魔法科高校の比企谷君 再投稿   作:sazanamin
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やはり魔法科は生徒会役員も間違っている

あー、やっと午前が終わった。
 っていうかおかしくない?なんで入学初日からフルであんの?
 ……まぁいいや、とりあえずメシだメシ。
 とは言ったもののここで飯を食ってるとだれかが気を使って「一緒に飯食おうぜ―」とか言ってくるかもしれんからな。
 そうして「こいつつまんないな」というレッテルを貼られて俺も相手も嫌な思いをすることになるだけだ。
 何が言いたいかと言うと教室以外に行こうということだ。
 中学までは給食だったので仕方ないが高校では昼飯をどこで食おうが自由なんだ。
 

 そう考え俺は教室を後にした。
 
 ……今更気付いたんだけど俺ってまだ人と一度も会話してなくね?













 

 「ちょっといいかしら?」

 「……は、はい?」

 私、七草真由美はお昼を食べようと生徒会室に移動している途中に丁度会いたかった人物のうちの一人にあったので声をかけた。
 彼は周りを見回してだれもいないことを確認すると自分を指差してそう答えた。

 「そう、あなたよ、比企谷八幡君」

 目に見えて動揺する。
 何かしら、先輩が生意気な1年生を絞めに来たとか思われてる?
 私ってそんなことする人間に見えるのだろうか?
 ……ちょっとショック。

 「な、何か探していたの?」

 きょろきょろと挙動不審にしていたため質問をしてみた。

 「い、いえ、校内がどんな感じなのか見回っていただけです」

 入学当日からこのやる気は凄いわね……

 「その手に持っているのってお弁当よね、これから少し時間ある?」

 彼は一瞬凄く嫌そうな顔をしたが「は、はい」と言って素直に従ってくれた。
 何よ、この子は!ちょくちょく私の心に攻撃をしてくるわね……
 まぁ何よりも彼には言わなきゃいけないことがあるから仕方ないか。













 何この状況?
 なんでこの人は俺を昼食に誘ったの?
 俺のこと好きなの?
 ……いかん、いかん
 これは中学の時によくあったあれだ。
 だれにでも優しい奴に恋しちゃう奴、
 忘れるな比企谷八幡。
 お前にやさしい奴は誰にでも優しい、例外は小町だけだ!
 ……あ、ダメだ。
 小町も皆にやさしかった……
 俺だけにやさしくしてくれるのは俺自身だけか。

 「比企谷君の家は普通の一般家庭なのよね?」

 どこかに向かう途中、先輩(先輩だよな?)がそう、質問してきた。
 っていうかどこに向かってんだろ?
 怖い怖いお兄さんのいるところ?
 高い絵とか買わされるの?

 「は、はい。だからお金は全然持ってません」

 「お、お金?」

 先輩は素っ頓狂な声を出した。
 あ、あれ違うの?

 「私は家族に魔法師がいないかどうかを聞いたのよ、っともう到着したわ、ここが生徒会室よ」

 へ……?せいとかいしつ?
 生徒会室!?

 「せ、生徒会役員だったんですか……?」

 「あ、はは。これでも入学式では挨拶したんだけどなぁ~」
 
 俺が知らなかったことに対してショックを受けているようだ。

 「まぁいいわ、自己紹介も含めて中でしましょう。ついでに皆も紹介するわね」

 ……orz
 自己紹介またやるのかよ……
 こんなことになるなら素直に教室で食ってればよかった……















 「会長は何をしてるんでしょうか……」

 いつもは会長が来ていてもおかしくない時間なのにその姿が見えないなんて……
 私はお弁当を先に食べたい衝動に駆られながら必死に我慢します。
 だって会長ったら先に食べ始めているといじけるんですもん。
 いじけないでくださいって言っても「私いじけてないもん、あーちゃんが私のこといじけてるって思うってことは何か後ろめたいことでもあるんじゃないかしら?」とか言ってぶっちゃけ面倒です。
 それと比べたら空腹と闘うなんて朝飯前。
 ……まぁ昼食なんですが。

 「皆、遅れてごめんね~」

 とか言ってるうちに会長が到着したようです。

 「もう、私お腹減りましたよ、何してたんですか?」

 「ごめんなさいね、ちょっと面白い人見つけたから連れてきちゃった」

 はぁ、また面倒なことにならないと良いですが……
 
 「じゃーん、入試実技2位の比企谷八幡君です!」

 !?
 入試2位・・・・ってあの比企谷君ですか!

 「ど、どうも」

 「あの、初対面で悪いんですけど、CAD見せてもらえませんか!何なんですかあのCADは!全く見たことも無くて驚きましたよ~あと審査員の先生から聞いたんですが魔法の発動が解らなかったって言ってましたがあれってそのCADの特徴ですか!そうなんですか!?」

 彼が入試で使用したあのゲーム端末っぽいCAD
 あんなの見たことなかった。
 携帯端末に近いものはあるが、ゲーム端末に近いものとなるとどうしても重くなり、邪魔である。
 なんでそんなものを使っているのか?っていうかそもそもどこ製であるのか私は気になった。

 「え、あ、えっと……」

 「いや~会長が『これ見てどう思う?』っていって入試の記録映像見せてきたときはぶっちゃけめんどくさいな~なんて思っていたんですがいざ見てみる……
 「あーちゃんストップ、ストップ。比企谷君が固まってるわよ、っていうかあなたそんなこと思ってたの?なんかキャラ違くないかしら」

 「いやだって、非売品どころかどこにも情報がないCADですよ!」

 「あなたがCAD好きなのは知ってますが昼食でも食べながらゆっくり話しましょう」

 「そ、そうですね」

 会長超グッジョブです!
 彼を連れてくるなんて、これは遅れても仕方ありませんね。
 少しでも「先に昼ご飯食べちゃおうかな~」なんて考えていてすみませんでした。

















 何なんだこのちびっこは
 この人も生徒会役員?
 え!?ってことは少なくとも先輩?
 ……小町の方がまだ年上に見えるぞ

 「ごめんね比企谷君、あーちゃんはこう見えてマニアなの」

 そりゃ初対面でこんなに質問してくる人間がマニアじゃなかったらなんなのだろうか?
 俺のことが好き?
 ……そんなわけないか
 っていうかさっきから勘違いし過ぎだろ俺……
 一応新生活で浮かれてんのかな?

 「っていうかあーちゃん、他のみんなは?」

 「会長が見回りを命じたんですよね、入学式当日だから」

 「あら~そうだったかしら?」

 だいじょうぶか?この人

 「まぁいいわ、この人は中条梓。生徒会書記よ、通称あーちゃん」

 「そう呼ぶのは会長だけです」

 「えっと、比企谷八幡です……」
 
 よし、今度は「ひゃ」とか言わなかった。
 安心安心

 「まぁ細かい話はご飯を食べながら……あ、そこに座っていいわよ」

 「は、はぁ」
 
 で、会長の名前はなんなんだ?
 俺は紹介されてないぞ。

 「あ、あのそれでですね、できればCADを……」

 「は、はい」

 そう言って俺は中条先輩にCADを手渡した。
 
 「これはどこ製ですか?ふつうのCADとどこが違うんですか?」

 「えっと、俺に魔法の才能があると解った時になんかどっかの組織の人が渡してきて、俺はそのモニターをやってます、これはゲーム機と同じ形で魔法式をチップに記録させたもの入れるとその魔法が使えるってやつです」

 「それってCAD自体は調整しなくていいってことですか?」

 なんだこの人?
 今のでそんなことわかるとか頭いいな。

 「あーちゃん?どういうこと」

 「えっと、基本的にはCADに内蔵されている魔法式が使うたびに少しづつ狂っていくので定期的な調整が必要なんですよ……ですがこのCADは本体に魔法式がないためチップを使い捨てにすればメンテナンスが必要ないのではないかと……」

 「そんなCAD聞いたこともないけど……」

 「それはそうですよ、そのためのモニターなんですから、……って感じですか比企谷君?」

 そんなことまでわかんのかよ、俺は初めて聞いた時理解するのに20~30分かかったぞ。

 「だいたいその通りですが、チップを使い捨てる必要はないです」

 「え……?」

 「チップから直接魔法を発動させるんじゃなくて、魔法式を本体にコピーし発動、チップを抜くと自動的にその魔法式が本体から消去されるんで魔法式がバグることもありません」

 で、あってるよな?
 っていうかモニターのこと勝手に言っていいのかな?
 まぁ口止めしなかったあいつらが悪いってことで……
 こんな長いセリフを家族以外と話したのはいつぶりだろうか

 「その代わり、普通のほどでは無いですがメンテナンスが必要ですが……」

 「でも、魔法式を保存するなんて聞いたことないわよ?」

 それは当り前だろう。
 そんなものレリックにだってあるかどうか。

 「だからあくまで魔法式のプログラムだけです。組み立てはCADにやらせてます」

 そういうと中条先輩も会長も納得をしてくれたようだ。

 「なるほど……メンテはどれくらい必要なんですか?」

 「だいたい普通の物の4倍は持つって言ってましたけど……」

 「なんかほんと凄いものなんですね~私も欲しいです!」

 目をキラキラさせながら俺に言ってきた
 そんなこと俺に言われても……

 「それは俺に言われても……」

 「ですよね~」

 ほんとうに名残惜しそうな目を向けているため何とも返してくださいとは言いずらい……
 どうやってCADを返してもらおうか考えていると会長が話を切り出してきた 

 「盛り上がってるとこ悪いけど、まぁ時間の都合上、私の要件を話させてもらうわね」

 急に真剣な面持ちになる。

 「なんですか?」

 「率直に言って、あなた気をつけなさい」

 「???」

 なんですか?この展開は、
 
 「あなたはよく分かっていないようだけど、あなたの才能は下手すると十師族に及ぶかもしれないのよ?」

 十師族
 日本で最強の魔法師集団。表立った権力を放棄する代わりに、国家の裏で不可侵に等しい権力を手にしている「その時代に強力な(優秀な、ではない)魔法師を数多く輩出している」順に選ばれた10の家系のことだ。
 
 急にスケールのでかい話になって来たため俺は少しついていけなくなる。

 「そ、そんな大げさな……そんなこと言ったら俺より成績の良かった司波深雪はどうなるんですか」

 「あの娘は間違いなく十師族クラスよ」

 ……さいでっか。

 「なんかの間違えってことは……」

 「魔法科高校の入試に間違えなんてありません」

 言い切る会長。
 ……ちなみに中条先輩はいまだに俺のCADに気を取られていた。

 「まぁ気をつけるだけ気をつけておきなさい、そろそろ昼休みも終わるから解散しましょ」

 「解りました」

 中条先輩は「え―、もうですか!」とか言っているが解ってください、そうしないと俺のCADが……

 「じゃあ午後も頑張ってね」

 「また見せてください!約束ですからね!あとこれ私の連絡先ですCADのことで質問あったら何でも言ってください!」

 「……ほんと、今日であーちゃんのイメージが激変したわ……」

 なんか会長が疲れていた。
 ついでに言うと俺も疲れた。
 生徒会室から出ると自然とため息が出た。

 「めんどくせぇ」

 魔法の才能があるばっかりに小町に危害が行かないように願いながらHRに向けて俺は歩を進めた







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