<かぼたん>が『エレーミアスの絵画世界』に入れたのは「人形のデモンズソウル」を持っているからと言うことで。
『北の不死院』を再度訪れるのも面倒ですからね。
しかしエレーミアスって、言い方を変えれば会員制の特別なエリアって感じですよね♪
今回は前回のクラーグ達がイザリスに行っている間の出来事――エレーミアスでの<かぼたん>視点の話と、『地下墓地』の攻略と、『巨人墓場』の最初を少し書いていきます。
文字数の割に詰め込み過ぎたかも知れませんね♪
◆ ◆ ◆
変わらぬ雪景色は変わらないからこそ美しいもの。
少しばかり寂しいけれど、暖かさは感じられる。
そんな場所が『エレーミアスの絵画世界』
「<かぼたん>さん見ーっけ♪」
「きゃ! プリシラちゃん不意打ちはずるいですよ♪」
ひゅんひゅんと飛び交う雪玉を避けながら、距離を詰めたり離したり。
雪合戦会場は大盛り上がり。
「<かぼたん>さーん。プリシラー。新しく雪玉作ったよー♪」
審判のジュレマイアさんが大量の雪玉をエリア内に撒いてくれます。
今日はこのエリアで何度目かの雪合戦の日。
<かぼたん>チームと<プリシラ>チームに分かれての勝負ですが、これがなかなかに熱い。
チーム戦と言いつつ、自分一人でも生き残って敵を全滅させれば勝ちだから味方を守る必要はないんですけどね。
「ふふふ、プリシラちゃん。その程度の速さでは私には当たりませんよ」
「むー、<かぼたん>さんクイックムーブは反則だよ~」
「自分に使える手はどんな手段でも使っていく。戦場では基本です」
幾ら投げても雪玉が当たらないことに痺れを切らし、ついにプリシラちゃんは切り札を切ります。
「車輪スケルトン隊! 助けて~♪」
彼女はこのエリアのボス、カリスマ、女王様、アイドル。
その彼女に頼まれれば躊躇なく飛び出してくるのが彼女の配下達。
プリシラちゃんと同じく彼ら車輪スケルトン隊の方たちとも親しくしていますが、それでもプリシラちゃんを優先するのは素晴らしい忠誠心ですね。車輪スケルトンさん達は私のチームだったんですけど。
でも、それも気にせず華麗に避けまくらせてもらいます。そして各個撃破。シュシュシュシュ!
「むきー! <かぼたん>さんずるいよ~、速いよ~」
「ルール違反じゃありませんからね。
出来ることをして勝つだけです」
最後の一発をプリシラちゃんに当てることで試合終了。
私のチームも何故か彼女を守るために散っていったので、さながら私一人対エレーミアスの全員でしたが勝てるものですね。
「うー、透明になれるのになんで<かぼたん>さん見抜けるの~?」
「そこはホラ、デーモン洞察力って感じで♪」
エレーミアスでの最後の日。私はこんな風に彼女たちと楽しく過ごしました。
◆ ◆ ◆
「それからエリア外への旅に出て早数日。
やってきたのは『地下墓地』。
さぁ、私たちを待ちうけるものとは一体!?」
「<かぼたん>さん何言ってるんですか?」
「雰囲気です♪」
はい、エレーミアスでの雪合戦が思い出に変わりつつある今日この頃。
私とプリシラちゃんは現在、暗くて怖~い墓地――『地下墓地』に来ています。
「ねぇ、<かぼたん>さん。
私エリアボスなのに本当にエリア外に出ても良かったのかな?」
「ジュレマイアさんがしっかりとやってくれてますよ。肩の力を抜いてくださいプリシラちゃん。
あのエリアの皆さんの総意がプリシラちゃんの勉強だから、誰も反対しなかったんじゃないですか」
エリアを離れるのが気になる様子のプリシラちゃん。
彼女は引っ込み思案な性格だったそうですが、私と接しているうちに明るくなったとかで、私がエレーミアスを去る時、ジュレマイアさんから旅に同伴させてほしいと頼まれたんですよね。
半竜と言うことで、外の世界で辛い目にあって引き籠っていた彼女をもう一度外に連れ出す。
きっとジュレマイアさんも、他の人たちもつらかったと思います。
それでも私になら預けられると思ってのことでしょう。
その信頼に応えるためにも、たっぷりと可愛がって外の世界への冒険心を教えてあげましょう♪
「プリシラちゃん――いいえ、私のこの地での三人目の弟子よ。よく聞くのです。
私たちの目的地はこの先にある『巨人墓場』ですが、難易度の高いエリアです。
付いて来れますか?」
「むふー♪ <かぼたん>さん、私を舐めちゃダメだよ~。
これでも私はボスだったんだから。ボスは強いんだからね♪」
「そうですね。すでに一人前のプリシラちゃんに心配は無用でしょう。
では覚悟も決まったところで攻略を開始します」
そこからは冒険に心躍らせる時間。ときめく体。迸る汗。健康的♪
『巨人墓場』へ向かうと言った手前、今いる『地下墓地』をあまり語るわけにもいかないのでスルーしたいところですが、それでも全く語らないわけにはいかないでしょう。
特に苦戦することもなく、空を飛べて姿を消せる私たちは、落下の心配もせずに一直線に『地下墓地』の底に着きました。
そしてエリアボスの<三人羽織>さんを撃破。
「むー、さっきの部屋にいた<三人羽織>さん、弱かったですよ……。
私も<かぼたん>さんも、全然本気になれなかったもん」
「まぁまぁ、プリシラちゃん。あまりわがままを言っちゃ駄目ですよ。
それに<三人羽織>さんがエリアボスなのになぜ弱いか考えたことがありますか?」
「何か理由があるんですか?」
「実はですね、<三人羽織>さんは私達が目指す『巨人墓場』にも沢山生息しているんです。つまりは雑魚キャラです。
この『地下墓地』でエリアボスをしていた<三人羽織>さんは、仲間から嫌われ、追いやられ、行くあてもないからここに来て、名目だけのエリアボスをしているんです。
だから道中のスケルトンさん達より弱く感じても怒ってはいけません。
<三人羽織>さんは<三人羽織>さんなりに必死に頑張っているんですから」
慣れた不死の巡礼者さんなら、篝火に注ぎ火をするためにここを一番に攻略する人もいるそうです。
ですが決して弱いからと言って<三人羽織>さんを馬鹿にしてはいけません。
きっと『地下墓地』にいるスケルトンさんや<爆発する浮遊頭蓋>さんもそれを分かっているからこそ、<三人羽織>さんを受け入れ、エリアボスをさせてあげているのですから。
「<かぼたん>さん。私分かったよ!
弱くても<三人羽織>さんを馬鹿にしない。
だって私と似たような境遇なんだもん」
「はい、プリシラちゃんは偉いですね♪
私の弟子を卒業するのも近いかもしれませんね」
「えー、私はもっともっと<かぼたん>さんから教わりたいよ~」
「ふふふ♪」
教えることで見えてくるものもある。アンドレイ師匠から私が教わったのは鍛冶や呪術だけではありません。
人との出会いの大切さを改めて気付かされる心のゆとりだったのです。
心の中でアンドレイ師匠に感謝をしながら、私とプリシラちゃんは『巨人墓地』へと進むのでした。
◆ ◆ ◆
「たぁッ!
いっくよー、これでどうだー♪
楽勝~♪ 甘い甘い♪」
「プリシラちゃんは暗闇でも元気ですねぇ~♪」
『巨人墓地』にて機能停止したアンドレイ師匠のプロトタイプが落ちていたので鍛冶に使う種火を回収。
その時プリシラちゃんは私の教えた鍛冶と呪術を自分の戦闘に応用し、六人もの巨人骸骨さんたちを無傷で突破。
もともとの素質も大きいのでしょうが、私の教えを少し受けただけでこれとは、先が楽しみですね♪
「ガイコツさん達もすいません。私の弟子が調子にのっちゃって。
でもそのおかげであの子はまた一つレベルを上げたようです♪」
「なぁに、気にしなさんな火防女のお嬢さん。
ワテらはこうやって観光客に倒されることでお金もらっとるけぇ♪」
一応言っておきますと、この『巨人墓場』は観光客を襲うアトラクションを売りにしているエリアです。
骸骨さん達は不死者と違って血をまき散らしたりしない分、爽快に吹き飛ばしてもエリアを汚さずに復活してくれるので人気のエリアだそうです。難易度は高いですけど。
「それとお嬢さん。この先は最近変な宗教の勧誘が広まっとるけぇ気ぃつけや」
「宗教ですか? そういえば白教のレアさんって人が広めていると聞いたことがあるような……」
「ほうじゃ、そのレアっちゅうのが厄介なんよ。
あっちの白いお嬢ちゃんはあんたよりも純粋そうじゃし目を離さん方がええ。騙されて痛い目にあった仲間も多いんよ」
「御忠告ありがとうございます」
ふむ、単騎での戦闘力がロードランでもトップクラスの巨人骸骨さんが面倒がる宗教ですか。
これは気合いを入れないといけなさそうですね。
「おーい<かぼたん>さ~ん。
早く来ないと置いてっちゃうよ~♪」
「は~い、いま行きま~す♪」
まっ、何とかなるでしょ♪
では『巨人墓場』のさらなる奥底へとレッツゴー♪
~後書き~
プリシラを少し幼く書き過ぎた気もしますが、まぁ実際彼女は可愛いのでこういう視点から彼女を語るのもまたアリな訳で。
プリシラ心得その1 ~語尾に「ッス」をつけることッ!~ としなかっただけ良しとしましょうw