「うーん。この魔法陣は私には高等すぎかなぁ」
ひとりごちる。やや暗めの館内に、金の髪が光を反射し光源のようになっていた
「でもあなたなら出来るんじゃないかしら」
何処からともなく投げられる、少女特有の高い声色。それに
「いや、どうだろうか。何年かかってもおかしくはない」
それよりやや低く、少し少年ぽさを匂わせる、少女の声
霧雨魔理沙は今日も、この図書館で調べ物をしていた
「でもそのへんの魔術書は大体あなたならひと月もあれば出来る代物よ」
「やめてくれよ。そこまで凄い魔法使いでもないんだぜ?パチュリーが思うほど私は天才でも無いのさ」
パチュリーと呼ばれる少女は、それでも確信を持った声で返す
「努力が出来るのも才能よ。それが出来ないから落ちぶれた者だって塵の様に沢山いるわ」
その主張に、魔理沙は
「塵も積もれば山となる・・・その塵の上に立つのが努力した者・・・と言いたいのか?」
幻想郷特有の言葉遊びで返す。この幻想郷の住民はその遊びが好きなのだ
「あら?何か問題でも?」
「その塵は天才という箒が全て管理するのさ。霊夢のような」
「毎日のように箒を持って掃除してる・・・と聞くわね。でもそれならあなたも箒を持ってるじゃないの」
「生憎私のはその塵を飛び越す為に使うもんでな」
狭くもない、寧ろ巨大という表現が合う図書館。しかしその世界は狭かった
「まあ、あなたならいけるんじゃないかしら?」
魔理沙は、全体的に紫色で構成されたその少女・・・パチュリーが動こうとしないその机へと向かう
座りながら紅茶を飲み、しかし殆ど視線を本から背けない彼女は、魔理沙がやってきた事を感じ取ると顔をあげた
「どちらにせよまだまだ研究が必要さ」
これだけな。と持ってきた本は5つほど。全てかなりの厚みがある
それを一瞥し、内心感心する。努力は才能などと言うが、パチュリーはそれを信じており、修行をあまりしないでこの紅魔館の主、レミリアを倒した霊夢と同じくらい天才だと思っていた
「それで、内容は分かったのかしら?」
中には特有の言葉で書かれる魔道書は、場合によってその専門の言語を知らないと読めない事が多々ある。そのためまだ数年しか魔法使いをしていない魔理沙に読むのはかなり酷な話だが
「いや、半分位はわかんなくてな。研究が必要らしい」
「半分も分かればかなりのもんよ。後で私が教えるわよ」
かなりの努力家である魔理沙は、その言語を幾らか扱うことが出来る。人として既に超えてはいけない領域へと踏み入れようとしている
パチュリーは、魔理沙の未来が気になっていた
このような魔法使いの超新星と言える少女に、期待をしたくなった
「おーそうか。詰まったらそうさせてもらうぜ。これは借りてく」
そう言い箒に乗り、猛スピードで扉へと向かっていく。それを見て、即座に防護璧を張ることも出来るがそれをしない
「あっちょっと・・・」
言い終わった頃には既に扉を出ていっていた。ため息をつく
「全く・・・なんでも背負い込むと何時か粉々にはじけ飛んで、全てが塵になるわよ・・・」
その呟きは、誰にも届かなかった
どうも。創想話でボロボロに言われましたが、今回はまあ個人的には満足してます
今度はもっと構想を練らないとなぁと思いつつ、書きたいことだけを書くのはやめないとと思いましたね
それでは