東方希望録   作:紡ぎ手@異人

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白狼の好きな動物:猫。


ネコ科は白狼にとっての…

「………迷った。」

話は単純。迷った。少し低空飛行して探索していると、森にたどり着いた。そこに入ってしばらく探索していると、見事に今までの道がわからなくなってしまったのだ。

「はぁ。まさかのここで足止めかよ…」

とはいっても、ひっきりなしに妖精は襲ってくるため、割と退屈はしないのだが、段々とうっとおしくなってくる。

「ったく。一体何処なんだよ。ここは。」

俺の独り言は倒れた妖精達が置いていくピンク色の玉の中に埋もれていく。そう、思っていた。

「ここが何処か、知りたいの?」

「ッ!?【力剣符 パワー…】」

「ああダメダメ!にゃんっ!」

正体不明の人物に対し、使い慣れた剣を向けようとするものの、はっし!と腕を捕まれて阻まれる。

「全く。今代の創世者は早とちりしすぎなんだよ。」

「君は…?」

俺より速く動いたネコミミを持つ女の子。橙色の服に、二つに分かれた猫の尻尾。

「私は(ちぇん)紫様、八雲紫の式、八雲藍様の式神だよ。」

と、猫又の式神、橙は名乗った。

「橙か。俺は…」

「夜月白狼でしょ。知ってるよ。紫様から教えてもらってるもん。」

こっちも自己紹介しようとしたところ、名は知られていたらしく、阻まれる。…今日はよく物事を邪魔される日だな、と、他人事のように思う。けれど聞くことは聞いておかねばと、俺は質問する。

「なあ、ここは何処か知ってるか?知ってたら教えて欲しいんだが…」

すると橙はニコリと微笑みつつ頷き答える。

「うん。知ってるよ。っていうか住処だし。ここはね、マヨヒガっていうの。」

「マヨヒガ…まよひが…まよいが…迷い家…ああ。なるほど。そりゃ迷うわ。」

マヨヒガ。人を迷わせる為だけのようなネーミングである。

「はぁ。こりゃ本当に足止め食らったな。…あー、橙?できれば────────」

「ここから出して欲しい、かな?」

「………ああ。頼ってばっかで悪いけど、俺はすぐにでもここを出なきゃいけないんだ。」

俺が理由も込めてお願いすると、橙は。

「…………嫌。」

「…………………え?」

断られた。まあ、俺は人間で、彼女は亜人間。確かに願いを聞く理由は多分ない。

「別に、食べたいからとか、そういう理由じゃない。ただ単に、命令だからだよ。」

「紫の命令か。んー、じゃあ質問を変えよう。()()()()()()()()()()?」

と問う。すると橙は、

「私に勝てば出してあげる。このマヨヒガからね。」

「やっぱりか。んじゃあ、仕方ない。始めますか!」

俺がそう言うと、俺はスペカを取り出し、橙は爪を伸ばす。

「【力剣符 パワーソード】!」

「【式符 飛翔清明】!」

互いに一枚使い、駆ける。だが、向こうは猫又の式神。こっちは肉体的スペックは平均以下の人間。スピードに違いはもちろん現れる。

「ふっ!」

右上からの振り下ろし。それを橙は、

「甘い!」

ひょい、と躱し、弾幕を放つ。

「チィッ!【盾符 ドラゴンシールド】っ!」

「そこ!【仙符 鳳凰卵】!」

橙が俺が展開した盾に向かって弾幕の塊を投げつける。すると盾を構える俺の目の前で炸裂し、俺に向かって殺到した。

「なっ…!?」

バババババッ!何発も何発も盾に当たる。実はこのドラゴンシールド、見た目ほど強くはない。魔理沙のマスパだと、10枚でようやく耐え切れるほどだ。つまり。パリンッ…ガガガガッ!

「がっ……ぐあああっ!?」

無論、壊れる。耐え切れなかった分を一身に受け、俺は吹き飛ぶ。うつ伏せに倒れた俺の少し先にパワーソードが刺さる。

「ぐ…く…速ぇ。なんだあの早さ。あれが橙の能力ってことか。全く。面倒な。」

「もういいでしょ?貴方の剣じゃ私を捉えることなんて出来っこない。大人しくして、巫女が来るのを待って。」

橙が爪を戻しつつ言う。俺は、ふらふらとしながらも立ち上がる。

「…あ?悪い。ちょっと聞いてなかった。逆転劇のイメトレしてたからさ。」

「貴方…正気?」

俺の発言に、橙は訝しむ。俺は笑って、

「さあ?忘れたよ。そんなどうでもいいこと。今、俺の中にあるのは、お前に勝って、ここを出ることだけだ!【速刀符 スピードダガー】、【銃符 ニードルリボルバー】。」

俺は二つのスペカを発動し、手を合わせる。

合体(ユニオン)ッ!【速銃剣 シュートブレード】!」

新たなスペルを"創造,,し、引き金を引く。

「!?見え………」

橙は咄嗟に頭を下げる。そのギリギリを弾が通り過ぎる。

「あ、危なかった…」

すとん。と、橙が崩れ落ちた。

「あれ?た、立てない?…なんで?」

「…うまくいったか。なんでも、動物には刺激されると動かなくなる箇所があるらしくてな?今回はそれを狙ったってわけだ。」

「え?まさか、躱されることを見越して?」

「まさか。一応当てるつもりだったさ。いかに普通なら死ぬ弾丸とはいえ、スペルカードシステムで死なないようになってんだ。当たったって大丈夫だったさ。」

気分はあの武偵だ。あの子、ガチで外そうと思わない限り外れないからな…

「………私の負け。か。」

どうやら、決着がついたようだ。よかったよかった。

 

 

 

 

 

その後、橙に案内され、普通に脱出したのだった。その先には。

「………人形?」

「シャンハーイ!」

可愛らしい服を着た空飛ぶ人形がいた。

 




次回、白狼、ワンダーランドにいく。
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