魔法科高校の比企谷君 再投稿   作:sazanamin

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どぞー


やはり魔法科の生徒会長はどこか抜けている

部活勧誘の次の週の月曜日

それは放課後帰ろうとした時のことだった。

 

「比企谷く~ん、ちょっといいですかー?」

 

教室の入り口にロリkk…中条先輩が立ってこっちを見ていた。

一斉にこっちの方を向くクラスメイトの目にいたたまれない感じがしながらとりあえず鞄を持って教室を出た。

 

「どうしたんですか中条先輩…」

 

「このあとちょっと生徒会室まで来てください、いろいろお話があるそうです~」

 

ただでさえ教室で変な注目浴びて精神がすり減っているのに、これ以上精神を擦り減らせろと…

ボッチは視線になれてないんですよ…

 

「比企谷さんまた呼び出し?」

 

「生徒会役員さんの次に生徒会室に言ってるかもしれませんね」

 

光井と北山が教室から出てきてた。

これから帰るのか、それとも早速部活に行くのか…まぁどっちでもいいか

 

「おいおい、俺が問題児みたいな発言はやめてくれ、品行方正なエリートボッチだぞ?俺は」

 

「品行方正な人はそんな目をしてないよ?」

 

北山は無自覚で人を貶すことをやめた方がいいと思う…

光井だって苦笑いしてるじゃあないか

というか目は関係ないだろ、目は!

 

「あのー皆さん待っているのでいいでしょうか…?」

 

申し訳なさそうに中条先輩

 

「…はい、行きましょうか…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目の前にはこの学園の3台巨頭が雁首そろえて座っていた。

頭が首をそろえるってなんか変な感じしない?俺だけ…?

 

「生徒会としてはこの問題を懲罰委員会に持ち込む気はありません」

 

問題とは俺が北山たちを探しに行ってるときに遭遇した剣術部の魔法不正使用に関することだ。

 

「風紀委員としても同じ意見だ、どうだ?十文字」

 

そうして渡辺先輩は一番左に座っている男に目線を向ける。

十文字克人…十師族の1つである十文字家の跡取りでありすべての部活動をまとめ上げる部活連のトップ、会頭をしている男だ。

上背も横幅も大きく、かといって脂肪が全くない、まるで筋肉が鎧のようになっている。

本人には絶対に言うことはないだろうが筋肉だるまという言葉が一番しっくりくるだろう。

 

「寛大な決定に感謝する、殺傷性の高い魔法を使ったんだ、本来停学でもやむを得ない。それは本人も解っていると思う。今回のことを教訓とするよう、良く言い聞かせておこう」

 

「今思ったのだけれど、剣道部はそれで納得するのかしら?」

 

「喧嘩を買った時点で同罪だ」

 

肩をすくめながら渡辺先輩は言う。

喧嘩両成敗という奴だろう。

 

「最後にもう一度確認しておきたい。魔法を使用したのは桐原だけか?」

 

へ…?どういうことだ?

俺は相手の魔法発動をキャンセルさせたわけだからあいつも俺も魔法を発動していたよな…?

 

「そうです」

 

こいつすげーな、臆面もなく嘘をつきやがった…

 

「そうか、ご苦労だった、では比企谷お前の件に入ろう」

 

うへ、ついに来た…っていうか俺が何をしたんだ??

 

「比企谷、お前は剣術部を取り押さえるのに協力をしたんだったな」

 

「は、はい…」

 

十文字先輩に言われ萎縮して思わずうなずいてしまう。

あの件は司波に巻き込まれただけなんだが…

 

「校内での魔法使用は原則禁じられているというのは知っているよな?あの場には司波が居たのだ、そこに無理矢理入って魔法を使用し止めることは風紀委員でもないお前のやることではないよな?」

 

にやにやと嫌な笑みを浮かべながら渡辺先輩は聞いてくる

 

「え、ええっと…」

 

「どうだ、比企谷、名前だけでも風紀委員か生徒会に入らないか?そうすれば今回のような件で自由に手出しをすることができるぞ…?」

 

どうしてこのようなことになっているのだろうか…?

ちらりと司波を見てみると申し訳なさそうな苦笑いがそこにはあった。

もしかして今回の件を聞いた渡辺先輩が俺を引き込もうとこのような話になったのだろうか…?

だとしたら…だとしなくても俺の言うべきことは決まった。

 

「ええっと、俺はたまたま通って司波に声をかけられただけです、そしたら剣術部の先輩が俺を司波の仲間と勘違いして襲ってきたので逃げただけですよ?」

 

「おかしいな…?見ていたものの話だと1人を無力化したということだったが…」

 

そんなことまで聞いているのかよ…

 

「いえ、魔法を発動しようとしていましたが、規則を思い出したのでしょう、ぎりぎりで発動をとどまったのでそのまま逃げただけです。もしかしたらそれを勝手に俺が魔法を無力化したのだとカン違いしたのでは…?」

 

大丈夫、ミスはないはずだ。

 

「逃げるとき間違いなく生身の人間の動きを超えていたという証言もあるが…」

 

「あれ?前回の模擬戦で渡辺先輩は俺の動きを見てますよね?」

 

あの時魔法を使っていたわけだが肉体強化などの魔法は結局使っているのが分からないのでなんとでもなる。

 

そうして渡辺先輩は三秒ほど腕を組み考える。

 

「っち、食えないやつだな…」

 

よかった諦めてくれたようだ…

というかどうして俺をそこまで風紀委員や生徒会に入れたいのだろうか?

やはり魔法力の高さから放置しておくには不安があるということなのか。

 

「まぁいい、じゃあ今回はここまでにして解散としようか…」

 

今回は…って

まるで次回があるかのような言い方だなぁ(白目

 

みんなが席を立とうとしたとき今までしゃべっていなかった会長が口を開いた。

 

「比企谷君、この後ちょっと時間あるかしら…?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「比企谷君、この後時間あるかしら…?」

 

私は彼に弁解するチャンスはここしかないと思い、思い切って話を切り出した。

彼はいつものようビクっと背筋を伸ばし時計を一瞥する。

 

「あまり時間がないので話があるならこの場で話してもらえるとありがたいです」

 

彼はそう言った。

もしかしていまだにペナルティーのことを気にしていて、摩利や十文字君が居れば無茶なことは言うことがないだろうと考えているのだろうか…。

 

「え、ええっと…」

 

まずい、謝らなければいけないのにみんなの前で謝るのは何か気恥ずかしいものが…

でもだからと言ってこのままだと比企谷君は帰っちゃうだろうし…

 

「あ~なにもないようでしたら時間がないので俺は帰りまs「待って!!」え、あ、はい…」

 

落ち着きなさい真由美、深呼吸して、意を決して言うのよ!

 

「比企谷君!」

 

「は、はい!」

 

「本当にごめんなさい!」

 

「いえいえ、こちらこs…ってへ?ごめんなさい?えっと…何のことですか?」

 

ごまかしてる…やっぱり謝っただけじゃあ許してくれないってことかしら…

しっかりと自分の口で何をやらかしたのかを確認させる…それは私が本気で怒った時と全く同じ反応だ。

 

「本当に申し訳ないことをしました…比企谷君が放課後残れないということを知りながらペナルティーを課すなんて言って…権力の乱用ととらえられても仕方ありません…」

 

「あ、あの事ですか、じb「私はこれでも生徒会長としての自覚をもっていろいろ行動してきたつもりでしたが、まだその自覚が足りなかったみたいです…確かに魔法科高校の生徒会、それも会長である私には権力がありますが、同時に責任もあります。それを自分の事情でしかも新入生に振りかざして、怖がらせてしまいました」あ、あのですね…」

 

「本当に申し訳ありません…」

 

私は真剣に頭を下げる。

いろんな本や物語でトップはやすやすと他人に頭を下げてはいけない、と目にするがそうは思わない。

上に立つものは下に立つ者の見本でなければならない。

だとするならばやはり間違えを起こしたのならば立場に関係なくしっかりと謝罪するべきだろう。

それがたとえ許してもらえなくとも…

この間摩利、十文字君、司波君は空気を呼んでいるのか何も発していない。

私を含めて比企谷君の発言を全員が待っている状態だ。

 

「あ、あの、そもそも俺はもう忘れていたことですし、許すも許さないもなくてですね…」

 

この瞬間私はぞっとした。

先ほどと同じだ、この反応は怒った時の私と一緒なのだ。

相手には怒ってない!何のこと?と言って話を打ち切る。

自分で面倒くさい性格だとは思うのだが、それでも頭に血が上るとどうしてもこうなってしまう。

だが、ぞっとしたのは1瞬で、比企谷君の反応には何か違和感を感じた。

話を打ち切りたいときは基本的に突き放すように言うべきだ。

しかし比企谷君の言葉にはそれが一切なく、焦りのようなものが見える。

 

「だから会長が気にするようなことは何もなくて…」

 

もしかして彼は本気で忘れていたのだろうか?

でもだとしたら最近彼が私を避けていた理由がわからない。

 

 

……そこで私は気づいた。気づいてしまった。

もしかして彼は自分がずっと恐れていたはずの私を庇ってくれているのではないか。

私がしてしまったことはお遊びの範疇であろうと間違うことない権力の乱用だ。

魔法科高校で権力が大きすぎる生徒会での権力乱用は懲罰委員会にかけられてもおかしくない大罪なのだ。

だがもしそうなのだとしたら、とても不器用なそしてとても暖かいやさしさだ。

 

そこまで考えが至ってあたふたしてる比企谷君をもう一度しっかりと正面から見る。

なんだかその焦りようがおかしくて…

 

「ありがと……」

 

私は彼に向かって一言笑いながらこぼす。

そうしてそのまま彼は「え、あんと…じゃ、では、失礼します」と言って生徒会室を出て行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「意外だったな、彼がこういう気の使い方をするなんて…」

 

事前に相談に乗ってもらって、事情を知っている摩利は感心するようにうなずいている。

彼女も私と同じ結論に至ったのだろうか?

 

「…うん」

 

「では、私も失礼します」

 

司波君も比企谷君に続いて出ていくその時に何か思案顔をしていたが、心なしか楽しそうに感じた。

 

「俺もこの後桐原のところに行かなければならないからな」

 

そう言い残して十文字君も生徒会室を出ると残されたのは私と摩利の二人…

 

「ねぇ摩利…」

 

ふと、少し前のことを思い出したので摩利に話してみよう。

 

「ん?どうした?」

 

楽しそうに笑いながら私の呼びかけに答える

 

「前にさ、比企谷君がお気に入りって話をして私否定したじゃあない?」

 

通学中に比企谷君や司波君たちを見かけた時の話だ。

 

「あぁそう言えばそんなこともあったな」

 

「私その話もう1度否定することにするわ」

 

「ん?って、は?」

 

摩利は驚いたような顔をする。

私がだれかを気に入るのはそんなに驚くようなことなのだろうか?

 

「弟っていたらあんな感じなのかしら…?」

 

「ついに真由美にも春g…お、弟?」

 

素っ頓狂な声を出す摩利。

いつも落ち着いているので割とレアだ。

 

「うん、ほら、私って兄と妹がいるじゃあない?でも弟っていたことないから…」

 

「………さて、校内の見回りでもして帰るか…」

 

「へ?ちょっと摩利、どうして無視するのー!!」

 

摩利も弟はいなかったはずだから気持ちを共感できると思ったのだが、なぜかそのまま出て行ってしまった。

何かおかしなことでも言ってしまったのだろうか…?

 

 

 

 

ちなみに相談をしていたのでこのことを生徒会の皆にもこの後ちゃんと報告はしておきました。




っていうわけで賛否がよくわかれるカン違い回でした~

原作と時間軸が少しずれていますがあまり気にしないでください~
特に深い考えとか全くないです。

(原作は剣術部の問題の対処は勧誘期間中でした。

低評価が怖くない!って言ったからね!
賛否が分かれるような話でも俺の好みでどんどん入れていこうって決めたよ!!

でも意見とかすごい欲しいので、ここの解釈無理があるだろ…
ってところあったら言ってください。
また検討して直せるようならば随時直していきたいと思います!

感想・意見 (ry


ではまた~ノシ

(どうでもいいけど気が付いたら4000字超えてました…

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