ロードランは今日も平和です   作:ヨイヤサ・リングマスター

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 前書き:作中で今回のエリア名を『不死教区』と表現していますが正確には『城下不死教区』なんですよね。

 これは『城下不死街』と並んで使われると読み間違えたりしそうですし、意味が通じればいいと思ったので、あえてこうしています。

 他にも分かり易さを優先してちょこちょこ単語を変えていくこともありますが、もしもそのせいで逆に分かりにくいってことがあったら言ってください。
 楽しく書いたものを楽しく読んでもらうことが書き手の喜びですので^^





第七話:ベルカ、すやすや

 アナスタシアちゃんと、彼女の率いる配下の人たちに見送られながら私が次に来たのは『不死教区』。

 

 教会のようですが、ここでは“罪の女神”ベルカさんという人が取り仕切っているようで、少し周囲の亡者さんに聞いてみたところ『貧乳教』という教えを広めているとか……。

 

 それに『アノール・ロンド』という場所が太陽信仰の名の元に『貧乳教』と対をなす『巨乳教』が広められているそうです。

 

 

「貧乳教と巨乳教……敵対はしていないようですが、私は『不死教区』で受け入れてもらえまるでしょうか?」

 

 

 世の大多数の女性よりも大きな自分の胸をむにむにしながら見上げる教会は貧乳教の聖地。

 

 一応、ベルカさんが教育しているからか、ここの亡者さんたちも私が巨乳だからという理由で襲いかかってくるわけではありませんが、用心しておいた方がいいかもですね。

 

 先ほども『城下不死街』と『不死教区』を繋ぐ大橋で、空から炎で奇襲してくるドラゴンさんがいましたし。

 

 ソウルの矢で橋から討ち落としてあげましたが、この橋で警備をしていた亡者さんたちから感謝されたので良しとしましょう。

 

 そして今の私は『太陽の祭壇』という場所の門を潜ったところです。

 

 

「これはこれは美しいお嬢さん。

 随分と立派なお胸をお持ちのようですが、ここ『不死教区』へ何かご用でしょうか?」

 

 

 『太陽の祭壇』から『不死教区』への第一歩を進めた私に声を掛けてきたのは黒騎士さんです。

 

 『城下不死街』の黒騎士さんとそっくりですが別の人?

 

 

「……あぁ、『城下不死街』で私の弟に会ったのでしょう?

 私はあいつの兄で、ちっぱい好きの貧乳教徒としてここの警備員をしております」

 

 

「そうでしたか。私は<かぼたん>と言います。

 観光旅行をしている時にここを見つけて立ち寄ってみました」

 

 

 貧乳教徒と言いつつも自然な態度で接し、相手に不快感を与えない辺りにエリアボスのベルカさんの実力が感じられます。

 

 これはずいぶんと統率された一組織なんでしょうね。

 

 穿った見方をすれば「巨乳なんて見る価値ねーし」と、思っているのかもしれませんが。

 

 

「ささっ、こちらへどうぞ。

 ここはベルカ様の教えに感銘を受けた信者たちで組織されているので、人件費にソウルがかからない分、設備には特に力を入れているのですよ」

 

 

「へー、じゃああのイノシシもマスコットキャラか何かですか?」

 

 

 門を潜ってすぐに出迎えてくれたのは全身鎧に身を包んだイノシシを指さしました。

 

 ……ですがこの子、えらい勢いで突進してきているような。

 

 

『ぶっぽるぎゃるぴるぎゃっぽっぱぁーっ♪』

 

 

「きゃあ!」

 

 

 雄たけびと共に突っ込んでくる巨大なイノシシ。しかしその牙が私を貫くことはなく、

 

 

「オラオラオラオラオラオラオラァ!」

 

 

 黒騎士さんのパンチで沈みました。

 

 

「いやはや申し訳ありません。

 このイノシシ――<アーマードタスク>と言うのですが、図体の割に人懐っこいもので。

 こいつの愛情表現でたまに死者が出るんですよ」

 

 

「そうでしたか。……え? でも死んだ人がいるのに『不死教区』は観光地としてやっていけるんですか?」

 

 

「ここに来る人たちは皆さん不死の呪いに掛かっていますので。

 事情を話せば分かってもらえますよ」

 

 

 なるほど、そう言われてみればこの<アーマードタスク>ちゃんも澄んだ瞳をしていますね。

 

 この目を見ては怒れないです。

 

 

『ぶっぽるぎゃるぴるぎゃっぽっぱぁーっ♪(本当は強いぞアーマードタスク♪)』

 

 

「これは喜んでいる時の鳴き声です。

 <かぼたん>さんを気に入ったようですね」

 

 

「そうですか。確かに可愛いですね<アーマードタスク>ちゃん♪」

 

 

 さて、少し門前で時間を取られましたが、ついに私は教会の中へ……。

 

 

 ◆ ◆ ◆

 

 

「よーっし! 今日もベルカ様に信仰を捧げるための『ちっぱい体操』を始めるぞー!」

 

 

「「「「オーッス!」」」」

 

 

 不死の教会の中。

 

 

「┌(^o^)┘ベル!┌(^o^)┘ベル!」

 

 

「「「「┌(^o^)┘ベル!┌(^o^)┘ベル!」」」」

 

 

 全身鎧に身を包んだ騎士さん達と、兜のみの騎士(?)さんが謎の踊りをしていました。

 

 

「先輩方ー、ベルカ様へのお客様を連れてまいりましたー」

 

 

 ここまで案内してくれた黒騎士さんが声をかけると、騎士さん達は一糸乱れぬ動きで謎の踊りを止めてこちらを見ます。

 

 ……少し気持ち悪いですね。

 

 

「はじめまして。俺はここ『不死教区』にてベルカ様の第一位の側近をしております“罪の騎士”ソラールと申します」

 

 

「ソラールさんですか。はじめまして、私は<かぼたん>と言います」

 

 

 ソラールさんと言う方、バケツのような兜のみを被り、あとはパンツだけという妙な出で立ちですがベルカさんの側近のようです。

 

 

「ソラール先輩は元々は太陽信仰だったのを、ベルカ様に魅入られて罪信仰になった方です。

 『貧乳教』を作ったのだってソラール先輩の実績と言っても過言ではないのですよ」

 

 

 黒騎士さんが補足してくれました。

 

 

「そんなことよりも黒騎士。

 ここからは俺が引き継ぐのでお前は持ち場に戻るんだ。

 無粋な輩は近づけず、観光客にはスマイルを、そして心には常にちっぱいを!

 この心意気を忘れるなよ」

 

 

「はい!」

 

 

 ソラールさんは爽やかな笑顔で立てた親指を立て、それを見た黒騎士さんは敬礼で返す。これが魂で通じるものがある同士の友情ですかぁ~。

 

 男の友情ってのも、何だかカッコいいですね。

 

 

「それじゃ自分はこれで」

 

 

 黒騎士さんは去っていき、さっきまで体操をしていた<バーニス騎士>さんと<バルデル騎士>さんたちもソラールさんを抜きで体操に戻っています。

 

 

「「「「ベルベルー ベルカー ベルカベルベル……」」」」

 

 

 これが信仰の力なんですね。ソラールさんの指揮が無くとも一糸乱れぬ踊りと歌には力強さがあります。

 

 

「さて、それでは我らが主にお通ししたいところですが、ベルカ様は今の時間、お昼寝をしているのですよ」

 

 

「そうでしたか。まぁ、急ぐものでもありませんし、それじゃあ余所を見て回った後にまた来ますね」

 

 

「あ! 別にお会いになるのを断っているわけではないんですよ。

 むしろ是非とも見てもらいたいと言いますか、余所のエリアに行く前に我らの崇拝する女神様の魅力を知ってもらいたいんです」

 

 

「寝ているところに会いに行っていいんですか?」

 

 

 普通は寝ているところを起こされれば機嫌が悪くなるものです。

 

 何故こうも進めるんでしょうか?

 

 

「我らが女神のベルカ様は、ちっぱい教の神だけあって、それはもうたいへん愛くるしい容姿をしているのです♪

 子どもっぽいとも言えますが、ベルカ様の寝顔こそが『不死教区』の一押し観光スポットなんですよ」

 

 

「それは是非とも見学させてほしいですね♪」

 

 

 そうして私は案内された先でベルカさんの……いえ、ベルカちゃんの寝顔を見るのですが……。

 

 意外ッ! それは寝姿の可愛らしさ!

 

 

「zzZ」

 

 

 子どもの寝顔は可愛らしいものですが、これはもう堪りませんね♪

 

 よだれが垂れるたびにソラールさんがタオルで拭き取っていましたが、そのタオルを後でどうするのかは聞かないでおきましょう。

 

 私も人の事を言えないくらいには、この可愛らしく寝ているベルカちゃんに魅了されてしまいましたし。

 

 こうして私の『不死教区』での出会いと発見――この地へ観光に来て良かったと思える時間を過ごすのでした。

 

 さぁ! まだ見ぬロードランの観光名所めぐりはまだまだ続きますよぉ~♪

 

 

 ◆ ◆ ◆

 

 

 ~おまけ~

 

 

「ほら、<かぼたん>さんも見てください。

 これが我らが女神ベルカ様の寝顔です!」

 

 

「はふぅ~、随分と可愛らしい方ですねぇ~♪」

 

 

 時間の感覚に疎い神とはいえ、自分の周りで声がすれば目が覚めるもの。

 

 いや、神だからこそ感覚が鋭いのかもしれんのぅ。

 

 

「(くふふふふ♪ こやつら気付いておらんのじゃな。わっちが寝たふりをしていることに)」

 

 

 我が忠実なる従者ソラール。それと共に訪れた観光客らしい女性は……火防女かや?

 

 まぁ、客が誰であれ、それを薄目に見ながらほくそ笑むわっちこそ、“罪の女神”ベルカ。この『不死教区』のボスじゃ!

 

 ただまぁ、戦闘力はないのでアトラクション的な意味でのエリアボスはガーゴイルのガー君たちに任せておるがの。

 

 それに従者のソラールの奴がよく尽くしてくれておるからわっちが営業に口出すよりもよっぽど儲けが出てるのじゃ。

 

 教会の中に設けられたわっちの昼寝部屋はそれ自体が観光名所になっており、寝っ転がっておるだけで良い簡単な仕事じゃ。やはり神は信者がいてこその神じゃからな。

 

 

「イッヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘ♪

 ンッフフフフフフフフフフフフフフフフフ♪

 ウフフフフフフフフフフフフフフフフフフッ♪」

 

 

 しかし、うるさい同居人? もいるのが面倒じゃがな。

 

 

「あぁ、<かぼたん>さん。それはこの『不死教区』で<アーマードタスク>と人気を二分するマスコットキャラのオズワルドくんです。

 近づくと馬鹿が移りますからお気をつけください」

 

 

「確かにインパクトがあるマスコットですね。私の好みで言えば<アーマードタスク>ちゃんのが可愛くて好きですけど」

 

 

 何やら観光客とソラールが、オズワルドくんについて話しておるようじゃが、さもありなん。

 

 やつの不気味さは神として様々な醜悪なものを見てきたわっちでさえ初見のインパクトが強いからのぅ。

 

 客人はしばらく教会内をうろつき、登頂記念に鐘を鳴らしたり、オズワルドくんの店で土産物を見繕っていたが、すぐに帰って行った。

 

 ふむ、観光が目的……ということは、その内グウィネヴィアのところにも行くのかや?

 

 どれ、わっちも久し振りに観光旅行にでも行ってみるのも悪くないかのぅ♪

 

 

 




 ~後書き設定~ 『不死教区』の<オズワルドくん>

 カリムの教戒師で、とっても挑発的なんだよ♪

 ソウルに貪欲で、誰よりもぼったくるケチ臭い『不死教区』のマスコットキャラなんだ♪

 だけどその不気味さやセリフの皮肉、インパクトはロードランでもトップクラスだから優しくしてあげてね♪

 だけどやっぱり、ぼったくるよ♪

 ◆ ◆ ◆

 今回の作品にて、罪の女神ベルカについてもう一度考えてみました。

 最初に思いついたのは、ベルカって何となくグウィネヴィアの反対のイメージ=ストンな体型。

 次に思いついたのは“罪の女神”ですし、その信者的な意味でも某・隙間妖怪と似たところがあるのかもしれませんが、豊満な女性は沢山いることですし、やっぱり差別化ということで。
 他の「罪」で思いつくのは「ディスガイア」シリーズで一番好きなOPが『罪な薔薇』ですけど、こちらもヒロインが巨乳なので意地でもベルカはちっぱいです!

 あと、信者に自分の髪をタリスマンにして配るというのがどうにも病んでいますし、そんな方向性を間違ったファンサービス(?)から、キャラ設定は他にも色々と思いつきますが、結局『読んで楽しむダークソウル』からそのまんま引き継ぎました。

 不定期更新でも満足感が得られるように、一つのエリアを一話に詰め込むと文字数が増えるものですね。
 私は基本的に一話1500~3000文字が読みやすいと思っていますが、超えないようには無理でした。

 今後も気分で書いていくので、のんびりと見ていってください♪
 それと今攻略中のゲームがいいところなのでしばらくはゲーム優先で行きます。

 予定では次回でアンドレイさんとジークマイヤーさんだけを出すか、もしくはそのあと、病み村か狭間の森に行かせようと思います。

 ご意見、ご感想お待ちしております♪
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