予想していたよりも文字数が増えたので『狭間の森』のみで投稿することになりました。
今回は、あなたを想う人はすぐ傍にいますよ的なお話。
◆ ◆ ◆
何だかんだで一週間も過ごした『病み村』を去るのは寂しいものがありますが、私の目的が旅である以上、歩みを止めるわけにはいきません。
結局『病み村』ではアナスタシアちゃんの『城下不死街』で横領をしていた<城下不死街の商人>さんに関わる情報は手に入りませんでしたが、進んでいればその内見つけることも出来るでしょう。
別れ際に教え子の<混沌の娘>ちゃんに泣きつかれたのには心を動かされましたが、他のエリアも見て回りたいのも事実。
側にいないことであの子が成長することを楽しみに、私の旅は続くのです。
「……なのですが、これは一体どうしたことでしょう?」
私が現在いるのは『狭間の森』。
少し前に『病み村』へ向かうために通りましたが、なぜ今ここにいるかと言いますと、ここのエリアボス(?)の
「ほんま頼んますー。
<かぼたん>はんみたいな別嬪さんが居りゃあアイツも出てくる思うんですわ~」
「それはいいにしても作戦とかあるんですか?
引き籠りの騎士さんを誘い出すなんて、容易なことじゃないと思うんですけど。
それに美女を囮に引っ張り出すなら、ヒュドラさんだって白魚みたいに滑らかな肌の美人さんじゃないですか」
「お世辞言うてもあかんで<かぼたん>はん。
ウチはこれでも結構なババアなんやで?」
「いえいえ、ヒュドラさんはまだ若い方ですよ。
と言いますか、ロードランでエリアボスをしているような人に若い人はいないと思いますよ?」
人外の美女はみんな結構な高齢なのです。
で、結局ヒュドラさんの頼みごとと言うのが何かと言いますと、とってもシンプルなものでした。
この『狭間の森』の主要キャラとして観光客を出迎える職員の“岩のような”ハベルさんを外におびき出すことです
色々あったとかで家に引き籠っているのだとか。
「アイツも今のままじゃあかんのは分かっとるよ。
そやからおびき出して縛り上げて脱・引き籠りをさせりゃ真面目な生活にも慣れるっちゅー寸法や♪」
「そんなに上手くいくかどうかはさておき、ヒュドラさんの作戦を見守らせてもらいます。
いざとなれば私も手伝いますので」
何だか勢いでハベルさんを家から誘い出す作戦に加担するのが今日の私の目的。
では始めましょうか。
◆ ◆ ◆
「で、この看板なんですか?」
ハベルさんのお家の前にやってきた私とヒュドラさんとその他大勢のゴーレムの皆さん。
ですがお家の前に「ハベル中」と書かれた看板が掛けてあり、侵入者を固く拒む意思がありありと見えます?
「これはな、ハベルはんが、ただ引き籠るだけではイカンと思ったようで何かしとるフリをしとるんよ。
ほれ、『引き籠り中』と書くよりも、この方が何か修行とか建設的なことしとるみたいやろ?」
「確かにそうかもしれませんが、逆に何があるのか気になって侵入者を呼び寄せそうな雰囲気ですね。
ハベルさんって、人と会うのを避けての引き籠り中なんですよね?」
「まぁの、ロードラン全体が観光地になっとるし、ハベルはんの家に来る人は実際多いんやわ。ここの鍵も序盤に手に入るし。
そういう運の無い客は、あの人の大槌でプチン。
御愁傷様ってー感じやな」
不死者しか来ないので問題は無いそうです。
私が前に住んでいたボーレタリアでも、美声を看板におびき寄せた人の首を斬っていく女性がいましたね。
恍惚のヤンデレポーズと言いますか、「首置いてけ~♪」って言いながら斧を振り回していましたが、彼女は元気でやっていればいいのですが……。
っと、故郷を思い出すのもいいですが、今の問題はハベルさんですね。
さて、ヒュドラさんが一体どんな手でハベルさんの引き籠りを辞めさせるか。
期待しながら見つめる先でヒュドラさんの作戦は決行されました。
「おーいハベルー、宵闇だよー(嘘)」
「……本当かー? 本当に宵闇ちゃんならあれが出来るはず。グウィンドリンさんの真似」
「諸君! 私はおっぱいが好きだ!」
「うわー、すげー。本当に宵闇ちゃんだー♪(ガチャリコ)」
あっさりと鍵を開けて飛び出てきたハベルさんをヒュドラさんの配下のゴーレム軍団が捕縛。
え? 仮にも“岩のような”という固そうな二つ名を持ち、多くの戦士から信奉されているハベルさんが、そんなあっさり捕まるもんなんですか?
「宵闇ちゃんではなく湖獣のババアじゃねーか!
ふざけんな! だましたのかよ!?」
「洋風に<ヒュドラ>、と呼んでくれへんか? ハベルはん。
ええ加減、宵闇はんのことは諦めぇや。
彼女はマヌスはんのところに嫁いだ人妻なんやで?」
「やだー! 人妻でも宵闇ちゃんが好きなんだー!
むしろ人妻になった宵闇ちゃんにときめくんだー!」
ところがどっこい、これが現実。ハベルさんは元々こんな性格だと近くにいたゴーレムさんが教えてくれました。
ハベルさんは、少し前までこの『狭間の森』に住んでいた<ウーラシールの宵闇>さんに一目惚れしていたらしく、その宵闇さんが結婚したショックで引き籠っていたんだそうです。
「うぉぉぉぉ~ん! 宵闇た~~~ん!!!」
「ハベルはんもええ加減大人になりぃや!
宵闇はんは人妻でウーラシール王国の王女様なんやで?」
「それでも好きなんだよ~~~~~!!!!!」
あまりにも子どもみたいに泣きわめくハベルさんに呆れていると、近くにいたゴーレムさんが更に詳しくハベルさんと宵闇さんについて教えてくれました。
いや、別に聞きたかったわけじゃないんですけど親切なゴーレムさんですね。
何でもハベルさんは、“薪の王”グウィンさん(「木こり」の王様なんでしょうか?)の親友。
友人知人が立派な人ばかりなために美化された伝説や逸話が多いだけで、実際にはヘタレで臆病な騎士だったそうです。
大昔から生きているだけあり、友人のグウィンさんが子どもまで作っているのに妻子もいない彼は一人寂しく、狭くて縦長の家に帰る日々。
そんなある日、『公爵の書庫』にて今では法に触れる類のえっちぃ本を買って帰る途中に転んでしまい、そこに現れて手を差し伸べてくれたのが宵闇さんだそうです。
ですが身についたヘタレ根性のために告白は空回りを続け、そうこうしている内に宵闇さんは、マヌスさんという人にダイナミック求婚をされて嫁いでいったそうです。
「ゴーレムさんもよく見てますね。こんな人のこと」
「ボスのヒュドラ様がハベルさんを放っておけないと言うので仕方なく」
ボスに忠実なゴーレムさん。
もしかしてヒュドラさんって、ハベルさんのことが好きなんですかね?
人妻属性がついた宵闇さんをオカズに、引き籠りながら一人モニョモニョしているヘタレに惚れるだなんて変わった人ですが、母性本能みたいなものなんでしょうね
「あのー、ヒュドラさん。それで、ここからどうするんですか?
ハベルさんを何とか外に誘い出して捕まえましたけど、抑えを解いたらまた引き籠ると思いますが」
「ふっふっふ、付き合いの長いウチもその点は予想済みや。
そして、こっからが<かぼたん>はんに協力してほしい事なんですわ♪
このどうしようもないハベルはんを連れて、過去のウーラシール王国へ行ってもらえんか?」
ウーラシール王国と言うと、確か『アルトリウスのわんにゃんランド』前で警備をしていた樹人さんの出身でしたね。
「無論、ただでとは言わん。
このアンポンタンを連れて行ってくれたら向こうで使える商品券あげるわ。
何でもウーラシール王国ではキノコ頭の変な女性がアイテムを売ってくれるらしいで?」
「……確かにいいかもしれませんね。
観光が目的ですし、ウーラシール王国ならではの土産物を探しに行くのも面白そうです♪」
「せやろせやろ♪
ほな、そういうことでこのアンポンタンの面倒よろしくお願いしますわ♪」
「了解です♪」
……あれ? もしかして私面倒を引きうけちゃいましたか?
「では、ゴーレム共も撤収やー。
ハベルはんも、<かぼたん>はんの言うことをよう聞いてアホなことしんさんなよ?
宵闇はんもマヌスはんも、向こうでは結構なお偉いさんなんやから」
「うっせぇ湖獣! ばーかばーか!」
「バカって言う方が馬鹿やでーハベルはーん。
ウチをバカにする前に、泌尿器からエビの臭いさせんように気ぃつけやー」
何気に夫婦漫才じみたハベルさんとヒュドラさん。
こうして私は何だかよく分からない旅の道連れと共に、ウーラシール王国を目指すことになるのでした。
「……とりあえず、引き受けた以上、あなたを連れてウーラシール王国へ行こうと思います。
準備はよろしいですか?」
「フヌゥ、僕はいつでもフルハベル装備だから忘れものなんてないな。
ところで<かぼたん>さん胸大きいですね。バストサイズ幾つ?」
「禁則事項です♪(ザクンッ)」
ハベルさんも不死者ということで、私の『銀のデモンズソウル』の能力で強化した手刀を突き刺します。
大穴があいちゃいましたけど、不死者なら大丈夫でしょう。
「ぐ……、私が“岩のような”ハベルでなければ見逃すほどの速い手刀ですね……」
「あなたも相当頑丈ですね。
それよりも穴が塞がったらウーラシール王国へ向かいますから忘れ物の無いようにしてくださいね」
急所は避けているのですぐに傷口は治り、鎧の方も私の鍛冶屋としての技能で修復します。
アンドレイ師匠。ここでもまた師匠の技が役に立っていますよ!
では、いざ行かん! ウーラシール王国へ!!
~後書き~
マヌスの設定に関しては色々とありますが、これまでの他のキャラのように私の好みで行きます。
さて、どういう方向に転がしていくか♪
あとアニポケのリザードンはやはり最高にカッコいい!
もう手持ち全部、昔のポケモンに変えれば負けないと思いますがそれはしないんですねぇ~。
私の特に大好きなオコリザルも少し出ていたので良かったです♪