飛び立つ希望
「春雪異変…か。」
「異変だね、白狼。」
紅き館、紅魔館。そこは窓が少ない。その内の一枚から、外を見る。未だに降る雪。天より降り注ぐ白い絵の具。それは既に真っ白に染まったカラフルだったキャンバスをさらに白く染め、更には砂山のように積もり積もっていく。
「どうするの?白狼。」
フランが少し妖しく笑って俺に聞く。
「……どうもしないよ。俺は別に
俺は苦笑いして言う。開いていた手を強く握り、
「そう。出来るわけないんだ。全員の希望を叶えることなんて…そんな、大それたこと…」
小さく、囁いた。
雪はまだ、溶けるわけがなかった。
食堂にて。
「さて、白狼。お前、異変を解決してくれないか?」
「唐突だなぁレミリア。なんで俺が?」
結局、レミリアに言われたのだった。
「隠さなくてもいい。わかっているぞ?その目は、救いたくてしょうがないという目だ。この異変によって困っている無辜の民を救いたいという目だ。もはや
レミリアの言葉に、俺は食ってかかる。
「失礼な。俺は別に…」
そう言って目をそらす俺に、説得力はなかった。
「…はぁ。お前も強情だな。
それは、目的のすり替え。わかっていながらも、そう言われたらもう言う答えは決まっている。だって俺は。
「ああ。わかった。俺がフランの最後の希望だ。絶対に叶えるさ。」
フランの、フランのためだけの希望なのだから。
正門にて。
「お気をつけて。怪我をせぬように。」
美鈴に声をかけられ、俺は笑って、
「ああ。きっと無事に帰ってくる。その時は、雪もきっと溶けてるだろうさ。【翼符 ドラゴンウィング】。」
俺はいつものように竜の翼を"創り,,、飛翔する。
さて、異変の解決と言っても、正直心当たりなんてない。そもそも俺は幻想郷に対し無知すぎる。外の世界、つまりは元の世界に対する知識はあっても、ここでは赤子も同然。一体何処を探せばいいのやら。と、その時。
「ふふ。冬だ!雪だ!私だー!」
と叫ぶ一人の女性がいた。水色と白色の服。周りに雪の結晶。なんか、黒幕っぽい人だった。
「んー、えーと、貴方は何者ですか?」
一応年上そうなので、敬語で話しかける。すると驚きの答えが帰ってきた。
「私はレティ・ホワイトロック。黒幕だー!!」
「な、なんだってー!?」
まあ、嘘だろうが、驚くほかなかった。
さて、始まりました、春雪異変の章。
これが終わる頃には、白狼の迷いは晴れていればいいのですが。はてさて、雪は溶けるのでしょうか?
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