「よっ、と。ここがフランのアンダーワールドか。」
そこは、どうやら食堂のようだ。フランにレミリア、美鈴に咲夜、パチュリー、みんなで揃って夕食を食べていた。
「ああ。やっぱりこの子は優しい。」
「だあれ?」
俺がその光景に微笑んでいると、フランがいた。おそらく、狂っていない方の。俺は一度スペルを解き、姿を見せる。
「…あ、貴方は…あの時の…」
「夜月白狼だよ。君が、ほんとのフランだね。」
紅い瞳、無垢な容姿。狂っている方とはまた違った印象を与える。
「どうしてここに…?ここは私の心の中。貴方は入れない筈なのに…」
フランの疑問に笑って答える。いつもなら、気恥ずかしくって言えないけれど。不思議とフランになら、するすると言葉が躍り出る。
「それはね、俺が君を救いに来たからさ。狂気からね。」
「…無理だよ。私と狂気は、切っても切れないの。だから、一人にして?今回は貴方が止めてくれたけど、そう何度もできるかわかんないでしょ?」
「いいや。断ち切るさ。確かに、今回は俺や霊夢が止めた。でも終わってない。紅霧異変は終わっただろうよ。でも君のソレは終わってない。それなのに、悠々とハッピーエンドなんて迎えてられないよ。」
と、俺はフランに言う。と、そこにもう一つ声が響いた。
「驚いたよ。まさかここまで追ってくるとはな。」
「「ッ!!」」
声の方を向くと、そこにはもう一人フランがいた。妖しく光る紅い瞳、邪悪な笑み。身に纏うオーラも昏い赤色を放っている。
「だが。些か疑問だ。なぜお前がそこまでする?お前はフランを憎みこそすれ、助ける道理はないだろう?襲われてなお、助けられるのか?」
奴の言葉に、俺は睨み、答える。
「俺に剣を向けたのはこっちのフランじゃなくて、オマエだろうが。オマエを憎みこそすれ、こっちを憎む必要はねーよ。ま、多少言いたいことはあるがな。」
「…不愉快だな。だがまあ、いい。どうせ私とそいつは切れない。お前にフランドール・スカーレットを救うことは出来ない!」
奴は大きく宣言する。俺は。
「出来ない、あり得ない、不可能…ああ。もう懐かしく感じるまでに久しく聞いてなかった言葉だな。」
「何…?」
「白狼…?」
俺が小さく笑い、二人のフランは怪訝そうにこちらを見る。俺はフッと笑い、
「二人揃って忘れたか?俺はなんでも"創れる,,んだぜ?そんな未来はないとか、そんな便利なものは無いって言われても、"創って,,きたんだ。俺は魔法使いが大好きでね。さっき使った【ウィザード】もそれからだ。知ってるか?魔法使いってのは諦めが悪いし、あり得ないことすんのが魔法使いなんだよ。」
「……!」
「…くっ…くはははは!正気か!?本気でフランを救う気か!?」
「ああ。でなきゃ、こんなとこに来てねぇよ。人の心の中覗いたりなんかしねえよ。」
俺の真っ直ぐとした目を見て、奴は小さく舌打ちする。
「チッ…お前…さては大馬鹿だな?」
「さてな。んなどうでもいいこと、忘れた。今、俺の中にあるのは、てめぇを封印して、元のフランに戻すことだけだ!行くぞ!【力剣符 パワーソード】ッ!」
「ここで殺す!【禁忌 レーヴァテイン】!」
俺は使い慣れた力を表す剣を持って、再び戦いに身を投じた。
次回で出来れば紅霧異変の章を終わらせて、その次で紅霧異変のエピローグに行けたらな、と思ってます。
白狼は一体どうやって狂ったフランを封印するのでしょうか、…いやまあ、とあるライダーの力を借りるんですけどね。
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