『エレーミアスの絵画世界』って、64のマリオみたいですよね。
でも今回は『公爵の書庫』のお話。
プレイ中の『ディスガイアD2』にて最強の剣<バールソード>入手記念に執筆♪
さてこの先、攻略に関係ないエリアはどうしようか思案中です。
王の器を手に入れたので篝火転送が出来ますし、最後に『最初の火の炉』へ行けば道中はどの順番でもいいんですよね。4つの王魂を手に入れたらもうゴールしてもいい気がします。
エレーミアス、最下層、大樹のうつろはどうしたものか……。
今回の話の<かぼたん>のテーマ曲は『がんばれ女の子』です。
◆ ◆ ◆
グウィネヴィアさんとの対談(?)を済ませ、無事に『王の器』を手に入れた私が次に向かうのは『公爵の書庫』。
アノール・ロンドから一番近いから来たわけですが、ここのエリアボスも変な人に違いないでしょう。
今まで巡ってきたエリアの管理者たちはカリスマがある人もいましたが、変わった人が多かったですからね。しかも聞くところによると書庫内に引き籠っているようですし。
そう考えた私を誰が責められましょう?
ですが、私の現状を知れば、「やれやれ」と思ってくれるはずです。
「あの~、そろそろ出してもらえませんか?」
「それは出来ん相談だ。
全身黒尽くめで、眼を蝋で潰されているだなんて罪人に違いない。怪しい」
確認が取れるまで、しばらくは大人しくしているのだな」
牢の前に立つ蛇人さんは己の職務をきっちりと果たし、こちらに構う気は皆無のようです。
そして私が今いるのは『公爵の書庫』の牢屋。『書庫塔』という地下へ伸びる書庫を兼ねた牢屋です。
一体どうして、こうなってしまったんでしょうね?
◆ ◆ ◆
時を遡ること数時間。
『アノール・ロンド』から空をふよふよと飛びながら『公爵の書庫』を目指していた私は地上から弓矢で狙撃を受けてしまいました。
「侵入者ダー!」
「モット矢を持って来るデース!」
次々と飛んでくる矢を魔法『完全な防護』と持ち前のデーモン耐久力で耐えますが、やはり痛いものは痛い。
すぐさま距離を詰めて蹴散らしたまではいいのですが、この『公爵の書庫』は今までの他のエリアとは違ったのです。
「今すぐその破壊行為をやめなければ、貴様をロードラン全域に指名手配するぞ!」
そう、なんとこの『公爵の書庫』は暴力行為には特に厳しい場所だったのです。
そっちから攻撃してきた、という理由も通じないようなので、仕方なく抵抗をやめると向こうも大人しくなったのですが、今度は牢屋へと連れていかれてしまったのです。
それが現在。
◆ ◆ ◆
「だからぁ~、私はロードラン観光に来ただけですってばぁ~。
『城下不死街』とか『病み村』とか、あちらこちらに知り合いがいるから問い合わせてくださいよぉ~」
「五月蠅いぞ、進入者め!
例えお前の言葉を信じても、人型のデーモンで空を飛んで現れる輩は善悪関係なく危険度が高い。確認は絶対だ!
しかし他のエリアに確認を取ろうにも、シース様がお休み中のために我々だけで他エリアへの干渉は出来ん!
つゥ~まァ~りッ! しばらくは牢屋暮らしだ!!」
こちらの話を聞く気が無い蛇人さん。ふむぅ~、頭の固い人ですね。
この蛇人さんは、腰に鍵を付けた状態で私に背中を向けていますし、こっそり始末するのは可能ですが、それは出来ません。
せっかく無抵抗で捕まったのに、ここで暴れたら意味ないですものね。
「それなら少し世間話に付き合ってもらえませんか? 暇ですし」
「ほう、この俺をシース様の第一側近に最も近い立場と知っての情報収集か?」
「あなたはそんなに偉い人なんですか?
たかが侵入者一人の牢屋番をしているのに?」
「……シース様は鱗のないドラゴンでな。
俺のように鱗がある者を近くに置くのを好まないのだ」
だがいつの日か認めてもらう、と豪語する蛇人さん。
ですが詳しく聞くところ、エリアボスのシースさんは、研究施設『結晶洞穴』の奥にある自室の警備に<五足のバイバル>という、足の生えた珍妙な貝に任せているとか。
そんな方たちに負けるようではこの蛇人さんの出世はなさそうですね。
そこでふと疑問に思ったことを聞いてみます。
「どうしてシースさんのエリアで働いているんですか?
出世の望みもあんまりないし、他にもエリアは幾つもあるのですからエリア移動も悪くないですよ?」
前に樹人さんの転職話を聞いて思いましたが、このロードランでは転職は割と自由なようです。
だからこその私にとって当然の疑問でも、この蛇人さんには当然ではないようです。
「俺は幼い頃にシース様に命を救われたからな。
あの方に出会っていなければ死んでいた命。
ならば恩を返すために生きるのもいいだろう?」
「何気に忠誠心が高いんですね」
この言葉がきっかけになったのか、蛇人さんは堰を切ったように自分のことや『公爵の書庫』について話し始めてくれました。
何でもこの『公爵の書庫』は鱗のないシースさんが鱗を生やすための研究施設として作ったようで、人間で言うところの毛生え薬の研究室でしょうか。
副業で本屋さんを営み、希少な本もレンタル出来るそうです。
中には魔術、呪術、奇跡の禁書や、えっちな本も多いため、そういうお客さんで賑わっているんだとか。
そういえば以前にお邪魔した『狭間の森』で、ハベルさんがレンタル会員証を見せてくれましたねぇ~。喜々として。
「娯楽本も多いから一般向けの貸し本も数が多いぞ」
「でもえっちな本はもっと多いんですよね?」
「……少しな」
蛇人さんも社員割引でよく利用しているそうです。
「それで結構話しましたけど、まだ私は出られないんですか?」
「シース様がお休み中につき、今日は一日ここだろうな」
「ちぇっ」
シースさんは一日の大半を自室で寝るか研究するかで過ごしているそうです。
やっぱりここで一晩明かすしかないようですね。幸いにも部屋は綺麗ですし毛布もあるので何とかなるでしょう。
では、おやすみなさ~い♪
◆ ◆ ◆
ガシャーンガシャーン
ガシャーンガシャーンガシャーン
牢屋にて熟睡していた私ですが、何か大きな金属音に起こされました。
ガシャーンガシャーンガシャーンガシャーン!
最初は建物の外で響いていた音も、段々と近づいていますね。
「ちょっと蛇人さん。騒がしいですけど警備は問題ないんですか?」
牢の前に立つ蛇人さんを探しますが、何故か蛇人さんはいませんでした。
はて? あの人は職務熱心な方でしたし、私が牢に居るのに何処に行ったのでしょう?
牢の格子を砕いて外に身を乗り出して見ると、他の牢の警備をしていた蛇人さん達まで見当たりません。
遠くで響く金属音はこちらに近づいてきます。
「もしかして本物の侵入者がこの書庫を破壊しようとしているのでしょうか?
警備の蛇人さんも居ないですし、これって勝手に牢の外に出てもいいんですかね?」
そんな事を考えながら、「まぁ、ノリで静観していよう」と結論が出たところで金属音の正体がこちらに姿を現しました。
「かぼたぁぁぁぁぁぁぁぁーん! わしの愛しい弟子のかぼたぁぁぁぁぁぁぁーん!!!」
「……アンドレイ師匠?」
現れたのはアンドレイ師匠。巨大ロボに乗って派手に表れました。
巨大ロボの登場ですから壁破壊は基本。
「おぉ! <かぼたん>、ここにおったのか。探したぞ♪」
「えっと、師匠。何から聞くべきか分かりませんがまず一つ。
なんでロボットに乗ってやって来たんですか?」
「無論、カッコいいからじゃ!」
ですよねぇ~。私の師匠なら、そういう理由だけで巨大ロボに乗って暴れるくらいしますよ。
あと、このロボットの名前は<グレートアンドレイガー・X>だそうです。ロボットの胸部にそう書いてあります。
「弟子が行方不明になったので探しに来たんじゃよ」
「行方不明って、そんな大げさな。
ちょっと牢屋に閉じ込められちゃっただけですよ」
「いいや、大袈裟などではない。
師より先に弟子は死なさん。太古から受け継がれた師弟関係の基礎じゃ」
胸を張って答える師匠。
まさに有言実行。この言葉は師匠のためにある言葉です。
腕を磨いて一人立ちした弟子が遠く離れても、決してそのピンチを見逃さない師匠パワー。
しかもこうして巨大ロボットに乗りながらも、制圧は必要最小限の破壊に抑える奥ゆかしさ。
まさに師匠こそ、師匠の中の師匠といえましょう。
「良いか<かぼたん>よ。
どんな状況であっても鍛冶の心を忘れるでないぞ。
鍛冶の心は火の心。昔から鍛冶屋は鍛冶技術と呪術の両方を修めてこそ一人前と認められてきたのじゃ。
故にこんな場所でも鍛冶の修錬を欠かしてはならん!」
「はい、師匠!」
そうして私とアンドレイ師匠は書庫内で鍛冶の修行。
燃えるものが多い場所での鍛冶なのですから、火事が起きるのも当然。……えぇ、ちょっと書庫内に山積みされていた古本に火が燃え移ってしまいました。
「火事ダー!」
書庫内はパニックとなり、誰とも知れぬ悲鳴と炎の燃え広がる音が響く状況。
これはちょっと魔法『水のベール』程度じゃ消えないですよね。他に水系魔法ってありましたっけ?
「師匠、何か対策はありますか?」
「ふっふっふっ、弟子のためなら命を張れるこのわしじゃ。当然、策はあるよ
グレートアンドレイガー・Xという策がな」
師匠の秘策、アンドレイガー・Xはリモコン操作で水を噴射。
火はあっさり消えましたが、それでも水の威力は衰えず、柱や壁を砕きながら崩壊させていくという、大変危険な状況を作ってしまいました。
これは炎以上に被害を拡大しているようですが、見なかったことにしましょう。
「危ない!」
しかし、見なかったことにするためには関係者全員の無事と笑顔があってこそ。
師匠はグレートアンドレイガー・Xを自律行動させて救助活動をしていますが、倒れた柱が逃げ遅れた人たちに向かって倒れますッ!
「わしが死なさんと言ったら、災害だろうが運命の神様だろうが殺すのは諦めんかい!」
アンドレイ師匠は足に車輪でも付いているのかと言う速さで倒壊してくる柱を殴り飛ばし、地面に倒れていたスキュラさん達を救出。
災害を起こした本人が言うのもどうかと思いますが流石は師匠。カッコいいですね♪
「ふむ、可愛らしいお嬢さん方、怪我はないようじゃな」
「あ、貴方様は昔たった一人で『公爵の書庫』の本を全て読破して身に付けた頭脳と、『結晶洞穴』の見えない床を全力疾走する豪胆な眼力を持つ伝説の鍛冶屋! アンドレイ様!!!」
「え? 師匠ってそんなことまでしていたんですか?」
彼女たちが言うにはアンドレイ師匠はロードランにおいて知る人ぞ知る凄い人らしく、グウィンさんが居る『最初の火の炉』を最初に攻略した戦士でもあるそうです。
「<かぼたん>や、ちと暴れすぎたようじゃ。脱出するぞ」
「怪我人はみんな<グレートアンドレイガー・X>に乗せたみたいですけど書籍はどうしますか?
ここには貴重な本が多いみたいですけど」
「それならわしが全部記憶しておるよ。
帰ったら分速100万文字の速記ですぐにでも作りなおすわい」
以前に師匠が来た時も似たようなことがあり、その時に原本が燃えたものも師匠が書き直したんだそうです。
「目指すは引き籠っておるシースの部屋じゃ!」
「おー♪」
グレートアンドレイガー・Xの発進です♪
◆ ◆ ◆
空を飛び、『結晶洞穴』内の結晶を砕きながら一直線に進む先にその部屋はありました。
カサカサカサカサカサカサカサカサカサカサッ
蛇人さん曰く、シースさんから信頼の厚い門番にして、見た目よりも強い<五足のバイバル>ちゃん達がまとめて蹴散らされます。
グレートアンドレイガー・Xの戦闘力は、一般的な<ロングソード>の攻撃力を80とするならば、その攻撃力は2万2500です。
しかもまだ作成したばかりで楔石による強化を行っていないと言うのですから師匠の鍛冶発明って凄いですよね♪
「シースぅぅぅ~! てめぇ、人の弟子を攫っておいて居眠りたぁ、イイ度胸じゃねぇか! あぁん!?」
「ア、アイエエエ!? ア、アンドレイ=サン!?」
思っていたよりも小心者のシースさん。ドラゴンだけあってシースさんって大きいんですね。
そんな大きな体を縮めるほどビビらせる師匠も凄いですけど。
「なぁ、シース。前にわしが来た時に言ったよな?
一つ、悪い事はしない。
一つ、図書館運営は怠けない。
一つ、過去に実験に使ったスキュラ達は元の姿に戻す。
何一つ出来ておらんじゃろ」
「し、しかし、アンドレイ=サン……」
「言い訳は聞かん。
わしの可愛い弟子の<かぼたん>が無実で捕まった。これは悪い事。
火事で崩壊しているのに気付かず居眠り。これは図書館運営を怠けている。
スキュラ達が未だに触手うねうね。以前来た時は元に戻す薬は量産するだけだとか言ってなかったか?」
「アイエエエ! アイエエエ!」
恐怖のあまり、シースさんは失禁。
すでに言語能力がおかしくなってしまったシースさんに返答を求めるのは酷だと思いますよ師匠?
これぞまさに、カジヤリアリティ・ショック! 歴史の裏に鍛冶屋あり。師匠はあらゆるエリアの裏を知る隠しボス的な立ち位置なのでしょう。
「よし、<かぼたん>。王のソウルを求めておったんじゃろ?
ビビりまくっとるシースからソウルの一滴まで絞り尽くすといい♪」
「いいんですか師匠? シースさん気絶してますけど?」
「気絶する方が悪い」
「そうですね」
ソウル操作能力を用い、シースさんからソウルを吸収。
結構な量のソウルを取りましたけど、元々のソウル量が大きいから大丈夫でしょう。
「よぉし今日はみんなで宴会じゃ♪」
費用はシースさんが担当の大宴会の始まりです。
スキュラさん達は結局アンドレイさんが鍛冶屋的に元の姿に戻すことで元通り。
美人さんが多く、師匠はモテまくりでした。
「わし自身ロボじゃし、見た目が爺さんなんじゃがのぉ」
「カッコいい男性は幾つになっても種族が何であっても持てるものですよ、師匠♪」
こうして師匠による私の救出劇は派手に終わり、この先の旅への期待感も膨らむのでした♪
~後書き~
シースとアンドレイは以前にも会っているので、正しくは「カジヤリアリティショック・フィードバック」でしょうね。あまり関係ないですけど。
次回はたぶん、イザリスを書くと思います。
あそこはデーモン遺跡も含みますし、タダちゃんはさておき、百足と炎司祭までいるので長くなりそうですから早いうちに済ませておきましょう。
混沌家の姉妹喧嘩も書きたいですから♪
ちなみに今回の話のアンドレイのテーマ曲は『ぼくらの非想天則』で書いていました。