東方希望録、始まります。
どこを見ても弾、弾、弾。今まで溜めてきた春を解放するかのように、桜から弾幕が飛んでくる。
「ちょ…っ!シャレになんねぇぞ!?なんだってんだ!?」
『…わからぬ。しかし、あの亡霊が桜に取り込まれてからああなったのは確かじゃのう。』
俺がなんとか弾をかわしまくっているというのに、創世者は冷静に思考する。
『白狼。あの亡霊の名はなんと言ったか?』
「っ!解除!ああ!?西行寺幽々子だったろうが!ってか聞いてなかったのか!?」
俺は一度ゴーストを解除して答える。
『そうか。西行寺…西行寺…!そうか。あの西行寺か。』
どうやら思い当たるものがあるらしい。
「【盾符 ドラゴンシールド】、【翼符 ドラゴンウィング】、【技槍符 テクニックランス】!」
竜の盾に竜の翼、そして技巧を上げる槍を持って、弾を弾きまくる。そして、
「何か思い当たるのか!?だったら教えてくれ!」
『うむ。時間がないので手短に伝えるぞ。幽々子は今、消滅寸前だ。』
「おう。…はぁ!?」
突然の言葉に、俺は一瞬動きが止まる。が、すぐに我に帰り、また弾を弾く。
「幽々子が消えるって、どういうことだよ!?」
『幽々子はあの桜、西行妖に自分の肉体を封印して亡霊になったのじゃ。その封印は桜が咲くと解けるしかけになっておっての。』
「成る程。じゃあ、このままほっといたら、幽々子は消えるんだな?」
『うむ。桜が満開になれば、幽々子は消滅する。』
創世者の言葉に、槍を握る手が強く握られる。
「……ふっざけんな。させるかよ。そんなこと。俺の前で、誰一人死なせやしない!【創符 創世眼】っ!」
俺は大きく叫び、切り札を切る。
「絶対に、助ける!【
霊力を使い、西行妖内部の幽々子がいるところに繋げる。
「届け!【
幽々子の手から俺の元に鎖を"創る,,。
「くっ…くおおおおお!」
それを、俺は力の限り引っ張る。グググググッ!
しかし、鎖が手元に来る気配はない。
『白狼!ただ引っ張っても無駄だ!彼奴は西行妖にとらわれておる!咲いてしまうまで離れんぞ!』
創世者のそんな気弱なセリフに俺は、
「知るか!どんなに難しかったってやってやる!方法がないなら"創って,,やる!それが、そうして救っていくのが希望だろうが!」
『!白狼、お主…』
創世者は、悲しそうに声を上げた。俺の言葉に反応して。
(思考が、希望に引っ張られて…く、やはり、希望とは自分を犠牲にし続ける運命なのか?)
俺は、創世者のそんな懸念も知らずに、足掻き続ける。
「ち、あんまし気が乗らねえが、仕方ねぇ!【
ヒュヒュヒュヒュッ!ブチブチブチブチッ!"創った,,ゲートに向かって大量のパワーソードを射出する。それらは寸分たがわず幽々子を捉えていた木の根を切り裂く。
『まさか!?』
「今だ!ッゼェェェアアアア!」
瞬間、鎖を引っ張り、幽々子を西行妖から引っ張り出した。
「止まりやがれ、化け桜!」
俺の言葉とともに、弾幕は消え去り、春度は現世へと戻っていく。
「はぁ、はぁ、はぁーっ。なんとか、なった…!」
俺は息をつき、能力を解除する。
『まさか、本当に方法を"創って,,まで幽々子を救うとは…』
創世者の言葉は。
「あ…」
ドサッ…と倒れてしまった俺には、聞こえなかった。
雪は溶けた。あとは、露わになった答えを見るかどうか。それで、結末はかわる。
はい。というわけで幽々子戦終了です。次回くらいで春雪異変終了、日常編に入っていけたらな、と思ってます!
溶け切った雪。迎えた春。たどり着いた答え。それを得て、俺の迎える結末は…
次回、東方希望録。
氷解、夜桜の下。
フィナーレだ。
感想、評価お待ちしてます!ではでは!