東方希望録、始まります。
「…あ。…知らない天井だ…」
目覚めて、いつものセリフを吐く。そして起きる。
「ここは…?」
周りを見て一言。すると部屋の戸が開いた。
「失礼します。白狼さん、おはようございます。」
「あ、おはよう、妖夢。……え?……ファッ!?」
俺は、驚き、妖夢はそんな俺に驚く。
「え、と、どゆこと?」
「あー、説明してませんでしたね。…異変は終わりました。桜は散り、春は幻想郷中に戻りました。」
「そっか……待て、幽々子はどうなった?」
「そちらもバッチリです。幽々子様は消えることなく、いつも通りたくさん食べていますよ。」
妖夢の言葉に安心する。
「ってか、腹ペコキャラなのな、あの人…」
「あはは…ええ。まあ。」
俺は息を一つつき、部屋の外に出ようとする。が、突然視界が歪む。
「な…!?」
俺は姿勢を崩し、すっ転ぶ。
「!無理はいけません!まだ全快してないどころか、ボロボロだったんですよ!?」
と妖夢に諌められる。
「…なっさけねえな。折角異変解決したのに、結局みんなに迷惑かけてやがる。」
再び布団に潜りながら、自分を責める。しかし、
「どうして、貴方はそんなにも自分に厳しいのですか?」
「…は?」
俺は、妖夢の問いの意味がわからなかった。ラノベは読みたいときに読むし、お菓子とかだって割と貪るように食べる方だ。めんどいことはしない。それぐらいには自分には甘い。厳しいとは到底言えないのに。
「貴方は、自分のやったことに対して厳しすぎるのです。他人に認められてようやく自分でも認める。しかも、それはわかったからではなく、
「ッ!!それ、は…」
その言葉を、俺は切れなかった。
「貴方の過去に何があったのか、紫から聞きました。」
「!!」
俺は眼を見開く。そして決める。よし、今度あいつシメよう。と。
「貴方の過去は、辛いものだと思います。どうしょうもないものでもあるでしょう。しかし、それは貴方が自分を認めない理由にはならない、いや、してはいけない。」
「っ…お前に何が…」
「わかりません。私は貴方ではないし、"創る,,力も持ってないから。でも、忘れましたか?私は貴方に負けているんですよ?」
妖夢の、そんな簡単な指摘に、俺は。
「ぁ……」
そう、小さく呻くことしかできなかった。
「認めてあげてください。貴方は貴方のことを。信じてあげてください。貫いてください。貴方は貴方の思ったことを。」
「!!!……そうか。そう、か…なんだ。本当に、簡単なこと。単純で、真っ直ぐで、尊い。でも、誰にでもできる、簡単なこと。」
俺はようやく、答えを見つけたようだ。
「どうやら、答えは見つかったようね。」
「幽々子様。」
「…幽々子…」
俺を見る幽々子は、出会った時と同じく、少し妖しげな、笑っていた。
で。
「悪い、世話になった。」
「もう帰るの?もう少しゆっくりしていけばいいのに。」
幽々子の言葉に俺は、
「ま、俺がいないと寂しがる奴が居るからな。」
少し顔を赤くして答える。
「ふうん。ま、頑張んなさい、希望さん。」
「あ?やめろよ。いつも通り、白狼って呼んでくれよ。」
少し、自分を誇示するような言い回し。いつもは、無理して、嫌いだけど、そう言うしかなくて。でも、これからは、
「なあ、皆。俺、少しだけ、自分のことを好きになれそうだ。」
現世へと戻り、そう一言、口にする。
(うむ。西行寺幽々子には少し感謝せねばなるまいて。呪いの突破口を、一条の光が差し込む程度じゃが、開いてくれた。白狼。お主はもう、我慢せずともよいのだぞ?)
創世者の思いを知らず、俺は紅魔館への家路につく。別れと出会いを告げる、桜の花びらと共に。
はい。白狼はこれから成長します。希望としても、人間としても。その第一歩として、自分を信じることから始めた、始まったわけです。
というわけで!春雪異変の章、これにて終了でございます。(七夜感)
次回から、また日常編に突入し、永夜抄に入っていきたいと思います!
幻想郷中に春を取り戻した俺は、再び日常へと舞い戻る。でもやっぱりそこでは甘酸っぱくカオスな日常で!?
次回、東方希望録。
ようこそ、霊力至上主義の楽園へ
これが、俺のリアル…?
感想、評価お待ちしてます!ではでは!