作者の妄想大戦k      作:kanaumi

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 今回は、初めての戦闘ですが、少しわかりにくいかも知れませんが、ご了承ください。


第6話 擬態獣掃討作戦 ③

 

 昼食を終え、艦内をぶらついていると、艦内放送が流れた。

 

『――擬態獣出没エリアまで、まもなく到達します。各員、第一種戦闘配置』

 

 空気が一段変わる。

 通路を行き交う足音が速くなり、艦内の照明も戦闘用の色に切り替わった。

 

 俺も急いで更衣室へ駆け込む。

 オーブで新調したパイロットスーツを引き上げ、手早く袖を通した。

 

 心臓が、少し早い。

 

 ――いよいよだ。

 

 格納庫に着くと、機体の周りは整備員が忙しなく動いていた。

 俺はダンナーベースから派遣されたらしい整備員に声を張る。

 

「すいませーん! レヴリアス、乗り込んでいいですか!」

 

「おお! 良いぞ。行って来い!」

 

 短い返事。

 それだけで、背中を押された気がした。

 

 コックピットに滑り込み、シートに体を沈める。

 計器類を確認しながら、簡単にストレッチをして身体をほぐす。

 出撃までのわずかな時間――この数分が、妙に長い。

 

 その時、モニターが「ピピッ」と鳴った。

 

「……通信?」

 

 発信元表示に目をやる。

 

「マジンガーZ……から?」

 

 俺は回線を開いた。

 

 モニターに映ったのは、自分と同い年くらいの青年だった。

 目が強い。声も勢いがある。

 

『よう! お前だろ? オーブから来たっていうパイロットって』

 

「えっと……ああ、そうだよ」

 

『俺の名前は兜甲児だ。お前は?』

 

「俺はミスト・レックスです」

 

 ――兜甲児。

 名前だけは聞いていた。

 でも、実際に喋ると想像以上に“前へ出る”タイプだ。

 

『いやー、通路でバルトフェルドさんには会ったんだけど、お前には会わなかったからな』

 

「ああ、それで」

 

『一緒に戦うのに名前が分からないと不便だろ。連携だって取れないしな』

 

「……そうですね。よろしくお願いします」

 

『おう、よろしくな! ミスト!』

 

 通信が切れる。

 たったそれだけの会話なのに、妙に心が軽くなった。

 

 その後も同じように、ブリッジで挨拶できなかった面々――弓さやかさん、剣鉄也さんらと簡単な自己紹介と雑談を交わし、俺は出撃命令を待った。

 

 

『パイロットの皆さん、目的エリアに到達しました。指示に従い、順次出撃してください』

 

 アナウンスとともに、格納庫が動き出す。

 

 先陣はゴーダンナー。

 続いてマジンガーZ。

 コアガンナーも滑るように射出されていく。

 

『次に、ミストさん。出撃してください』

 

 俺の番だ。

 

 レヴリアスを前進させ、カタパルトに乗せる。

 機体が固定され、振動が足元から伝わる。

 

『レヴリアス、発進してください』

 

「ミスト・レックス、レヴリアス行きます!」

 

 叫んだ瞬間、視界が引っ張られた。

 射出――重力がふっと抜け、外の空が一気に広がる。

 

 

 擬態獣の群れは、海上に散っていた。

 黒い塊のように見えるそれらが、時折“機械”の形をなぞりながらうごめいている。

 

 俺は前線より少し後ろ――“援護位置”に付いた。

 狙うのは、前で暴れているマジンガーZに寄りつく個体だ。

 

「……危ない、そこだっ!」

 

 マジンガーZの死角から迫る擬態獣に、ステアードを構えガンモードで撃ち抜く。

 胴体が弾け、擬態獣が海面へ崩れ落ちた。

 

『サンキュー、ミスト! オリャッ!』

 

 甲児君の声。

 マジンガーZが俺の撃った擬態獣を掴み上げ、そのまま投げ捨てた。

 

「あと、どんくらいですか!」

 

『まだまだだな! だが大丈夫だ!』

 

 作戦開始から三十分。

 事前ミーティングでも「長丁場になる」と言われていたが、想像以上に数が多い。

 

 それに、戦艦級の擬態獣も確認されているらしい。

 

 本来の作戦はこうだった。

 中央をスーパーロボットが抑え、左右から高速機が切り込む。

 狙撃部隊が各個撃破。

 

 だが――数が多すぎた。

 

 作戦は変更され、危険だが二機編成の小隊を複数作る。

 “必ず二機で動く”。エリアを分け、面で押し返す。

 

 俺の相方は――マジンガーZ。

 

『おっと、危ねぇ……お返しだぁ! ロケットパーンチ!』

 

 鉄拳が飛ぶ。

 擬態獣が潰れ、海面が跳ねる。

 

 ――凄い。

 画面越しじゃなく、本物のスーパーロボットは“重さ”が違う。

 

『一気にいくぜ! 喰らえぇ、ブレストファイヤー!』

 

 胸のV字から熱線が走り、前を塞いでいた群れごと溶かし尽くした。

 

「……すげぇ……!」

 

 テンションが跳ね上がる。

 俺もステアードを握り直した。

 

「よし、俺だって!」

 

 ガンモードで連射しながら速度を上げ、甲児君の横に付ける。

 

「チャンスです、甲児君!」

 

『任せな! 吹き飛べぇ、ルストハリケーン!』

 

 口から噴き出した酸の風が、擬態獣を押し流す。

 流れた群れが一箇所に固まり、動きが止まる。

 

 ――今だ。

 

 俺は腕部の砲身を展開する。

 照準が収束していく感覚が、手の中にあった。

 

「ロック……グルーヴァイン・バスター、シュート!!」

 

 砲撃が走る。

 固まった群れを貫いて、爆発が連鎖した。

 

 煙と破片が、海上に散る。

 

「……よし!」

 

『おう! うまくいったな!』

 

「急だったのに合わせてくれて助かりました!」

 

『こんぐらい良いって事よ! 次だ、次!』

 

 戦闘開始から四十分。

 息を整える暇はない。

 

 だが――“二機で合わせる”感覚が、少し掴めてきた。

 

 

戦闘後

 

 一区画の掃討が完了し、ようやく通信が落ち着いた頃。

 

『なあ、あの時の技、何て名前にするんだ?』

 

「……えっ?」

 

『必殺技には名前がいるだろ!』

 

「急に言われても……」

 

『たとえば、ブレスト・バスターとかさぁ!』

 

「ブレスト、どこから来たんです?」

 

『マジンガーのブレストファイヤーからだ! ……で、なんかねぇのか?』

 

「うーん…………浮かばないです……」

 

『あー……もう、コンビネーション・アタックでいいか』

 

「……はい。それでいいと思います」

 

『必殺技の名前を考えるのも大変だな……』

 

「ええ……そうですね……」

 

 戦場の真ん中で、何の話をしているんだ俺たちは。

 

 ……でも。

 

 こういうくだらない会話ができるってことは、

 少なくとも“今は”生きているってことなんだろう。




 擬態獣掃討作戦が続いていますが、本当は3話で終わるつもりだったのですが、区切りやなんやでとても3話で終わりそうに無いため、もう少しお付き合い下さい。
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