う~ん、何この状況。
ただいま、俺氏の状況を確認すると、素っ裸のょぅι゛ょが目の前で手足を拘束されているのを、ボーっと見ていた。
「これ、何をしとる?
さっさと苗床にしてしまわんか」
後ろからくっそ汚い老人の声が聞こえた。
ふと周りを見渡すと、なんだかよくわからない虫だらけだ。
不思議と嫌悪感はわかないが、俺は一体どうなってしまっているのだろうか。
というか、俺は誰なんだろう。
後ろにいる老人は何やら小さく、しわくちゃなじゃがいもみたいなツラにいかにも極悪な目つきをしている。
「むぅ?どうした、早く襲え。
……ふむ、新しく作った調教用の蟲じゃからな、こういうこともあるかもしれんな」
ふむ?つまりどういうことだべ?
自分の手を見てみると、何やら骨のような鋭い棒状のものになっている。
うーん?これが俺?足のような手のような感覚が何本かある。
それらはいま俺が視界に入れている腕(?)と同じものだ。
そして、俺はなんだかわからないが、スライムみたいなものになってしまっているらしい。
手(?)で顔の感触を確かめると、何やら穴が三つ空いている。
ボウリングの玉のようである。
「ふむ、よいか?
今からお主がすることは一つじゃ。
そこの娘の処女を奪い、苗床にせよ」
なるほど、コイツはロリコンのペドの上にクズのアホなんだな。
よーし、お兄さんこのじじい殺しちゃおう★
間桐臓硯は何も知らなかった。
この蟲は偶然出来た刻印虫で、今日から、養子に出された桜の魔術修行を始めようとしていたのだ。
いくら500年は生きた魔術師だろうと、予想はできなかったに違いあるまい。
この蟲が
桜の魔力によって出来た体をくねらせ、蟲は変態する。
なにやらテント状になると、その蟲は蟲蔵の蟲を自分の体に取り込み始めた。
「むぅ!?」
ほんの数秒ですべての蟲を食らいつくしたそれは、次に臓硯を襲った。
「ぐっ!何をするかッ!!」
球体となった蟲はその頭上へと臓硯をぷっとはきだすと、変態する。
蜘蛛のような、祭壇のような姿となったその中心から、膨大な魔力が溢れ出ようとしている。
臓硯は空中で危機を察知したものの、何故か動けない。
声も上げることすらできず、蟲はその魔力の奔流を開放した。
“fインバース”
間桐臓硯は、ほんの一瞬抵抗しようとしたが、諦めた。
すげー。
なんだって俺はこんなことができるんだろう。
まぁ別にいいんだけど……まぁ気持ち悪い蟲も俺の武器になったし、幼女も助けられたしこれでいいよね。
「……ぁ……やだ……助けて……」
あ、放置しちゃってた。
そういえば俺という存在は話ができるのだろうか。
こんな変な生体をしているが。
「 前 事か」
「……え?」
あ、あんまりしゃべれない。
そりゃあ声帯なんてあるかどうかもわからないしなー。
「無事か 聞 て る」
「……え、えと、大丈夫、です……」
見たところ裸にされて拘束された以外は何もされていないようだ。
あ、でもなんか注射の跡がある。
なにかの薬品でも投与されていたのだろうか。
というか、俺の言葉は通じるのか。
よかった、筆談とかめんどくさいし。
「お前 名 な と ?」
「えと、桜です。
とーさか……まとうさくらです」
とうさか?まとう?
どっち?まぁどっちでもいいか……とりあえずさくらね。
「さくら」
「……うん、さくら!」
よしよし、素直な子だ。
さっきまでひどい目に合いそうだったのに本当にいい子だな。
しかし……なんというか、この子は本当に何なんだろうか。
うーん……どこにも服がないんだが。どこにあるのだろうか。
「服 どこ る?」
「あ、お洋服……あそこ……」
いまさら自分の体が全裸だということに気がついたのか、顔を赤らめている。
……しかし、まぁ、なんというか……。
可愛い。
惚れた。
決めた!この子を僕が育てよう!
なんだかよくわからんが、この子はどうにも親に捨てられたかなにかなのだろう。
これは是非とも我(われ)が責任を持って面倒を見てやらねばなるまい!
これもまた知識の探求の一環になるだろう!!
……?
俺は一体何を言ってるんだ?
まぁいいか、とりあえずこの子に服を着させなくては。
とりあえず彼女の服を持ってきて着させてみる。
おお、可愛い。もうちょっと可愛い服も用意してあげたいなー。
「一緒 いく い?」
「……いいの?」
骨のような腕でサムズアップをする。
さくらは少し戸惑いながら俺の手を握り、俺を誘導するように蔵の外に連れ出していく。
外は真っ暗で、どうやら夜のようだ。
聖杯戦争が行われる以前からバーサーカーとして呼ばれてしまった、精神が人間の魔素流動体、アラクネ。
遠坂から間桐に養子として出され、あわやその純潔を奪われてしまうところであった少女、間桐桜。
これは、そんな二人(?)の奇妙な親子関係(?)を描いた、ハートフルな物語である。
「お父さん、私の制服どこ?」
( ∵)<ソコヲミギニィ!!
「ありがとー」
こんな感じのひとときを過ごしたりする物語である。
いつもの
クラス:バーサーカー
真名:アラクネ(???)
性別:不詳(自称男性)
身長・体重:20~220㎝ 5~1000㎏
属性:混沌・狂(中立・中庸)
特技:料理、液体になることができる
好き:知識、読書、桜、テレビ、新聞、インターネット
苦手:会話、真っ向からの接近戦及び殴り合い
天敵:聖なるもの、ギルガメッシュ、アルトリア
クラススキル
狂化:B
パラメータを1ずつ上昇させる。
その代わりに、理性の大半を奪われてしまう。
保有スキル
知識欲:A
ありとあらゆる知識を欲するスキル。
知識を欲するが故に狂化し、知識を欲するが故にこの体になってしまった彼に許されたスキル。
その知識を忘れないため、狂化による理性の消失を完全に無効化し、バーサーカーでありながらキャスターの陣地作成スキルを有する。
ちなみにこのスキル、他に持てる英霊(?)は大蛇丸とかジェイル・スカリエッティだと思う。
アラクネの場合、陣地作成スキルのランクはC前後。
自らに有利な陣地を作り上げることができるが、簡易的なものが精一杯である。
範囲も非常に狭い。
単独行動:A+
マスターからの魔力供給がなくなっても現界していられるスキル。
ランク:A+なので、実質マスター不在でも生きていけるが、彼がアラクネという生命体である以上、マスターからの魔力供給及び生命力摂取は欠かせない。彼曰く、桜を育てきるまでこの世界にいるという固い意志の現れ。
別名:根性
気配遮断:C
サーヴァントとしての気配を断つスキル。
サーヴァントとしての気配を断つ。隠密行動に適している。
完全に気配を断てば、発見することは難しい。
後述のスキルと合わせてさらに見つかる可能性は低下できる。
液状化:A
魔素流動体であるアラクネの固有スキル。
自身を液状にし、どんな狭い隙間にも入り込むことができる。
隠密、潜入、逃走など、様々な用途に使われる。
このスキルを使い、地中を移動することも可能。
蟲召喚:A~C
体内から無数の虫を召喚、使役するスキル。
ありとあらゆる用途の蟲を呼び出すことができるが、強力な戦闘用の蟲を呼び出すには後述のスキルを発動させる必要がある。
クリムゾン:B(A)
対象に烙印を刻むことでマーキングをする。
アラクネが体内から召喚した蟲はその烙印目掛けて突撃を繰り返す。
その数は無数。途切れることはない。
(実際は本体に一定の一撃を加えることで途切れる)
そのスキルが発動した後に召喚した蟲一体一体に、対魔力Dと戦闘続行Cがついているため、生半可な攻撃では消えない。
刻印を刻む方法は以下のとおり。
・刻印虫が対象に傷を付ける。
・刻印虫の体液を受ける。
・アラクネの体内で発生した霧を一定量吸い込む。
後述の宝具を発動させた場合のみランクはAに上がる。
宝具
深紅なる蟲の大行進(クリムゾン・デプス)
ランク:B
種別:対人宝具
最大補足:不明
アラクネの領域に入った者に、深紅の刻印を刻み込む。
その刻印は消えることはなく、それを目指してあらゆる蟲が大行進を始める。
スキルであるクリムゾンの完全上位互換で、召喚する蟲の有するスキル対魔力はCへ。戦闘続行はBに上昇する。
これを消滅させるには神性C以上、もしくは魔力放出B以上で弾き飛ばすこと。
至れなかった捕食者(アラクネ)
ランク:A
種別:対己宝具
最大補足:1
アラクネは常に崩壊している。
それを維持するために必要な物は、生命力である。
故に、それを保つためにこの宝具がある。
捕食した物の生命力、カロリーや栄養、魔力などを全て彼の体を維持するために使う。
人間、蟲、動物から植物、魔力や宝具に至るまで、ありとあらゆる物を喰らい尽くす。
ちなみに桜の魔力だけでも戦闘しなければ足りるので現状あまり意味はない。
n無限大(インフィニータ)
ランク:C
種別:対人宝具
最大補足:不明
自身を巨大な眼に変化させ、縦横無尽に駆け巡る。
少しでも当たれば、その眼がクモの巣に変化。
そこからさらに巨大な眼が出現。
節一つ一つに巨大な眼を持つ百足のような巨大蟲が瞳から現れ、対象を蹂躙し、食い殺す。
巨大な眼になっている間、彼に攻撃が届くことは因果をねじ曲げてでも不可能。
だが、この状態でいられる時間は極端に短く、逃げに徹すれば絶対に当たることはない。
ステータス
筋力 D
耐久 D
敏捷 C
魔力 B
幸運 D
宝具 C+
なんでかしらねえけど、俺!突然アラクネになりました!
という人間が憑依したアラクネがバーサーカーとして召喚されてしまった。
どこかアラクネの面影を浮かばせながら、拾っちまった幼子を溺愛し、人間の姿をとって仕事(黒子の仕事がありました)をしてマスターである桜を養っている。
戸籍は捏造。
マルチメディアの閲覧や読書、料理などが趣味で、ご近所さんとの交流は桜に任せきり。
会話があまり得意ではなく、生まれつきしゃべれないという設定の元日々を過ごしている。
聖杯戦争の知識ももちろんない。
お前本当にサーヴァント?
本文とあとがきの量がほとんど変わらねえ……!
質問とかこのSS消せとかあったらご意見のほどよろしくお願いします
あと、短編だから連載の予定はないです。
2016/01/04
スキルを下方修正
さすがにちょっと強すぎました。
あと、意味のわからんところなんかを変更。
みんなでかんがえるサーヴァント様より、各ステータスの正しい書き方を参考にさせていただきました。
これであっているかどうかは私にもわかりません。
ご指摘くださった方、本当にありがとうございました。誠、良きサイトに巡り会えました。