艦隊これくしょん 提督代理、着任する   作:なかむ~

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遅くなりましたが久しぶりの投稿です。

イベント海域や艦これ改に没頭してたので、小説に書ける時間がなくなってました…


次回は番外編で、ピクシブに少しずつ上げてたのを一話にまとめて投稿する予定です。
そちらも見ていただけるとありがたいです。





第64話 発動! 戦艦棲姫討伐作戦

西方海域の一角、カスガダマ沖。

 

 

 

戦艦棲姫は自分の艤装の腕に背中を預け、さんさんと日の光が降り注ぐ空を眺めていた。

 

 

戦艦棲姫《アラ…》

 

 

突然むくりと体を起こす戦艦棲姫。

傍らにいた重巡リ級はその姿に何事かと尋ねる。

 

 

リ級《姫、ドウカシタンデスカ?》

 

戦艦棲姫《エエ。 ドウヤラ、オ客様ガイラシタヨウダワ》

 

リ級《マ、マサカ…!?》

 

戦艦棲姫《オ前達、聞コエルワネ? 各自、持チ場ニ待機。 ゲストヲモテナシテアゲナサイ》

 

戦艦棲姫《アノ二人ハ私ノ元ニ連レテ来ナサイ。 他ハイラナイカラ、煮ルナリ焼クナリ好キニシテイイワ》

 

 

戦艦棲姫は情報伝達能力を使い各地に配備されている部下に通達、自身もこれから来るであろう相手を迎えるべく準備を始めた。

 

 

戦艦棲姫《サアテ… 今マデ待タサレタ分、良イ返答ヲ期待シテイルワ。 ウフ… ウフフ…! ウッフフフフ!!》

 

 

今まで待ち望んでいた獲物が来た事に耐え切れず高笑いを上げる戦艦棲姫。

傍らにいたり級は、おぞましいものを見るかのような目を戦艦棲姫へと向けていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらはカスガダマ沖の外れに位置する海域。

 

ウチことトラック泊地提督、中峰正也。 そして、ウチの兄ちゃんであるタウイタウイ泊地提督、中峰幸仁はお互い艤装を展開して海面に佇んでいた。

 

 

正也「ここか。 あいつが根城にしている海域っていうのは」

 

霧島「赤城さんたちが索敵したところ、すでに敵の護衛も各所にいるそうです。 全力で行きますよ、司令」

 

正也「ああ、もちろん!」

 

 

ウチは自分の武器となる槍を構え、共に同行してくれた仲間達を見やる。

 

 

 

メンバーは初期艦の漣を筆頭に、改ニとなった響…もといヴェールヌイ、重巡洋艦の鳥海と羽黒、高速戦艦の二人である金剛と霧島、そして空母の加賀さんと蒼龍。

 

兄ちゃんに同行してきたのは叢雲に夕張、航空巡洋艦になった利根と筑摩、一航戦と二航戦の空母赤城さんと飛龍、最後に艦隊随一の火力を誇る長門と陸奥が来てくれた。

 

 

兄ちゃんも即座に自分の艤装となる二刀の刀を構え攻め込む準備をする。 ここはもう敵の本拠地、いつ何が起きようともおかしくないからだ。

 

 

ふと、向こうから聞こえる波を掻き分ける音。

ウチ等が音のしたほうを見ると、そこには深海棲艦の艦隊がこちら目掛けて向かってきていた。

 

 

長門「提督よ、作戦通りいくぞ。 露払いは我々がする、二人は姫を倒すことだけに全力を注ぐんだ!!」

 

 

負けじと長門は即座に艤装の主砲を向け、敵艦隊目掛け砲撃する。

距離があったため深海棲艦たちは左右に分かれて砲撃を回避。 向こうも反撃を行うべく、こちら目掛け一斉に攻撃を仕掛けてきた。

 

 

正也「ああ、分かってる」

 

幸仁「すまない、ここは任せたぞ」

 

 

そう、今回の作戦はウチと兄ちゃんは道中で戦闘は行わない。

今度の相手、戦艦棲姫は今まで戦った中で間違いなく最強の敵。 少しでもこちらの勝ちの目を上げるため、ウチと兄ちゃんは戦艦棲姫と戦うまでなるべく体力を消耗しないよう立ち回る事にしたのだ。

現状やれることといえば、こちらに飛んできた攻撃を防ぐくらい。 攻撃に関しては艦隊の皆に任せ、ウチ等は戦艦棲姫の元へ到達する。 それが今回の作戦なのだ。

 

 

ヴェル「漣、司令官のことは頼んだよ」

 

利根「お主は我輩達の代表じゃ、ぬかるなよ叢雲」

 

漣「了解です、ほいさっさー♪」

 

叢雲「分かってるわ、任せなさいっ!」

 

 

漣と叢雲はそういってウチと兄ちゃんの傍について進撃する。

ウチと兄ちゃんは、皆に同行しながらも戦艦棲姫がいるであろう海域の一番奥へと向かっていくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

激しい戦闘音が鳴り響くカスガダマ沖。

前線に立ちふさがる敵艦隊を金剛たち戦艦組がなぎ払い、ダメージを受けた残存を鳥海や利根たち重巡組が蹴散らしていく。

空から襲ってくる砲撃や艦載機は赤城と加賀さん、飛龍と蒼龍による一航戦・ニ航戦組がうまく捌いていた。

時に潜水艦による奇襲もあったが、そこはウチ等の傍らにいたヴェールヌイと夕張が対処する。 各自が己の役目をうまくこなし、一行は少しずつ、だが確実に戦艦棲姫がいるであろう最深部へと進撃していた。

 

 

羽黒「全砲門、開いてくださいっ!!」

 

 

羽黒が敵旗艦の戦艦ル級フラグシップを撃沈させる。 戦艦である陸奥の攻撃を受け中破していたところを仕留めたのだ。

羽黒の活躍にウチは思わず関心の声を漏らす。 中破していたとはいえ相手はフラグシップクラスの戦艦、それを倒せるようになったところを見ると彼女達も格段に力をつけていることを実感できた。

 

 

正也「それにしても、本当に皆強くなったよね。 バシー島で重巡リ級エリートに苦戦してた頃を考えると、かなり成長してるんだな」

 

羽黒「もちろんです。 司令官さんがどんどん強くなっているのに、私たちがいつまでも司令官さんに頼りっぱなしじゃ駄目ですもん」

 

 

ウチの言葉に羽黒が照れ笑いを浮かべながら答える。

その表情は見ててとてもほほえましかったが、その子が戦艦の中でもトップクラスの強さを誇る深海棲艦を倒したと思うと、かわいいと思う反面少し怖いとも感じてしまった。

 

 

羽黒「そ、それに私はもっと強くなりたいです…。 もっと強くなって、その… 今度は私が司令官さんを守ってみせます!」

 

正也「羽黒… ありがとな。 その代わり、羽黒が危なくなったらウチが羽黒を守る。 絶対にだっ!」

 

羽黒「ふぇっ!? あ、ありがとうございます…。 嬉しいです…!」

 

 

照れ笑いを浮かべたかと思うと、今度は顔を伏せながらぼそぼそと小声で返事を返す羽黒。

いくら強くなってもそこだけは変わらない彼女に、ウチは思わず噴出してしまった。

 

 

正也「ぷふっ! やっぱり、いくら強くなっても羽黒は羽黒だな。 なんだか、見ててほっとしちゃった」

 

羽黒「あうう… 司令官さん、笑うなんてひどいですよ…」

 

正也「ごめんごめん。 でも、ウチは羽黒のそういうところも魅力の一つだと思うから、そんなに怒んないでくれ」

 

羽黒「…もう、司令官さんってばどうしてそういうことを真顔でいえるんですか……///」

 

正也「…?」

 

 

一瞬怒ったかと思うと、再び顔を伏せてしまった羽黒。 そんな彼女の様子にウチは首をかしげていると、

 

 

 

 

 

 

 

漣「はいはいご主人様。 お仕事の邪魔ですよ、下がった下がった」

 

正也「あーだだだだ!! おい待て漣、耳を引っ張るな痛いっつーの!!」

 

幸仁「あー… 羽黒といったか? 気持ちは分からなくもないが、今は戦闘に集中しような」

 

羽黒「あっ…! すす、すみませんお兄さん! 失礼しましたー!!」

 

 

ウチは漣に思いっきり耳を引っ張られ、羽黒は兄ちゃんに窘められて再び戦闘へと戻っていった。

そのときウチの叫び声でかき消されていたが、周囲から微かに「羽黒さん、いいなー」とか「私も、提督に…///」などの声がちらほらと聞こえていた。

 

 

正也「あー痛かった。 漣、確かにウチが悪かったけどそんなに強く引っ張らんでくれ、耳がちぎれるかと思ったぞ」

 

漣「気を抜いてるご主人様に喝を入れてあげたんです。 漣は、あくまで今回の役目をこなしてるだけです」

 

 

ウチはその言葉を聞いて、はっと昨日のことを思い出す。

そうだった、今回のあいつの役は…

 

 

 

 

 

正也「なあ、漣…。 お前はこの役目を選んで後悔してないのか? 下手すれば、ウチよりお前の身が…」

 

漣「今更何言ってんですか。 これはもう決まったことですし、何より漣自身が志願したんです。 今回ご主人様の我侭を聞いた以上、ご主人様も漣たちの我侭に付き合ってもらいますよ」

 

正也「でも…」

 

幸仁「正也、今更ぐだぐだ言うな。 俺は叢雲を信じて今回この役目をこなしてもらう事にした。 お前も、自分の艦隊の仲間を信じるなら今はあいつを倒すことを考えるんだ」

 

正也「…うん、分かった」

 

 

漣と兄ちゃんからぴしゃりと言われ、ウチは頭をかきながら隣にいる漣を見やる。 皆からの提案について、ウチは未だに自分の中で踏ん切りがつかないからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

それは昨日の夜、ウチが戦艦棲姫討伐について皆に話したことからだった。

当然皆は猛反対したが、戦艦棲姫がタイムリミットを突きつけてきたことを説明すると、皆もしぶしぶ了承してくれた。 その代わり、ウチと兄ちゃんにある条件を提示して…

 

 

正也「ウチ等に護衛艦をつける…?」

 

霧島「ええ、そうです。 連合艦隊結成については第一艦隊を護衛する第二艦隊がつくように、司令たちが戦艦棲姫と戦うのであればお二人に同行する護衛艦が必要になります」

 

陸奥「いくら提督が強くても、不意を突かれたりしたら咄嗟に対応できないでしょ? それを防ぐためにも、常に周囲を警戒する護衛がいたほうがいいのよ。 これは私達戦艦や空母にも言えることだから」

 

正也「…うん、分かった。 それじゃ護衛は誰を…?」

 

漣「それについては漣が同行しますよ。 ご主人様のことは一番よく分かってますからね」

 

叢雲「アンタにはあたしがついていくわ。 異論はなしよ」

 

幸仁「ああ、分かってる。 よろしく頼むぞ、叢雲」

 

霧島「そしてもう一つ。 司令にとってはこちらの方が重要になるでしょうから、よく聞いてください……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昨日のことを思い出したウチは、思わずいかんいかんと首を振って気を紛らわす。 ここで余計なことを考えていては、皆の頑張りが無駄になってしまう…!

しかし、あんな条件を出されたとなると、ウチは…

 

 

 

 

 

 

ズドオオオオン!!

 

 

 

 

正也「うわっち!?」

 

 

戦艦ル級フラグシップが放った砲弾がウチの近くに被弾、大きな水柱を立たせる。

油断していた…! 再びル級はウチを狙って砲弾を放とうとするが、

 

 

漣「これが、漣の本気なのですっ!!」

 

幸仁「奔れ、斬月光(ざんげつこう)っ!!」

 

 

すぐに漣が空高く飛んできた砲弾を撃ち落とし、兄ちゃんが放った斬撃がル級を切り裂く。

二人の連係プレーのおかげでどうにか事なきを得たのであった。

 

 

幸仁「バカ野郎っ! 戦場で気を抜いてんな!」

 

正也「ご、ごめん… 昨日のことで、つい…」

 

 

 

そう、ウチは昨日霧島から突きつけられた条件を思い出してしまった。

まさか、あんな条件が出るとは思わなかったから…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

霧島「護衛艦である漣には全力で司令を守ってもらうので、何が起きようと漣を助けに向かってはいけません」

 

 

 

霧島「どんな状況だろうと討伐を優先していただき………最悪、司令にはその場で漣を見殺しにしていただきます」

 

 

 

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