ロードランは今日も平和です   作:ヨイヤサ・リングマスター

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 ~前書き~

 今回は二話同時更新ですので前話を見ていない方は、一つ前からどうぞ。

 アノール・ロンドは文字数が増えたので分割しました。

 それと今回のテーマソングは『Bubamara』ですね。
 アノール・ロンドは骨組がある程度あったのに、実際に書き始めるとものっそい追加しまくっちゃったんですよねw


 ◆ ◆ ◆


第十八話:かぼたん、悩み相談を受ける

 スモウさんが中に入って騒がしくなっていた王城ですが、しばらくしてお説教も終わったらしく静かになりました。

 

 出てきたスモウさんはまだ説教をし足りないようですが私を待たせている以上、あまり時間をかけれないんでしょうね。根が真面目な人みたいですから。

 

 

「スモウさん。お説教なら気が済むまでしていても良かったんですよ?」

 

 

「いえ、それはそれで門番の巨人兵どもがあなたに良からぬ事を吹きこむのでは、と心配だったので」

 

 

「あ、そっちの心配をしていたんですか。

 確かにこのエリアって、真面目なスモウさんが浮いてしまうくらいに軽い人しかいませんよね」

 

 

 城の中から後ろを振り返ると、さわやかスマイルで手を振ってくれている巨人兵さんたち。

 

 門番を任せられるだけあって寡黙で気さくで己の職務に忠実に見えますが、彼らは私のおっぱいを横目で見まくっていたんですよね。

 

 鎧兜で目線が隠れていても、私のデーモン観察力は伊達ではありません。

 

 そこからしばらく進み、階段を登って広間に出たところで、奥の壁にグウィンさん一家の石像とエレベーターが。

 

 ふむ、石像を建てるのも観光地には良いアイデアかもしれませんね。

 

 

「さ、<かぼたん>様。

 我が主グウィネヴィア様は上でお待ちですのでエレベーターにどうぞ」

 

 

「このエレベーター、スモウさんには小さいですけど、あなたは普段どうやって上がるんですか?」

 

 

「ジャンプです」

 

 

 まるでテレポートをしたかのような高速移動でジャンプ。

 

 優秀な騎士のスモウさんは体型に似合わず実に軽快な動きで上の階まで飛び上りました。

 

 巨体で動ける人って、カッコいいですよね♪

 

 

「この先がグウィネヴィアさんの部屋ですかー。

 さっきのことを無かったことにするとして、一体どんな出迎えをしてくれるのでしょうか」

 

 

 多少の真面目展開への期待と、期待が裏切られる展開への期待でいっぱいになりながら、いざ入室。

 

 扉を開けるとそこには、

 

 

「こりゃ、グウィネヴィア! そこはもっと元気よくじゃ!

 応援に力を入れんと信者共もシャンとせん!

 わっちの信者『貧乳教徒』と拮抗してこそお互いの成長があるんじゃろうが」

 

 

「久し振りの来訪と指導ありがとうございます、ベルカ。

 どうも最近アノール・ロンドでは私が躍って信者は合の手が普通になっていますから、彼らへのダンス指導、とても助かります」

 

 

「「O・P・P・A・I様ぁぁ~♪」」

 

 

「じゃからグウィネヴィアの信者の癖してダンスが下手だといっとるじゃろうが!

 胸ばかり見てるんじゃない!」

 

 

「うっせ、ロリ神!

 うちはいつもグウィネヴィア様のダンスを眺めるのが我ら信者の仕事なんですぅ~。

 子どもには分からんのですぅ~」

 

「余所は余所。これ鉄則ぞなもし!」

 

 

「あの、ロートレク。それにオーンスタインも。

 ベルカは私の友人ですし、『貧乳教』をたった一人で大きくしたカリスマです。

 もう少し素直にダンスを勉強してください」

 

 

「「御意」」

 

 

「分かればよい。

 ならば次はステップの練習じゃ、心せよ」

 

 

バタン

 

 スモウさんによって開かれたグウィネヴィアさんの部屋の扉は、またもスモウさんによって閉められました。

 

 

「あの、スモウさん。

 さきほど正面玄関での出来事と大差ない風景がグウィネヴィアさんの部屋で起こっていたのですが。

 アレでも一度注意したんですよね?」

 

 

 隠しようもない事実。

 

 それはグウィネヴィアさんも、その信者たちも、みんなして変な方向に向かい、スモウさん以外誰も突っ込まないこと。

 

 汗を滝のように流すスモウさん。

 

 

「真にッ、申し訳ございません<かぼたん>様ッ!

 実を申しますと、これが現在のアノール・ロンドの姿なのです!!」

 

 

 床に突っ伏して涙ながらに語るスモウさん。

 

 かつてはグウィンさんを中心に偉大にして崇高な存在だったグウィン家の面々も、時と共に退廃し、今じゃサブカルチャーにばかり興味を持つ「神」や「騎士」が名ばかりの集団に。

 

 グウィンさんと、長男のグウィンドリンさんが田舎に引っ越したことで現状『アノール・ロンド』のトップのグウィネヴィアさんは、友人のベルカさんと『巨乳教』と『貧乳教』を立ち上げてロードランの活性化を目指し始めたそうです。

 

 少しずつ狂いはじめ、気がついたら現状になっていた。

 

 気づいた時には手の施しようもなく、一人真面目なスモウさんは心労が絶えないのだそうです。

 

 

「私は……、間違っていたのでしょうか?

 昔は我が主と部下たちは、それぞれの職務に忠実なまま気高く美しかったというのに、このアノール・ロンドでは私が異端なのかもしれません」

 

 

「気にしてはいけませんよ、スモウさん。

 私が見てきた他のエリアでもアイドルを兼業するエリアボスや誓約主はいましたから」

 

 

 それに真面目に配下の人たちに目を配る人もいますからね。あまり多くないですけどね。

 

 

「そうですか……。

 それならば、そろそろ頃合いなのかも知れませんね。

 私も<かぼたん>様が言うような、昔ながらの真面目なボスのいるエリアに移るのもいいかも知れません」

 

 

「そうしましょう、そうしましょう♪

 スモウさんなら何処に行ってもやっていけますよ」

 

 

 会ってまだ10分も経っていないのに意気投合した私とスモウさん。

 

 色々と話し合った結果、ウーラシール王国のゴーさんのところに行くことを勧めました。

 

 四騎士で唯一まともな人でしたからね。

 本人はすでに隠居していると言っていますが、まだまだ騎士としての腕前は衰え無しです。

 

 

「では、これより男スモウ! 一世一代の決別の退職をしたいと思います!

 懐に常に辞表を仕舞っておくのがカッコイイと思い、以前から認めて(したためて)いた辞表が活躍する時が来たのです!」

 

 

「よっ! さすがスモウさん。用意がいいですね♪」

 

 

 騒ぎを聞きつけてか正面玄関や広間で門番をしていた巨人兵さんや銀騎士さんたちまで登場。

 

 それぞれ手に楽器を持ち、熟練の演奏技術を発揮します。

 

 準備完了。当方に決別の用意あり。

 

 

 ◆ ◆ ◆

 

 

 

「そう言う訳で辞めさせてもらいます!」

 

 

 スモウさん渾身の最後の一撃。

 

 愛用のスモウハンマーに辞表を貼り付け、直属の上司のオーンスタインさんに叩きつけてシュゥゥゥーッ!! 超!エキサイティン!!

 

 

 見ていて清々しいほどに晴れやかな笑顔で城から去っていくスモウさん。

 

 ペシャンコになったオーンスタインさんはともかく、他のグウィネヴィアさん達はポカンとしています。

 

 

「えっと、ようこそ『アノール・ロンド』へ。

 ……でいいのかしら? ロートレク」

 

 

「グッジョブです、おっぱい様♪

 スモウが騎士団を去るのは驚きでしたが新たなおっぱい友達を招いてくれたことに感謝をしましょう」

 

 

 いやらしい視線を向けてくる金色鎧の騎士がロートレクさん。

 

 変態さは伊達ではないようですね。

 

 気持ち悪いので燃やしちゃいましょう。呪術の炎でボシュっと♪

 

 

「えーと、確か<かぼたん>さんだったかな?

 君は『友達を燃やすのはやめましょう』と学校で習わなかったのかね?

 私が紳士でなければ死んでいたよ」

 

 

「だぁ~れが友達ですか、誰が!」

 

 

「巨乳はみんな私のお友達なのです!」

 

 

「一方的に友達と思っていても、相手から認識されない限りそれは友達じゃないですよ?」

 

 

 ちょっと気押されて普通に返してしまいましたが、このロートレクさんは私の想像をはるかに超える変態でした。

 

 そう、まさしく太陽レベルのアホなのです!

 

 

「愚問だな。太陽に向かって何故太陽(おっぱい)なのかと問うか?

 いいや、問わない。

 万物が見て分かるものを問うほど、考える頭を持つ生物は馬鹿じゃない。

 おっぱいをおっぱいと認識できるかどうかが『生物』と『無機物』の境目なのだからな!」

 

 

 相手にしていられないので次です。

 

 

「そこの変態は置いておくとして、グウィネヴィアさん。

 私は今、ロードラン全域をめぐる旅の途中なのですが、『王の器』をもらえますか?

 ロードラン最後のエリアと、そこへ行くための四人の王たちのエリアへの鍵なんですよね?」

 

 

「「zzZ zzZ」」

 

 

「寝てるぅぅぅ~~~!?」

 

 

 何と言うことでしょう。せっかく会いにきたグウィネヴィアさんと、何か伏線っぽいものを張って登場したベルカさんは寝ていました。

 

 

「くっくっくっ、我らが主グウィネヴィア様と、そのご友人のベルカ様は一日に約20時間の睡眠を必要とするのでござる。

 ここから先は我ら騎士団の仕事。ベッドへ運ぶだけでも大仕事なのだからな」

 

 

「おぉ、オーンスタイン。目を覚ましたのか♪

 てっきり死んだかと思ったよ」

 

 

「部下にハンマーでペチャンコにされたくらいで死ぬほど拙者は軟ではないでござる。

 というかロマンたっぷりの女性が側にいるのに寝ていられるか!

 空気入れでポンと膨れたでござる♪」

 

 

「「ユウジョウ!」」

 

 

 二人の騎士は自分たちだけの世界へ突入。

 

 それすなわち巨乳ドリームの中。

 

 最後にオーンスタインさんとロートレクさんはアドバイスを一つ。

 

 

「あ、そういえばおっぱいの大きな貴方。

 グウィネヴィア様に『王の器』を求めていたようだが城門付近のスタンプコーナーの隣にパンフレットと一緒に置いてたのに気付かなかったでござるか?」

 

 

「え? 不死の使命とか巡礼者がどーのこーのの重要アイテムがそんな扱いなんですか?」

 

 

「おいおい、従業員にばかり真面目さを要求しておきながら自分は確認ミスかい? おっぱいの大きな君。

 そんなのはMPが無いのに魔法が発動しないと師匠を怒鳴る新人魔術師並みに間抜けじゃないか。

 でも、おっぱいが大きいから許す! このロートレク、おっぱいには優しい男で通っているのでね」

 

 

「勿論、このオーンスタインもおっぱい大好き優しい紳士でござる♪」

 

 

 そんなこんなで無事に『王の器』を手に入れた私は、火防女パワーで次のエリアへと向かうのでした。

 

 はてさて、次こそはまともな冒険が待っていればよいのですが。

 

 

 ◆ ◆ ◆

 

 

 ~オマケ~

 

 

「細工師の心は木の心。

 木の中に眠るものを起こしてやるのだ」

 

 

「はい、師匠!」

 

 

 一心不乱に木を削るスモウ。それを見守る目はなくとも動作だけで感じ取れるゴー。

 

 二人の師弟関係は、まだまだこれから!

 

 その熱の入りようは騎士というよりは細工師そのもの。

 

 結局、四騎士にまともな人はいないのでしたとさ。




 ~後書き~

 次回はどのエリアにするか。
 まぁ、『病み村』になりそうですけどねw

 『病み村』を書き足りなかったので次回は番外編だと思います。
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