いつか、人間である俺は死ぬ。
多分、フランを残して。萃香のように長い時間は生きられない。だからこそ。だからこそ、俺は…
東方希望録、始まります。
「【力剣符 パワーソード】【盾符 ドラゴンシールド】【翼符 ドラゴンウィング】!」
スペルカードの並列駆動。3枚同時使用で飛翔する。
「はああっ!」
萃香は大きい腕を振るい、俺を叩き落とそうとする。
「っ!っと!」
俺は翼で飛んで躱し、一度地に立つ。すると萃香は俺目掛けて拳を落とす。
「!うひあっ!?」
おどけたように躱し、萃香の腕に乗り、駆ける。
「おおっ!?」
肩の辺りまで来た時に跳び、手に持つパワーソードで斬りかかる。
「おおおおおっ!」
剣の切っ先が萃香の体に触れるというその瞬間、バッ!と萃香の体が霧散した。
「なっ!?」
俺は驚き、動きを止める。その隙に、萃香は姿を現し、
「ふんっ!」
その巨大な手を以って俺を吹き飛ばす。いかに俺が戦闘の技術や、センスを"創って,,いたとしても、避けられないものはある。まあ、つまり何が言いたいかというと。
「が、ああああああ!!」
モロにくらい、大きく吹っ飛んでいった。木々を何本かヘシ折り、ようやく止まる。肺から空気が搾り出され、咳き込む。
「ゴフッ!ゲフッ!あ"ー!やりやがったなこなくそっ!」
俺は息を整え、再び飛び立つ。
「まだ来るかい!だったらまた落としてやるよ!」
向こうも再び拳を振るい、叩き落とそうとして来る。
「今度は、当たらない!」
紙一重の回避を繰り返しつつ、一枚のスペカを取り出し、使う。
「【希望 ウィザード】!変身!」
(ハリケーン!プリーズ!フー!フー!フーフーフーフッ!)
緑の魔法使い、ウィザード、ハリケーンスタイル。その力で、俺は再び飛翔する。
(どうする!?どんな物理攻撃でも霧散されたら意味がねえ!かと言って弾幕ぶつけようにもあいつ相手じゃ豆鉄砲だ!)
「考え事かい?だとしたら、馬鹿だね!」
萃香が拳を振るう。
「ッ!くっ!」
またまた紙一重の回避。しかし、このままではこっちが先に当たってしまうだろう。
(大体、霧散するってったって、何処までだ?もし、もしだが、粒子レベルまで行けるとしたら…)
であればと、俺は指輪を入れ替え、使う。
(シャバドゥビタッチヘーンシーン!インフィニティー!プリィィズッ!ピースイフードーボーザバビュードゴーンッ!)
空色の魔法陣が足元に光り、龍が舞う。俺の体を結晶が包み、舞っていた龍が降りて来て、結晶を砕く。そこには、燦然と輝く戦士、仮面ライダーウィザード、インフィニティースタイルが顕現していた。
「ッ!力が増した…本気ってわけかい!」
「ああ。こんな狂乱を終わらせるためにも、俺はお前に勝つ。来い、ドラゴン!」
俺が呼ぶは、水晶の龍。龍は手元で姿を変える。剣と斧が合わさった専用武器、アックスカリバーが。
俺はすぐさまアックスモードに切り替え、手形に左手をタッチさせる。
(ターンオン!ハイタッチ!シャイニングストライク!キ・ラ・キ・ラ!キ・ラ・キ・ラ!)
斧を振り回し、徐々に巨大化させる。
「なっ!?む、無駄だよ!」
俺は声に構わず、スペカを一枚"創り,,、使う。
「【双造 ビルド】!」
変身はしない。ただ必要なのは、敵であるスマッシュの成分を抜き取るための空のフルボトルのみ。それが手に来たと認識し、跳ぶ。
「はああああっ!だああああッ!」
萃香の遥か頭上より放たれた必殺技、ドラゴンシャイニングは、萃香に当たる、その瞬間に、萃香の体が霧散したことで外れた。が、これでいい。
「かかった!」
「なんだって!?」
俺はすぐさまボトルのキャップ部分を正面に合わせ、萃香に向ける。すると、霧状の萃香がどんどん吸い込まれていく。
「な、く…」
抵抗むなしく、萃香は残らず吸い込まれてしまった。俺は急いでキャップ部分を正面からずらし、閉じる。そして。
「へへへ…うおりゃああああっ!」
カシャカシャカシャカシャッ!
「うわあああ!?」
振った。振りに振った。フルボトルの本来の使い方っちゃあ、そうなのだが、この絵面は、割とシュールだった。
この後、萃香は降参し、この異変は幕を閉じた。たいていの人妖たちは気づきすらしなかったと言うのだから驚きだ。だがまあ、こうして幻想郷は再び平和を取り戻した。
…で、後日談…と言うか、今回のオチ。
「ふーん。で、また白狼は無茶したんだ。一人で。」
「う…いや、こればっかりはしょうがなくね?あっちが仕掛けて来たんだし…」
「でも向こうは白狼がって言ってるよ?」
「うぐっ(もう覚えてないなんて言えねえ…ッ!)」
「しーろーう?」
「ひゃい!」
マジギレした、と思った俺は目を瞑る。フランは。
「!?え…」
「無事で、良かった。全く。言ってくれれば私も行ったのに。」
俺を優しく包んでくれていた。
「………悪い。」
「うん。反省してるようだし、許す!」
どうやら、姫の機嫌は取れたようだ。
少し前、白狼の元いた世界。つまりは、外の世界。
「んー、いないね、白狼。」
『こりゃあマジかもなぁ?"夜月,,は"楽園,,に行ったってのは。』
「うん。じゃあ、行って確かめてみよっか。僕の先祖、
パリン…
こうして、外の世界には、誰もいなくなった。
はい。こうして長かった萃夢想が終わりです。そして予定変更です。ちょっと緋想天とかやってると書きたいとこまで絶対行けないと思ったんで、すぐにオリジナル編に行きます。
外の世界での因縁。俺が、終わらせるでも、終わらせられた訳でもない。これは、俺から出た鯖だ。だから。
次回、東方希望録。
さあ、ショータイムだ!