白狼の覚悟ある行動をご覧あれ!
「おおおおおっ!」
「あああああっ!」
ガキィンッ!!ガキィンッ!!何度も響く剣戟の音。フランはずっとこちらを見ている。力を表す剣を手に立ち向かう俺を。奴も俺を見据える。この場で俺を倒し、"壊す,,ために。互角に思えるこの戦いだが、実際はそうでも無い。少しばかり分が悪い。如何に力を表すパワーソードを持っていても、地力の違いは否めない。少しずつではあるが、パワーソードにヒビが入りつつあった。
「くはは!どうした希望よ!?私を倒すのでは無いのか?その剣、もう限界が近そうだが?」
「るっせえよ。黙って斬り結べねぇのかよ。【剣撃符 絶力破】ッ!」
距離を取り、剣を逆手に持ち、乱雑に振る。振った軌跡から衝撃波が飛んで行く。だが。
「小癪!」
ゴォッ!
奴の炎剣の前ではそよ風でしか無い。
「通じぬぞ?」
「チィッ…どんだけだよ…」
これが効かないとなると、本当に"剛,,をメインに攻める必要がありそうだったが、正直、霊力量的に厳しい。だが、並みの攻撃は意味がない。それに、封印に使う部分も残さなきゃならない。そんな風に考えていると、フランが言った。
「もういい!もういいよ白狼!ソレは私が背負えばいいものなの!私が、
「…ふざけんな。」
「っ!?」
俺の声に、フランは驚く。それに構わず、俺は続ける。
「人間だろうと何だろうと、一人で背負えるものには限りがある。度を超えたモノを背負ったって、いつか潰れるだけだ。」
「…どうして。どうして白狼はそんなにも…」
「あ?理由なんているかよ。ま、強いて言うなら…」
俺は、久しく浮かべていなかった獰猛な、挑みかかるかのような笑みを浮かべ、言った。
「俺が、
「……!」
フランは目を見開き驚く。
「俺の目の前で、理不尽な悲劇は起こさせねぇ。好きなものは数少ねえし、むしろ嫌いなモノの方が多い俺だが、最も嫌いなのは、バッドエンドだよ。誰かが犠牲になって成り立ってる平和とか、世界とかはぶっ"壊し,,たくなる!それが俺の《理由》だ!…なあ、フラン。外の世界ってやつを、見たくはないか?まあ、いいことばかりってわけでもないが、吐いて捨てるほど悪くもないんだ。きっと、気に入ってくれると思う。…聞かせろよ。君の本心ってやつを!」
俺がそう言うと、フランは泣きながら、求めた。
「白狼、お願い。
それを聞いて俺はまた笑い、
「ああ。助けるよ。いつだって、どこからだってなあ!」
そう宣言した。その瞬間、俺の頭に、声が響いた。
『見事なり!その理想、その覚悟、その決意!』
「!?」
今度は俺が驚く番だった。その声は威厳溢れる声だった。普通なら萎縮してしまいそうになる声。しかしその中には優しさを孕んでいた。
『怯えるな、今代の創世者よ。我は
「
俺の目の前にいるフランと奴は、何が起こっているのか、わからない、といった顔をし、戸惑っている。
創世者はフッと笑い、
『わかっている。それに、説教などするか。我がするのは、力の譲渡だ。お前の能力を限界まで引き出す一族秘伝の"眼,,。
【
「!!…随分と都合がいいな。本当にそれだけか?」
『勿論だ。今はあの吸血鬼の少女を助けること以外は捨て置け。元よりそれが目的であろう!』
「言われなくても!スペル回顧!【創符 創世眼】っ!」
眼に、霊力を集中させる。
「ハッ!?くっ!多少力を得たからといって、どうにかなるモノではないっ!【秘弾 そして誰もいなくなるか?】」
『!あれは耐久スペル!スペルの時間切れまで耐える必要がある!だが…』
「ま、律儀に守る必要はねぇよな。【
不可視の鎖を投げつけ、奴ではなく
「!?な…」
「そっちは律儀にルールを守る必要があるけど、こっちにそれを守る義務はないからな。【死符 七夜】。」
全てを殺す眼、直死の魔眼でスペルの"死,,を直視し、ナイフ、七ツ夜でそこを突く。それだけで、奴のスペルは消え去った。
『決めろ、白狼!』
「わかってるよ!フラン!よーく見てろ!これが俺の、変身だ!【笑顔 クウガ】ッ!!変身!」
奴は未だに狼狽えている。俺は構わず変身する。外の世界で、何度も真似した変身ポーズ。その終わりには、俺は古代の戦士、仮面ライダークウガ、マイティフォームになっていた。
「っ…!私は死なないぞ?決して!」
その声は震えていた。まったく恐怖が無いというわけでもないのだろう。
「あ?殺すわけねえよ。だから言ったろ?封印するんだってな。【
創世眼の力で何もない空っぽの心を"創る,,。どうやらこの"眼,,、"創った,,ものを出現させる場所も選べるらしい。便利なことだ。とにかく空の心をフランの後ろに出現させる。
そして。
「はああああっ!はっ!」
右足に力を溜め、走り出す。丁度いいところで跳び、空中で一回転。その勢いのまま飛び蹴り。
「あ…あ…ああ!」
「うおりゃああああっ!」
クウガの封印エネルギーのこもった必殺キック、マイティキックが、奴に炸裂した。蹴られた勢いのまま、奴は空の心に吸い込まれる。
『今だ白狼!』
「おう!【
俺は黒く染まった心に鍵をかけた。そして。
「【
この鍵に"壊れない,,という世界のルールを"創る,,。どうやらこの眼を使っていれば、世界のルールにさえ、手を出せるようだ。…こりゃ滅多に使えんな。
「…ふぅ、解除。」
俺は戦いが終わったことを確認し、全てのスペルを解く。そしてフランに鍵を渡す。
「君のこれまでが、この鍵だ。もし、君がアレを乗り越えられる、そう思ったら、開けるといい。もし、それで駄目でも、また助けるよ。」
「…うん!」
…どうやら、なんとかなったようだ。こうして俺とフランは無事に、今回の異変を乗り越えた。
「ふぅ。ただいま。みんな。」
これにて、戦闘パートは終了。これからは説明&エピローグとなります!白狼の一族とは?創世者とは何者なのか、フランの狂気は本当に解決したのか?その辺を掘り下げていきたいと思います!
読んでくださる方々に感謝を。
感想、評価お待ちしてます!ではでは!