすのは可哀想か?」

俺はルネを起こすのをやめ、自室に向かう。

 

「ふう」

俺はそのまましばらくぼーっとしていた。

 

「...何やってんの?」

 

「ん、なんだ起きてたのか」

 

「今さっき起きたのよ」

 

「そうか」

 

「それより貴方、今何やってたの?」

 

「ぼーっとしてた」

 

「楽しい?」

 

「ん?」

 

「楽しいの?」

 

「う~ん、全く楽しくないぜ」

 

「じゃあなんでそんなことやってるのよ」

 

「なんでって...他にやる事がないから」

 

「探せばいいじゃない」

 

「探す?」

 

「楽しいことを探せばいいのよ」

 

「どういうこと?」

 

「私ね、少し気になって貴方の事調べてみたの...貴方このセントワール星の唯一神だって言うじゃない」

 

「そうだけど、なんか悪いか?」

 

「悪いとかそんな話してるんじゃないのよ、セントワール星って命が無い『無の星』って記事を見たんだけどほんと?」

 

「見ての通りだ、ここに命があるように見えたか?」

 

「いえ...あのね!その...」

 

「なんだ?」

 

「よかったらさ?私と一緒に宇宙を見て回らない?」

 

「...へ?」

 

「だから!私と一緒に宇宙を見て回ってみないって言ってるの!」

 

「構わないけどさ...宇宙船はどうするんだ?」

 

「さっき実家に連絡して迎えに来てもらうことになってるからそれに乗って」

 

「...いいけど」

 

「いいけど?」

 

「いや、なんでもない」

 

「そう、ならほら!明日には着くと思うから今日はもう寝ましょ!」

レネはそう言うと部屋に帰って行った。

 

「...」

宇宙か...子供の時から夢を見てきた、宇宙に出て世界を見て回ることを。しかしそんな夢を見ながらも俺には宇宙を見て回るほどの力がなくだんだん夢をあきらめて『孤独』の名の通り一人でいようと思った、生まれて初めて『一緒に宇宙を見て回らない?』なんて言われた。

 

「...」

俺は嬉しい反面、不安が頭に過ったがこのチャンスを掴もうと思う。

 

 

朝になる、太陽の光が部屋に差し込んできた。

「...今日か」

 

「おはよ、よく眠れたかしら?」

レネが部屋の扉を置けながら言う。

 

「あぁ、宇宙船は来たのか?」

 

「ええ、だから起こしに来たのよ」

 

「どうも」

俺は寝床から起き上がりレネと共に外に出る、外には大きな金色の宇宙船が停まっていた。

 

「おはようございます、デル様」

金色の服を着た人間に話しかけられる。

 

「おはよ、レネこの人は?」

 

「使用人よ、飛び切り優秀のね」

 

「へえ、命を持った使用人か」

 

「...普通持ってるけどね」

 

「俺にとっての普通はあそこに居る石の人形たちさ」

俺は宮殿を指さし言う。

 

「...そうだったわね、ごめんなさい」

 

「ん?謝る必要あったか?」

 

「いえ、その...と、とにかく行きましょ!」

レネは宇宙船に乗り込む。

 

「ささっデル様もお早く」

 

「おう」

俺は使用人に連れられ宇宙船に乗り込む、中は色々な色の宝石や綺麗な石などと言ったもので豪華に装飾されている。

 

「凄いな」

 

「こんな立派な宇宙船、どうしたの?」

 

「旦那様から「彼と宇宙の見て回るならこの宇宙船がいい」と言って選んでおりました」

 

「そう、お父さんが」

 

「君のお父さんってお金持ちってやつなの?」

 

「そうね、私の星では星のほとんどを支配している王様みたいな人よ」

 

「ほう、凄いな」

 

「私のお父さんは凄い人よ!」

レネはまるで自分の事のように自慢げに言う。

 

「お嬢様、目的地はどこに致しましょう?」

 

「そうね、まずはやっぱりあそこよね」

 

「あそこですね、畏まりました」

使用人が奥の方へ消える。

 

「あそこ?」

 

「着いてからのお楽しみよ!」

 

「...」

俺はレネと共に星を飛び立った。

 

「着くまで時間掛かるし話でもしない?」

 

「いいぞ」

 

「貴方の過去について知りたいわ」

 

「...直球だね」

 

「知りたいから知りたいのよ」

レネは笑顔で答える。

 

「はぁ...まぁいいけど」

 

「わくわく」

 

「わくわくすな」

俺は近くの椅子に座り語りだす。

 

「俺の過去か、どこから話そうか?生まれてからか?そうだな...これと言って何もしなかった、俺の星は元々岩だらけの星でな。俺が物心つく頃には毎日のように隕石が落下してきてそれを人形たちが守っていたな、それからしばらくが経った頃だろうか?初めて星に命を持った生命体がやってきた、そいつらは俺を見るなり『おぉ神がおられるぞ』とかなんとか言い出して俺を信仰しだした。おかしな話だよな?そいつらが言うには自分達の星が消し飛んじまって移住する星を探してたらしい、俺が住んでも構わないって言うとめっちゃ喜んでその日は宴で賑った、俺も初めて命を持った生命と会話したから凄い楽しかったよ。それから数百年に亘りそいつらが持ってきた技術なり生物なり使って世界を命が咲き誇る生命の星へと変わり、俺は救いの神として信仰され文明は発展し俺の力もどんどん強くなっていった。その頃に宇宙のあらゆる知識や理を教えて貰っていた、あの頃は楽しかったな...」

 

「あの星には生命が居たの?」

 

「昔はな、星の子ではなかったがそれでも俺はあの人たちを神として守ろうと思っていた。しかし...」

 

「しかし?」

 

「...数百年に亘り受け継がれてきた命と文明は一夜にして滅んだ」

 

「!?」

 

「あの時の光景は忘れたことはない...酷いものだった」

 

「...」

 

————————数億年前——————

 

「...ん?外が騒がしいな?なんだいったい?」

俺は宮殿の外に出る、そこには目を疑う光景が広がっていた。

世界は焼け建物崩れ落ち人が大量に死んでいた。

 

「んだよこれ...」

俺は走り出した、何が何だかわからない。実験の失敗か?反逆者の暴動か?隕石の落下か?

 

「なんでだ...!何も問題なかったはずだ!」

実験に関しては俺に断ってからにしろと言ってあった、もちろん万が一のことを考えこっそり見張っていたが何も危険な実験なんてしてなかったしちゃんと実験の時は俺に一言いいに来ていた。

反逆者の暴動はなかったわけではない、しかしそれは「あいつが俺のプリン食った」とか「あいつに金盗られた」などの小規模で単純なもので世界は喧嘩や争いなどほとんどなかった。

隕石の落下なんてもっとあり得ない、ここ最近隕石落下はほとんど止み俺は警戒し続けたが隕石なんて近くになかった。

だとしたら原因は何だ?

 

「くそ...!!」

俺は走り続けたまだ生きている生命たちを探し助けるために...そして建物を曲がり広場に着いたとき俺の脳は真っ白になるような感覚に襲われた。

そこには山積みになった死体とそれを食べる生き物、そしてまだ幼い少女の首を絞める男が立っていた。

 

「ははは!いいねいいねぇ!その苦しみのあまり頭がバカになっていくその表情!たまんないねぇ!」

 

「バクバク...」

 

「あぁぁ!これこそ快楽!これこそ至高の時!死ぬ瞬間の消えかかっている生命はなんと美しいのか!」

 

「バクバク...」

俺は怒りや悲しみ、そして言葉には表せないような何かが内側から湧き上がっていた。

 

「やめろおおお!!!!!」

俺は神器とりだし切りかかり男の腕を切断し少女を助ける。

 

「あ?なんだお前」

 

「それはこっちのセリフだっ!!よくもやってくれたなっ...!!!」

 

「は?なにを?」

 

「糞がっ!!ぶっ殺してやるっ!!」

俺は怒りより体が蝕まれていくような感じがしたがそんなことはどうでもよかった、目の前の大切な命を守るために...

 

「ぶっ殺す?誰を誰が?」

俺は神器から赤い魔方陣を展開しその魔方陣から赤い六角形の柱を飛ばす、それは男めがけて飛んでいきふっ飛ばす。

俺は吹っ飛び建物に突っ込んだ男に向かってさらに黒い魔方陣を展開しそこから黒い弾をガトリングガンのように飛ばす、弾は着弾と共に爆発し辺りの地形を爆風とエネルギー弾で粉々にしながら撃ち続ける。

 

「らあああ!!!!」

俺は怒りによってまともな判断が出来ずただただ我武者羅に撃ち続けた。

 

「っていだろうがああ!!!」

男は大声を上げながら辺りを俺ごと吹き飛ばす、俺は空中で魔方陣を展開しそれを踏み台にして体勢を立て直し一直線に男に向かって飛んでいく。

男はそれに気づき刀のようなものを取り出そうとしたが防御しようとしたが間に合わず切られる、俺はそのまま近距離で青い魔方陣を展開し水を超圧縮した棘を無数に打ち込む。

男が吹っ飛ぶ、それに対して空間を裂きその中から無限の禍々しい剣を取り出し弾丸のように飛ばしまくる。

 

「死ねえええ!!!!」

もう何が何だかわからない、生命の生きているこの星は地平線の彼方まで血や炎で真っ赤に染まり見る影もない。

俺はだんだん自我を失い壊れていった。

 

「ってーな、人の観賞と快感を邪魔しやがって」

 

「ああああ!!!!」

 

「調子に乗るな、神如きがっ」

俺は神器を構え真っ直ぐ突っ込み男の心臓を突き刺す、瞬間神器が先端部分から白い光のようなものに細かく分解され消え去る。

 

「...!?」

 

「ふんっ、死ね」

男は俺の顔面をパンチする、大して力を込めたわけでもないのに俺は物凄い勢いで吹っ飛びその風圧で地殻を削る。

 

「...がっ!」

俺は体勢を何とか立て直すがその瞬間蹴りを約1000発貰う、さらにパンチを約5000発、白い靄のようなところから白い『何か』を複数放ちそれは俺を貫く。

 

「...!!!」

声が出ない。

 

「ははは!どうだ!?手も足も出ないだろうぅ!?『無』の至高の時を邪魔した罪だ!!苦しめ!苦しめ!!苦しめ!!!そして死ね!!!!」

俺は全く抵抗もできずただ殴られけられ続ける。

 

「はっはぁ!まだだ!!まだ苦しみが足りないっ!憎悪も足りないっ!!憎しみも足りないっ!!!」

男はそこら中からまだ息のある生命を空中に浮かせて死なない程度に切り刻む。

人が、植物が、動物が、絶望の声を上げながら切り刻まれ続け肉片と化す、しかし死んでない。

 

「ほぉら!!これが君が守ろうとした生命だよぉ!?」

男が肉片とかしながらも何故か生きている塊を弾丸のように俺に飛ばしてくる、その肉片が俺に当たるたびに憎悪や怒り、憎しみ、悲しみ、苦痛と言った絶望が流れ込んでくる。

俺はそれを聞くたびに体のそこが熱くなり、喉が裂け狂い、体の穴と言う穴から血を吹き出す。

 

「いいねぇいいねぇ!最高だよぉ!!君良い絶望の顔になってきてるよぉ!!」

しかし抵抗できない、怒りで我を完全に失っても次の瞬間には意識が戻りそしてまた意識がなくなる。

 

「ふは、ははは!あはははははははははははははは!!!」

イカれてやがる、抵抗できない自分と耐えられないほどの絶望で体が弾け飛びそうだ。

しかし痛みがいつもの数千倍に感じ絶望がどんどん濃くなっていく、感情と言う感情が失われるほどの憎悪なのに失われない。

 

「ひひひ、ははは、ふふふ。声をもっと聴かせておくれっ!」

喉など疾うに朽ち果てているはずなのに喉が張り裂けようと声がスピーカーのように世界に響き渡る。

その声はもはや奇声とも似つかないこの世には存在しない『無』の叫び、俺の叫びで原子と言う原子が消滅していく。

 

「ひゃはははひひひひふひひ!!!」

死ねない、死ねないシネナイシネナイ....シニタイ。

俺は絶望の中に自分の絶望を乗せ叫ぶ。

 

「誰かっ!!!!!!!」

殺して!!!!

叫ぶ前にまた奇声に邪魔される。

 

「おいっ、いつまで遊んでる」

男の後ろにさっき人を食べていた生き物が現れる。

 

「ひひひふふふふふ」

 

「おい」

 

「はふふひひひふふ」

 

「おい!」

生き物は男を思いっきり殴る。

 

「ひひひ...あああぁ!!!???今楽しんでんだよっ!!!!邪魔すんなぁああ!!!!」

男が思いっきり顔面めがけてパンチをする、生き物はそれを手のようなもので止める、そして平然として話し出す。

 

「おい、『あの方』に呼ばれたぞ」

 

「あひ?おほ、すまんすまん!お前だったか」

 

「行くぞ」

 

「おーけい」

男が正気に戻ると俺は解放され肉片も朽ち果てる。

 

「ったく、散らかすんじゃねーよ」

生き物は口を大きく開ける、すると白いブラックホールのようなものが出てきて世界を何もかも飲み込んでいく。

しかし俺はなぜか吸い込まれない、生き物は吸い込み終わった後俺を指さし言う。

 

「あいつ、なぜ吸い込めない」

 

「さぁな?神だからじゃねーの?」

 

「俺は神でも吸い込める...が『あいつ』だけは吸い込めない」

 

「まぁさぁかぁ?」

 

「そのまさかかもな」

 

「まじかよ!良いおもちゃになりそうだなっ!!」

 

「しかし本当にそうだとしたら『あいつ』が黙ってないだろ」

 

「うぅぅん、それはちょっと面倒だね」

 

「こいつは捨ててく、どうせこの程度の奴は宇宙に飛び立つ力すらないだろ」

 

「そだねぇ、じゃあなおもちゃ!楽しかったぜ!!」

男と生き物は白い裂け目を作り入って行く。

俺はそのまま意識を失った...

 

 

次に目が覚めた時また以前のような岩肌が見える世界になっていた、その状況を見ても俺は悔しいと言う感情よりも何か心の中ですっきりとした感情になり悲しみや怒りと言った感情を失っていた。

 

「...」

何も思わない、何も感じない、それから一万年ほどそのままぼーっとしたまま立っていた。

 

「...あぁ」

やっと声が出た、しかし俺の時間は完全に止まっている。

何度も朝が来て何度も夜が来た、俺は「あぁ」以外の事だを話さない、そんなある日俺の前に大きな岩でできた人形が現れた。

 

「...?」

 

「...」

お互いただ見つめあっている、そしてその人形は俺を優しく持ち上げ宮殿へと連れていかれた。

俺は宮殿の着くとまるで時間が巻き戻ったかのようにすべての出来事が頭の中に叩き込まれる、俺はあまりの苦痛に自我を失いかけ奇声を上げる。

 

「ぎゃあああああ!!!!痛い痛い痛い痛い!!!」

それは宮殿中に響き渡る。

 

「いやだいやだイヤダイヤダ!!!」

俺は苦痛のあまり床に転がり暴れる、まるで駄々をこねる赤ん坊のように。

 

「シニタイシニタイ!!!!」

ただただ叫ぶ、泣きながら呻きながら暴れる。

そしてそれを見ていた人形が天の救いに思えてきた、俺は縋る様にして頼み込んだ。

 

「殺してください!!!」

人形はただ見てくるだけ、俺は声が裂けてもその願いを叫び続けた。

 

「————!!!」

もはや声など聞き取れない、喉が焼けるように痛かったがそれよりもこの頭痛の方が何倍も痛かった。

と、叫びで意識が飛びそうになったとき頬に微量ながら痛みを感じた。

 

「?」

俺はその痛みがだんだん痛く感じていくとともに頭痛が退いていった。

 

「あ...れ?」

掠れた声が出る、何が起きたのか理解するのに少し時間が掛かったがようやく理解した。

人形に殴られていた。

 

「....はれ?」

俺は涙が零れる、頭が真っ白になる。

人形を見る、人形に感情などなく表情などないはずなのになぜかその人形の表情は悲しそうな感じがした。

 

「...うっううぅ」

俺は泣く、悲しみや自分の弱さに。

人形がまるで我が子を宥めるかのように頭を優しく撫でてくる、その手は冷たくごつごつとしていてちょっと痛い。

 

「わあああ!!!」

しかし俺はそれが何よりも救いになり何よりも温かく感じた、俺はその人形に抱き着きしばらく泣き続けた。

 

「ひっく...うぅ、わあああ」

俺に命の重さが圧し掛かる、味わったことのない悲しみの感情が俺を押し潰す。

しかしその重みをまるで岩を持ち上げるかのようにその人形が持ち上げ救い上げてくれる気がした。

 

「ひく...くっ!ふうぅう!」

なんとか涙を抑えようと努力したが止まらない、悲しみの涙と言うより過去を洗い流す温かい聖水のような、温泉のように温かい涙。

俺は泣き続けた、苦痛の叫びではなく人が救われ喜びの声を上げるような優しい声で。

何時間泣き続けたか分からない、もう気が済んだろうと言わんばかりに涙が退いていった。

 

「...はぁ...はぁ」

泣きつかれた、しかし何かすっきりしたような感じだ。

俺は人形から手を放し立ち上がる、が足にうまく力が入らずよろけて倒れる。

そんな俺に人形は手を差し伸べる。

 

「....ありがとう」

俺はその手を掴み立ち上がる、しかしまだよろけるので人形に支えられるようにしてなんとか立つ。

 

「お前...」

わかっているつもりだった、所詮は人形だと、感情などないと...しかしこの人形には。

 

「お前、助けてくれてありがとうな」

人形はただ俺も見ているだけだ、やっぱり感情なんてない、しかし俺は少しでも救われた。

 

「ふう、なんか疲れたな...」

俺は歩き出し宮殿の外へ出る、やっぱり何も残ってはいないか。

 

「これからどうするか」

俺は空を見上げて黄昏る、そしてあの頃のように生命が居なかった時のように一人でこの人形たちと暮らしていくことにした—————————...

 

 

・

・

・

 

 

「ってのが俺の過去さ、どうだ面白かったか?」

レネの顔色が悪い。

 

「全然面白くない」

 

「すんませんね」

 

「...ごめんなさい、まさか貴方がそんな過去を持っていたなんて...辛い過去を思い出させちゃったわね」

 

「ん?別につらかないさ、もう済んだことだ」

 

「そう...」

 

「...そんな顔をすんなよ、お前は別に何も悪くないだろ?」

 

「うん...」

それでも落ち込んだ表情を浮かべるレネを立ち上がり頭を撫でる。

 

「あ...」

 

「ふっ、俺もこうして貰った」

 

「...!!!」

レネは顔を赤くする、そして俺は思いっきり殴られる。

 

「さ、さわんじゃないわよ!変態!」

 

「なんで?」

 

『お嬢様、もうすぐ目的地です』

 

「そう、じゃあちゃっちゃと着陸していくわよ!『遊園地』!!」

 

『了解です』

 

「遊園地?」

 

「この宇宙のあらゆるアトラクションが一つになっている星!『レイドードレス星』!!」

窓を見てみると見た事のないような物が沢山あり、生命を沢山いる。

 

「おおお」

 

「さあ!行くわよ!!」

俺とレネは宇宙船を降り遊園地へと入ってく。

 

「あれは観覧車であれはジェットコースター、俺はなんかひゅーんてやつ!それでねそれでねあれは...」

テンションマックスで説明をしているが俺なんかよりすごい楽しんでる気がする...

 

「あ!あれはワッフル!!ちょっと買ってくるね!」

レネは猛スピードで販売店へと走り去る。

 

「...元気だなぁ」

 

「楽しいのでしょう、貴方といるのが」

使用人が話しかけてくる。

 

「うお、いたんか」

 

「きっきから居ましたよ」

 

「全く気が付かなかったんですけど」

 

「気配は消してましたから」

 

「まじか、それより俺といるのが楽しいってどういうことだ?」

 

「ここはいつもお嬢様一人で来られてたんですよ」

 

「そうなのか?」

 

「はい、家はそんなに厳しい家と言うわけでもなくご両親も優しい方です。しかし彼女の本当の父親は神【グロイドレグロ】様なのです」

 

「神?」

 

「レイドワール星の唯一神でございます」

 

「まじかよ?でもあいつ神じゃないって言ったぞ?」

 

「それは...気の迷いか、ある日グロイドレグロ様が人間の女と子供をお創りになったのです」

 

「それで?」

 

「その女が産んだ姉妹、それこそがレネ様とルネ様です」

 

「双子か?」

 

「はい、しかし二人は生まれて間もないころに別々の家系へと引き取られました」

 

「ふむ」

 

「神の血がより濃かったルネ様はグロイドレグロ様に、人間の血が濃く人間そのものとなってしまったレネ様はカイサイド家に引き取られました」

 

「で?」

 

「グロイドレグロ様は人間となってしまったレネ様をひどく嫌い生き方そのものを制限してしまいました」

 

「なんだそれ、そいつ最低だな」

 

「...私達は所詮人間、神に異議を唱えることはできません」

 

「...」

 

「それからレネ様はカイサイド家の地下室で育てられ物心付いてからもずっと部屋に閉じ込められたままでした」

俺は黙って聞くことにした。

 

「そんな彼女を見てお心を痛めていた旦那様は神を目を盗みレネ様を外へ連れ出しここへ連れてこられました、それから何度もここへ来るようになりレネ様に笑顔が戻りました。しかしそれを知ったグロイドレグロ様はカイサイド家を滅ぼしにまいられます、だができませんでした。カイサイド家はその星で沢山の信用を受け神と同じくらい大きな存在になっていたからです、目的を果たせなかったグロイドレグロ様は今度はとんでもない事をしてしまいます」

 

「ただいま~!」

レネが二つワッフルを持ってくる。

 

「おっと、話はまた後で」

 

「おう」

 

「ん?話って?」

 

「世間話」

 

「そう、ねね!これ食べてみなよ!」

レネはワッフルを一つ渡してくる。

 

「どうも」

俺はワッフルをかじる。

 

「うま!!」

 

「でしょ!」

なんだこれ、口の中で今まで味わったことのない甘さと絶妙な香ばしさが口に広がる。

 

「おお!うまい!」

俺は一気に口に運び味わう。

 

「そんな慌てて食べたらつっかえるわよ?」

 

「っ!」

つっかえそうになったが何とか胃袋に押し込む。

 

「あっぶね」

 

「言わんこっちゃない」

 

「ははっ」

 

「ふふ」

 

「んくっ、笑うな」

二人は笑いつつ俺の手を引き遊園地を回る、この時間が楽しい。そう思える自分が怖くもあり優しくもある。

 

「あれ乗りましょ!」

 

「あのびゅーっ!!ってやつか?」

 

「そ!」

俺は嫌そうな顔をしたのにレネはお構いなしに俺の手の引き連れていく、そんな事を繰り返しながら俺たちは遊園地と堪能した。

しばらくしてレネは休憩と言い飲み物を買いにどこかへ行ってしまった、俺は近くのベンチに座る。

 

「はぁ...疲れる」

 

「お疲れ様です」

 

「あ、あぁ」

 

「だいぶお疲れのようですね?」

 

「そりゃーな、あちこち行って色んな乗り物に乗ったからな」

 

「でも楽しいんですよね?あの頃のように」

 

「.....なんでお前がその話を知っている?」

 

「誠に失礼ながらデル様の過去の話を聞いていました」

 

「あっそ、で?どう思った?」

 

「話を聞いたときすごく心が痛みました、ここまで辛い過去をお持ちの方はそうそういませんからね」

 

「そうか、そういえばレネの過去の話がまだ途中だったな」

 

「そうでしたね」

 

「そのとんでもない事だったか?それってなんだ?」

 

「はい、それはレネ様の世界を『孤独』にしてしまう禁術でした」

 

「孤独に?」

 

「はい、しかし儀式は完全には完成しませんでしたがレネ様は『友人が居ない孤独』と言う呪いにかかってしまったのです」

 

「ひどいな話だ」

 

「だから貴方といるこの時が幸せな時間なのでしょう」

 

「そうか、あいつもなかなか苦労してんのな」

 

「そうですね...あの人は強いお方です。きっとあなたの心も...」

 

「おーい!デルー!」

レネが帰ってくる。

 

「おうおかえり」

 

「ごめんね、少し道に迷っちゃった」

 

「大丈夫だ、問題ない」

 

「...それどっかで聞いたことあるよ?」

 

「気のせいだろ」

俺はレネの手を引き歩く。

 

「な、なによ?どうしたの?」

 

「もっと遊園地を見て回りたくてな」

 

「...」

 

「ん?どうした?」

 

「え?あ!ううん!なんでもない!行こう!」

 

「おう!」

俺とレネはまだ行ってない所を沢山回る。

 

 

夕方になる、辺りはすっかり赤く染まっているが遊園地はまだ本気を出してないような感じに盛り上がり続けている。

いつの間にか使用人が居なくなっており俺とレネは二人きりになっていた。

 

「ふう!楽しいわね!」

 

「そうだな」

 

「私こんなにはしゃいだのは本当に久しぶり!」

 

「それはよかった」

 

「本当に楽しい」

 

「うん」

 

「こんな時間が一生続けばいいのに...」

 

「...」

 

「...」

俺とレネは黙り込む、人の声が物の音が大きく聞こえる。

 

「ねぇ...」

 

「ん」

 

「あんたさ、今まで孤独だったのよね?」

 

「そうだよ」

 

「一人で」

 

「何もせず」

 

「「ただただ生きている」」

 

「あはは、なんか私たちって似てるわね」

 

「うむ、そうだな」

 

「私さ、ずっと考えてたんだけど...」

 

「ん?」

 

「貴方さえ良ければ一緒に暮らさない?」

 

「......は?」

 

「へ、変な意味じゃないわよ!?ただ似た者同士一緒に居ない?って言ってみただけ!忘れて!!」

レネは顔を真っ赤にする、わかりやすい。しかしこの純粋さが危ない...

 

「....」

 

「....」

俺は少し考える、この子は俺と似たような過去を持っている。彼女の言う通り一緒に暮らしてみるのも悪くない...だが。

 

「....」

 

「....」

また失う恐怖とあの時の光景が...頭から離れない。

 

「....また」

 

「....?」

 

「また失ったら....」

俺の声が弱弱しくなっていく、過去は変えられないと自分に言い聞かせ時の解決に任せてきた。

しかし俺はまた自分で『大切』を作ろうとしている、それがとてつもなく怖い。

俺の心はまだ癒し切ってなどいなかったのだ、傷ついたままその痛みを抱えながら、考えないようにして、見ないようにして、心の叫びを聞かないようにしてきた。

また失ったら

また無くなったら

また壊されたら

 

「デル?」

 

「....」

体が震えだす、汗も出てきた。

 

「デル!」

 

「!」

頬を叩かれる、まただ....あの時とおんなじだ。

 

「大丈夫?」

 

「あ、あぁ」

 

「言っとくけどね?私はそう簡単に死なないわよ、そういう能力だから」

 

「あ...」

 

「私は死なないの!ずっと一緒に居るから」

 

「ずっと?」

 

「ずっとよ」

レネが俺を優しく抱きしめる、温かい。今度は本当に温かい...

 

「...」

あぁ、至高の時。こんな思いは初めてで。

 

「....あ」

レネがこの状態を無意識でやっていたらしくさっきよりも顔を赤らめ太陽のごとく真っ赤になる。

 

「~~~~!!!!」

離れようとしたレネを止める。

 

「まって、このままいて」

 

「~~!!」

レネは恥ずかしさのあまり硬直する、しばらくそのまま二人はじっとしている。

 

「....気が済んだ?」

 

「ああ、もう十分だ」

 

「そう、なら離れて―!」

 

「あいよ」

俺はレネを離す、真っ赤になったレネは小さくなって座っている。

 

「変でしょ?」

 

「...なにが?」

 

「昨日会ったばかりの貴方にこんなこと言うなんて」

 

「そうか?その日にあった男に惚れるってのはない話じゃないぞ?」

 

「ほ、惚れてないわよ!」

 

「うん?ほんとかぁ?」

 

「超うざいんですけど」

 

「ふ、楽しいな」

 

「ふふ、そうね」

俺とレネは笑った、この時間がとても楽しくとても大切な...

 

「お嬢様!大変です、お父上が...」

使用人が大声を上げながらこちらに来る、その瞬間光の柱が彼を包み込み消し飛ばす。

 

「ルド!!?」

 

「!!」

俺は一瞬戸惑ったが瞬時に状況を把握する、レネは凄く取り乱している。

回りが大騒ぎをしている、俺は空の方に何か違和感を感じ空を見上げる。

 

「な、なんだあれ」

そこには巨大な人間が浮いていた。

 

「おいなんだあれ!」

一人の男性が声を上げる、人々とレネはそれに反応し上を向く。

 

「お、お父様...」

 

「お父様だと!?」

 

『レネよ、我との誓いを破ったな』

そいつの声は脳内に直接話しかけられているような感じがする。

 

「違うわお父様!私は誓いなんてしてない!!」

レネの顔は絶望に直面したような表情だ。

 

『だから対価を払ってもらった』

 

「え!?」

 

『先ほど我が星を貴様の家族もろとも消してきたところだ』

 

「「!?」」

レネは耳を疑っているような表情だ、遊園地の人々は出入り口の方へと逃げる。

 

「まじか、あいつ自分の星を消し飛ばしたっていうのか?」

 

「う、嘘よ。そんなこと出来るはずが...」

 

『人類に出来て神に出来ぬ事などない、我は少しずつ世界を支配し尽し貴様の一族を滅ぼす事に成功した』

 

「...!!!」

 

『我の決定に逆らう奴は許さん、よって貴様に絶望を与えよう』

そう言うと巨人は遊園地の南東部に向かって指からレーザーを飛ばす、直後閃光と共に大きな爆発音が聞こえる。

 

「なにを...」

 

「あいつ!この遊園地も消し飛ばす気だ!」

 

「え...」

やばい、直感がそう言う。

 

「逃げるぞレネ!!」

 

「...」

 

「どうしたレネ!?」

 

「いや....」

 

「は!?」

 

「いやぁあ!!」

レネが光り出す、思い出の場所が壊され大切な人が殺され、そんな絶望が彼女を蝕む。

レネは巨人に向かって飛んでいく、巨人は次々に遊園地のあらゆるところを消し飛ばしていく。

 

「やめてお父様!!」

レネが前に立ちはだかる。

 

『貴様は私の決定を破った』

 

「ごめんなさい!私が悪かった...私が悪ったから!」

違う、レネは悪くない。

 

『いくら許しを請おうと我の『決定』は絶対、ここは滅ぼす』

巨人は再びレーザーを放つ。

 

「やめて!!!」

レネはそのレーザーを全て同じ火力のレーザーで弾いた。

 

『...』

 

「やめてお父様!」

 

「レネ!そいつから離れろ!!」

俺はレネを助けに向かう。

 

『また誓いを破ったな、許さん。許さんぞ!』

次の瞬間俺は目を疑う、レネはどこからともなく現れた大量のレーザーによって体中が穴だらけになった。

 

「はっ...!!」

 

『滅びをもって償え』

レネが落ちてくる、俺は無意識にそれを超スピードで飛び受け止める。

 

「おい、レネ!」

 

「っはく...!!」

 

「息ができないのか!?回復は!?治るんだよな!?」

レネは苦しそうに息をしながら首を横に振る。

 

「なんでだよ!?めったなことじゃ死なないんだろ!?この程度どおってことないだろ!?」

レネは苦しそうにしながらも声を振り絞る、巨人は娘を打ち抜いたのに平然とした顔で攻撃を再開する。

 

「あのねっ!私の能力でもお父様の攻撃は治せないのっ」

 

「なんでだよ!?」

 

「お父様は『あの人』から力を預けられてるからっ」

レネから少しずつ命が消えて気感じがする。

 

「『あの人』!?誰なんだよそれ!!」

 

「『無王』よっ」

 

「『無王』!?」

少しだけ聞いたことがある、確か『無』と言う名の『白の世界』を支配する王だとか...

 

「『無』に与えられた傷は治ることはないのっ!だから私は....」

 

「おい、そんなこと言うなよ!!」

ずっと...

 

「ごめんね、ずっと一緒に居るとか言っておいてこんなことになっちゃって...」

 

「ふざけんなっ!!お前は『孤独』である俺に『希望』を与えた!!責任とれよっ!!」

 

「なにそれっ...少しきもいよっ」

レネは行きのし辛い状態でも笑いながら言う。

 

「うっせ!!やっと!!『希望』が!守りたいと思った命がっ!!」

 

「ふふ....ありがとうね、こんな私を守ろうと思ってくれてっ。うっ!」

 

「レネ!!死なないでくれ!!!俺は....お前が.....俺の希望で....」

 

「....デル、貴方は人の絶望を何倍も知っている。だから....」

レネがだんだん冷たくなっていく、そんな感じがする。

 

「光を....世界を見て回って....貴方は決して『孤独』だけで生きてはだめっ」

 

「今そんなことどうでもいいだろ!?」

 

「....デル、好き」

 

「!!!!」

その言葉を最後にレネから命の光が消えた、思えば変な奴だった。いきなり現れて俺の事をいろいろ調べまくって過去まで聞いて、ただ自分と同じ過去を持っているってだけなのに勝手に好意をもって勝手に俺を連れ出して....

 

「.....」

でも、それが彼女のいいとこでもあり『純粋』で明るくて誰よりも『孤独』を知っていて....だから俺に『希望』を見せてくれて。

 

「馬鹿な奴だな.....勝手すぎるだろ」

俺の中で何かが壊れるとともに何かが構築される感じがした、俺はレネの死体をその場にやさしく寝かせ攻撃を字続ける巨人に向かって飛んでいく。

 

『我の決定は絶対!我の決定は絶対!我の決定は絶t....』

俺はそいつの前に立ちはだかる。

 

『何奴だ、我の決定を邪魔するものは』

 

「.....」

 

『我の決定は絶対!故に貴様の死も決定する!!』

巨人が大きな腕を振り下ろしてくる、俺はそれを片手で止める。

 

『ぬっ!?』

 

「てめぇだけは絶対に許さん」

俺は拳で白い魔方陣を展開しそのまま巨人を殴り飛ばす、そいつは物凄い勢いで飛ぶが空中でブレーキをかけ止まる。

 

『ぐう!我の決定は絶対!よって貴様を滅ぼす』

巨人が手を大きく広げると空間のあらゆるところが裂け中から白い『何か』が出てくる、俺はこれを一度見ている。

 

「そういう事か、だから俺はあの時全く手が出なかったのか」

あいつらが『無』だから....

 

『滅びよ!!』

巨人が丸まる様に手を前に振ると『何か』が猛スピードで飛んでくる。

 

「っち!」

俺は何とか回避する、しかし『無』相手にどうやって勝つか....

 

『滅びよ!滅びよ!滅びよ!』

裂け目から次々に『何か』が出てくる。

 

「くそっ!」

何とかよけつつ巨人に近づこうとしたがうまくいかない、このままでは.....

そう思った瞬間わずかな隙に気づく、『何か』出てその次の『何か』が出てくる瞬間の間に時差がある。

 

「一か八か!」

俺は意を決して突っ込む、その0.1秒の循環の時差を超え光より速く....速くっ!!

光りを超えろ、時を止めろ、0.0001秒の空間へ...!!!

 

「!!!」

懐に飛び込む、巨人の体がもう目と鼻の先だっ!!!

 

「いっけえええ!!!!」

折れは渾身の一撃を拳に込める、そして放つ....

 

『    』

 

何が起きた?気が付けば俺の体は左腕と両足を失っていた、『無音』の間に何をされたのかわからない。

 

「なっ....?」

 

『滅びよ!』

巨人は全力のパンチを俺に放つ、俺はそのまま自慢に強く叩き付けられ体が死ぬ。

 

「.....」

体が死んだことにより言葉も出ない、俺はそのまま意識が薄れていく。

俺は死ぬのか.....あっけないな。

 

 

・

・

・

 

 

目が覚めるとそこは白く何もない空間だった。

 

『やあやあ!!』

 

「うお!?」

びっくりして後ろを振り向く。

そこには服も白く髪も白く目までも白く手に金色の籠手を着けた少女が居た。

 

『どうもどうも!哀れな負け犬君!!』

 

「まっ!?」

 

『随分と派手に負けたね!』

 

「....俺は死んだのか?」

 

『うん!!』

 

「なんでそんなにうれしそうなんだよ」

 

『だってねだってね!やっと君と話ができるから!!』

 

「はぁ?」

 

『さぁさぁ!!質問コーナーのタイムだよ!』

 

「はい?」

 

『質問!!【君はあいつに勝てましたか?】』

 

「はい?」

 

『ほらほら!答えて!』

 

「....正直わからない、あいつは『無王』の力を使うらしいからな」

 

『う~ん、あの程度じゃめ『無王』には遠く及ばないと思うけど....』

 

「それ、どうゆうことだ?」

 

『そういえば伝言あったんだった!』

 

「伝言?」

 

『デル、貴方は生きて。いつか必ず夢をかなえて』

少女はレネの声で言う。

 

「!?」

 

『だってさ!いいよね!愛ってさ!!』

 

「夢って...俺の夢は....」

俺の夢は宇宙に出て世界を見て回る事....しかしもうそんなことどうでもいい。

 

『本当に?』

 

「あぁ、レネが....守るものがないこの世界なんて俺にとって意味がないからな」

 

『そうじゃなくてさ!君の夢って世界を見て回る事なの?』

 

「...?、何が言いたい?」

 

『違うでしょ?』

 

「お前さっきから何言ってんだよ?てかさ、お前誰だよ」

 

『さあ?誰だろうね?』

 

「おちょくってんのか?」

俺は威圧がこもった感じにいう。

 

『うん!』

 

「こいつっ!」

 

『あはは!楽しいなぁ楽しいなぁ!人と話すのって!』

 

「....ついていけんわ」

 

『ねぇねぇ!?力ってほしい?』

 

「は?」

 

『ほしい?』

 

「そりゃあまぁ...」

レネを生き返らせてレネを守る力なら....

 

『ふむふむ、生き返らせるか....でも彼女は既に無によって殺されてるよ?』

 

「だから!無からも生き返らせられる力をっ!!」

俺は少女の肩を掴む。

 

『感情的になるなよぉ』

 

「あっ。ごめん」

 

『いいよ、これあげる』

少女は小さな四角い玉?を渡してくる。

 

「なんだこれ?」

 

『サイコロだよ』

 

「サイコロ?」

 

『そう!あれを見て!!』

少女は指で後ろ側を指す、振り向くとそこには物凄い高い階段があった。

 

「うわ!?なんだこれ!?」

 

『君驚きすぎ』

 

「ご、ごめん」

 

『あれは階段だよ』

 

「みりゃあわかるわ!」

 

『サイコロを振ってみ?』

 

「振る?」

俺はサイコロを持って振る。

 

『あははは!!違うよ!そうじゃないよ!』

 

「あ?」

 

『振るってそうじゃないよ!投げればいいんだよ!』

 

「おお、そうか」

俺はサイコロを投げる、するとサイコロ目が3つが出た。

 

『おお、いきなり3か。運いいね!』

 

「なにがなんだか全くわからない」

 

『それじゃあいってらっしゃい!』

 

「は?なんだy...」

体が少しづつ消えていく。

 

「な!?」

 

『物語の時計が今動き出すよ....』

その子のその言葉を最後に意識が飛ぶ。

 

 

気が付くと俺はさっきの遊園地に寝ていた、辺りは一面炎に包まれており巨人がまだ攻撃を続けている。

 

「俺....なんで生きてんだ」

俺は右手で顔を覆う、その時違和感を感じる。

 

「なんだこれ」

手の甲に白い何かの文様が刻まれていた。

 

「....そんなことよりあいつを何とかしないと」

生きる意味はないがレネが好きだったこの遊園地だけは守らないと、レネに怒られるかもしれないからな。

 

『まだわかってないね』

 

「?」

声が脳内に聞こえる。

 

『君は何かを感じなかったのかい?君の夢はその程度かい?』

 

「は?なにいってんだよお前」

 

『....問う、そなたの夢は?』

 

「だから.....」

俺は言葉を詰まらせる、そして考える。

俺の夢?俺の夢は.....。

生まれた時から宇宙に出ることが夢だった、「あの広い宇宙に出よう」いつもそう思っていた。

それはなぜか?

まだ見ぬ発見を得るため?宇宙一の強者になるため?宇宙一の財宝を手に入れるため?宇宙最強の武器を手に入れるため?

違う、『仲間と家族』が欲しかったからだ。生まれてから一度も友を作ったことなんてない恋をしたことがない家族と団欒を取ったことがない。

世間的にいえばそれはそ「その程度」と思うのかもしれないけど俺にとってはどんな発見よりもどんな力よりもどんな財宝よりもほしかった物なんだ、この広い宇宙でほんの少ししかない大切な物.....

あぁそうか...俺の夢は.....

 

『やっと気づいたかい?』

 

「俺の夢は『レネと共に暮らす事』だ」

 

『いいねいいよ!!それでこそ命だよ!!』

 

「俺はどうすればいい?」

 

『戦え、この宇宙の今の世界の理に従え!』

 

「おっけい!!」

俺は立ち上がる、いつの間にか体が元通りになっていた。

 

「無の攻撃って回復できないんじゃなかったっけ?」

 

『出来ないよ、だから作り変えた』

 

「作り変えた?」

 

『そうだよ、命が消える前に別の器を作ったのさ。まぁたまたま君の命が無に変えられてなかったってだけだけどね』

 

「レネは?」

 

『あの子は手遅れさ』

 

「そうか....」

 

『そんな落ち込むなよ、この宇宙において『無理』なんてないんだよ?』

 

「....それ理と矛盾してないか?」

 

『そだよー』

 

「やっぱお前が何言ってるか全然わかんねぇ」

 

『そうだねー』

 

「....だが、生き返るんだな?」

 

『可能性はあるって言ってるだけさ』

 

「可能性が少しでもあるなら、その可能性を見つけてやる」

 

『どっかの主人公みたいだね』

 

「そだな」

俺は足元に陣を開く、白い陣が展開されそれを操作して体を浮かせ飛ぶ。

 

「ん、そうさムズイな」

 

『時期慣れるさ』

俺はその状態で巨人の元へと行く。

 

『ぬう!!まだ生きて負ったか!!我の決定は絶対!滅びよ!』

 

『こいつこれしか言わないね』

 

「滅ぶのは貴様だくそったれ」

 

『ぬおぁ!!』

また裂け目を作り『何か』を呼び出す。

 

「っち、さっきよりも多いな」

 

『関係ないね、所詮は作りものだよ』

 

「どうゆうことだ?」

 

『確かにあいつから『無』の力は感じるけどそこら辺の『半無』より全然劣ってるよ』

 

「つまり?」

 

『消し飛ばす瞬間だけ無になる、『会心の一撃が無』の『半無』さ』

 

「会心の一撃が?」

 

『そう、だからこいつらに当たったって無にならない。あいつの会心の一撃に注意してやれば倒せるよ』

 

「会心の一撃に注意ね?具体的に?」

 

『さぁ?会心の一撃を出す方法なんていくらでもあるからね』

 

「それ回避するの無理じゃね?」

『何か』がこっちめがけて飛んでくる、俺は剣を創りそれらを切り倒す。

 

「お、ほんとに切れた」

 

『ぬ!?なぜ『無』を切れる!?』

 

「何言ってんだこいつ...」

 

『こいつ自身も自分の力に気づかず使っているみたいだね』

 

「ざまぁねえな」

 

『おおおお!!』

巨人は次々に『何か』を生み出し飛ばしてくる。

 

「切れると分かった以上全て切り倒してやる!」

 

『あ、そいつらの中に会心の一撃が居るかもしれないから気をつけなしゃい』

 

「なに!?」

俺は飛んできた『何か』を慌てて避ける。

 

『あっはははは!なに今の回避の恰好!おもしろ!!』

ゲラゲラと笑い声が聞こえる。

 

「うっせ!そうゆうことは最初に言っとけ!!」

 

『会心の一撃を出す方法はいくらでもあるって言ったよ!』

 

「ぐう!」

 

『ほぉらきた!』

次々に飛びかかってくる、避けられるものは避け避けられないものは切る。

 

「このままじゃ...っ」

 

『もっと!もっと!!速く!!!って言ってなかった?』

 

「それは....」

でもまた返り討ちに合うかもしれない...今度こそは確実に死ぬかもしれない。

 

『そうだね、でもやる意味はあるよ。死ぬとは限らないし』

 

「....」

俺は戦いながら考える、あの時俺は確かに一瞬だが光を超えた。しかし逆に俺の方が吹き飛んだ、なぜだ?

あいつは『会心の一撃が無』、速さと動体視力は普通の神だ。

 

「だとすると....」

待てよ?『会心の一撃』なんてものは基本クリティカルと同じくやろうと思えばいくらでも出せる、しかしあいつはさっきから飛んでくる『何か』にその力を使ってない。

と、言う事は?

 

「また一か八かだな」

 

『運に』

 

「運ってのは神が決めるものだろ?」

 

『ちょっと違うね、正確には『意識体』が決めるてるのさ』

 

「それさ、意識体が『こいつ嫌いだから全部外れを引かしてやる』って思ったらその通りになるってことか?」

 

『それも違うね、意識体は『考える』ものなのさ。『運』を『考えて』いるから運があるんだよ、だから絶対にそうしてやるなんて事はできないんだよ。そう『考えて』いるからね』

 

「う~ん、よくわかんねーな」

 

『そう?ちゃんと説明したつもりだけど』

 

「ま、それは置いといてだ。じゃあ運に賭けるぜ」

 

『うん、結果が楽しみだよ』

俺は構える、精神を研ぎ澄まさせ力を溜める。

 

『おおおお!!!!我の決定は絶対!!絶対!!!』

 

『絶対なんてこの世にはないのさ、越えられない壁は絶対なの?絶対に越えられないの?そんなの違うでしょ?越えられない壁を越えて来たから世界は進む続けてきたんだよ?さあ、越えられない壁を越えろ!デル!!』

 

「おう!」

時の世界に入る、世界が止まって見える、光りすらも止まってって見える。

 

『超える』

 

「限界を」

 

『1秒でもいい』

 

「0.1秒でもいい」

 

『時間差と言う世界を理を』

 

「その世界を超え」

 

『進む』

 

「行くぜ!!」

 

【世界の理を超えるもの(グランドットレビテルミナル)】『限界突破(ゼルドレミネス)』!!!!

 

懐に突っ込む、そして何か白い靄が見えた。

 

「あれだ!!」

俺は剣に全ての力を籠め思いっきりそれを切る、物凄く大きな金属音のような音と共に靄に穴が開く。

 

「今だ!!」

剣を捨てそれに溜まっている全ての手の力を拳に移し替える。

 

「いっけえええええ!!!!」

腹に当たる確かな手ごたえと共に限界突破の効果が切れ通常の世界に戻る、巨人は流れ星のように宇宙へと吹っ飛び花火のように弾け飛ぶ。

 

「....終わった」

弾け飛んだ残骸が星に引き寄せられ降る。

 

『お疲れ、でも最後なんで攻撃が当たったんだい?』

 

「あいつは自分の力を理解してなかった、あいつは自分自身の能力が『無王』だと思ってたってわけさ」

 

『???』

 

「要は『我に攻撃は当てられない、死なない』って思い込んでた、でも実際は防御に会心の一撃が使われてた。だから『何か』に使っていなかったってわけさ」

 

『ほう』

 

「だから俺が攻撃したら逆に吹き飛んだのさ、レネの時も『近くに居た攻撃対象がその範囲に入った』から吹き飛んだ」

 

『なるほどねー』

 

「....なんで棒読みなんだよ」

 

『さぁ?』

 

「お前ほんとムカつくぜ!!」

 

『ははは!いやぁ!勝ったよ!勝ってしまったよ!!』

 

「そうだな、仇打つとこの遊園地を守れた」

 

『時の導きは万の世界だよ、デル。君の世界はここからだ』

 

「ああ」

月が昇っている....世界は美しいな、この宇宙(そら)をいつか必ずレネと共に見るんだ。

俺は静寂となったその場にしばらく立ち尽くしレネと一緒に乗ってきた宇宙船に向かう。

 

「使用人の人も死んじゃったし宇宙船借りるぜレネ」

俺は宇宙船に着き壊れている部分を探す。

 

「大丈夫だな」

宇宙船に乗り込み自動操縦で目的地を設定する。

 

『機械扱えるの?』

 

「一応俺の星の住人だった奴らに教えて貰ったからな」

 

『へぇ』

宇宙船が動き出す。

 

「ここ直るかな?」

 

『さーね、直すか直さないかはここの星の民が決めることさ』

 

「無事なのかな?」

 

『それもわからないさ、でもすべて死んだ確率はゼロだね』

 

「なんで言い切れる?」

 

『外を見てみな』

俺は窓から外も見る、すると下には沢山の星の民がこちらに手を振っている。

 

「あれは?」

 

『君の戦いをこっそり見ていた者達さ、君の姿はこの星であるいはどこかの宇宙で語り継がれるかもね』

 

「恥ずかしいな」

 

『命は歴史を伝える』

 

「そうだな」

宇宙船が大気圏を突破し宇宙空間に入り、星に向け帰って行った。

 

 

・

・

・

 

 

あれから一か月がたった、相変わらず命の持たない星は岩しかない。

しかし俺には目的がある、俺は自室にこもりレネが使っていた『宇宙インターネット』で色々検索したりア〇ゾンで資料などを買い片っ端からあさっていた。

 

「うーん....」

 

『何をそんなに悩んでいるんだい?君、帰ってきてからずっとそんな感じじゃないか』

 

「レネを生き返らせるために模索してるんだが一向に見つからなんだよ」

 

『まぁ一応『無』に消されたわけだからそう簡単に生き返りはしないだろうね』

 

「あああくそっ!!」

俺は頭を抱えながら目の前の机に打ち付ける、すると資料が床に散らかる。

 

『あーあ』

 

「....」

俺は立ち上がり資料を拾い上げる、その中に気になる資料を見つけた。

 

「ゲレイトレイドレス学園...?」

ああ、確か神の学校だっけか?こちとらそんな暇ないんだよ。

 

「.....」

そう思う筒も少し気になり中の資料に目を通す、その中に君なるものを見つけた。

 

「無への対処法と無による死者の蘇生....だと!?」

 

『ああ確かその学校無に対抗する力を研究しているって聞いたことがある』

 

「本当か!?」

 

『うん』

俺は大急ぎで書いてある電話番号に電話をかける。

 

『....はい、こちらゲレイトレイドレス学園です』

 

「あの!無への対処法について研究しているって本当ですか?」

 

『はい、本当ですけど...貴方は入学希望の方ですか?』

 

「いえ、その」

...そういえば入学招待みたいな手紙が来てたな?

この学園なら、もしかしたら....!

 

『可能性があるなら』

 

「掴む!」

 

『もしもし?大丈夫ですか?』

 

「はい、その、俺入学したいです!」

 

『畏まりました、そちらに行き方への招待券は送られていますか?』

 

「はい」

 

『では、お待ちしております』

 

「はい!!」

 

俺はこうしてレネを生き返らせるためにゲレイトレイドレス学園に入学することとなった....

 

 

 

 

to be continued & See you at the next work




どうでしたか?

正直自分でも何書いてるか分からなくなってしまって頭の中真っ白です。

感想等お待ちしております。

ではまた次作でお会いしましょう。

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