東方希望録   作:紡ぎ手@異人

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いよいよ今日(書いてるのは28日なので、筆者からは明日。)から二学期です…ペースが落ちるかもしれませんが、ご了承を。さしあたっては整理考査なんで。

閻魔。死んだ人間を裁く存在。その者には嘘、偽りが全く通じないとされる。手には笏を持ち、死んだ者の逝く先を決める。その夜。俺たちはそいつと出会う。
東方希望録、始まります。


裁くのは…俺の恋人だーッ!

で、夜になった。日頃から"創って,,おいた霊力回復薬(俗に言う兵糧丸)を食べ、外に出ておく。

「おや、お出かけですか?」

門番をしていた美鈴に声をかけられる。

「あ、美鈴。まあね。フランに館の外を見せるって言ったから。」

「ああ、なるほど。だからこの時間に。」

「うん。でないと危険だしね。」

と、お互いにこやかに話す。と美鈴が彼方を見つめ、目を細める。俺もそっちを見つめ、密かに戦闘態勢を整える。

大きな鎌を持つ赤髪の女性と、その隣で笏を持った少女。

「貴方が夜月白狼ですね?」

「…まあ、そうっすけど、貴女は?」

おそらく鎌を持った女性は少女の部下なのだろう。少女しか喋らなかった。

「申し遅れました、今代の創世者。私は四季映姫・ヤマザナドゥです。わかりやすく言うと、閻魔です。」

と、普通の人なら腰を抜かす様な事をさらりといいやがった。

「ヒュウ。まさかの閻魔とはね。この人生でどんだけ超常の奴に会ってんだか。」

妖怪に始まり、妖精、魔女、吸血鬼。そして終いにゃ閻魔だ。

「…どうも今代のは大分ゆるい様ですね。」

「おや、こういう創世者はお嫌いですか?」

「いえ。少なくとも、常にふざけている者よりはマシです。多少の融通がきいたほうが好ましい。」

「…へえ。貴女は俺のご先祖を知ってるって訳ですか。…で、目的はなんすか?俺、これから約束があるんすけど?」

と、笑みを浮かべつつ言う。映姫も笑って、

「あまり時間は取らせません。いいたいことがあっただけですので。」

「ふぅん。で、その内容は?」

「そう。貴方は少し、自分に自信がなさすぎる。」

そう、言い放った。

「……へぇ。俺にそんなこと言って、何をさせたい?」

「いえ。何も。私はただ、貴方たちのこれからに数多くの善行があるようにと、忠告しているに過ぎません。」

「忠告にしては、だいぶ踏み込んだことを言うのな、閻魔ってのは。」

俺が言うと、映姫の眉がピクリ、と動いた。

「…そうですね、小町。」

「はいはい。わかってますよ。…さあ、構えな白狼とやら。お前の実力、あたいが確かめてあげるよ!」

と、大鎌を構え、小町、と呼ばれた少女が言う。

まあ、時間があるなら、それでもよかったんだが、

「残念。時間切れだ。」

「え?」

「白狼から離れて。【禁忌 レーヴァテイン】。」

ゴウッ!と炎剣が振られ、二人揃って飛ばされる。

「これから私と白狼はデートなの。邪魔しないで。」

と、今度は顔を赤くすることなく言った。

「行こ、白狼。」

「あ、ああ…【翼符 ドラゴンウィング】。」

フランの怒りに触れた二人に少しだけ同情しつつ、俺はフランとともに夜空へ繰り出した。

 

 

 

 

 

 

「……すいませんねぇ映姫様。ちょっと、油断してました。」

「いえ。私も少なからずそういうところはあったので、お互い様です。…それにしても…吸血鬼との逢瀬ですか…少しは、自分に素直になってきているのでしょうね。」

「……映姫様?」

まるで母親のような顔をする映姫に小町が声をかける。

「いえ、なんでもありません。行きましょうか、帰ったらキリキリ働いてもらいますからね、小町?」

「ゲェッ!?忘れてなかったんですかぁ!?」

「忘れるわけがないでしょう。さあ、観念して働いてもらいますよ!この異変、元はと言えば…」

この二人は、これが平常運転らしい。

 

 

 

 

 

「わぁ…白狼、これが外、なんだね。」

「ん、まぁな。…どうだ?初めて、じゃないけど、ゆっくり外が見れて。」

「うん。とても満足。白狼や魔理沙、咲夜達は、こんな綺麗なものを見てたんだね。」

少し手を伸ばせば、肩を抱ける距離。とても位置的には近いが、ヘタレでウブな俺にはとても遠かった。それを知ってか知らずか、フランは手を握ってきた。

俺はそれを見ると、

「嫌…だったかな?」

「……バカ言え。好きな人と手ェ繋げるんだぞ?嫌なわけねぇよ。」

そんな会話をしつつ。綺麗に半分の月を見上げる。

そうか。今夜は。

「"半分の月がのぼる空,,か。」

「?白狼?」

「ん、なんでもねぇよ。さ、冷えるといけねえ。今度、また来よう。」

「うん。それじゃあ、約束。」

「おう。」

そうして、俺とフランは指切りをして、さも当然のように、手を繋いで館へと帰っていった。




ってなわけで初デート回でした。それと申し訳程度の花映塚要素。
フランは準備を整え、白狼の元へ向かいます。そこで白狼と映姫が臨戦態勢。長くなる、というか邪魔だったため、フランは二人を退けたわけです。

ある日、いつも通りの日常を送っていた俺たちに、毎日のように繰り広げられる宴会が開かれる。ま、つっても俺未成年だし酒飲めねえんだけどな!
次回、東方希望録。
酒飲む鬼
未成年飲酒、ダメ絶対。
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