境界線のサタン「あるいは、身近な大切な人~」   作:宍戸靱

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2話出会い

・・

 

・・・

 

近くの公民館に避難して来た。

自分たちと同じように。避難して来た人たちも10数人は超えていたこれからもっと増えていくのだろう。

 

先ほど自分の家から助けてくれた少女と大人二人の名前を少年は、手をつないだ形で紹介された40代の人は大野哲也(おおのてつや)さん。

 

眼鏡をかけていて顔にはちょっと皺が出ていた。

独身である。

 

話を聞くと新聞配達をしている最中に地震にあったんだとか。

 

もう一人の30代の人は鍋島博一(なべしまひろかず)さん。

こちらのほうは、会社員で凛とした顔立ち幸いにもトイレにいて助かったと本人は言う。

 

妻と息子は丁度福岡に言っており明日帰る予定だったんだとか。

 

助けてくれた少女の名前は、

「私の名前は宇佐美晴(ハレ)よ、気軽に晴って読んでね。あなたの名前は?」

彼女は微笑みながら自己紹介をした。髪は肩口まで伸びており、左の耳には髪飾りをつけていた。

見てくれは結構可愛い。

妙に馴れ馴れしいと感じた僕だが、

一応自己紹介を渋々する「サ・ト・ウ、、、カズトシ、おっと」

 

手をつないで歩かないと足元がおぼつかないきっとさっき寝てるときに体温を奪われたせいだと気付く、靴は家出を勝手にできるようにベットの下にもう一足隠してあるのを履いた。

 

僕の倒れそうな体を宇佐美さんは支えてくれた「ありがとう、」

そんなやり取りをしている間に公民館が見えてきた。

そして大野さんが「ついたぞ。」と一声それから鍋島さんが「もう結構人きてるな~」

大野「こりゃもっといっぱい来るぞー、怪我人も沢山」

鍋島「忙しくなりますね。」

大野「ああ」、

公民館に避難して、僕は過酷な保育所で親友だった男の子のことが心配だった。

・・

・・・

名前は鮫島真君、

 

自分よりも行動力が人一倍遅く弱くて先生の虐めの標的にされていた。

 

先生の名前は久美京子

大学卒業後保育免許をとってここ神戸市にやってきた。

最初はいい先生だと思っていた。

 

美人だし年齢もまだ30歳入っていなかった。

が本当の目的は日常的なストレスの解消だった。

 

自分より弱い者を支配して教育した気になってそれでお金をもらっている屑人間だった。

 

チクろうとする奴は片っ端から、暴力の限りを尽くされた。あるものは指揮棒で腕を叩かれあるものは壁を蹴っ飛ばして強制的に黙らせるなど。

 

人間とは思えない行動を次々ととるようになった。

何故警察に捕まらないのか不思議でしょうがなかった。

 

特に真君はひどかった、一回僕はその仕打ちに耐えられなくて自分の母親に真実を打ち明けて何とかしてもらうように呼びかけた、

 

だが「他人の心配なんてしてる場合じゃないでしょう。私だって生きるか死ぬか大変なんだし」

と身体があざだらけの母親は死んだ魚のような眼をしてそう言った。

 

それがどういうわけかどこから情報が漏れたか分からず。

次の日先生は朝から不機嫌で。

僕と、誠君を裏に呼びつけた、

何故誠君も呼ばれたのかな僕は不思議だった。

 

そしてタバコに火をつけて煙を吹かすと。

 

「お前私のこと親にチクろうとしなかったか?」

 

と背筋も凍るような声と眼で質問されて。

 

「いいえ」

 

と答えると、

 

「嘘はいけないねえ、嘘は」

といいつつ僕の隣の誠君を捕まえて。

 

「嘘をつく子には、おしおきをしなくちゃねえ」

 

といい誠君の服を捲し上げて「やめてください!どうして誠君なんですか!?」

 

と言って掴み掛ったが大人の力は凄まじく僕は先生に蹴っ飛ばされ。

 

そして、

「あなたを痛めつけてもしょうがないから今度私のことを誰かに言おうとしたらどうなるのかを教えないと、ククク、痛いわよぉ~自分のせいで誰かが傷つくのは」と言いつつ誠君のおなかに煙草を押し付けた。

 

「うわあああん!うわあああん!」

「泣いたって無駄なんだよ、ここはね防音工事が施されてるから簡単には叫び声もきこえないの。ザーンネンははは!!」

そんな親友の鳴き声を僕は黙って聞くしかなかった。

泣きながら、ただただ泣きながら壁にもたれるような形で、

(なんだよこれ)、(なんなんだよこれ!!ふざけんなよ!!!)

・・

・・・

「おーい」

目の前で誰かが手を振っている

「おーい」

「…っわあ!」

気が付いたら目の前に宇佐美さんがいた。

少女は不思議そうな顔でやや控え気味に。

 

「どうしたのさっきからボーっとして怖そうな顔して?もしかして言いたくないけどさっきの両親のこと?」

 

彼女は心配そうな顔をして問うてきた?

「ん、ああ、そんなとこ」

そっけなく答える。

 

「ごめん」

と何故か少女が謝る。

「どうして君が謝るの?」

「いや、触れちゃいけないことだと思って、私って嫌な奴だよね。」

という彼女に僕は、

 

「そんなことないよ心配してくれたんでしょ?」

ふと僕は、少女のことが気になった、

「ねぇ、君の両親は?」

尋ねると、

 

「お父さんは韓国にバイオリンの演奏しにコンサートに行ってる。

 

何かのアレンジ楽曲を弾いてるんだけど今は母親と二人暮らしなんだけど母は、私をかばってそのまま下敷きに…」

 

ふと少女の瞳から一筋の涙が、

「ごめんなさい。」

 

僕はどうしたらいいかわからずうつむいていると、

「ねぇ、せっかくだし遊ぼうよ」

 

と少女は言い出した。

 

僕はどうしてこの少女はこんなに強いのだろうかと不思議に思っていた。

そして僕は少女に手を引かれて公民館の中を散策することにした。

 

 

・・・

ラジオ番組

「今日午前5時46分に淡路島北部の明石海峡(あかしかいきょう)を震源とするマ巨大地震が発生しました。

震源の深さは16Km地震の規模を示すマグニチュードは7・3、震度は7強この地震で現在確認されている死者数は100人です」

 

死者の名前を読み上げるキャスター、「佐藤実さん、鈴木信利さん、鮫島真さん・・・」

 

後日、僕の親友の死が伝わったのは僕が避難所生活5日目を迎えた時であった。

 

第3話に続く。

 

 

 

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