日常、そんな幻想郷を見ることができます。
基本的にシリーズで二人しか書きません。
ご要望がありましたらできるだけ反映します。
雪がしんしんと降り続ける中に一つのお屋敷。そのあまりにも大きなお屋敷は名を『白玉楼』という。その白玉楼の回りにはたくさんの桜が咲きほこっていた。
妖夢「いつもより咲いてますね」
私は魂魄 妖夢(こんぱく ようむ)。ここ白玉楼にいるお嬢様の手伝いとして住んでいる。
幽々子「妖夢~?どこにいるの~?」
妖夢「ここにいますよ~」
この方こそがこの屋敷のお嬢様。名を西行寺 幽々子(さいぎょうじ ゆゆこ)。まあ、つかみどころのないお方です。食いしん坊だし、おっとりしてるし、マイペースだし、よくわからないし...それでも私の大切なお方です。
幽々子「お腹すいたから何か作って~?」
妖夢「わかりました。でも、材料がないので買い出しに行ってきます」
幽々子「早急にお願いね~」
「無理ですよ」と言いたいところですが「はい!」と返事をした。食いしん坊の人でも丼を8,9杯くらいでしょう。幽々子様はそれを裕に越してしまいます。だからこそためおきをしているんですが...私としたことがきれていたのを忘れてしまいました。
妖夢「ではいってまいります」
そう言って白玉楼を飛んでいった。
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今から話すことは嘘偽りのないことなのです。すごく不思議なのです。
妖夢「これとあれと...あとそれもください」
八百屋「いつもありがとね」
妖夢「...すいません。少し話をしたいのですが...よろしいでしょうか?」
八百屋「はいはい...なんでしょうね?」
いつも野菜を買っている八百屋さん。そこの店番はおばあちゃんです。実は私の師匠に何度も会ったことがあるらしく、その話を聞かせてもらっているのです。
妖夢「...私がこのお店に通ってから何年でしたっけ?」
八百屋「そうさね~...およそ10年くらいかしら」
おばあちゃんは気さくな方で相談にもすぐにのってくれる。半霊と言っても怖がらずに話を聞いてくれる。
妖夢「もう...そんなたつんですね」
八百屋「時は早いからね。すぐに私みたいになっちゃうよ?」
妖夢「私は半霊なので年の感覚がないんです」
八百屋「あらそうかい。そういえば妖忌ちゃんもそんなことを言ってたわね~」
妖夢「え?師匠が?」
意外。剣技以外で話すことなんてほとんどなかったのに。
八百屋「妖忌ちゃんはここにきていつもあなたについての話題をだしていたわ」
妖夢「師匠が私のことを?」
八百屋「妖忌ちゃんあなたに会えたことが余程嬉しかったのか柄にもなくはしゃいでいたのよ」
妖夢「そう...でしたか...」
その話を聞いた途端ににやけてしまった。嬉しかったのだ。修行では人一倍厳しく打ち込んでいたあの師匠が、たった一人の娘を大切にしていたのだ。
妖夢「今日もありがとうございました」
気がつけば夕刻。あたりはうっすら赤くなっていた。
八百屋「あいよ、またよろしくね」
妖夢「はい」
うっすらと赤くなっている人里を歩き始める。歩き始めてから数分後、あたりに異変がおきはじめた。
妖夢「ここの通り...ここまでは暗くならなかったはず...」
その異変とはいつも通っている道が突然暗くなったこと。時刻は16時。冬といっても暗くなるには早い時間帯だ。
?「やっと見つけた...俺が誰だかわかるかい?」
妖夢「...わかるわけないでしょう」
妖夢の目の前にあらわれた人物はフードを被り、足まで伸びたコートを着ている人物だった。声からして男性だろう。
?「おいおい...いきなり刀を抜くなよ。危なっかしいだろう」
妖夢「怪しいやつには慣れていますので」
?「慣れてるなら刀を抜くなよ。殺りあいにきたわけじゃあない」
妖夢「じゃあなんのために」
男が「パチン!」と指を鳴らすと妖夢の足下の空間が歪み、隙間ができた。
妖夢「ッ!?」
?「バイバイ。妖夢ちゃん♪」
私は力なくその隙間に落ちていった。
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私は死んでしまったのだろうか?半分だけではなく全部が。心がぽっかりと空いたような虚無感がある。何も考えられない。
妖夢(...どこ...?ここ...?)
そんな状況でも頑張って考える。しかし結果は同じ。何も思い浮かばない。
妖夢(...)
無意識に手を伸ばす。もちろん空を掴むだけ。
妖夢(...何もない)
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一定の時間の後に背中の違和感に気がついた。
妖夢「ここは...」
まわりを見ていると首もとに冷たい感触がした。そちらに目を向けると案の定、刀だった。
?「貴様...いつからここにいた...」
刀を突き立ててくる人物がいった。
妖夢「買い物の帰り道」
?「その言葉に偽りは?」
妖夢「信じてもらうしか」
そう言うと、刀を下ろした。その方向を向くと一人の男性が頭を下げていた。
?「いきなりすまなかった。あなたの言葉に偽りはないと存じます」
妖夢「あ、はい。あの...お名前を伺ってもよろしいでしょうか?」
妖忌「私は妖忌と申します」
頭を上げる。それから見えた顔は明らかに妖夢の師匠である妖忌だった。
妖夢「し...師匠!?」
妖忌「はい?」
妖夢「何で師匠がここにいるのでしょうか!」
妖忌「む...すまぬが私に弟子はいません。人違いだと」
妖夢「何を言ってるのですか!私は妖夢ですよ!」
妖忌はいぶがしげな表情をした。そして、ある一方を指差す。
妖忌「妖夢ならあそこにいます」
指を指した方向を見る。そこには、幼い頃の私がいた。
妖夢「え?私?」
幼い妖夢「おとーさんなにやってるの?」
妖忌「お客様がこられたものでな。妖夢は何故ここに?」
幼い妖夢「それはねー...けんじゅつをならいたくて!」
妖夢(そういえば...私もこんな感じにはいったっけ)
突然世界が暗くなった。どこからともなく声が聞こえてきた。
?「妖忌に会えてよかったなぁ妖夢。それじゃあここからが本番だ」
世界に明るさが戻った。眩しい。それを堪えて目を開けると...
妖夢「...!?火事!」
目の前のお屋敷が火事になっていたのだ。燃えているがまごうことなき白玉楼。
?「お主が犯人だったのか...」
妖夢「殺気!?」
勘に頼り剣を抜く。重い衝撃が体の奥の奥まで伝わる。間違いない。この感覚は師匠のものだ。私の目の前にいるのは師匠その人なんだ。
妖忌「お主は...いつかの...!」
妖夢「くう...!」
非常にまずい。今の師匠は疑心暗鬼だ。私を疑っている。今の私が師匠に勝てるのか?
妖夢(何を弱気になっているのですか私!師匠を打ち倒す!)
妖忌(昔妖夢と言ってきたやつじゃあないか!こいつが...犯人か!)
妖忌の刀を受け止める。再び衝撃が伝わる。腕を通り、体を通り、足に伝わる。今の私は立っているだけで精一杯になっていた。
妖夢「ふぅ...ん!」
一旦距離をとる。しかし、その差を一気に妖忌は縮めてきた。速い。見切れないほどに。
妖夢(距離がとれない!?スペルが使えない?)
妖忌「一気に畳み掛ける!」
ーーー未来永刧斬!
妖忌がスペルを発動する。
妖夢「スペル!?」
妖忌が私の目の前から消え、再び現れる。その間約0.3秒。妖忌が現れた途端に私の体に無数の切り傷が出来上がった。
妖夢「...!?」
妖忌「さらば...幼き剣士よ」
私の体から血がドバドバと流れ落ちる。既に足腰は生まれたての小鹿のようになっていた。プルプルと震えている。
妖夢(やっぱり...師匠は強いです...)
私はそっと目を閉じた。
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?「やはり無理だったか...まあ、無理もないか」
妖夢「...どういうことですか...」
真っ暗な空間に私と私を落とした男がいた。
?「そりゃ決まってるだろ?子は師には勝てないって決まってんだよ。よく師をうちまかすようなことがあるけどあれは年をとったりして動けなくなったからだ」
妖夢「...」
?「強く...なりたいか?」
妖夢「...はい」
倒れていた体を無理矢理起こし、返事を返した。
?「なら強くなれ。お前なら師を越えられると思うぞ」
妖夢「...」
?「別に応援はしてないよ。お前が生き残ろうと野垂れ死のうと俺には関係ないからな」
妖夢「あなたには大事な人はいないのですか...?」
?「大事な人か...いるかな?もうずいぶん昔の話だがな。...TIME UPだ」
私の足下が空を踏み、落下していった。
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妖夢「...うう...ん?」
目を覚ますとそこは白玉楼だった。その一室で寝ていたらしい。ふと、横を見ると買い物袋があった。
妖夢「...どういうこと?」
まったく意味がわからなかった。よくよく思い返してみると不可思議なことが多くでた。一つ一つ考えても拉致があかないのでとりあえず買い物袋の中身を保管室...外の世界では冷蔵庫と呼ばれる箱にいれといた。それからしばらくして居間に行くとこの屋敷のお嬢様が寝ていた。布団が掛けられていなかったので布団を掛けた。その内、自分も眠くなったので寝てしまった。この時、あの男のセリフが頭をよぎった。
?『なら強くなれ。お前なら師を越えられると思うぞ』
男は応援の意味で言ってなかった。かといって皮肉を込めてもいなかった。考えてもしょうがないので寝てしまった。それからというものの、いつものように晩御飯を作り、剣術の練習をし、洗濯物を片付けてから眠った。それでも、昼に寝てしまったので中々寝付けなかった。なので、剣術の練習をやろうと外に出ると...
妖夢「...師匠...!」
妖忌「試すまでもなかった。我が娘はいい感じに成長しておる」
その後は朝方になるまで師匠と剣術の練習に励んでいた。また師匠はいなくなってしまったけどいつか現れると信じ、今日も精進していきます!
?「さすがに死んだ奴を一時的とはいえ、生き返らせるのはきつかったか...次はあのニート姫か。また大変なことになりそうだな」