真冬の夜空で君と出会った。
彼女に良く似た、でも全然違う君と。
姉さんと同じで、やっぱり違う私。


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君と私

一筋の閃光となって空を駆ける。

私に手を差し伸べてくれた彼女のように、君の手を捕まえて、引き寄せるために。

こちらを狙う誘導弾。

八発。

それぞれが複雑な軌道を描き、絶妙にタイミングをずらして飛来する。

瞬時に判断。

加速し、僅かな空間に飛び込む。

ギリギリで回避。

愛機からの警告。

咄嗟にダイブ。

刹那、先程まで自分がいた空間を、砲撃が貫く。

直撃されれば、確実に墜とされる。

降下で得た速度を殺さず、更に加速し、反転してきた誘導弾を振り切る。

撃ち合いでは勝ち目は無い。

スフィア形成。

「ファイア!」

雷槍を発射、四発。

高速で放たれたそれらは狙い違わず目標を穿つ、寸前にシールドに阻まれ爆散。瞬時に最大加速。

爆煙に紛れ、背後を取る。完全な死角。

戦斧の刃が九十度起き上がり、金色の刃を展開。

サイズ・フォームのバルディッシュを振りかぶる。

背筋に走る、ぞわりとした感覚。

反射的に身を捻り、爆煙を貫いた砲撃を躱す。

更に追撃、誘導弾四発。

全速離脱。

追い縋る誘導弾を躱し、切り裂く。

再び開いた間合い。

ランサーセット。

こちらのそれと同数のスフィアを展開した君を見据える。

一瞬の静寂。

発射はほぼ同時。

爆散した魔力弾が撒き散らす魔力残滓と爆散の中を再び駆ける。

君の手を取るために。

幾度と無く撃ち合い、躱し、防がれ、切り結び、それでもまだ決着は付いていない。

息が上がり、魔力が心許なくなって来た頃。

「強い・・・」

静かな、よく通る声。

「素晴らしい戦闘機動です。」

彼女と同じ声で、彼女とは違う言葉で君は言う。

「君も、凄く強いよ。」

砲撃と射撃を組み合わせた彼女に似た、でも彼女とは違う戦術。

「貴女との闘いは心踊ります。」

ですが、と続ける君は無表情だけど少しだけ残念そうで。

「そろそろ限界です。次で、決着にしましょう。」

そう言いながら杖を砲撃形態に換装する君に。

「絶対に負けないよ。」

そう告げて、金色に輝く大剣となったバルディッシュを構える。

「集え赤星、全てを焼き消す焔となれ」

「撃ち抜け、雷神」

チャージ開始。

装填されたカートリッジを全てロード。

膨大な魔力が術式に充填されていく。

「ルシフェリオン・ブレイカー!!」

「ジェット・ザンバー!!」

二筋の極光が放たれ、ぶつかり合う。

凄まじい反動を受けながら、それでも尚魔力を込める。

一瞬の拮抗の後。

金色の斬撃が桜色の閃光を切り裂いた。

残り僅かな魔力を振り絞り、加速する。

爆煙の中から落下していく君の手を取り、抱き抱える。

「敗れましたか・・・」

少し悲しげに、でも何処か晴れ晴れとした声。

魔力を使い果たし、少しづつ光の粒子となって消えて行く身体。

彼女と同じ顔で、彼女と違う表情。

彼女と同じ色で、彼女より短い髪。

限り無く彼女と同じで彼女と違う存在。

私と、姉さんと同じように。

何か言いたくて、言葉に出来なくて。

そっと延ばされた手で頬を撫でられる。

「そんな顔、しないで下さい。貴女は勝者なのですよ?」

「でもっ君がっ」

こうなる事は判っていた。でも、もっと話したかった。

分かり合いたかった。

「貴女は優しいのですね。・・・貴女と闘えてよかった。」

優しい微笑みを浮かべて。朝焼けに照らされながら。私の腕の中で。

星の光を持つ少女は、消えて行った。




如何でしたでしょうか?
今さらBAOです。
なのポ2作は可能性の塊でしたね。
また短編を書くかも知れません。
ご意見等あれば是非感想に書き込みお願いします。

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