悪魔とか中二乙ww……ゑ? 俺が悪魔、だと? 作:台座の上の菱餅
「あらま、一触即発の状況」
海浜公園にて。バイクのマッハで来たのは良いが、ジュエルシードを挟んで睨み合うフェイトとなのはの姿があった。
バイクの鍵を取って強化の魔法を施すと木の影に隠す。万が一にでも魔力弾が飛んで来て壊れましたー、とか洒落にならない。多分ぶちギレると思う。
さて、と。
再度なのは達に向き直り、三人を見詰め……あれ、三人?
「何か増えてるぅ」
フェイトの斧みたいな奴をデバイスらしき何かで受け止め、なのはのデバイスを握ってる黒い少年。
パッと見二人の喧嘩を止めるために入った感じだろうか。若いのぉ、若いのぉ。
そんな風に俺がぽけー、としている間にも展開はどんどん進んで行く。あ、少年がフェイトに魔力弾打ち込んだ。これこれ、女の子には優しくせんとアカンで。
と、そろそろ皆の前に出ようかなぁ、なんて考えていると少年が何やら魔力をデバイスの先に溜め始める。あれ、ヤバイんじゃね?
因みにデバイスの向いている方向はフェイトであり、フェイトは先程の魔力弾によって動けないっぽい。
これは……不味い、のかな?
ラディを槍形態にすると、魔力を先端に溜めて突くと同時に放出。
「『
自己ブースト以外で唯一使える魔法でドーンとね。突いた瞬間に発生した力を魔法で遠くに飛ばす魔法だ。
分かりやすく言うと、これを拳に使って当てたい奴に向け拳を突き出せばその衝撃が飛んで行く感じ。割とアバウトな魔法である。
魔力の塊に直撃し、魔力の残留と共に四散して行く。それと同時に複数の視線が此方へ飛んで来る。だ、誰だ! 的な。
「「イ、イロハさん(なの)!?」」
「イロハさんでーす」
フェイトとなのはの声が重なり、彼女たちの限界まで開かれた目とは反対に少年の目は険しく鋭くなる。
そんな睨まないで! 俺はそんな性癖ありませんからぁー! なんて事を考えていると、何処からともなくアルフがやって来てフェイトを連れ去って行く。
「ま、待て! ……くそっ!」
え、俺の所為? 俺の所為?
取り敢えず、と言った風に少年はジュエルシードを回収すると、何やら端末で調べものをし始める。
で、何か発見したのか画面を凝視した後俺と画面を何度も何度も見比べる。
やがて目を見開くと、端末をしまってデバイスを此方へ向けた。
「時空管理局だ! 無許可次元移動の容疑でお前を逮捕させて貰う!」
な、なんだってー!!
デデーン。
次元間の移動って違法だったんですね。初めて知りましたよえぇ。
飛んでくるバインドをラディで切り落とすと、その後ろから飛んでくる無数の魔力弾を最小限の動きで全部避ける。遅いわぁー、ゲームに良く居る重戦士並みに遅い。
驚きに目を見開く少年を一瞥すると、地面を蹴って右斜め、もう一回蹴って彼の背後に回る。ラディの柄で頭をゴン、と叩くと、振り返ってくる少年の額にデコピンをした。
「っつ!」
「有無を言わさず力でひれ伏そうとするのは二流だぞ少年。男なら直ぐに手を上げんなバーロー」
そう言う俺はどうなの? ってね。
ラディをピアスに戻すと警戒している少年に笑い掛ける。なのはが此方へ駆け寄って来るのを確認すると、溜め息を吐いた。
***
えー、今私イロハは、一抹の怒りと理不尽に泣き出しそうです。
「だから、知らなかったンすよ」
「ふざけるな!」
バン! と叩かれる机を見て可哀想に、と机ちゃんに若干同情する。目の前には少年──クロノ・ハラオウン。
さて、そんな事はさて置きこんな事になった理由を説明しよう。
俺とアリシア、死人という扱いになってるらしい。
26年前のアリシアと俺が出会う(?)切っ掛けとなったあの事故で俺達は死亡と。まあそうなるな。
当然真相を知らないクロノはフェイトの生まれる要因となったプロジェクトFとかで生き返ったのだと勝手に勘違いし俺を逮捕しようとしたらしい。
いや、それって結構理不尽だよね。仮にそのプロジェクトFとやらで生き返ったのが俺だとしよう。
捕まる理由ナッシングやないかーい。
まあいい。
で、色々事情聴衆された訳。事故からどうやって生き残っただの、何故此処に居るかだの。一応アリシアの事は伏せておいた。
「近くにいたと思われるアリシア・テスタロッサの事知ってる?」「アリシア? 知らない子ですね」的な感じに。
結局アリシアについてのボロは出なかったが、俺が次元移動を繰り返していたと言った途端被害者から違う事件の加害者に。
今も尚こうやって事情聴衆(尋問)されているのだ。因みに場所はアースラというデカイ艦の中。
「知らない訳ないだろ!」
と言われてもね。本当に知らなかったんだけど。
つーかさ、ぶっちゃけ頭が追い付いていないんですよワタクシ。
フェイトがプロジェクトFとやらで生まれたクローンで、その元がアリシアとな。
確かアリシアのお母さんが実行したんだよね。アリシア生き返らせるぞー、つって。
で、生まれたのがフェイトと。
と、言うことは、今回フェイトが生き返らすと言っていた姉というのはアリシア。
つまり、彼女達は生き返る筈もない(というより生きてる)にも関わらず色々とやらかそうとしているのだ。
「聞いているのか!」
クロノ君が再度叫ぶ。うるせぇよ調子ノンなバーカ!
小学生並みの罵声を心の中で叫びつつ、視線を剃らしながら舌打ちをするとクロノの額に青筋が立つ。
むははは、怒ればいいさ少年。先に手を出した方が負けの口喧嘩やこう言った状況下で、先に怒り出したら不利。
「聞いてる聞いてる。チョー聞いてる。どれ位かって言うと、多分エロ本に集中して全神経をそれに向けてるガキんちょ位には」
「全然聞いていないじゃないか!」
うん聞いていない。だって知らなかったんですもの、裁かれる義務はあっても怒られる様な義務は無い。
ぶっちゃけどうでもいいし。
「クソッ、拘束するには証拠が無いし……艦長を呼んでくるか?」
ちょっと物騒な事が聞こえたけど気にしない。最近の少年は変わってるね。
と、呑気な事を考えていると部屋の扉が開き何やら美人さんが入ってくる。
「艦長?」
あ、この人が艦長ね。さっきこの部屋に連れてかれる前に何やら自己紹介してたな……リンディ、だったっけ?
リンディさんは微笑むと、何やら端末をクロノに渡す。すると、クロノが釈然としない表情で口を開いた。
「……君の無実が証明されたよ」
んん? どういうことかね。
「イロハ君に関する情報が少な過ぎる、と言うことで、証拠不足で無実」
成る程、俺が釈放されるのとリンディさんがエスパーなのは何となく分かった。
「まあ、それとは別に話があるんだけど」
あ、さいですか。
して、話とは何だろうか。年齢と見た目の不釣り合いな件についてとか? それについては完全に聞いた人達次第。
俺が悪魔だと知って信じるか信じないか。ぶっちゃけ契約を解くと人間の様に年を取っちゃうんだけどね。俺はアリシアと契約してるから大丈夫だけど。
近年悪魔が減少してるのもそれが原因。俺達の存在が迷信となり、契約してくれる人間が殆ど居なくなったからなのである。
まあ、それはさて置き。
「話とは何だろうか。ワクワクしないし寧ろ一抹の不安が」
「そんな凝った話では無いわよ。君の使う完全に"オリジナル"の魔法について、少し聞きたいだけ」
あ、そっちですか。恐らくなのはかユーノが言ったんだろうな。
別に隠す事など無いため、自分で作った魔法と言うことを話す。
因みに、俺の使える攻撃魔法は一つの属性につき三つ。で、使える属性が炎、水、電気、力だから合計12個。転移魔法とか含めたら20ちょいか。すっくねぇ……。
「デバイスは使ってないのよね?」
「使う必要ないしな」
そう言うと、クロノとリンディは神妙な面持ちになる。ユーノ先生に教わった知識の内、ミッド式とベルカ式という二つの魔法があるのだと聞いた。
全ての魔導師に於いて絶対に何方かの魔法を使うことになるのだろうが、俺は別。
俺と他の魔法の違いとしては、機械的か極端にファンタジック的か、だろう。
「協力有り難う。それと、ジュエルシードの事についても話すことがあるからついて来て頂戴」
そう言って歩き出すリンディさんの後ろを着いていくのだった。
あの……そろそろこのバインドを消してくれませんかね?
一応の説明。
・この作品に於いての悪魔
最早人間と一緒。契約しなければ年取って死ぬし、力が弱い悪魔は特にそう。
力の強い悪魔は冥界とか魔界とか天界とかに行けるけど、力の弱い悪魔は概念体になって悪戯とかしかできない。
姿形は元の異形の姿か人間になれる。力の弱い悪魔は大体概念体でふわふわしているけど、それなりの悪魔はイロハの様に人間の姿となり余生を楽しんでいる。
地球のヨーロッパ付近に多く住んでいるそうな。
現在の数として、人間が一千万人ぐらい居たら一人悪魔が居る程度。
生まれ方とか戸籍とか云々は割愛。
因みに主人公のイロハは力がかなり強い方の悪魔。
・イロハの魔法
完全にオリジナル。悪魔達は全員古代ベルカ式。デバイスは皆使わない。
イロハが現代、と言うより自分の魔法以外に興味が無さすぎて知らなかっただけ。
・イロハとアリシア
実験施設に遊びに来ていたアリシアのベビーシッター的な感じでイロハがプレシアに雇われた。で、事故。
こんなもんですかね。疑問に思ったり、此処矛盾してるぞオイと思ったら感想にて聞いてください。