ロードランは今日も平和です   作:ヨイヤサ・リングマスター

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 ~前書き~


 『ディスガイアD2』が面白い! そんな訳で思ったよりも早くクリアしたので更新。

 今回長くなったので二話に分割しています。


 ◆ ◆ ◆


第十七話:かぼたん、ふよふよする

 『センの古城』を見学し終えた私が次に訪れたのは『アノール・ロンド』。

 

 蝙蝠羽のデーモンさんたちに連れられ、初めて空を飛んでみましたが気持ちいいものですね。

 

 空を飛べる人たちはいつもこんな気持ちで飛んでいたのかと思うと羨ましくなります♪

 

 でもそんな人たちのデーモンすら取り込んでいる私ならもしかして……、

 

 

「あ、本当に飛べますね。

 翼もないのにどうやって飛んでいるのかは謎ですが、折角なので空から飛んでいきましょうか」

 

 

 ソウルで全身を覆うようにしてこう、ふわふわ~っと浮くイメージ。これぞソウルマジック。

 

 きっと飛行魔術が今この瞬間に新しく出来たとか、そんなところでしょう。流石は私♪

 

 このアノール・ロンドは無駄に広い作りをしていますし、面倒な移動はカットしたいですからね。

 

 さぁ、まずは篝火でも見つけてご飯にしましょうか♪

 

 

 ◆ ◆ ◆

 

 

 空を飛ぶこと数分。

 

 篝火の灯りが見えたので、ふよふよと小部屋に入った私ですが、変な人の出迎えを受けました。

 

 

「な! なんだ貴公は!?

 人の家に入るのならノックくらいしたらどうですか!?」

 

 

 いや、ノックも何も、戸が無いんですけど。この部屋。

 

 デーモン洞察力でソウルを見る限り、この女性が『アノール・ロンド』担当の火防女のようですね。

 

 他のロードランの火防女たちはアイドルを兼業していましたが、ここでは騎士との兼業ですか。 

 

 

「ここは不死の使命の巡礼者が……えっと、その、色々とするために立ち寄る神聖な場所だぞ!

 宙に浮きながら入ってくるだなんて何を考えているんですか!?」

 

 

 火防女としての使命を忘れるのはいかがなものかと思いますが、私が考えるにこの女性はからかうと面白いタイプの人です。間違いありません。

 

 となると私のとるべき行動は一つ。

 

 

「突然の来訪、申し訳ありません。

 じ、実は私は食べるものに困って彷徨い歩き、やっと篝火に辿りついたところなのです。

 ノックをしたり自力で歩く体力もない私をお許しください……(嘘)」

 

 

「なんと!? それは失礼しました。

 私はこの『アノール・ロンド』の火防女をしている<暗月の女騎士>と言います。

 すぐに食事の支度をするから休んでいってください」

 

 

「御親切にありがとうございます。

 あと、私はお肉が食べたい気分です」

 

 

「了解です! そこに布団があるから横になって楽にしてください。

 うおっしゃぁぁぁー! 燃やしつくすぞ私のソウルぅぅぅー!」

 

 

 別にソウルまで燃やさなくても、と思いましたが随分と熱い人のようなので何も言わずにお布団で横になって待つことにします。

 

 どうやら彼女が作ってくれている料理は焼き肉みたいですね。

 

 

「タレは甘口と辛口のどちらにしますか?」

 

 

「あ、タレでしたら手持ちがあるので大丈夫です。

 『病み村』専属コック“人喰い”のミルドレットさんお手製の超おいぴータレですよ♪」

 

 

「おぉ! まさかこの私の人生でミルドレット氏の作った焼肉タレを食べる日が来ようとは♪」

 

 

「あと他にも日持ちする調味料なら幾つもあるので一緒に楽しみましょう♪」

 

 

「貴公はいい人だな~♪」

 

 

 円滑な人間関係があっさりと築けたところで女同士のキャッキャウフフな会話。

 

 ここは火防女の先輩としてもカッコいいところを見せてあげなければ!

 

 

 ◆ ◆ ◆

 

 

「そこれれすね、わらひは言っひゃんでしゅよ。署長が辞めてどうしゅりゅんでしかぁ~って」

 

 

「はいはい、いいから絡まないでください。

 酒は飲んでも飲まれるな、と聞いたこと無いのですか?」

 

 

「にゃい!」

 

 

「そうですか。なら仕方ないですね」

 

 

 えーとですね。現在の状況を説明しますと、

 1:お肉を食べている内にお酒が欲しくなった私たち。

 2:『病み村』名物クラーグさんお手製の口噛み酒。

 3:コップ一杯で酔った<暗月の女騎士>さん。

 4:絡みまくり。

 

 です。

 

 

「それで『暗月警察』の署長がどうしたんですって?」

 

 

「えっとれしゅねぇ~、『暗月警察』は“太陽のぉおお女神”グウィネヴィア様を守るために、“陰のぉおお太陽”グウィンドリン様が組織したのぉおおれしゅぅぅぅ。

 れしゅぅぅぅが署長が辞めて実家に帰ったのぉおおれ私たちは苦労してぇぇぇぇ゛いぃるんれしゅぅぅぅよお゛お゛お゛ぉ。」

 

 

「いや、酔った勢いを抜きにしても分かりにくいですって。

 グウィンドリンさんが引き籠ったからトップ不在で組織の維持が大変ってことですね」

 

 

 一応、もと副署長ポジションだった騎士さんが上手くやっているそうです。

 

 むしろ前の署長のグウィンドリンさんよりも有能だそうで、問題ないなら絡まないでほしいんですけどね。

 

 

「れも私はグウィンドリン様がいぃぃぃっのぉおおれしゅぅぅぅ!

 今のぉおお署長は、誓約『王女のぉおお守り』と兼任してぇぇぇぇ゛いぃるのぉおおれグウィネヴィア様のぉおお部屋のぉおおみのぉおお警備しかしてぇぇぇぇ゛いぃませんし」

 

 

「だからウルサイですってば」

 

 

 火防女流体術奥儀:当て身。 効果:相手は気絶する。

 

 

「ばたんきゅ~……」

 

 

「ふぅ、やっと静かになってくれましたか。

 それじゃここの探索は明日にして、今日は寝ましょうか」

 

 

 火防女にもいろんな人がいるんですね。

 

 ここまで思いこみが激しくて間違った方向に忠実な火防女だなんて、やっぱりロードランは面白いですね。

 

 

 

 

 ◆ ◆ ◆

 

 

 翌朝。早くに目を覚ました私は、<暗月の女騎士>さんを置いて『アノール・ロンド』の本格的な探索を開始することにしました。

 

 帰りにもこの篝火部屋には立ち寄るでしょうし、挨拶はその時でいいでしょう。

 

 それで部屋を出た先にある、安全性は無いのに大掛かりなエレベーターを降りた先にやってきたわけですが、

 

 

 

「おい見ろよ相棒。久し振りの観光客だぜ♪」

 

 

「そうだな相棒。

 しかも女だ。巨乳だぜ。

 巨乳の女が巨乳教の聖地『アノール・ロンド』へ来やがったぜ♪」

 

 

 この地の管理者、グウィネイアさんに会いに行こうとした私はまたも絡まれています。

 

 それは二匹のガーゴイル。『不死教会』に出てきたガー君たちとはえらい違いですね。

 

 

「もし、あなた達が私を見て不埒なことを考えているというのなら、その妄想を外に出さず道を開けなさい。

 でないと無のような死があなた達に降りかかりますよ」

 

 

 警告は基本。昨日のお酒がまだ残っているのか、少し大きくなった気分でカッコ良く宣言します。

 

 

「はっ! 俺達相手に舐めた口きいてくれるじゃねぇか!!」

 

 

「俺らガーゴイルを舐めてんのかゴルァ」

 

 

「ザッケンナコラー!」

「スッゾコラー!」

 

 

 警告は無意味、ですか。仕方が無いですね。出来れば穏便に済ませたかったのですが、向こうに非があるならこちらも暴力で応えましょう。

 

 

「私に迎撃の用意あり。覚悟かんりょ「貴様ら何をやっているかー!」……う?」

 

 

 アンドレイ師匠から習った鍛冶と呪術のドッキングを披露したかったのに、突如表れた新たな声に邪魔をされてしまいました。

 

 

「「も、申し訳ありませんでしたスモウ様!!」」

 

 

 スモウ……、確か四騎士の一人でしたっけ?

 

 

「客人、失礼しました。

 私の名はスモウ。四騎士の一人“竜狩り”のオーンスタイン様の側近としてこの地の警備をしている騎士団の副官であります」

 

 

「はぁ、これはご丁寧にどうも。

 あ、私は<かぼたん>と言います」

 

 

「てめぇこら! スモウ様を舐めてんじゃねー!」

「スモウ様は騎士団でただ一人真面目に働いている方なんだぞー!」

 

 

「だからいい加減にせんか馬鹿者どもがッ!

 これ以上の客人に対する無礼はこの地のみならず、グウィネヴィア様へご迷惑がかかることくらい理解せぬか!!」

 

 

「「し、しぃませぇ~ん」」

 

 

 何とも昔気質な騎士らしい騎士さんですね。

 

 四騎士ではないそうですが、こんな立派な人がいるくらいですし、グウィンさんの騎士団は有能な人が多いんでしょう。

 

 

「では<かぼたん>様。ここからは私が案内致しますので、こちらへどうぞ」

 

 

「ありがとうございます」

 

 

 さて、これでいざグウィネヴィアさんと面会かな? と思っていたのですが、事はそう簡単ではありません。

 

 スモウさんに案内されて『アノール・ロンド』の正面の城門から入ることになったのですが、そこで問題が一つ。

 

 

「女神女神女神~♪ 女神~を~愛で~ると~♪」

 

 

「「メガメガメガメガ♪」」

 

 

 ズシンズシンと大きな音を響かせながらお城の中で踊る大きな女性。

 

 そして女性の足元で合の手を入れる、金色の抱きしめ鎧の騎士さんとライオンっぽい鎧の騎士さん。

 

 <暗月の女騎士>さんや“東の”シバさんもそうですが、金色の鎧って流行っているんですかね?

 

 あ、スモウさん。せっかく面白そうな光景だったのに何で門を閉めちゃうんですか?

 

 

「……えー、少し不手際がありました。

 少々お待ちいただけますか?」

 

 

「え? いまの大きな女性って“太陽の女神”グウィネヴィアさんですよね?

 別に隠さなくてもいいですよ。

 これまで出会った他のエリアボス達も似たり寄ったりでしたし」

 

 

「いえ、グウィネヴィア様に目が言っていたのなら好都合。

 私が隠したいのはあの方の足元で踊っていた二人の方です」

 

 

「あ、なるほど。ということはあのライオンっぽい鎧の騎士さんが“竜狩り”オーンスタインさんなんですね。

 それで上司の情けない姿を正すために少し時間が欲しい、と」

 

 

「……分かっていただけて幸いです。

 そういう訳で少しお時間を」

 

 

「はいはい、ごゆっくり♪」

 

 

 一人、先に中に入るスモウさん。上が駄目だと下が育つ、ということですね。

 

 となると、もう一人の金色鎧さんは巨乳教の聖地だからこそ大きな顔をしている客人――ロートレクさんですね。

 

 スモウさんがしっかりしているからと言って、アルトリウスさんやキアランさんみたいなのが選ばれる四騎士を過大評価してはいけないということです。

 

 ゴーさんはずいぶんとまともでしたけど、四騎士の中では苦労も多かったんでしょうね。

 

 

 私は私でゆっくりと待たせてもらいましょうか。

 

 

 

 




 ~後書き~


 今回は二話同士更新なので引き続き次話もお楽しみください♪

 やっぱりエリア一つを一話にまとめるのは難しいですね。
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