モノクロウサギよ、狂々回れ   作:メガネ愛好者

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 どうも、メガネ愛好者です。

 一つの話を何分割かに分けました。文字数を少なくすることで投稿ペースをアップ! ……出来ればいいなぁ

 それでは




第2喰目 「散策」

 

 

 まずは周囲の状況を改めて確認しましょう。

 案の定、外はかなり荒れ果てていますね。……なんだか哀愁を感じさせる光景です。ですが、不思議とそれが"当たり前"のことなのだと認識してしまいます。何故でしょう? 明らかに普通とは思えない光景の筈なのに……

 

 ですが、そんな環境でも私の気持ちは自然と明るくあり続けている。と言うのも……知らない所を歩くのってなんだか冒険をしているみたいでワクワクしてきませんか? 正直私はワクワクしています!

 ……私はこの状況下で、なんでこうも楽観的に楽しんでいるのでしょう? もしかしたら死んじゃうかもしれないような状況下で……気が緩み過ぎじゃないでしょうか?

 どうやら私、危険な状況でもお構いなしに楽しんじゃうような性格なのかもしれません。私ってもしかしてクレイジー? そんなぁ……

 

 ……いえ、駄目ですね。例え私の本質が一般的なそれではないとしても、こんなことで一々落ち込んでいるわけにはいきません!

 何より暗くなっていてもいいことなんかありませんからねっ! それならそれで、開き直って明るく元気にはしゃいでしまおうじゃありませんか!

 

 ……うん、やっぱり私は少し頭の螺子が抜けた人間なのかもしれませんね。もうこの件については触れないようにしましょう。

 

 

 

 そして現在、私は呑気に鼻歌を溢しながら、辺りを眺めつつ探索しております。ほんと呑気ですね私……

 きっと、行けども行けども代り映えの無い景色に飽きてきたのでしょう。何かトラブルに見舞われるのも嫌ですが、逆に何もないとそれはそれで暇になってくるものです。人としての性なのでしょうね、これは。

 そうしていくらか探索しつつ、始めにいたビルからある程度離れた辺りで——

 

 

 

 ——突如として、周囲の空間をも震わす爆音が響き渡りました。

 

 

 

 「おお?」

 

 遠くから響いた爆音に、私の意識は引っ張られます。思わず変な声が出ちゃいました。恥ずかしい……

 それにしても、ビルでも崩れたのでしょうか? ……いえ、そう言った音ではありませんでした。現に今しがた聞こえた爆音は絶えず聞こえてきます。

 次から次へと響く炸裂音。更には地面が砕けるような地響きまで聞こえてくる始末。終いには先程から微かに聞こえていた、大気が震える程の"ナニカ"の咆哮までもが私の耳に届いたことで、ビルの崩壊による音という考えは脆くも崩れ去りました。

 そんな爆音やら咆哮やらが響き渡る中、私はというと……

 

 「何なんだろう……ちょっと行ってみようかな?」

 

 何と私は、無防備にも音の発生源まで向かうことにしたのです。

 無鉄砲にも程がありますね私。普通、爆音やら何やらが響き渡る場所に近寄ろうとする人なんていないんじゃないでしょうか?

 『やはり私の頭の螺子は抜け落ちている』——みたいな? ……なんでこんな他人事なんだろう。自分のことなのにね……

 

 

 □□□□□

 

 

 ある程度進んだところで私は音の発生源へと辿り着きました。

 何があるのかわかりませんので、一先ずは物陰に潜みながら移動しています。流石に堂々と歩いて死に行くようなおバカさんではないですからね私。そこまで頭の螺子は抜けていません! ……多分。

 

 何はともあれ……ではでは、拝見させていただきましょう。

 音の発生源まで辿り着いた私は物陰から少し顔を出して覗いてみます。

 

 

 すると……そこには私の知識にはない怪物と、大きな武器(?)を持った男女三人組が戦っておりました。

 

 

 大きな管状の器官を背中に携えたお猿さん。額に管状の角を生やした大きな口を持つお魚さん。翼に拳を持つ二足歩行の鳥さん等、様々な特徴を持った常識離れの怪物達が視界の先にいます。その怪物達は様々な攻撃手段を持って三人組を襲っていました。

 しかしそんな怪物達の攻撃をものともせず、三人組は果敢にも攻めていきました。よくあんな怪物達と戦う気になれるものですね……って、え?

 

 

 そこで私は、目を疑う光景を目の当たりにします。

 

 

 「サクヤ! ソーマ! そっちは頼むぞ!」

 

 「了解!」

 

 「フン……」

 

 黒髪の男性が所々で指示を飛ばし、それに黒髪の女性とフードの青年が応答する形で連携を繋いでいます。

 黒髪の女性は銃らしき武器でお魚さんの角を撃ち抜いたり、フードさんは大きな鋸のような武器でお猿さんの体を引き千切ったり、黒髪の男性も鳥さんの翼をチェーンソーのような武器で切り裂いたりして圧倒していきます。……その光景に、私は唖然としてしまいます。

 

 ……とても、人間の動きとは思えません。

 あの人達は本当に人間なのでしょうか? あれ程までに大きな武器を軽々しく振るっているのもそうですが、そもそもあれ程の質量のものを持った上で動き回るなんて、どういった膂力しているのだろう? 明らかに人の限界を超えている気がするのですが……

 

 そうこう私が考えていると、一際大きな咆哮——いえ、断末魔が響き渡ったことで私の意識が戻されます。

 視線を戻すと、丁度黒髪の男性が鳥さんを真っ二つにして絶命させていました。他の二体も近くで横たえており、一向に動く気配がありません。死んじゃったのかな?

 

 ……おや? 鳥さん達の体から黒い煤みたいなのが出ています。あれはなんでしょう?

 

 そんな鳥さん達を囲むように、警戒をしながら近づいて行く三人組。黒髪の男性が鳥さん達の亡骸に近づき、後の二人は周囲の警戒を始めました。何かやるのでしょうか?

 そして黒髪の男性が鳥さんに向けて剣を掲げ……その後の光景に、私の思考が停止しました。

 

 

 なんと、黒髪の男性が持つ武器から黒くて禍々しい()()()()()のようなものが現れたのです。

 

 

 なんですかあれ……剣から大きい口みたいなのが生えてきたのですが? ……ちょっとカッコイイかも。

 黒髪の男性はそれを鳥さんに向けます。すると大きな口になった武器は鳥さんを貪り始めました。

 うーん……エネルギー補給とかですかね? 食べるってことはそもそもが何かを摂取することを意味してますし……でもそれにしては原始的ですね。もしかすると、他にも何か違う目的があったりして……

 

 そんな非現実的な光景を目の当たりにしていた私は、すっかり周りのことを忘れていました。

 

 

 「——っ、そこにいるのは誰だ!」

 

 

 ついつい考えることに集中していたのが悪かったのか、フードさんに見つかってしまいました。

 油断しちゃいました。まさか見つかってしまうとは思いもしませんでしたよ……あ、いえ別に見つかってもよかったんですけどね?

 

 あんな怪物がいる以上、一人でいるのは危ないでしょうし……できれば保護してもらいたいなーと考えていましたからね。身体能力がバグっているとはいえ、見た目は人間そのものですから話は通じる筈ですし、あわよくば衣食住を提供してくれるかもしれません。

 ……まぁこの風景を見る限り、そこまでの余裕が相手側にあるかどうかまではわかりません。それでも此方の事情を知れば無下にはしない……と願いたいです。基準になるかどうかはわかりませんが、あの人達の身なりはそこそこ整っていますからね。希望は持っても良いと思います。

 

 あれやこれやと私が考えている一方、フードさんは徐々に私の隠れてる瓦礫へと近づいてきている。一気に来ないのは私に警戒しているからでしょうか? 他の二人もフードさんに次いでこちらに武器を構えながら歩みを進めています。

 

 とにもかくにも、まずは話をするべきでしょうか? そう考えた私はフードさん達がある程度の距離まで近づいてきたところで——

 

 

 

 

 

 「——ッ!? 待て!」

 

 

 ——脱兎のごとく逃げ始めました。ウサギだけに。

 

 






 主人公、まさかの逃走。(そして未だに名前が明かされていないという)
 ソーマは(周囲の気配に)敏感だった。

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