嘘です!全て嘘です!(龍球ネタ)
「これは…人形…なのか?よーくできてんなー。」
「シャンハーイ!」
その人形はフヨフヨと浮き、こちらに近づいて来る。
「ん?なんだ?」
もう少しで人形の手が俺の眉間に届く、と言うところで、
「シャンハーイッ!」
「いぃっ!?」
どこからともなく槍を取り出し、突き刺そうとしてきた。俺はそれを急いでバックステッポゥ!で躱す。
「あら残念。今ので終わるかと思ってたのに。」
「…ドールマスターってやつか。」
「ええ。私はアリス。アリス・マーガトロイド。人形使いよ。まあ、魔女、とも言うわね。」
青いドレス?に赤いカチューシャをつけた少女が現れた。その右肩ら辺にはもう一体の人形がいた。
「随分なご挨拶だな。いきなり襲って来るなんて。」
「あら。いきなり現れたのはそっちよ?」
と、お互いの状況を言い合う。
「マヨヒガってとこでまた戦って…」
「私は人間に極限まで近づいた人形を作りたくて…」
…で。
「立ち話もなんだし、上がってく?」
「…そっちからしたらいきなり現れたんだが、いいのか?」
「今更でしょ?お互い敵意はもう無いようだし。貴方の場合、戦いにならない限り
そう言われれば仕方ないと、お言葉に甘えて入ることにした。
……で。
アリスの家の中は、なんというか、よく言えば物がたくさんあり、悪く言えば少し散らかっていた。
「驚いた?魔女の家がこんなになってるってことに。」
「い、いや。物が多くあって、いろんなことに事欠かなそうだな、と。」
俺がどもりつつも言うと、アリスは笑って、
「貴方、言葉選びが上手いわね。どうすれば思ってることが伝わるか、伝わらないかがよく分かってる。でもね。世の中、
…どうやら、思っていたことはバレていたらしい。まあ、
「…肝に銘じておくよ。まあ、俺のは言葉選びっていうよりは、
「…貴方にとって会話ってなんなのかしら。分からなくなったわ。」
アリスは少し、不機嫌になったようだ。まあ、こっちはたかが十数年しか生きていない小さな人間。向こうはそれよりもっと長い時間を生きてきた魔女。精神と精神の戦いである言葉遊びにおいて、アドが取れないのが歯がゆいのだろう。…ちょっとだけ。
「俺にとっての会話…ね。」
言われて少し、過去を振り返る。思い浮かぶのは、元の世界での会話。
〈ねぇ、白狼くん、今日体育服忘れちゃってさー、"創ってくれない,,?ねえ。私達、友達でしょ?〉
〈最近金欠でさー。いや、マジで。そこでさ、ちょこっと"創って,,くんね?この通り!ほんの千円だからさー!〉
頭に響く、"創造,,の依頼。中学の時、ほんの偶然でバレた俺の
〈白狼さ、色んなもの"創れる,,のにバスケ弱えよな。なんで?ほら、運動神経くらい"創れない,,のかよ。〉
〈夜月。悪いが、"創って,,くれないか?〉
〈白狼さん。〈白狼。〈しーろくん。〈白狼くん。〈夜月。
クラスメイト、担任の先生、幼馴染、親友、多分好きだったかも知れない女子、同級生、同じ学校、同じ町内、同じ町、同じ県、同じ地方、同じ、同じ、同じ………………………………。
気づけば、俺は世界の歯車になっていた。鉛筆を、"創って,,いた頃なんて可愛いもの。今では政府さえも俺に依頼してくるのだ。たった3年。中一になってすぐから、受験まで。いいや、受験といっても、顔パスだった。俺の近くには、多くの人が詰めかけていたからだ。どこにいくにしてもついてくる。あの世界では。誰もが俺に願い、誰もが俺を肯定した。親を除いて。
〈白狼。お前のその能力、別に使う必要はないんだ。むしろ使わないに越したことはないんだ。でも、お前はお人好しだから、きっと誰かを助けるために使うだろう。その時は迷うな。但し、他人の欲を満たすために使ってはいけないよ。〉
父は、俺に正義を教えた。
〈白狼。その能力、私はできれば見たくないの。それは
母は、俺に異形の本質を教えてくれた。けれど。俺は過ちを犯したのだ。願いを叶えることと欲を満たすことを混同し、世界を破滅へ導いた。
〈白狼…〈白狼さん…〈夜月…〈白狼くん…〈しろくん…
〈〈〈〈〈お前の所為で!〉〉〉〉〉
うるさい。うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいッ!俺は、俺は悪く無い!俺は、ただ、あのヒーローみたいに、皆を、皆を
「白狼?」
「…………ぁ。」
「ちょっと、どうしたのよ白狼。会話が云々っていうのはいいから、異変のことについて…」
アリスは、地雷を踏んだかと、話題を変えようとした。だが。元々、そんなの意味はなかった。
「……ああああああああああああああ!アアアアアアアアア!」
俺は叫んだ。声が枯れようが、世界から色を失おうが構わず。
「白狼!?……ほんとに地雷踏んだわね…らしくない。上海、お願い。」
椅子に座りつつ、騒ぐ俺に上海人形が手刀を浴びせる。
「ガッ……」
俺は呆気なく、意識を失った。
「………この子、とっくに狂って、壊れてるわ。よく正気を保っていられる…いえ、
ぐったりとする俺を見て、アリスは嘆息する。
止まった雪の代わりに、強風が窓を叩いていた。
はい。
以前、白狼が創世者に言った
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