問題児と大地母神の夫が異世界から来るそうですよ?   作:らんらんタワー

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どうもらんらんタワーです。

前作?ハハッ、君は何を言っているのかな?

これはわたすの黒歴史を増やすものです。多めに見てください。






それと誤字脱字等あったら報告してください。


第一話

 

 

 

 

 

 

「―――――――――この私が・・・・!たかが人間ごときにィ・・・・」

 

 

 

二又の槍を杖代わりに何とか地上に立っている状態を維持している、古代ギリシアの男性の服装であるはじめ長方形のウール布を右肩を露出して体に巻きつけている男は、右手が無くなっており腹部もかなり深く抉れていて、人間ならば(・・・・・)死んでもおかしくない状況であった。

だがこの男を傷つけた者に対して、人間ごときといっているところがこの傷ついている男は人間ではないと言うことが分かる。

 

 

 

「たかが人間、されど人間。人類に光を与えたルシフェルは人間に神をも超える可能性を見出したとされている。だからこそ英雄叙事詩などが人間の文化の中にあるのだ」

 

 

 

傷ついている男と相対している男は、顔に映画「プレデター」に出てくる地球外生命体である名称不明(ただし視聴者と製作者は捕食者を表すpredatorと呼んでいる)の二足歩行の生物が顔を隠すために被っているマスクと同じ物を着用しており、髪の色は光を吸い込むような漆黒。

服装は一言で表すなら戦闘服。別の言い方なら野戦服だろう。イメージとしてはニュースなどに映る現米陸軍の中東派遣部隊の服を想像してくれたらと思う。

 

 

 

「さて、アンタとの戦いは別段つまらなかった訳ではないが、俺は愛しの相手が待っているから早く戻らなくちゃいけないんだよ。じゃあな」

 

 

 

すると男は右手を前に突き出し、詠唱を始める。

 

 

 

『我は不浄を正す義者(アシャワン)、正義を貫く大神なり。虚偽を征し、聖なる焔の守護り手として智恵ある神に従わん』

 

 

 

男の口から出たのは聖句。カンピオーネ、魔王、様々な呼ばれ方をする神殺しの人間たち(神殺しの時点で人間はやめていると言っても間違いではない)が神から簒奪せし権能を使用する際に必要なもの。

この聖句を分析すれば、まずアシャワンと言うものはアヴェスター語で義者を表す。ちなみ義者というのは義をかたく守る人のことである。

次に正義を貫くとあるが、アヴェスター語が混ざっているのであれば必然的にインド・ヨーロッパ語族のサテム語派の代表的な言語となるので、この男が殺害した神がイラン高原東部の方にまつわる神であり、そこから絞り込むことが出来るのはゾロアスター教という宗教。

ゾロアスター教とは、古代ペルシアを起源の地とする善悪二元論で、紀元前6世紀にアケメネス朝ペルシアが成立したときには、すでに王家と王国の中枢をなすペルシア人のほとんどが信奉する宗教であったとされている。

さて分析に戻ろう。正義を貫く大神とあるが、ゾロアスター教での正義・・・つまり善だが、有名どころから当ててみよう。

ゾロアスター教の善神となると、真っ先にアフラ・マズダ(日本の宗教に馴染みあるのは大日如来)が思い浮かぶだろうが、それはちょっと間違っているところがある。

まずアフラ・マズダはゾロアスター教の最高神である。次にアフラ・マズダは善と悪とを峻別する正義と法の神とされ、彼は善悪の対立を超越して両者を裁く絶対の存在といえるだろう。

この時点でアフラ・マズダはこの善なる神である善神のカテゴリーからは外す事ができるだろう。

しかし「智恵ある神」と言うところはアフラ・マズダの名の意味を指しており、アフラ・マズダ関連の善神が関わってくるので絞込みはし易くなる。

何故なら、ゾロアスター教に於いて最高神アフラ・マズダに従う七人の善神と言われている、「不滅の聖性」を意味するアムシャ・スプンタと言われる者があるからだ。

 

 

※なお今回の推測では、スプンタ・マンユとアフラ・マズダは同一視せずに考えることとする。

 

 

始めにアムシャ・スプンタのメンバーを挙げよう。

アムシャ・スプンタは全部で七人いると先ほど言ったので、七人分軽く説明しよう。

 

まず一人目、スプンタ・マンユだ。

「聖なる霊」を意味するこの神は、創造を司るとされ、ゾロアスター教の悪神で「絶対悪」と表される創造神アンラ・マンユと世界の始まりの時に出会ったとされる。

 

二人目、ウォフ・マナフ。

「善い思考」を意味し、ゾロアスター教の開祖であるザラスシュトラと言う男を最高神アフラ・マズダの元に連れて行った神である。

この神の敵対者は「悪しき思考」を意味するアカ・マナフである。

 

三人目、アシャ・ワヒシュタ。

「最善なる天則」を意味し、人間の宗教的な有り様を端的に表す概念として極めて重視された存在で、敵対者である悪神ドゥルジが不浄と言う風になったことに対応して、その反対である清潔を司るとされた。

さらにこのゾロアスター教が時を経ていくに連れて、火の守護神とされアシャは聖火その物とされるようになった。天体運行を担うともされる。

何気にインドラの敵対者でもある。

 

四人目、スプンタ・アールマティ。

「心に従う者」を意味し、女性の守護神とも言われ、スプンタ・マンユが創造した世界の七つの要素のうちの大地の守護神ともされた。

敵対者は「背教」を意味する悪神タローマティである。

この神の原型はヴェーダ(バラモン教の聖典)にあるとされ、それは地母神とされている。

 

五人目、フシャスラ・ワルヤ。

「善き統治」を意味し、アフラ・マズダの理想的統治を神格化したものと考えられている。

この神の敵対者は「無秩序」を意味する悪神サルワであり、世界の七つの要素のうちの鉱物の守護神とされている。

 

六人目、ハルワタート。

「完全」を意味し、水を司る女神とされる。さらには規則正しい季節も司るとされる。

敵対者は「熱」を意味する悪神タルウィで、世界の七つの要素のうちの水の守護神とされる。

 

七人目、アムルタート

「不滅」を意味し、ハルワタートと同じく女神と考えられ、食物を司るとされている。

ちなみにイスラム教ではマールートという天使の伝承に変化している。

敵対者は「渇き」を意味する悪神ザリチュであり、世界の七つの要素のうちの植物の守護神とされる。

 

 

ここまで説明してて分かった方も多いはずだ。正義という善の部分を抜いて考えても、聖なる焔の守護り手に該当するのは、三人目の火の守護神とされるアシャ・ワヒシュタだろう。

 

ということでこの仮面の男が殺害したまつろわぬ神はアシャ・ワヒシュタ。

つまりこの男が使う権能は、炎。加えてアシャは正義・真実の神格化なので、相手の真名を見破る事にも何かしらの利点があるということ。

相手の出自を突き詰めていく事で、言霊を強化することが出来る権能を持っていたとすればかなりの力になったであろう。

無論、炎の権能も強力であることに変わりは無い。さらに天体運行を担ったとされるのであれば地球の公転、銀河の渦巻きといった天文学的数字が絡んでくるほどの力を行使することもできる。

だが不用意にその力の行使をすれば地球が持たない。地球より天体の運行で発生する力が強い物など宇宙には数え切れないほどあるのだから。

 

 

 

「てめぇもここで終わりだぁ!!冥府の王!!!」

 

 

 

膨れ上がった呪力は太陽と同等、もしくはそれ以上の輝きを放つ聖なる炎に変貌し、満身創痍の冥府の王と呼ばれた男に牙を向く。

そして放たれた虚偽を征する炎が死者を統括する冥府の王を捉え、その身を炎が包み込み燃やし尽くす。

 

 

 

「が、がああああああああああぁぁぁぁッッッ!!!!!」

 

 

 

冥府の王である男の最大の武器は、今杖代わりにしている二又の槍で、本来は力の行使によって万物に平等なる「死」を与える凶悪極まりない物なのだが、使用者はもうその力を行使するほどの余裕も無くただひたすら身体を燃やされるだけであった。

だが男は最期まで立ち続ける。たとえ肉体が焼き尽くされようが、冥府の王である自身を打ちのめした人間に呪詛を吐き、自身の名誉のため倒れるわけにはいかない。

 

 

 

「ぐう、ぐうううおおおおおおお!!!神殺しよッ!!我を殺した事を後悔するがよい!!貴様にはこれから幾多もの神罰が――――――――――――――」

 

 

 

冥府の王の台詞は最期まで話されることは無かった。喉を焼かれ、肺を焼かれ、全身を燃やし尽くされた王の立っていた場所には、灰で出来た小さな小山があった。

 

 

 

「死者の世界の王の呪詛か・・・・、おぉ怖い怖い」

 

 

 

そして勝者のこの男、最後まで締まらない。まあ確かに冥府の王の呪詛は恐ろしいだろうけど。

 

――――刹那、ピクッと男の耳が微かにながら動いた。次の瞬間口を開いて、

 

 

 

「それで、そっちは終ったのか?――――――――――――キュベレ」

 

 

 

仮面の男がいきなり少し離れたところにある木々の生い茂っている森に向かって話しかける。

すると木々の間から、艶かしい笑みを浮かべながら一人の女性が姿を現した。

 

 

真っ白なウエディングドレスのような服を着ていて、母性の象徴である大きな胸はドレスを押し上げており、その自己主張の激しい胸はちらりと見える谷間と彼女の其れとは正反対のスレンダーでモデルよりも美しいと思われるスタイルは多くの男性を魅了するだろうし、彼女の闇夜の月に照らされて光る銀のように美しい銀髪と相まって最強に見える。

 

 

 

「ええ、もちろん終ったわよ。あなたのほうも無事に終ったようね」

 

 

 

彼女はゆっくりと歩みを進め、仮面の男の前に来ると男に抱きつき・・・・、

 

 

 

「仮面は取ってくれないの?それともそのままのほうが良いのかしら?」

 

 

 

彼女は並みの男性なら理性が吹っ飛んでしまいそうな色気を出しながら仮面の男に顔を近づけ問いかける。

 

 

 

「そうだな・・・、俺としては今日は帰ってキュベレとゆっくりしたいのだが・・・・」

 

 

「あら?今日のあなたは随分と静かじゃない。何時もならすぐに襲い掛かってきて・・・・きゃ///」

 

 

 

仮面の男が()はまだいいと言う返事をし、それを聞いてから銀髪の女性は男から離れて何を思ったのか顔を赤くして、体をくねらせる。

 

 

 

「お~い、頼むから自分の世界に浸ってないで戻ってきてくれー」

 

 

「そうね・・・、やっぱり子供は何人がいいかしら。二人以上は欲しいわね・・・・」ブツブツ

 

 

「ありゃ、駄目だこりゃ。すっかり妄想モードに入っちまったよ。俺としてはヴォバンの爺が来ると、あの人の長話に付き合わされるから早く退散したいんだがな」

 

 

 

仮面の男はぼりぼりと頭を掻きながら、仮面で表情は見えないが困った表情をしているのだろう。

 

 

そんな男の目の前に白い物体がひらひらと蝶のように舞いながら降りてきた。

 

 

 

「―――――――あ?なんだこれ。・・・・・手紙?」

 

 

 

男が手に取った白い物体はどうやら手紙だったようだ。ご丁寧に「神妻 衛」と自身の名前が書いてあった。

 

 

 

「なんで手紙がこんな所に振ってくるというかなんというか・・・・、他のカンピオーネの仕業か?」

 

 

 

男は手紙をこのまま燃やしてしまおうか悩む。カンピオーネの中でも飛び切り異質な存在である自身に来る手紙なんぞたかが知れている。

大体の場合が何かしらの術が掛かっているか、中から神が登場なんてことも前あった。

しかしこの手紙は不思議と中を見てみたくなった。

これはもう既に術に掛かってしまったのかという考えすら頭に浮かぶ前に男は手紙を読んでいた。

 

 

 

 

『悩み多し異才を持つ少年少女に告げる。その才能(ギフト)を試すことを望むのならば 己の家族を 友人 財産を 世界の全てを捨て 我らの箱庭に来られたし』

 

 

 

 

と書かれてあった。

 

 

 

 

「えっ(困惑)別に家族を捨ててまで”箱庭”とかいうところに行きたいわけじゃないんですけど・・・・」

 

 

 

 

だが時既に遅し。衛の体は上空四千㍍というイカれた高さの場所に投げ出されていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「キュベレと契約(意味深)していて良かった・・・・。これでなんとかあいつを呼び出・・・せ・・・・る。あれ?なんか契約の印が掠れて・・・・・掠れるゥゥゥゥゥゥッッッッッ!?!?!?!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神妻 衛   24歳

 

 

彼の受難はまだ始まったばかりだ。主にカンピオーネとしてではなく、人外として。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




とりあえず評価をするのであれば、なにか改善すればいい点やら、良かった点などを挙げてくだされば次に繋げれると思うので、何卒よろしくお願いします。
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