(「あの方」の次の思惑は まだ構築中、的な)
幾つもの、光る「渦」が現れては 消えて
幾つかの、光る「渦」が生まれては 死んでゆく。
「世界」は光る「渦巻き」で出来ている。
光る「渦巻き」は、数多の「赤い命の灯」で出来ている。
水の如き赤い灯の奔流が、世界を創る糧であり
世界を生む根源にして、すべての命の源である。
-「禍つ霊(マガツヒ)」-
すべての命の源にして、世界を構築する為の基盤。
これがなければ、世界は、存在も存続も かなわない。
....これがあれば、世界を、「また」 生みだせる。
世界を創る条件は 二つ。
揺るぎ無き、確固たる構成理念をあらわす「理(コトワリ)」と
それを守護する、「神」たるもの。
そして。数多の命の奔流、すなわち膨大な量の「禍つ霊」。
この二つが条件として揃いし時
世界を生みだす、『 創世(そうせい)』へと至る資格を得るという。
....けれど、稀に。
「理(コトワリ)」無きままに、守護する神さえ無きままに
「世界」を生みだすことができることを、【消されし書物】を読んだ者は伝える。
いかなる手立てをもてば 可能なのか。どんな「世界」なのか。
読んだ者は語る。残念なことに、そのページは破れていて、
すでに失われていたということを。
....或いは「意図的に」破られていて、消されたのかもしれないと。
那由他の数の秘密によって、隠されし「真実」に、未だ至る者は無い。
だからこそ、それ故に明かされてはならないこととして 失われたのではないか。
秘密という名の「真実」が、たとえその一端にとはいえ。
終わりなき時の果てに、いつか、辿り着かれ 暴かれ 侵される時など来ないと
はっきりと言い切るには、「ヒト」の思いや念は侮りがたいものである、と。
だが、読んだ者は既に時の彼方に去り、もはやそれらの言葉は
大いなる闇の底に沈み、消えゆくのみであった。
***
数多の光りの「渦巻き」は、ボルテクス界と呼ばれ 存在する。
その中に、在りし日を失い「創世」へ至る為の「卵」となった世界があった。
揺るぎ無き「コトワリ」を持ちし 三人の「ヒト」と
揺らぎ続け「コトワリ」を持てぬまま 虚無に呑まれた「ヒト」と
「ある意思」により 望みもしない力を人ならざる姿と共に
与えられた「元・ヒト」だった者が 血と砂塵に塗れ 彷徨い続けて
進みゆく道を選択し続けた結果。
「卵」の殻が割れて、出てきたのは新たなる「コトワリ」の世界ではなく。
在りし日の、さほど旧くない かつてヒトで満ちていた「世界」だった。
「創世」へと至る資格を手にしたのは
人ならざりし姿と力故に、誰より自由だった「元・ヒト」の少年。
彼が望んだのは 生まれ変わる前の「自分がヒトとして生まれた世界」の存続。
或いは 継続そのものだったのだろう。
「ある意思」の思惑は、少年自身によって外されたのである。
***
ボルテクス界の「外側」。
赤き霊(ヒ)が満ちる経絡-アマラ経絡が敷かれたその先。
更なる深き層に分かたれた-アマラ深界の最下層。
ヒトが行きつけぬ-奈落の底の更に下。
何もない空間に、映るのは創世を成した「少年と、少年が生きる世界」。
淡々と、まるで無声映画のように次々と場面は進んでゆく。
そして薄闇に浮かぶ、不自然なほど巨大な玉座に座る「誰か」が
興味深げに、それを観ていた。
不似合いな、幼い子どもの囁くような声が
映像の向こう側の「少年」に向けられる。
どれをえらんでも きみがのぞみ きょうかんして
つくるのならと おもっていたよ
いきつくさきは ぜんぶ ぼくのところになるから
でも「これ」では ぼくののぞみは かなわないんだ
だから せんたくし を あとひとつ ふやしてあげよう
「そうしたら きみは もっとじゆうになれるよ」
ぼくのねがいをかなえる あたらしい ちから に なれる
じかんは まだあるから 「やりなおそう」 いいよね?
「きみは きみのねがいを かなえたのだから」
ぼくのねがいをかなえてくれる きみに なってほしい
そのためなら どんな「どうぐ」でも そろえよう
なんどだって 「やりなおす」から いいかい?
さいしょの そうせい は
そのための「えさ」なのだから
本筋どこいった?感じになってしまいました。
2016/1/24 ちょこっと加筆しました。
...ますますワケわからんことに。