『言霊使いと幻想郷』   作:零戦

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超が付く程、此方ではお久しぶりです。
一応、活報にも記載していましたが、『言霊使いと幻想郷』のリメイク予定の流れで投稿しました。
ただ、まだ展開をどうするかは煮詰まっていないのでネタが浮かび次第、投下していく予定です。


秘封倶楽部編
リメイク予定 プロローグ 秘封倶楽部との出会い前編


 

 

 

 

 

 

 小さい頃、誰かに助けられた。

 

 

 

 

 

 そんな記憶はあるが誰に何で助けられたのかは覚えていない。今は亡き両親も幼い頃、一時的に行方不明になったが無事に見つかったとまでしか言われていない。

 ただ、分かっているのは誰かに助けられた。そしてその後に変な力が出てくるようになった。

 それに気づいたのは夏の日、たまたま外に出て暑いなと青年が思っている時だった。

 

「暑いな……冷たい『牛乳』があればなぁ」

 

 舌を出しながら牛乳と呟くとパチッと音がして舌の周囲が静電気みたいに光ると次の瞬間、右手にコップに注がれた冷たい牛乳を持っていたのである。

 

「……何これ……?」

 

 あまりの事態に少年は取り敢えず牛乳を飲みながらも何とか冷静になり、自身が持つ事になった不思議な能力を調べていくのである。

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ……今日もバイトは終わったか……」

 

 あれから時が経ち、少年は青年となり青年は学生という身分になっていた。その日は夜遅くのバイト上がりであり自転車に乗って自身のアパートに帰る最中だった。

 戻る最中、青年は古びた神社の前を通る。いつの頃なのかは分からない神社であり誰も管理はしていない神社で廃神社だとは思うが、青年はにとってはどうでもよかった。

 通ろうとした時、廃神社の奥から何か音がした。地面が揺れたのだ。

 

「……地震……?」

 

 首を傾げ自転車を止める。また、ズシンと地面が揺れる。地震だったら危ないので自転車から降りた時、廃神社の奥から人影が出てきた。

 

「どいてどいてどいてーーー!!」

「うわッ!?」

 

 最初に出てきたのは白いリボンで巻かれた黒い帽子を被り、ブラウンの髪、白いシャツと黒のロングスカートといった白と黒を基調とした服装をした女の子であった。

 

「ごめんなさい、通ります!!」

 

 次いで出てきたのは肩、或いはそれ以上に長い金の髪でありリボンやベルトのついた膝丈まで覆うロングスカートでの薄紫色の服装をした女の子だった。二人は手を繋ぎながらあっという間に走っていく。

 それを追うように廃神社の奥から大きな土の人形のような異型が追いかけていった。

 

「……何だありゃ……」

 

 そう呟くも青年は自転車を漕いで後を追い掛けたのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっば、追いつかれちゃったわね」

「ど、どうするのよ蓮子……」

 

 人目があったので再び廃神社の山の中に逃げた女の子二人だったが五体の土人形のような異型に追い込まれたのである。

 

(……メリーだけは何としても逃さないと……)

 

 黒い帽子を被る女の子はそう思う。自身の不始末とは言え、もう片方の女の子の危険を味あわせているのだ。それは自身——宇佐見蓮子としては容認出来ない事である。

 

「ッ」

 

 そして土人形が動いた瞬間、蓮子は片方の女の子——マエリベリー・ハーン(通称メリー)を抱き締めたのである。少しでもメリーへの痛みを抑えるために……だが……。

 

「………?」

 

 一向に来ない痛みに目を開けると、目の前には先程すれ違った青年がいたのである。しかも右手で蓮子を殴ろうとしていた土人形を抑えていたのだ。

 

「ったくよぅ。早く帰ってメシ食って寝る予定だったのに……めんどくさい事だなこれ」

「ちょ、アンタッ」

「いよっと!!」

 

 青年はブンと土人形を投げる。土人形はクルクルと回転して着地をする。それに伴い他の土人形は一斉に青年に襲い掛かる。

 

「危ないッ!!」

 

 襲い掛かろうとする土人形達に蓮子は叫ぶ。どう見ても青年のが不利だった。しかし、青年は舌を出した。そして舌がパチパチッと火花を散った瞬間、青年は言葉を発した。

 

「『凍』(とう)」

 

 あっという間だった。あっという間に周囲は氷漬けとなりそれは土人形達も例外ではなかった。土人形達は氷漬けにされ動けなかったのだ。

 

「ふぅ~。やっぱ包囲が広い技を限定的にするのはしんどいな……」

「えっ……何これ……つーか寒ッ!!」

「何これ……」

 

 青年の後ろにいた蓮子とメリーはあっという間の出来事に目を見開くばかりである。

 

「取り敢えずは君等も大丈夫だな?」

「え、えぇ。ありがとうございます」

「ありがとうございます。ですがこれは一体……」

 

 状況が上手く読み込めていない蓮子とメリーは取り敢えずは青年に感謝の言葉を述べるが、疑問しか出てこない。

 

「まぁまぁ、そんな事より此処を離れようや。そろそろ奴等も限界ぽいからな」

「限界……?」

「あっ」

 

 先程、凍らせた筈の土人形の二体が纏わりついた氷を落とし、ゆっくりと近づこうとしていた。だがそれを制したのは青年だった。

 

「『圧』(あつ)」

 

 その瞬間、近づこうとした二体は元より氷漬けにされていた残り三体の土人形は圧縮されバキバキッと砕け散ったのである。

 

「す、凄……」

「も、もしかして貴方も……?」

「よく分からんけど、この力は昔から使えるかな」

 

 そう言って完全に土になった土人形達を確認しつつ青年は蓮子とメリーに視線を向ける。

 

「俺はこれを『言葉を具現化する程度の能力』と称している。所謂『言霊』なんだよなこれが」

「言霊……」

「成る程。そういう原理なのね」

「さて、取り敢えずは此処を去ろうか。また別の物が来るか分からないしな」

 

 取り敢えずはその場を離れる三人である。その道中、青年は二人に自己紹介をする。

 

「俺は近藤将樹、しがない大学1年生だよ」

 

 青年——将樹はそう言って二人に笑みを浮かべるのであった。

 

 

 

 

 

 




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