つまりは気付きます。一方通行の攻略法に。
「…虚仮威しだ!ふっ!」
さっきよりも早いスピードで、美鈴が蹴りをかましにくる。
「ッ!そう何度も白狼を狙わせるかっての!」
霊夢が気付き、俺の前に立ち、お祓い棒で受け止めようとした。
が。
「なっ!?」
驚いたのは美鈴。なぜなら。
「おオラアアアッ!」
俺が二人の間に入り込んだからだ。このままでは美鈴の蹴りが当たってしまう。と、普通なら思うだろう。しかし、今発動しているスペル、【向符 一方通行】は
攻撃が当たった、その瞬間、美鈴は自分の足から、骨の軋む音が聞こえた。
「ぐっ!?な…」
すぐに足を戻し、距離をとる。美鈴は自分の能力、《気を操る程度の能力》で足を少し癒しつつ、俺を見る。そこには。
「けひひ。どおしたよ?まだ俺は何もしてないぜ?」
無傷の俺がいた。それには、魔理沙も霊夢も驚きを隠せなかった。
「白狼、お前は…一体…?」
魔理沙が少し上ずった声で問う。
「あ?ああ。俺の能力はな、《ありとあらゆるものを創造する程度の能力》なんだよ。だから、沢山のスペカが使えるってわけだ。」
「「「なっ!?」」」
俺は、さも当たり前のように語る。しかし、三人からしたら、そんなのは反則としか考えられない。
「くっ…では、その一方通行というのも…」
「勿論、俺が"創った,,。ベクトル操作。運動にはそれぞれ向きがあってな。コレはそういう向きを操れるんだよ。」
「な、なあ霊夢。もしあいつが敵になったとして、勝てそうか?」
「…考えたくも無いわ。」
現代人であれば、こういうのをなんていうのかはわかるだろう。そう。チートである。
「…だが!私は此処、紅魔館の門番なり!」
そう叫び、美鈴は再びこちらに向かってくる。
「ケヒッ!」
俺は手のひらの上に風のベクトルを集め、風の球を作る。イメージは丁度、
「螺旋丸!」
しかし、ここで俺は失念していた。さっきまでの美鈴のバトルスタイルを。ガッチガチの近接格闘タイプ。そんな彼女が、この間までバトルを経験したことのない人間のまぐれ当たりを期待したような一撃に、果たして当たるだろうか?答えは。
「甘い!」
否、である。俺の突き出した腕は、あっさりと側面から捕らえられ、投げられる。しかし、ここは一方通行の能力。空中で翻り、綺麗に着地する。しかし、俺の顔は芳しくなかった。
(チッ…案外しぶとい。仕方ない。霊夢と魔理沙に先に行かせるか?…いや、美鈴は多分、ここを通さないだろう。…だったら。)
俺は、さっさと決めに行くことにした。
「…なんの真似だ?」
俺がとっていたのは、世界陸上でよく見るあのスタートポーズである。クラウチングスタート。
「虚刀流七の型、杜若。ってな。…いくぜ。よーい、ドン!」
スタートと同時に、風のベクトルを加速に回す。目にも留まらぬ速さで、美鈴へ肉薄する。
(打撃を狙えば、ベクトル操作でこちらがやられる、しかし手を止めたら攻められてどの道やられる!…!ベクトル?まさか!)
それは、原作でも本人がやられた戦法。やった本人は、多少の武術の心得はあったかもしれないが、彼女に対しては及ぶわけが無い。つまり、彼に出来て、彼女に出来ないわけが無い。美鈴は、拳を俺の顔面めがけて振るう。そして、当たった瞬間、
ヒュッ…ガッ!
「ぐっ!?」
「「!?」」
「決まった!?」
手を引いた。
「ぐ…お前…木原神拳を知ってたのか…」
「木原神拳…?木原神拳というのか?さっきのは。」
「無意識かよ…あークソ。めんどくせ。コレの攻略法見つけられたらどうしようもねえっつの。霊夢。悪い、任せていいか?」
「え?あ、ええ。勿論。よくやってくれたわ。」
…なんともまあ、情けない男である。そして、霊夢対美鈴の弾幕ごっこが始まったわけだが…
「うう…ま、負けた…」
「おいまじかよなんで弾幕勝負になった途端に弱くなんのお前!?」
あっさりと霊夢が勝った。一回も霊夢はスペカを使っていない。所謂ノーボム、というやつだ。
「私、弾幕勝負は苦手なんですよ…」
「…………。」
あまりのいたたまれなさに、俺は黙るしか無かった。しかしまあ、勝利は勝利。通ることにした。
「あの!」
「おん?」
「貴方の、名前は?」
美鈴に名を聞かれ、俺は、
「夜月白狼だ。どこにでもいる人間さ。」
そう、名乗った。
はい。というわけで三面突破でした。
戦闘描写が難しいっす。それに、白狼もあんまり活躍できませんでしたしね。でもまあ、彼の活躍の場は正直EXTRAステージですし。そこまでは、正統派(?)主人公二人(内一人は銭ゲバ、もう一人はネコババ)に引っ張ってもらいましょう。ではでは。