悪魔とか中二乙ww……ゑ? 俺が悪魔、だと?   作:台座の上の菱餅

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※4月10日 ジュエルシードの個数に関する文章を消しました。


第4話

 

 

 

 「へー、アンタ魔導士なんだ」

 「一応はね~」

 

 ポン〇ジュースを傾けつつ、ワンコもといお姉さんもといアルフに答える。やべ、隠れてねぇわ。

 綺麗な赤毛が目立ち、どちらかと言えば頼れる兄貴的な笑顔を浮かべる彼女は、先程の犬とは到底思えない。

 

 何か、パンクな感じの服や洋楽などが似合いそうだ。

 kissとか聞いてそう。

 

 それはそうと、先程まで俺が唸られてたのは管理局とやらの魔導士だと勘違いされていた為らしい。

 管理局ってなんぞ? と首を傾げるイロハ君こと俺だったが、まぁアルフの目の敵的な組織なのだろう。

 

 もし彼女がワンコフォームを維持して、その状態で小一時間撫でさせてくれるのなら、管理局とやらをぶっ潰して良いのだが……。

 

 俺、世間一般では無所属の魔導士扱いですしお寿司。

 特に迷惑を掛ける相手なんて居ないからね。

 

 うーん、ダメかね?

 

 「ところでさー」

 

 俺が買ってあげたコー〇ラを……いやだから隠れてねぇって。

 

 ゲフンゲフン!! 俺が買ってあげたコー〇を飲み干すと、彼女は問い掛けるようにして此方へと振り向く。

 その仕草に不覚にもドキッ……としないのだが、其処らの男なら骨抜きになるんじゃないかと思いました。

 あれ、作文?

 

 「何か」

 「いやアンタ、ジュエルシードって知ってるか?」

 

 え、知ってるけど?

 と、口から飛び出しそうになるが、何事も無かったように口を噤む。

 

 俺の直感に稲妻が走ったのだ。

 ここで肯定をしてしまえば、なんか面倒な事に巻き込まれそうな気がする、と。

 

 てか、この魔法とかが存在しない地球で魔法を知ってる奴に出会っている時点で面倒事に捲き込まれてるんだけどね?

 まあ、それについてはもう何も言わん。

 

 とまぁ、長らく沈黙を続けると疑いの目を向けられる可能性があるため、否定の意思を見せようと口を開く。

 

 「え、知ってるけど?」

 

 あるェ? オッカシイゾォ?

 俺は確かに『知らんな』と口にした筈だ。しかし、実際出たのは肯定の言葉。

 ま、まさか俺、嘘を言えなくなっちまったのか……!? の、呪いだぁ!! 

 えらいこっちゃ。

 

 ま、いっか。

 

 「そうか!! なら丁度いい、この町に散らばったジュエルシードを集めんの手伝ってくれないか?」

 「やだ」

 

 ここでまたもや口が命令を無視するならば、多分盛大に引き裂いてた。

 が、今回はちゃんと受け入れてくれたのか、口から出たのは肯定の言葉である。

 良くやった俺の口。

 

 「えー、何でだよ」

 「やなもんはやなの。第一面倒臭そうだし」

 

 第二になのはとアルフの間に起こるであろう諍いに巻き込まれたくない。

 

 「そうか……。まぁ、アンタ弱そうだし良いけどね」

 

 むむ、何か不名誉な事を言われた気がする。 しかし、俺はこの程度で怒る程の器は小さくない。

 それに、アルフの解釈が正しいのだ。

 もし、俺の事を強そうだ、と解釈する者が居たとしたら、俺の封印魔法を見破ったことになるしな。

 

 とまぁ、実のところ俺は、自身の正体を封印魔法でカモフラージュしている。

 別にそんなことしなくても良くね? と思う人に対しての説明をしよう。

 まず、膨大な魔力というのは周囲の人間の精神を食い散らかす。

 魔力を感じることのできない一般ピーポーしか周囲に居ないとしても、魔力を垂れ流しにしていれば発狂寸前までに追い込んでしまう。

 

 そして、悪魔の体のままだと魔力漏洩を防ぐことができないのである。

 そのため、悪魔から人間の体に変身し、そこから封印魔法で魔力と正体をカモフラージュしているのだ。

 なので、もし彼女や他の者が俺の正体を見破る事があれば、それは魔力が漏洩している証拠となる。

 そうなれば一大事だ。

 

 閑話休題。

 

 「フッ、能ある猿はきび団子を隠すって良く言うだろう?」

 「なに言って……何か違わない?」

 

 違わない違わない。あ、なんかゲシュタルト崩壊っぽくなってきた。

 

 とまぁ、適当に雑談しつつ俺達は別れた。

 

 

 ***

 

 

 ──悪魔の中でも化け物……今すぐ殺すしかありません!

 

 ──お前なんか死んじまえ!

 

 ──何でお前なんかが人の願いを……。

 

 ──血を血で洗うような、所詮神を陥れようとする下種族でしょう。

 

 ──貴様の所為でこうなった。償え。

 

 

 

 

 

 

 ──待ってよ『      』!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「……あー、またこの夢かー」

 

 深夜、俺は文字通り"悪夢"に魘されて、顔を顰めつつ起き上がる。

 べっとりと背中についた汗と、最ッ高に悪い気分を振り払うために、シャワーを浴びようと着替えの服を持って風呂場へ向かった。

 

 「…………」

 

 今でも鮮明に思い出すことのできる、忌々しい記憶の片鱗。

 手に残る感触と、あの時感じた感情は、多分死ぬまで忘れることは無いだろう。

 

 「……胸糞わりィ」

 

 気付くと、強く握りすぎてシャワーヘッドが変形していた。

 

 シリアスな気分を一転させ、タオルで髪の毛を吹きつつベランダで煙草を蒸かす。

 口から吹き出された煙が、俺を嘲笑するようにゆらゆらと揺れた。

 

 「ん?」

 

 ぐでー、と手摺に寄り掛かっていると、豪速で飛んでくる小石程度の大きさの物体が此方へ向かっている事に気づく。

 ま、まさか……スナイパー!? と馬鹿な事を考えながら、魔力で手のひらを覆いつつそれをキャッチした。

 

 「あ、ジュエルシード」

 

 なんと、ジュエルシードでした。なんてご都合主義。

 そして、良く良く見るとただのビー玉にしか見えないわこれ。

 丁度いい、クッソ汚ねぇ夜景を見て落ち込んでいたところだ。

 月明かりに反射して見える光が神秘的で、少しだけ魅入ってしまうな。

 暴走すればキモいが、こうしてれば一つの宝石のようだ。

 

 にしても、なしてジュエルシードが飛んできたのかね?

 ロミオが俺をジュリエットと勘違いして、宝石と思ったジュエルシードを投げ込んだとか?

 ロミオって遠投凄いんだな。

 

 「ジュエルシードを此方に渡して下さい」

 

 ちょっとだけニヤけつつ眺めていると、前方から声がする。

 若干驚いたが、それは全て期待へと化学変化した。

 ここはベランダであり、そしてマンションの三階である。

 となると、ちょっとした怪奇現象か……もしかして宇宙人!? オラワクワクすっぞ!

 

 そう思いつつ視線を写すと、そこには幽霊でも宇宙人でもなく、金髪をツインテールにした美少女が空を浮遊していた。

 なん……だと?

 

 そーゆー展開なのか。

 未知の物質と共に美少女登場の展開なのか。

 いや、未知の物質かどうかは疑問だけど。

 

 にしても、ここに来て美少女登場か……や、それ言ったら、なのはとアルフも十分『美』って文字が付くけどさ。

 何かタイプが違う。

 

 「もう一度言います。ジュエルシードを此方に渡して下さい」

 

 無視したと思われたのか、若干苛立ったように少女は告げる。

 ここでイジってもいいのだが、激おこプンプン丸になって貰っても困るので、素直に渡そうと思う。

 

 つか今思ったが、何時からここら辺の地域は魔導師の彷徨く環境になったの?

 ちょっと引っ越ししようかな。

 

 「はいよ」

 「え、えぇ!?」

 

 と、無駄なことを考えつつ俺がジュエルシードを投げ渡すと、金髪美少女は狼狽え出す。

 なんだろうか。

 

 「なに」

 「え、いや、そんな簡単に渡して良いんですか?」

 「なんで?」

 「だってジュエルシードって、願い事を何でも叶えられるような凄いもので……!!」

 

 まるでモブキャラのようなことを言い出す金髪美少女。

 身振り手振り、必死に何かを俺に伝えようとするその様は、何か可愛かった。

 片手に持ってるハルバードが無ければの話だけど。

 

 正直、俺はジュエルシード等に頼って貰うもの……いや、自分自身の力で手に入れる物以外の何かに手を出すつもりはない。

 ましてや、不確定要素の多いジュエルシードなんて物に、願い事を叶えてもらおうなんてもっての他である。

 そのため、こんなにも可愛い仕草で伝えようとする彼女の言葉に、心打たれるものなんて一つもない。

 "あってはならない"。 

 

 「うるせーな。俺には必要ないけど、お前は必要なんでしょ?」

 「た、確かに、そうですけど……」

 「んじゃ、それでいいじゃん」

 

 煙草を吸う姿なんて子供に見せる物では無いので、さっさと追い払うために強い口調で言い放つ。

 

 「さっさと帰りな」

 

 そんでもって、フリー〇様みてぇに不死身とか、孫〇空みてぇに誰かを生き返らせたりしてこいよ。

 と、思ったが、ふと彼女がジュエルシードを利用して何をするのか興味を持つ。

 

 「お前、それ使ってなにすんの?」

 

 此方に一礼し去ろうとした美少女の背中に問いかける。

 すると、少しだけ寂しそうな、だけどその反面期待の籠った複雑な笑顔で、彼女は答えた。

 

 「姉を生き返らせるんです」

 

 ……マジか。

 

 蘇生魔法なら一応知っているが、ジュエルシードなどのエネルギー体を元に蘇生するなんて聞いたことがない。

 まぁ、ジュエルシードなんていう莫大なエネルギー体を何個か集めれば、人一人蘇生するなんて簡単だろうけど。

 "簡単故に出来ないこと"もあるけどね。

 

 にしても、この美少女の表情見るに何か事情がありそうな雰囲気。

 といっても、彼女の私情に土足で踏み込むような事はしたくないので、適当に相槌を打つと煙草の煙を吐いた。

 

 しかし──

 

 「そうか、そりゃあ大層立派な家族愛だ。けどさー、何個集まってンの?」

 「え、ええと……」

 

 むーん、成る程やっぱりか。その反応、結果は乏しいようだ。

 

 そもそも、ユーノ曰くこの海鳴市に全部落ちたとか何とか。

 しかし、それでも見つけ出して回収するなんて至難の技だ。

 

 加えて、彼女は知らないだろうが、なのはやアルフなど他にも回収している者達が居る。

 ジュエルシードが最低でも八個必要だとしても、この子が集めきるのは難しいだろう。

 

 「へー。俺イロハ、お前名前は?」

 「ふぇ?」

 

 素っ頓狂な声を出す美少女。

 俺の肉体年齢は14~15歳なのだが、ロリコンの犯行現場にはならないよね?

 

 「ふ、フェイト・テスタロッサです」

 「フェイトね、覚えたわ」

 

 なんか、サーヴァントが出てきそうな名前だね。

 

 「頑張れよフェイト」

 

 不用意に手伝おうか、などとは言わない。

 なのはの時は、彼女が詰みの状況だった為であり、フェイトは違う。

 別に義務が有るわけでも無さそうだし、逃げようと思えば逃げれるっぽいし。

 

 しかし、取り敢えず、この一言だけを添えて笑顔を浮かべた。

 

 

 此れが後の諍いの原因となるのも知らずに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なんつって☆(てへぺろりん☆)

 

 

 

 

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