射干玉の闇に灯るは幽けき淡い也   作:真神 唯人

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大好きなゲームです。勢いで書きました。
サブタイトルに捻りなし。そのままです。

追記:2016/1/20 加筆しました







兆しは、夢より来たり

ー閉じた瞼の暗闇の先。

 

眠りの奥のその先から、俺を誰かが呼んでいる。

確かに聞き覚えのあるその声が、誰なのかを思い出せない。

声は、いつも同じことを繰り返し、俺に言う。

 

 しつこいんだよ。何なんだ?。

 

「ねえ。きみは おぼえているはず だよ?。」

 

 何を?。何のことだ?。

 

「ぼくは きみをみてる ずっと。」

 

 だから何を?。誰なんだよ、いつまで俺を呼ぶんだ?。

 

「きみの せかいが また おわるまで。」

 

 は?。「また」って何だよ?。

 

「おぼえているはず だよ きみは ね。」

 

 

    ぬるり。ふと指先全部が、液体に塗れたような感触。

 

突然、スポットライトを当てられたみたいに 俺の周りだけが不自然に明るくなる。

眩しさを避けて恐る恐る両手を上げ目にしたものに、俺は声にならない悲鳴をあげた。

 

 

 何でなんで何で?!。何なんだよ?!。何で俺の手が!!。どうして?!。

 

 

驚いて足元に視線をやると、それは両手だけじゃなかったことを知る。

顔も体もどこもかしこも、べっとりと それに塗れていることを。

 

俺は、まるでバケツで水を被ったかのような血溜まりの真ん中に

棒みたいに、ただ突っ立っていた。

 

意味が分からないまま、膝が、がくがくと震えだす。

その震えは やがて全身にまわって立っているのも覚束ない。

 

 

頭の中に響くのは 声にならない 俺と何かの絶叫。

 

 

と、突然明るさが消え、同時に足元がぽかりと開いて、真っ暗な底に堕ちていく。

どこまでも堕ちて堕ちて堕ち続けて、いつまでも止まらない。

 

闇の中を、堕ちていく感覚が 気持ち悪い。

 

そして、永遠に続くのかと思われたそれは 突然の水音と

俺の体?に、強い衝撃を与えて 終わりを告げる。

 

口に入るのは、とろりとした「何か」。

気持ち悪くてすぐに吐き出す。

 

 

何だ?。粘着質な液体?。何だ、この強い臭いは。

 

 

鉄錆びのような強いこの臭いには、何故だか覚えがあった。

どこでだったか。いつだったか。確かに嗅いだことがある。

 

そして、さっきまで両手を濡らしてた血が誰のものだったかとか、何でこんなものに

塗れているのかとか全部「覚えている筈」なのに思い出せない....思い出したくない。

 

 

 

 

 

「わすれたの? きみがいつも まとっていたものだよ」

 

 

 

***

 

 

    

「(....らと....あ...らと.....)アラト....ッ!!アラト!!起きなさい!!。」

 

 

 

ジリリリリ。ジリリリリ。がこっ。

目を開けて、ベッドからずるりと、目ざまし時計を止める為に伸ばした手は しろい。

 

.....あ?。ああ?。なんだ ゆめ か。 よかっ た。

あれ?。どんなゆめ だったっけ?。 何かすごく怖かったよう な?。

 

 

けれども、起き上がってしまえばもう、ぼんやりとすら思い出せない。その程度。

(だけど忘れてはいけなかった)夢から覚めたら。

 

俺、「祖神 現人(そがみ あらと)」の平凡な日常が始まる。

 

その日もバタバタと急いで着替えて部屋を飛び出す俺に、母さんが呆れた声を耳に

残してくれたから。いつものように、いってらっしゃい気をつけてねといいながら。

 

 

だから、気付かなかった。

 

 

否、気付けなかったのだ。「その声」に。

 

 

 

 

 

 

 

「きみは おぼえているはず だよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




試しに書いてみました。初短編小説です。(文才なさすぎる。)
続きません、すみません。これだけ捻りだすのがやっとでした。

2016/1/20 追記:さらに捻りだしたら、単なる すぷらった に、なった(-_-;)。

短編的な、断片的なものとして続くかもしれません、すみません。

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