問題児と大地母神の夫が異世界から来るそうですよ?   作:らんらんタワー

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第四話

 

 

 

 

森から出て箱庭に移動中・・・・・

 

 

 

「衛様、私あなた様のギフトについて何も聞いていなかったのですが、どのようなギフトを持っていらっしゃるのですか?」

 

「唐突になんだ?正直俺もギフトについては何も把握してないんだ。権能がギフトに部類されるのかどうかも分からんし」

 

衛はこの世界でエンリル神の権能を使うことができたので、権能自体に問題はないとしてそれがギフトになっているのかどうかが分かれば戦闘については無問題だと思っていた。

それに加え、もし大地母神の加護がギフトに含まれていて、なおかつ其れが自身の保有するギフトにあれば彼女の召喚は問題なく行えると言うことになる。

 

「そうなのですか・・・、でもギフトの中には私を含めておきたいですね」

 

「・・・ゑ?」

 

「ということでギフトゲームしましょう!衛様の”魔王”としての実力も知りたいので」

 

衛の意見を聞かずに話をとんとん拍子で進めるサラトガは一枚の”黒い”羊皮紙――――――契約書類(ギアスロール)を取り出し、

 

 

『ギフトゲーム名 犬の怪の追跡

 

・プレイヤー 一覧 神妻衛

 

         サラトガ

 

・主催者側 ゲームマスター サラトガ

 

・プレイヤー側 ゲームマスター 神妻衛

 

・ホストマスター側 勝利条件 制限時間内に神妻衛から逃げ切る

 

・プレイヤー側 勝利条件 制限時間内にサラトガを捕縛

 

 

宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗とホストマスターの名の下、ギフトゲームを開催します。

 

 

”底無し穴の魔王”印』

 

 

 

こう記されている物をサラトガは衛に見せた。

 

「・・・・サラトガって魔王だったのか」

 

「はい♪でも今は無所属ですから同じ”魔王”である衛様に隷属しちゃおうかなって」

 

「俺も魔王・・・か。確かに元の世界では魔王とも呼ばれていたが、別な世界まで来ても魔王なのか」

 

「元の世界での立場云々は関連してるかもしれませんが、この世界では保有しているギフト及びその力によって左右されることもあると聞いた事があるので・・・」

 

「仕方がないとも取れるか、まあいい。それよりもギフトゲームを始めないのか?」

 

「ええ、勿論始めますよ。それとこのゲームでは私の捕縛なので縄が用意されてます」

 

「あっ、でも安心してください。私は本来の犬の姿で逃げますから、どっちかっていうと犬にリードを付ける様なものだと思ってやってください」

 

「ああ分かった。手段についてはサラトガを気絶させてからとかもありなのか?」

 

「そういえば衛様はギフトゲームが初めてでいらっしゃいましたね。答えはYESです。手段云々については記してないので」

 

サラトガはそう言い終えると、その場でジャンプし空中で一回転すると、あのとき助けた真っ黒な体毛の犬に変わっていた。

ただ違う点は、先ほどより身体がかなり大きくなっており、更に首が”一本”から”三本”に増えていたところか。

 

「やっぱりケルベロスか、底無し穴の魔王と言う時点で想定はしていたが実際に見るとのでは違うな」

 

衛は底無し穴の魔王でケルベロスを想定していたと言うが、それはケルベロスの名に関係している。

まずケルベロスの名は「底無し穴の霊」を意味しており、テュポーンとエキドナの息子とされ冥府の入り口を守護する番犬である。

文献によっては、首が五十本あるとか、青銅の声で吠える恐ろしい犬だとか、竜の尾と蛇のたてがみを持つ巨大な犬とも言われる。

話を戻すが、底無し穴とはおそらくタルタロスを意味していると思われ、タルタロスは冥界より更に下方にあるとされ、冥府または地獄である場所の番犬をしているもの、すなわち霊としての存在からケルベロスと呼ばれるようになったとも推測できる。

しかしケルベロス本体ではなく分霊としているとも考えることが出来るが、今の彼女から感じれる雰囲気は元の世界でまつろわぬ神のハデスと初めて交戦した際に引き連れていたケルベロスと同等のものが感じられ、分霊では引き出せない力の”壁”を作り出していた。

無論、衛はこの世界に来る前にハデスを打倒しており、元から神を殺害して権能を簒奪していることも合わさってこの力の壁は難なく突破し、彼女に触れることができるのだが死に掛けていた彼女を助けただけでここまで懐いたなんて事は理解できなかった。

 

『さあ衛様、私を捕まえてみてください』

 

凛とした彼女の声の面影はなく、どす黒い地の底から響いてくるような声で衛に話しかける。

彼女は衛に話しかけているようだが既に走り始めれる状態だと思われる。だが彼女がいくら早かろうが天空神の権能を使用できる衛の前には遅く感じれるだろう。

今更感がするが、衛が殺害した神は全部で四神。

 

アシャ・ワヒシュタ この神を殺害し、衛は神殺しとなった。

エンリル神  大地母神であるキュベレの加護を受け、苦戦したものの勝利。

ゼウス  キュベレを口説いた事により、衛がブチ切れてクレタ島が半分沈みかけるほどの戦闘を行い勝利。

ハデス  今まで出会った神の中でも上位に位置するほどの実力の持ち主で、三度に渡る戦闘を繰り広げるものの、最後はバイデントを攻略し勝利。

 

以上となる。

これだけの権能を同時使用できなくとも使用することができるのであれば、難なくこのゲームに勝てるだろう。

 

しかし忘れてはいけないのがこれはケルベロスが主催者のゲームということ。

彼女なりに何かしらの対策はしてあるだろうし、衛もまた天空神ゼウスの権能を使用し雷と同じ速度になりすぐに彼女を捕まえれるなどとは思っていない。

今までのまつろわぬ神との戦いは力も重要であったが、真に重要なものは戦略であった。

確かに彼はプロメテウスのようなザ・チートの存在とは戦っていないが、ハデスのように万物全てのモノに死を平等に与えるような槍を使ってくる相手とも渡り合えているのは戦略または知略を駆使したからだ。

 

「さて、どんな対策がしてあるかは分からんがまずは馬鹿正直に行ってみようか」

 

衛はケルベロスが駆け出した瞬間に動き出す。

 

「天を支え、地を創造する者よ。その雷霆は大いなる神の威光と成らん」

 

衛の口から聖句が吐き出され、次の瞬間風の如き速さで駆けていたケルベロスに光速で伝わる雷のような速度で肉薄する。

 

『!?はやっ、でーも簡単には負けれませんよ』

 

三本の首の内、一本がこちらを向いて驚いたような表情になるが、まだ余裕があるような口調で話しかけ、衛を近づかせぬために行動する。

逆に衛も光速での移動で近寄ったケルベロスの意識を刈り取らんと攻撃を開始する。

 

「我は風なり、人を滅せし旱魃と風災は汝を攻むる刃となる!」

 

『冥府に導かれし霊魂よ、我に仇名す敵を防ぎたまえ!!』

 

衛がエンリル神より簒奪せし権能で風を起す。旱魃とは農作物に必要な水が乾ききること、風災と刃、すなわち鎌鼬を起こし更にその鎌鼬は旱魃という水分不足を加えて、大気中に含まれる水素原子をも切断する恐ろしいものとなる。

なのでこの刃に斬られれば、外傷的な傷は愚か有機化合物としてある生物の肉体を貫通して切った場所をすべて分解してしまうだろう。

無論、ケルベロスもそう易々とやられるわけには行かない。というよりもこの刃はいくら生物として最高ランクとしても申し分ないケルベロスさえも苦しめるものなのだから、なんとしてでも防がなくてはならない。

衛の聖句の後にケルベロスが防御に使った権能により、黒い靄が掛かった塊が飛んできた鎌鼬を全て防ぎきり、靄が晴れた後にはケルベロスは衛とは反対方向に向きを変えて走っていた。

 

「ほう、通常時の速度ではこちらが攻撃を行った際に引き離しやすくなる。正面から挑むのはかなり分が悪いな」

 

衛は関心したようにするも、また聖句を唱え雷となりケルベロスに再度接近する。

対するケルベロスも引き離したもののすぐに来ることを見据えていたようで一本の首はこちらを向いていた。

 

「我は不浄を正す義者、正義を貫く大神なり。虚偽を征し、聖なる焔の守護り手として智恵ある神に従わん」

 

火の守護神の権能は、冥府の王を燃やし尽くした時と同様眩いほどの光を放ち、ケルベロスを包み込もうとする。

ケルベロスとしては叙事詩で、ヘラクレスによって地上に引きずり出された際に太陽の光を浴び、狂乱して涎を垂らしたとされているが、いくら箱庭にいて太陽の光が平気になったとしても今ケルベロスを襲っている太陽の光と同等もしくはそれ以上の光はケルベロスにとって恐るべきもので、ケルベロスはその場で驚き立ち止まってしまい咄嗟に霊魂の権能で自身の身を包んだがそれは悪手であった。

ケルベロスの体は権能で守ることはできたが、肝心の聖句を唱えた衛がいないことに気付いたケルベロスは三つある頭をフル稼働し、思考しながらその場で周りを見渡した。

しかし衛の姿を見つけることはできず、また駆け出そうとする。

 

すると・・・・、

 

「あの靄って何でもガードできると思ったけど物理的なものはガードできないんだな。だとしても何で鎌鼬はガードできたんだ?風として認識されていたからなのか?」

 

ケルベロスの背から聞き覚えのある男の声が聞こえてきた。

彼女はハッとなり、急いで体を震わして衛を背中から落すが時既に遅し。

片手にリードのような紐を掴んでいる衛が頭から地面に叩きつけられていた。

 

『ハッ!?衛様!!」

 

彼女は急いで体を人型にし、首から上が地面にめり込んでいた衛に走りよる。

 

「衛様!今すぐにそこから抜くので、動かないでください」

 

ケルベロスはめり込んでいる衛の足をむんずと掴んで、地獄の番犬に恥じない力で引き抜いた。

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

「――――――――抜いてくれたのはよかったけど、下半身と上半身がお別れになりそうだった・・・・」

 

「あ、あわわわわわっ。私としては最善の方法だったと思うのですが衛様がよろしくなかったのであれば謝罪させていただきます」

 

「いや、大丈夫だ。ヘルメットがこの程度のことに耐えれなかったのも改善しなきゃいけない点で見つかったし、結果オーライってところかな」

 

そうケルベロスが地面から引き抜いた際に衛の被っていたヘルメットだけが地面に残り、衛がヘルメットを地面から掘り出して着用したら、中の電子機器類が全てイカレテいたことが発覚したのだ。

何故ぶっ壊れたのかというと、ケルベロスから振り落とされた際に頭部から地面に落着したことによって起きた衝撃で狂ったと言うところだろう。

 

「しかし、ヘルメットを取った後の衛様のお顔もダンディーですね。ヘルメットを取る前も十分ダンディーな感じが出ていたのですが、こちらも中々///」

 

「褒めても何も出ないぞ。それに俺の顔は結構平凡なほうだと思ったんだがな・・・」

 

お前はまず平凡と言う文字を辞書で引いて来いとしか言えない。

どこの世界にそこまで整った顔を平凡と言う奴がいるか。間違いなく他から見ればイケメンの類であろう衛の顔は、左目にまつろわぬ神との戦闘でできたのか分からないが深い切り傷があり髭も薄いながらも生えていて、確かにダンディーな感じがする。

本当にお前は二十代かと言いたくなる。

 

「まっ、何はともあれこのギフトゲームの勝者は俺だな。証拠はこの光っている”黒い”羊皮紙だな」

 

「はい、このゲーム私の負けですね。これで私は衛様に隷属した”元”魔王ですね」

 

「はぁ・・・、やっぱり隷属だけは変えれないんだな」

 

 

助けた犬に連れられて森を出た衛は、突然助けた犬であるサラトガに仕掛けられたギフトゲームに勝利し、魔王であった彼女を隷属させた。

箱庭に着たばかりの人物としては上々な出来だが、衛としてはこのことについては負担が増えたことと同意義であった。

理由としてはキュベレが女性関連に厳しいので、女性をましてや端から見れば女子高生くらいの女性を魔王と言えども隷属させてしまったのだから、彼女が怒ること間違い無しなのだ。

 

神妻衛。彼の受難(主に女性関連)はこれから酷さを増していくことになる・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




以上オリジナル要素が結構入ってた回でした(´・ω・`)
えっ?戦闘描写っぽいところに不満アリっすか?
勘弁してください(切実)これ以上は私の文章力では筆舌に尽くし難い。





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