彼女に良く似た、でも全然違う君と。
姉さんと同じで、やっぱり違う私。
一筋の閃光となって空を駆ける。
私に手を差し伸べてくれた彼女のように、君の手を捕まえて、引き寄せるために。
こちらを狙う誘導弾。
八発。
それぞれが複雑な軌道を描き、絶妙にタイミングをずらして飛来する。
瞬時に判断。
加速し、僅かな空間に飛び込む。
ギリギリで回避。
愛機からの警告。
咄嗟にダイブ。
刹那、先程まで自分がいた空間を、砲撃が貫く。
直撃されれば、確実に墜とされる。
降下で得た速度を殺さず、更に加速し、反転してきた誘導弾を振り切る。
撃ち合いでは勝ち目は無い。
スフィア形成。
「ファイア!」
雷槍を発射、四発。
高速で放たれたそれらは狙い違わず目標を穿つ、寸前にシールドに阻まれ爆散。瞬時に最大加速。
爆煙に紛れ、背後を取る。完全な死角。
戦斧の刃が九十度起き上がり、金色の刃を展開。
サイズ・フォームのバルディッシュを振りかぶる。
背筋に走る、ぞわりとした感覚。
反射的に身を捻り、爆煙を貫いた砲撃を躱す。
更に追撃、誘導弾四発。
全速離脱。
追い縋る誘導弾を躱し、切り裂く。
再び開いた間合い。
ランサーセット。
こちらのそれと同数のスフィアを展開した君を見据える。
一瞬の静寂。
発射はほぼ同時。
爆散した魔力弾が撒き散らす魔力残滓と爆散の中を再び駆ける。
君の手を取るために。
幾度と無く撃ち合い、躱し、防がれ、切り結び、それでもまだ決着は付いていない。
息が上がり、魔力が心許なくなって来た頃。
「強い・・・」
静かな、よく通る声。
「素晴らしい戦闘機動です。」
彼女と同じ声で、彼女とは違う言葉で君は言う。
「君も、凄く強いよ。」
砲撃と射撃を組み合わせた彼女に似た、でも彼女とは違う戦術。
「貴女との闘いは心踊ります。」
ですが、と続ける君は無表情だけど少しだけ残念そうで。
「そろそろ限界です。次で、決着にしましょう。」
そう言いながら杖を砲撃形態に換装する君に。
「絶対に負けないよ。」
そう告げて、金色に輝く大剣となったバルディッシュを構える。
「集え赤星、全てを焼き消す焔となれ」
「撃ち抜け、雷神」
チャージ開始。
装填されたカートリッジを全てロード。
膨大な魔力が術式に充填されていく。
「ルシフェリオン・ブレイカー!!」
「ジェット・ザンバー!!」
二筋の極光が放たれ、ぶつかり合う。
凄まじい反動を受けながら、それでも尚魔力を込める。
一瞬の拮抗の後。
金色の斬撃が桜色の閃光を切り裂いた。
残り僅かな魔力を振り絞り、加速する。
爆煙の中から落下していく君の手を取り、抱き抱える。
「敗れましたか・・・」
少し悲しげに、でも何処か晴れ晴れとした声。
魔力を使い果たし、少しづつ光の粒子となって消えて行く身体。
彼女と同じ顔で、彼女と違う表情。
彼女と同じ色で、彼女より短い髪。
限り無く彼女と同じで彼女と違う存在。
私と、姉さんと同じように。
何か言いたくて、言葉に出来なくて。
そっと延ばされた手で頬を撫でられる。
「そんな顔、しないで下さい。貴女は勝者なのですよ?」
「でもっ君がっ」
こうなる事は判っていた。でも、もっと話したかった。
分かり合いたかった。
「貴女は優しいのですね。・・・貴女と闘えてよかった。」
優しい微笑みを浮かべて。朝焼けに照らされながら。私の腕の中で。
星の光を持つ少女は、消えて行った。
如何でしたでしょうか?
今さらBAOです。
なのポ2作は可能性の塊でしたね。
また短編を書くかも知れません。
ご意見等あれば是非感想に書き込みお願いします。