やはりダンジョンに出会いを求める俺の青春ラブコメはまちがっているだろうか【まちガイル】   作:燻煙

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切りのいいところでとりあえず更新しました。短いですがよろしくお願いします。


比企谷八幡は腐っている。④

「あー雪ノ下、こいつはな。冒険者じゃなくてギルド職員なんだよ。」

 

 

平塚先生の声に驚いたように瞳を開く雪ノ下。ちょっとしてやったり感を感じる。別に何もしてねぇけど。

 

 

「………どういうことか、説明してくれるかしら。」

 

 

先ほどの驚嘆などなかったかのように、すぐに冷静さを取り戻した雪ノ下が尋ねる。

 

 

「どうっていわれてもな。」

 

 

そのままの意味なんだが。まぁノーマル(・・・・)な職員とは決して言えないとは思う。

 

 

そう言って平塚先生を横目で見やる。

 

 

何分この事情は色々と面倒くさいのだ。ぶっちゃけ俺もよくわからんことがあったりする。

 

 

説明するかどうか迷っていると平塚先生が口角を上げながら

 

 

「比企谷、話すかどうかは君に任せるよ。雪ノ下は信用に足る人物だ。まぁ今後活動を共にすることを考慮しても、話をしておくのがベターだとは思うがね。」

 

 

と助け舟を出してくれる。この話をする上では平塚先生も関係があるので許可を出してくれたと言うべきかもしれないが。

 

 

「………そうですね、ならかいつまんで話しますよ。」

 

 

全部は話をしない。つーか俺の過去編とか需要ないし。とっとと話を進めよう。ただどう話をしたものだろうか、普段全く会話をしなかったツケがここで回ってきたようだ。

 

 

 

よし、雪ノ下が少しイライラしてきたように思えるので今はサラッと流しておこう。

 

 

「あーとりあえずだな、雪ノ下。潜りたくはないが、ダンジョンには昔少しだけ入ったことがある。俺は確かに冒険者ではないが、ダンジョンに潜ってもそう簡単には死なんはずだ。一応、《神の恩恵(ファルナ)》もあるし。ただ、防具とか武器とかその辺の道具を殆ど売っちまってな。ヒノキの棒とお鍋の蓋くらいしかないんだわ。そういうわけで、すぐにはダンジョンに行くってのは無理だ。装備くらい整える時間をくれ。」

 

 

 

何を隠そう俺こと比企谷八幡は昔ダンジョンに潜っていたことがある。

 

 

ただしそれはもう昔の話。あんなところに潜るのなんて、今は本当に御免なのだ。俺は一介のぼっちギルド職員になったのだ。

 

 

ただ、今回は平塚先生直々のミッションであるし、ダンジョンに潜らねば収入がなくなりBAD END一直線なのだ。平塚先生には恩がある上、小町を不安にさせるようなことはできない。絶対に。俺なんかの収入がなくても今の小町なら余裕で生きていけるとは思うが、路頭に迷った情けないごみぃちゃんにだけはなりたくないし。はぁ………。

 

 

 

怪訝そうな顔をしながらも雪ノ下はわかった、とだけ返事をする。詮索されないのはありがたい。俺に対して無関心なだけかもしれないが。よし、帰ろう。

 

 

「つーわけで今日のところは解散だ。じゃぁな。」

 

片手を背中越しに振り振り、部屋を後にしようとする。

 

「待ちなさい比企谷君。次回の予定も決めず帰るつもり?」

 

 

ぎくゥッ!と背筋が伸びる。ちっ、鋭いやつめ。このまま帰ってこないつもりだったのに。

 

 

「大方、このまま帰ってこないつもりだったのでしょうけど。まあいいわ、比企谷君。防具と武器を買いに行くわよ。」

 

 

アッサリと目論みを見破られた俺に雪ノ下が提案してくる。雪ノ下のみやぶる!正体がバレた!

 

 

「いや買いにいくって、ほら俺あれだから。それがこれでこうだし。ね?」

 

 

「全く情報が伝わってこないのだけれど………。防具がないなら、すぐにでも装備を整えてダンジョンに潜りましょう。貴方の実力を見ておきたいから。」

 

 

 

いやなんでこいつそんなダンジョンに潜りたがるの?前世がモグラだったの?唄でも歌ってろ。

 

 

「いやいや、ほら、今俺手持ちのヴァリスがないし。大した物買えないだろうし。」

 

 

 

甘いな雪ノ下。ここで必殺、「金がない」発動だ。これを使ってしまえば今日は解散せざるを得なくなる。おまけにカードを2枚山札からドローできる。山札ってなんだよできねぇよ。

 

 

 

「心配するな比企谷。これはバベル直々のミッションだからな。これで好きに買ってこい。ただし、用途のわからない出費があると倍額で返済して貰うからな。」

 

 

平塚先生により容易く俺の必殺技が破られ俺の手元にヴァリスの入った袋が投げられる。結構重い。そこそこ入ってそうだ。

 

「君の場合、そんなにお金はかからんだろうがな。とりあえず5万ヴァリスだ。就任祝いだと思っておいてくれ。雪ノ下もだ。ほれ。」

 

と言って雪ノ下にも同様にヴァリスの入った袋を渡す。

 

くっ、施しではなくて就任祝いときたか。これでは断れない。流石は平塚先生、俺の技を見抜いている。

 

 

「金がない」を発動した以上、「金がある」状態になってしまったが最後だ。買いに行かざるを得ない。

 

渋面をつくって雪ノ下を見ると手早く自分の荷物を持ち防具屋に行く準備を整えている。

 

 

「これで問題はないわね。では平塚先生、行ってきます。」

 

「ああ、諸君。それではミッションスタートだ!」

 

 

どこぞのLittleなBustersのリーダーのように高らかに宣言する平塚先生。あんた守備範囲広いな。

 

 

「君たちに不都合がないよう、こちらでも色々手を回しておくが、もし何かあったら遠慮なく言いたまえ。任務放棄以外は取り扱ってやろう。」

 

 

遠慮なくの下りで反応した俺に牽制するように言う。くそっ、逃げ場がない。

 

 

「活動時間は君たちで好きに決めてくれて構わないが、基本的には毎日になるだろうな。活動拠点としてはここを使ってもらって結構だ。ダンジョンのイレギュラーを調査すると共に、奉仕部としてもしっかり活動してくれたまえよ?」

 

 

フレックスタイム制を導入しているのかと思いきや、単なるブラックだった。酷すぎる。

 

 

「あの、ちょっとだけいいすか?」

 

「ん、なんだね比企谷。」

 

「奉仕部としての方の活動って、ちょっとあやふやなんですけど。具体的なイメージが湧かないというか。」

 

 

そうなのだ。ダンジョンのイレギュラーというのも正直な話具体的によくわかっていないが適当に報告してもまぁ大丈夫だろう。

 

 

ただ問題は後者の方である。奉仕部としての活動となるとどうやって誤魔化そうかわからない上に仕事が上乗せされる時に「奉仕部としての活動」という免罪符を与えてしまうことになる。働くことに積極的かと思った?残念!真逆でした!

 

 

雪ノ下がこちらの真意を読み取ったのか蔑むような目を向けてくる。俺の思惑はスケスケらしい。スケスケだぜ!本人も若干跡部様っぽい。

 

 

「そういうことか。それについても問題はない。手は既に打ってあるよ。奉仕部としての活動は様々な物があるだろうが、とりあえず今日のところは奉仕部の活動は考えなくて大丈夫だ。」

 

 

 

なるほどわからん。が、今後厄介なことになりそうだということだけはわかった。

 

 

「わかりました。では此処にはどのくらいの頻度で戻ってこればよろしいでしょうか?」

 

 

おお、雪ノ下。あれでわかっちゃったのか、流石だな。背中とかすすけて見えてるのかもしれない。

 

 

 

「そうだな、基本的には奉仕部の拠点だからな。奉仕部に対しての依頼が舞い込む可能性もあるし、常駐してもらうのが良いだろうな。ただ別に24時間体制というわけではない。一般のギルド職員と同じように、定時で帰ってくれても構わんよ。」

 

 

 

平塚先生の言葉に安堵する。24時間とか流石に終わってる。が、ホームに帰ることができるならモーマンタイだな。テリアモンの時は可愛いんだけどなぁ………。セントガルゴモンも嫌いではないが。

 

 

「さて、以上かな?では、改めて、ミッションスタートだ!」

 

 

 

かくして、俺のギルド直属の極秘ミッションがスタートしたのだった。はぁ、帰りたい。




ダンジョンに潜れませんでした。予定はあくまで予定です、ハイ。現在路頭に迷っているどうも作者です。

ゆっくりゆっくりやっていく方針です。次回はもっと長く書きたいなぁと思っております。お買い物してダンジョンに潜ってなぞする予定です。

八幡やゆきのんの事情はおいおい語られていく予定です。まだ殆ど決まっておりませんが。八幡にはある方の恩恵が与えられておりますので、八幡がやられることはそうそうない、はず。

今後更新頻度が下がるかと思われますが、できるだけペースを保って更新していきたいなと思っております。今後ともよろしくお願いします。
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