悪魔とか中二乙ww……ゑ? 俺が悪魔、だと? 作:台座の上の菱餅
「ハァ!!」
「よっと」
何故朝っぱらから槍を握らなくてはならないのだろうか。目の前で必死に木刀を振るう恭也君を見て溜め息を吐く。
それを見てイラッ☆と来たのか、彼の攻撃速度は更に苛烈となる。うわー、怖いよ怖いよママー。
始まりは、なのはの魔法を教えてほしいと言う願い云々である。
何というか説明が面倒臭いので要約すると、
『魔法を教えて欲しいからついて来てほしいの!』『うわなにをするやめr』である。
え? 分かりにくい?
名目上、高町家もとい御神流の門下生になりました。
……結局、なのはの作った『この人武術の才能あるんです作戦』で何とか押し切った。
と言うよりなのはが勝手に押し切った。で、門下生になる対価に勉強(魔法)を教えると。それと、ユーノってフェレットにもなれるんだね。
覗きし放題だぁ……ゲフンゲフン!!
一瞬邪な欲望、ではなく電波が入ったが、そんな思考を振り切るように飛んでくる恭也くんの木刀を此方の木刀で弾き足を払う。
「うりゃー」
「ぐっ……!」
そのまま脇腹を蹴り飛ばすと、立ち上がる恭也君の木刀を斬り飛ばすように逆袈裟斬り。反応が遅れた恭也君の手から、無残にも木刀は吹き飛んで行く。
槍の方が得意だが、かといって剣術の腕前が皆無と言う訳ではない。武芸百般、いくら化け物級の父親を持つ長男でも負けることはまずない。相手が魔法使えるのなら分からないけどさ。
「す、凄い」
「殆ど姿が見えなかったの……」
大丈夫、美由希ちゃんとなのはちゃん。君達の父親の士郎さんは残像作れるから。
俺も頑張れば作れるかなぁ……?
「はは、残像なんて作れないよ」
どうやら士郎さんはエスパーでもあるようだ。
「じゃあ瞬獄殺とか? やべぇな高町家戦闘民族かよ」
「わ、私は普通なの!」
じゃあ他は普通じゃないと? 残念、桃子さんと美由希ちゃんの様な人を普通と言うのさ。君はノーマルピーポーではない。
魔法を知っている時点でな。
「若いのに凄いのね~」
称賛され素直に嬉しいが、正直言って生きた年数諸々によって至極当然の話なんだよね。
加えて俺は戦闘用の魔法しか使えないし、特有の"異能"も戦闘向きだ。
そんな戦闘特化の悪魔と高々十数年剣を握った青年とでは大き過ぎる実力の差があるだろう。
因みに俺、年齢342歳。"異能"の妨害もあってか、精神的な年齢は其処らの人間と大した変わりは無いがね。
この歳にまでなってゲームやらアニメやらにハマってるとか悲しすぎる。事実上はそうだけども。
「桃子さん、木刀は何処に?」
「彼処にしまって置いてね。あ、今日なのはに勉強教えてくれるのよね? 今からお茶用意するから先に部屋へ行っててくれる?」
「うーっす」
「じゃあ行くの!」
俺の設定は一応進学校の成績優秀な優等生と言うもの。なのは、何故そんなキャラが一切被らなそうな物にした?
んで、まぁ店の切り盛りやらの手伝いで忙しい恭也君や美由希ちゃんの代わりに俺が教えると言う訳である。これを全てなのは一人で考えたのだから驚きである。
最近の小学生は怖いね。
木刀を悔しそうに握り此方を睨み付けてくる恭也君はシスコンだと僕は思いました、まる。
***
「ここ教えて欲しいの」
「あ、うん」
いや、マジで勉強を教えるとか聞いてない。高町家のリビングでワークやら何やらを広げるなのはに分かりやすいよう教えて行く。
知り合い(悪魔)に勉学の詳しい奴が居るので、ソイツの教授によりある程度の学力は俺にだってある。少なくとも高校生程度には。
小学生の勉強位なら教えられる。
けどさぁ、コレって俺今日来た意味ないでやんすよ。
いや、そもそもどう不審に思われず教えんだよって話だがね。
『ねー魔法どうすんの?』
取り敢えず念話で語り掛けてみる。
『わ、忘れてた』
まさかのこれだよ。
『んまぁ良いや。ユーノになのはの魔法技術について教えて貰うから、お前はまだそのワークやってて。おいユーノ起きろ』
『ん……んん? なんだい?』
ムクリ、と小さな体を少し起こし、念話にて言葉を返すユーノ。むーん残念ながら俺は犬派である、可愛いとは思わない。
『なのはの主な魔法技術について説明して』
『おおまかで良いのなら』
そう告げると、ユーノは簡潔かつ分かりやすいよう文を纏め話始める。
まず、彼女はミッド式の砲撃魔導師。膨大な魔力や瞬間出力を元に鉄壁の防御力と脅威的な攻撃力の、まさしく大型固定砲台の様な"一撃必殺"スタイルらしい。
魔導師としては途轍もない原石らしく、これから有望な極めて強力な魔導師だと。
が、動きが鈍重であり加えて近接戦闘の技術はかなりお粗末。幾ら収束、そして放射の砲撃魔法が得意だとしても、それらの問題はこれからに大きく関わるとのこと。
成る程、ユーノのお陰で大体は理解することができた。つまりはあれか、ファンタジー職であるウォーリア的な感じか。
……で、その前に聞きたいんだけど。
『ミッド式ってなんぞ?』
『え、えぇ!?』
ペンを回しながら頬杖をつきユーノを突付く。驚きの声が上がり、何だか俺が非常識みたいになる。
いや確かになんちゃらチルダとか言う地に一時期住んでましたよ? えぇ。でもね、現代の魔法とか機械とかそこまで興味ないのよ。
俺の戦闘スタイルは火力ゴリ押しか、身体強化で近接的な状況に持ち込み技術で圧倒するという脳筋戦法だ。
しかし、俺は純粋魔力の放出が苦手であり、必然的に魔力を何か別のものに変換しなくてはならない。此方は割と得意。
が、世間一般で使われている術式の魔法では俺の戦闘速度に付いてこれない。
その為、俺用に作った短い術式の魔法を行使しなくてはならない。
故に、俺は他人の作った魔法は使う必要も無ければ学ぶ必要も無い。因みにデバイス? とやらも使わない。
『取り敢えずミッド式っての知らねぇし……アレ、なんつーの? 自己流で良ければ教えるけど?』
『あの魔法イロハさんが作ったの!?』
『只単に召喚で規模を大きくした張りぼてだけどな』
因みに召喚魔法を使うと途轍もない筋肉痛を患うことになる。
『でもなのはは魔力変換得意じゃないよね?』
『あ、そうだったの……』
え、じゃあ俺教えられることないんだけど。
『残念。まぁ一応教えるには教えてやろう』
『……うん、そうするの!』
一応俺だって魔導師としても成熟した身である。なのはが使い易いよう術式を書き換えて教えるのは容易だ。
純粋魔力を放出するのが得意なのならば、純粋魔力を圧縮させて作る『
簡易的な魔法でも繕うか。
「出来たの!」
「んー、丸つけ丸つけ」
今度魔法空間で模擬戦しながらでも。なんて考えながら適当に教えて行った。
***
結局今日は魔法を教えずにお開きと言うことで、家に帰った俺は本を片手にラディの手入れをしていた。
手入れと言っても魔力を流して強度を上げているだけだが、それが後々戦いで大事になって行くのだ。ジュエルシードの件もあるため一応やって置かなくては。
仕事から帰ってきたアリシアが手入れをしていた俺を見て『せ、戦争でも起こすの!?』と先程まで騒いでいたのは完璧に余談。
因みにアリシアは俺と同じ会社の業務をやっていたりする。
ウチには女社員がアリシア含めて四人しか居ないから、彼女はまるでアイドルの様な存在なんだけども……俺と一緒に住んでるって事がバレたとき血涙を流しながら殴られたんだよね。勿論俺が。
なんか、リアルのSIRENを味わった気分だったよ。
「うっし、手入れ終わりー」
少量の黒い魔力光を纏い、仄かに漂う風格がより強いものになる。
以前神に貰ったと言ったが、今思うと結局あの神様誰だったんだろうな?
貰ったのは下界だったし、もしかして人間だったり? 有り得なくもない。
「じゃあ私に構って~」
ふわふわした声で背後からアスナロ抱きをしてくるアスナロ。じゃなかったアリシア。
柔らかい感触が背中に伝わるが、残念ながら俺は欲情しない。貴様は妹、異性としては判断されない。出直せ。
この前一緒に寝た時とか、可愛い妹が甘えてきたから嬉しい的なドキドキだったし。話してる途中から全部冷めたけど。
因みに、アリシアにフェイトとかアルフの名前は伏せてある。フェイト曰く、ジュエルシードの利用はお世辞にも良い事とは言い難いらしく、場合によっては犯罪者。
仮に俺が口外すれば巻き添えにしてやる、とのこと。確かコレはアルフ。
「重い」
「それは心外だよミーシャ」
「でもfactなんですよね」
「残念、最強無敵のスタイルを持つ私にそんな事実など無い!」
「スタイルに最強も糞もあるんだ」
最強って一番強いって意味でしょ? 一番強いスタイルって何だよ。無敵って何だよ。テメェは範馬勇次郎か。
「むぅ……」
「聖闘士星矢?」
「そうじゃなくて」
え、牡牛座の黄金聖闘士じゃないの?
「構うも何も模範解答を俺は知らな……」
と、言い掛けた所で、少し遠くの海岸沿いに魔力反応。アリシアも気付いたようで、少し真剣な面持ちへと変化する。
ジュエルシードか、はたまた違う次元世界から来たはぐれ魔導師か。
それともなのはか? アルフか? フェイトか? ユーノか?
誰でもいいが、一つだけ言わせて貰おう。
「ちょっとトイレ行ってくる」
恐らく大の方。
主人公の槍のデザインは、某ランサーさんのゲイボ〇グ的な感じですね。
あくまでもデザインは、ですけども。