東方希望録   作:紡ぎ手@異人

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恋愛において、二人のうちどちらかがリードする、ということはままある。しかし、主に男性に多いが、鈍感であった場合、前から手を引くのではなく、むしろ前に立って向かっていく。そうしなければ気づいてもらえないからだ。
東方希望録、始まります。


Which is lead?

フランドール・スカーレット。

紅霧異変の時に出会った少女。俺は、あの子に降りかかる理不尽な悲劇を止めるために戦った。んでまあ、その時に色々言ったから、ただの同居人、というわけでもなくなってきている。実際、あーん、をしてもらったこともあるし、ベッドに入り込まれたことなんてザラだし、それに…

『俺はフランが俺を好きでいる以上に好きでいる。』

なんてことも言っていた。

「ああああああああああああ!なんてこと言ってんだ俺!?」

永夜異変のことで忘れてたが、ありゃもう告ったようなもんだ。しかも両思いで。

「……………。恋人…ってことになんのか?似合わないにも程がある…」

俺は久しぶりの一人のベットで、うーうー唸っていた。

 

 

 

 

 

 

夜月、白狼。

お姉さまがやった異変の時に出会った少年。

私は、彼に救われた。その時から、お互いに色々言ってきたから、ただの同居人…とは言えなくて。

……いや、言い訳をするのはやめよう。

私は、白狼が好きだ。多分、異性として。長いこと地下に閉じ込められてた私には、まだ分かってない事が多いけど、この大きくなる胸の鼓動はわかる。

白狼も言ってくれた。私が白狼を好きな以上に好きでいる、と。…最近は、そんなところを見せなくなってきたけど。…よし、年齢上年上な私が、リードしてあげようっと。

 

 

 

 

 

 

 

ガチャリ、とドアが開く。入ってきたのは…フランだ。

「お、おう。フラン。よく来たな。」

「う、うん。」

互いに、ぎこちない挨拶。今までは、こんなことにはなってなかったのに。

「ど、どうしたんだ?」

「えっとね、その…伝えたい事が、あって。」

瞬きをしつつ、そう答えるフラン。自然と、俺の心臓はいつもより早く脈打っていた。

「……あのね、私……白狼のことが好きって、前に言ったよね。」

「あ、ああ。俺はそれ以上にフランを好きでいる、とも。」

お互いに、似たようなことを考えていたらしい。

「それでね、その…私たち…どういう関係なのかなって…」

「……っそりゃあ、その…」

恋人、と言おうとして、顔が赤くなったのがわかる。

心で思うことは簡単だが、言うのは恥ずかしいらしい。

「恋人…なの、かな?」

「……フランがどういう関係でいたいか、だよ。」

「え?」

俺は、俺には、関係を自分の意思で決める勇気も力も権利もない。だから、俺には決めてもらうしかない。

「俺とフランが、どういう関係でいたいのか。それは、フランが教えてくれ。俺は、そうなるように頑張るから。」

「白狼…」

俺は卑怯だ。自分にできないことを、フランに押し付けようとしている。過去に失敗したから、逃げているのだ。

他人と一度線を引いたら、なかなか変えられない。それが、たとえ俺の好きな人になったとしても。

「…私は、白狼がいい。恋人にするなら。付き合うなら。」

「………。」

フランはしっかりとした目でこちらを見つめ、言った。さらに。

「白狼はどうなの?」

「え?」

不意打ちを食らった。そんな気分だった。

「白狼はどうしたいの?私、嫌がる人を恋人にはしたくないよ?」

…参った。まさかそんな手で来るとは。

「…その言い方はずるいぞ。」

「女の子はちょっとずるいくらいが可愛いのよ。あと、私にこんな選択をさせたの、白狼だからね?押し付けるんだもん。」

「はは…悪い。俺は未だにビビりだからさ。怖いんだよ。関係が変わって、傷ついたりすんのが。」

俺が言ったセリフに、フランは笑って、

「人が人と関係を持つ以上、傷つくのはしょうがないよ。だって、考え方も、価値観も何もかもが違う。」

「でも、だからって傷つくのが当たり前の世界なんて…!?」

嫌だ、とまでは言わせてもらえなかった。唇に人差し指を当てられたからだ。

「…まったく。白狼はいっつもみんなのことばっかり。でも、ここで問題になっているのは、私と白狼の問題。」

気づけばフランはいつもの調子になっていた。

「白狼自身が、私とどうなりたいか、なんだよ?」

「……あーもう。負けたよ。まったく。わかった。付き合おう。フラン。こんなめんどいやつだけど、それでもいいのなら。」

「もちろん。だって私は、そういう白狼が大好きだから!」

 

俺は、ここでようやく一歩進めたような気がする。過去を乗り越える、第一歩。

 

 

…で。

俺たちが付き合うことを、紅魔館のみんなに話すと、みんなが、ああ、やっとか。みたいな反応だった。

意外と、お互いの気持ちはみんなには筒抜けだったらしい。

俺とフランは夜、外に出た。季節はもうそろそろ夏。ひまわりが見えるだろう。…だが。

「ねぇ、白狼。」

「……ああ。わかってる。……こりゃあ、()()だ。」

明らかに夏に似合わない花が咲いていたのだ。そう。桜だ。

これは、新たな戦いを、予言していた。

 




はい。これで晴れてフランと白狼は、恋人になりましたとさ。なお、まだ恋人っぽいことは、あーん、ぐらいしかしてません。あとは、フランが白狼のベッドに入り込むくらいですね。手は出してません。
そして次回より、花映塚編突入です!

四季折々の花。一度にこんなに咲くわけねえ。
こりゃまた異変かよめんどいなあ。
次回、東方希望録
限定依頼
さあ、ショータイムだ!…え?今回はいい?…嘘だッ!(ひぐらし感)
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