東方希望録   作:紡ぎ手@異人

67 / 77
緋想天とかをすっ飛ばしてオリジナル編ぶっ込みます。

俺はもう、それは終わったと思っていた。俺だけとなった夜月家と対を成す、朝日家。その末裔とのしがらみは。でも、あんなのは序章に過ぎなかった。あの時きっちりやらなかったから、今回のことが起こった。
東方希望録、始まります。



真の対極、あるいは裏。

紅き館、紅魔館。秋という過ごしやすい季節になろうと、ここは変わらずの紅さを誇っていた。まあ、年中無休でそんなのはやっているのだが。

「はあ。ま、平和なのはいいことなんだけどな。」

「どうしたの、白狼?」

その一室、俺の部屋にて、フランは俺の膝の上に座り、本を読んでいた。

「…いや。なんでもねーよ。ただ、今日は()()()だったなと、思っただけだ。」

「あの日……?」

今日は、11月10日。アイツが、世界を"壊し,,始めた日だ。あの一週間の間も、俺は休むことなく、モノを"創り,,続けていた。家から先祖が"創っていた,,霊力回復薬を学校に持ってきて、片っ端から飲んで、"創って,,を繰り返していた。だから、気づかなかった。日本以外の国が、15日の時点で滅んでいたなんて。そしてそれが、

(あの黒兎のせいだなんてな。)

「………ろう、白狼!?」

「!わ、悪い、ぼーっとしてた。」

「…大丈夫?ここのところずっとそんな感じじゃない?それに、あの日って…白狼、随分と隠し事、多いんじゃない?」

「…ああ。そう、だな。悪い。」

「別に謝って欲しいわけじゃないんだけどなぁ…」

と言いながら、フランは俺の膝から降りて、向かい合う。

「私達、相思相愛なんだから。相談くらい、乗るよ?」

と、俺の目を真っ直ぐ見て言うんだから、照れて視線を逸らしてしまう俺。いかに希望といえど、経験してないことはどうしようもない。

「いや、大丈夫だ、問題ない。」

「そのネタ教えたの白狼だし。それ、ほとんど大丈夫じゃない時に使うんだよね?」

「うっ…」

いつもはネタを覚えるの遅いのに、これだけは直ぐ覚えたのだ。…そんなに使った覚えないけどなあ。エルシャダ◯ネタ。

「さあ、キリキリ吐きなさい!一体何を隠してるの?」

フランに、悪意はない。だって、知らないのだから。俺が過去に一度、人を殺していることなど。

「いや、マジでなんでもないから、うん。」

と、どうにかしてフランを引きはがせないか、そう思った時。

ピシリ、と何かが"壊れる,,音がした。

「「ッ!?」」

俺とフランは驚き、スペカを反射的に取り出す。

その音はだんだんと近くなり。

パリィィィンッ!と、ドアを"壊した,,。

「え…私と…同じ…?」

「な…どうして、お前が…?」

その、犯人は。太陽の黒点のように黒い髪。そして、兎のように赤い目。少し小さな体。そして、手には武器でありそうな鉄槌。

「やあ、久しぶりだね、白狼?」

「なんで…なんでテメェがここにいる!?」

そいつの、名前は。

「朝日…黒兎!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうして僕がここにいるのか、か。まあ、簡単さ。僕はあの世界で最後の人間だったからね。もう誰も僕を覚えている人間なんていない。だから、幻想入りしたのさ。」

「な…」

そんなはずはない、とは言えなかった。俺は八雲紫に連れてこられたという特殊な状況だったが、本来は皆に忘れ去られ、幻想入りする。忘れ去られる、ということは、誰もそいつを覚えていないということ。故に。

「そう。来れないわけはないよね?」

「っ……」

「アナタ…誰?白狼の知り合い?」

と、フランが黒兎に問う。

「知り合い?そんな他人に近い存在じゃないよ僕は。()()さ。僕と白狼は。」

「ふぅん。当の本人はそんな顔してなさそうだけど?どうなの白狼?」

フランはあくまで、事実確認がしたいらしい。

「…まあ、友達だとは思ってる。」

「…アハッ。相変わらずの照れ屋さんなんだね白狼は。」

俺に続けた黒兎の言葉に、フランは顔を顰め、

「アナタ…異常よ?何をどうしたら今の白狼が照れてるように見えるのかしら?」

と毒を吐く。黒兎は、目だけギョロリとフランを見て、

「白狼、誰こいつ?白狼のこと知ったように言うけど?」

「アナタこそ。親友なんて、嘘じゃない。」

バチリ、と視線同士での火花が散った音がした気がする。

「へえ。黙ってるならそのままにしとこうと思ったけど、予定変更。"壊して,,やる。」

「アナタも"壊せる,,の?じゃあ、"壊さないと,,。」

「ったく。表に出てからやれ。ってか、黒兎。俺の目の前で…」

俺は霊力を解放し、パワーソードを"創り,,、黒兎に向ける。

「もう2度と誰かを"壊せる,,と思うなよ?」

「…アハッ。やっぱり、白狼も"選ばれた,,んだね。先祖さんに。」

「「ッ!?」」

黒兎が俺たちが驚いたのを見て笑う。

「アハッ。僕が知らないとでも思った?僕も、"選ばれた,,っていうのにさ。」

「な…じゃあ、お前、あの時に…?」

俺の行き着いた推理を、黒兎は。

「うん。多分白狼の考えてる通りだよ。僕はあの時に、僕の先祖、破界者(ザ・デストロイヤー)にね。」

「白狼と、同じ…!」

「そうだよ?だから、僕と白狼の間に君が入る余地は無い。僕は白狼のことならなんでも知っているよ?身長は170丁度で、体重は52.5。視力は裸眼だとD.Dで、メガネをかけるとB.C。誕生日は今から一週間後の11月17日。好きな色は青で、好きな動物は猫。嫌いなものはバッドエンドと、誰かが理不尽な死を迎えること。他にも色々と、ね。」

プライバシーのプの字すらない完璧なプロファイリングだ。

「気持ち悪いわ。アナタ。」

「でも、君はここまで知らない。白狼愛が足りないよ。」

「……はあ。俺は先に外に出る。約束を果たしたいなら来いよ黒兎。フランも、手ェ出すな。」

「「え?」」

俺は二人に構うことなく外に出る。二人もとりあえず言い争いをやめ、ついてくる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「【創世眼(ザ・クリエイティブ・アイズ)】。【創・空(クリエイト・ゾーン)】。」

俺は能力の極限、創世眼を使用し、空間を"創る,,。普通に戦ったら、色々なものが"壊れて,,しまう。それは避けなければならない。

「白狼?なんで空間なんか…」

「フラン。こいつは君と違って、"壊す,,時に"壊したい,,モノに触れる必要がある。大きな違いがあるとすればそこだ。だが、フランは概念や、空間、時間といった、目に見えないモノを"壊す,,のは苦手だろ?だが、奴は違う。俺がこの眼を使うとそういうあやふやなモノも"創れる,,ということは、同じく"選ばれた,,アイツは同じものを壊せるんだ。」

「だったら、こんなのを"創った,,って…」

「いいや。この空間に"壊れない,,というルールを"創った,,。

それに。アイツは俺のいうことは聞くからな。」

と、その辺で。

「相談は終わったかな?白狼。」

「ああ。あの時の続きだ。そして。これで終わりにする。」

「アハッ。いいよ、その眼。鋭くて、冷ややか。あ、そうそう。あの時の約束。一つ追加したいんだ。」

「……なんだ?」

「……〈勝って、生き残った方が、"世界,,を統べる。〉」

その一言を聞いた瞬間、一瞬、思考が止まった。どうして、それを知っているのか。それは、夜月家にしか、伝わっていない筈なのに。

「君の先祖さんが言ったのかな?でも。抜け道はいくらでもあるんだよ?いかに創世者(ザ・クリエイター)といっても、当時は人間。不完全な存在。なんでもできるわけじゃない。」

「……どういうこと?"世界,,を統べるって。白狼?」

「……"世界,,ってのは、"創造,,と"破壊,,から成り立っている。何をするにしても、何が起こるにしても、万物は何かを"壊して,,、何かを"創る,,。つまり、その二つを司る眼を手に入れた、そいつは。"世界,,を統べているに等しい。」

「うんうん。その通り。よく調べてるね、白狼。」

「お前…!」

「さあ、やろうか、白狼。」

黒兎は鉄槌を取り出し、構える。俺も、パワーソードを構える。

「僕は、君を"壊して,,、世界を"創り,,変える!」

因縁を終わらせる為の戦いが、始まった。

 




げ、気づけば3000字行ってる!?書いててなんでこんなに長くなってるんだとか思いました。

ついに始まった二人の戦い。
苛烈を極めたその先に立つのは。
次回、東方希望録。
知らなかったことabout白狼。
さあ、散華の時間だよ?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。