ロードランは今日も平和です   作:ヨイヤサ・リングマスター

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 何だか書きあがっちゃったので投稿します♪

 本当は書き溜めてから投稿するつもりでしたが、一話で終わる短編めいた話でストーリーを進めていくなら投稿がのんびりになっても問題ないと思ったものでw

 私にしては珍しく、久し振りに最終話をどうするか考えずの連載ですが、たぶん書いている途中で最終話も思いつくでしょうし完結はするでしょう。(根拠のある自信)

 まぁ、かぼたんの可愛さが語れればそれで良いと思っているので毎日更新ではありませんが、のんびりと楽しんでもらえれば、と思います♪


 


第二章:かぼたん、旅と出会い編
第六話:アナスタシア、キレる


「アナスタシア様も<かぼたん>様も、ここは手すりもなくて危険ですからお手を」

 

 

「あいや待たれい! アナスタシア様と<かぼたん>様のエスコートなら某に任せるのじゃ」

 

 

「ささっ、ロードランと言えば、『火継ぎの祭祀場』の次に訪れることをお勧めするのは『城下不死街』です。

 裏路地は多少荒れていますが、アナスタシア様に忠誠を誓う<牛頭のデーモン>様が中ボスとして取り仕切っておりますので見どころ豊富ですぞ」

 

 

「いやいや、『城下不死街』も良いですが、その先の『不死教区』も負けず劣らずの名所!

 “罪の女神”ベルカ様の信者が取り仕切っているので観光にはお勧めですよ」

 

 

 火継ぎの祭祀場から一歩出た私とアナスタシアちゃんを出迎えるのは半裸の亡者兵さんたちでした。

 

 

「亡者がいることは聞いていましたが、その亡者さんたちが親切なのは意外ですね」

 

 

「そうッスか? 先輩のいたボーレタリアではどうか知りませんが、この地の亡者たちは基本的に親切らしいッスよ」

 

 

 何でもエリアごとに取り仕切るボスが居て、そのボスへの忠誠心や愛で動いているため、亡者たちは各々の主のために人間性やソウルを捧げてくれる観光客誘致に力を入れているとか。

 

 

「それにしても牢から出たことも声を出したこともない私が『火継ぎの祭祀場』のボス扱いされていたのは意外ッスけどね。

 牢から出ただけでこの取り巻き連中に歓声と共に迎えられるだなんて、やっぱりもう少し早く自分中心に動けば良かったッス」

 

 

 アナスタシアちゃんも早速亡者さん達の扱いに慣れたようで、ジュースを受け取りながら笑顔で手を振って歓声に応えています。

 

 

「よーっし、亡者共ォー!

 私と先輩は『城下不死街』に行ってくるから、ここの留守は任せたッスよー!

 火も守ってろよー!」

 

 

『ウォォォォォォォォォォォォォォーーーッス!』

 

 

 

 火防女がその任を放棄して出ていくのもどうかと思いますが、その辺もあなすたしさちゃんは分かっています。

 

 亡者さんたちには幾つかの人間性と100ソウルのライターを渡してありますので、この地の火が消えることはないでしょう。

 

 いよいよ冒険の始まりです♪

 

 

 ◆ ◆ ◆

 

 

「うーん、やっぱり材料が不足していますね……」

 

 

「そうッスね。やっぱり経年劣化が激しいですし、木材も石材も新しく用意した方がいいと思うッス」

 

 

 『城下不死街』にやってきた私たちですが、現在、街の修繕活動をしています。

 

 ここに来る前に聞いていた通り、表通りは綺麗に掃除してありましたが、少し裏を歩けばゴミクズばかり。

 

 『火継ぎの祭祀場』と違ってうらぶれた亡者さんが多く、この近辺のボスであるアナスタシアちゃんに攻撃してくる人までいます。

 まぁ、これはアナスタシアちゃんがずっと牢に引き籠っていたから顔を知らなかっただけでしょう。

 

 アナスタシアちゃんがボスとして、奇跡『緩やかな平和の歩み』を使用しながら拳でボコることで教育出来ていますし問題ないはずです。

 

 

「てめぇーら材料持って来いやぁー!

 かぼたん先輩の歩く道にゴミクズ転がしてんじゃねぇー!」

 

 

「アバーッ!」

 

「アイエエエ!」

 

「ヨロコンデー♪」

 

 

 ボス直々の教育だけあって、『城下不死街』は全て綺麗になりました。

 

 やっぱり綺麗にしないと観光客も来てくれませんからね♪

 

 

「さってとー。そんじゃ行くッスよ<かぼたん>先輩♪

 ここら辺は、ボスの私が牢に居たから<牛頭のデーモン>ってのが中ボス張っててくれたみたいッスけど、会ったこと無いッスからね。

 やっぱこの近辺のボスとしちゃあ、私も下の奴に顔合わせくらい必要だと思うんスよ」

 

 

「それは当然ですよ。

 親しき仲にも礼儀あり、といいますが、アナスタシアちゃんと<牛頭のデーモン>さんは顔合わせすらしていないんですからね。

 今後の『火継ぎの祭祀場』と『城下不死街』の集客のためにも、じっくりと話し合うことは多いはずです」

 

 

 そうして亡者さんたちに案内されて『城下不死街』の奥へ移動。

 

 道中、黒騎士さんがジャンピング土下座しながら近寄って来たと思ったら切腹しようとしたのには参りましたけどね。

 

 私たちをエリアボスとその先輩と知らずに襲いかかった亡者さん達のケジメだとか言ってましたけど、目の前でハラキリ見せられたら溜まりませんよ。

 

 何とか宥めたら今度は観光記念に、ってことで青い宝石のついた指輪もらっちゃいましたけどいいんですかね? これ結構高そうですけど。

 

 あ、左手の薬指にはめた訳じゃないですよ!

 

 

「アナスタシア様。<かぼたん>様。

 この先に我らの大隊長、<牛頭のデーモン>様が居られます」

 

 

「うむ、案内御苦労。

 では私と<かぼたん>先輩は<牛頭のデーモン>と顔合わせの後はそのまま別のエリアへ旅に出るから警備を引き続き頼む。

 これまでもこれからもよろしく頼むぞ黒騎士」

 

 

「感謝の極み」

 

 

 意外と真面目な顔も出来るアナスタシアちゃん。

 

 ちょっとカッコいいですね。

 

 ではボス部屋への白い霧を潜ってっと♪

 

 

ショオーーオーーン(SE)

 

 

「お待ちしてましたぁ。アナスタシア様。それに<かぼたん>様。

 おらぁ、アナスタシアの代わりにこのエリアを取り仕切ってた<牛頭のデーモン>だべ」

 

 

「歓迎感謝する。

 私が牢に居る間、苦労を掛けたようだな。

 しかし観光地化しているのならもう少し早くに言ってくれても良いものを」

 

 

「アナスタシア様にはぁ、アナスタシア様の目的があると思ったんだぁ。

 おら達ぃ、アナスタシア様が自分から出てきてくれるの待ってるだけで幸せだったんだぁ♪」

 

 

 ふむん、この<牛頭のデーモン>さん。強面で見上げるほどの巨体なのに、縮こまって頭をかく様は可愛らしくもありますね。

 いや、無駄に威圧的な態度をされても嫌ですけど。

 

 これだけ人当たりが良ければ観光地としても上手く取りまとめているんでしょう。

 

 

「それよりぃ、アナスタシア様ぁ。

 おらぁ頭が悪ぃから、これまでの経理を近くに住む商人に任せてたんだぁ。

 もし良かったらぁ、これだけでも手伝ってもらえねぇべか?」

 

 

 ……これは嫌な予感がするんですが。

 

 

「まったく、放ったらかしにしていた私が言えたことではないが、しょうがない奴だな。

 ほら、見せてみな」

 

 

 アナスタシアちゃんはずっと牢にいたからか、人から頼られることが嬉しくて仕方が無いようですが、この手のパターンはどうにも最悪の結末になるような気がするんですよね。

 

 

「…………」

 

 

 <牛頭のデーモン>さんに帳簿を見せてもらったアナスタシアちゃんの空気が凍る。

 

 いえ、正確には凍るどころか、ふつふつと呪術の炎すら越える怒りの感情でしょうけど。

 

 

「何じゃこりゃぁぁぁぁぁぁーーー!!」

 

 

「ひぃぃッ!!」

 

 

「あ、やっぱり悪い予感が的中しちゃいましたか」

 

 

 帳簿を引きちぎりながら<牛頭のデーモン>さんに投げつけるアナスタシアちゃん。

 

 

「どうして、今月の稼ぎが100ソウルぽっちなんだ!?

 来場者数10万人を軽く超えてんのに気付かなかったのかよ! なぁ?

 それに何だこの数字は!? 『経理担当料:10万ソウル』ってありえないだろ!?」

 

 

「し、商人がぁ、収支のバランスは取れてるからって……」

 

 

「うぉい! その商人ぜってぇぼったくってるぞ!

 てゆーか、その商人って、ここの篝火の近くで打ち刀持ってる商人か?」

 

 

「はいだぁ……」

 

 

「アナスタシアちゃん、その商人さんって、さっき『今日は店仕舞いだ』とか言って私たちと入れ違いに帰って行った人ですよね?」

 

 

「うぉぉぉぉぉー!

 どうしてこんな分かり易いぼったくり商人を見逃しちまったんだぁぁぁぁー!

 この馬鹿牛もそうだが、私自身の不甲斐なさにも腹立つぅぅぅ~~!!!」

 

 

「借金自体は100万ソウルくらいですね。

 アナスタシアちゃんも、興奮するのは分かるけど、私が立て替えておくから落ち着くことから始めましょう」

 

 

 しかしそれで落ち着くほどアナスタシアちゃんは温くありません。

 

 燃える怒りは<牛頭のデーモン>さんだけでなく、ボス部屋前で待機している亡者さんたちや黒騎士さんたちでさえ震えあがるほどです。

 

 

「ところでアナスタシアちゃん」

 

 

「……何ッスか?」

 

 

「このソウルを借りた相手……、【『病み村』代表取締役クラーグ】ってありますけど、同じ火防女仲間の<混沌の娘>さんのいる病み村のことですよね?

 横領していた<城下不死街の商人>さんが証拠を残しているかは分かりませんが、『病み村』に行けば何か繋がりが見つかるかもしれませんよ」

 

 

「そうッスね。それじゃ早速行こうじゃないッスか!

 ……でも、私はこいつらを放置したまま行くわけには行かないッスよね」

 

 

 そう、今回の問題の発端でもある<牛頭のデーモン>さんを含めたここ『城下不死街』の人たちは算数すら出来ないのです。

 

 アナスタシアちゃんが牢から出た以上、これからは少しでも借金返済のために働かなければならないですから、私の観光旅行に一緒に来ることは出来ないですよね。

 

 

「うぅ~、<かぼたん>先輩。名残惜しいッスけど私はここで一旦お別れッス。

 今生の別れじゃないッスけど、しばらくは忙しくなりそうッスから会えないのは寂しいッス」

 

 

「こらこら、火防女はみんなの導き手にならなくちゃいけないんですから弱きは駄目ですよ」

 

 

 

 さて、それじゃ旅の続きと行きましょうか。

 

 次の目的地は『病み村』……と、行きたいですけど、観光旅行が目的ですし、まずは『不死教区』に行きましょうか。

 

 “罪の女神”ベルカさんってどんな人なんでしょうね?

 

 

 

 

 




 『城下不死街』のボスデーモンと言えば<牛頭のデーモン>でしょうが、見た目がどうも中ボス的なデザインですので、『城下不死街』はアナスタシアがボスをしている『火継ぎの祭祀場』の管轄ってことにしました。

 あれは見た目からしてエリアボスの器が無いですからね。というかイザリスに沢山居ますし。
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